2025年2月8日
イギリス英字新聞『The Economist』で英語力が劇的に伸びる5つの理由
エバンス愛
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「『The Economist』を読んでみたいけれど、自分には難しそう・・・」
「英語圏のエリートが読むハイレベルな新聞の英語って、どんなのだろう?」
と思ったことはありませんか?
イギリスの英雑誌『The Economist』は、英語力を飛躍的に向上させるツールとして非常に優れています。ですが、日本の英語学習者にはあまり知名度が高くなく、また「エコノミスト」という名前から、経済専門誌と勘違いされることが多い英字新聞です。
私は、これまで5年以上『The Economist』を購読してきました。最初は歯が立たず、積読状態になっていましたが、読み続けたおかげで速く正確に読めるようになりました。また世界のニュースもだいぶ分かるようになりました。
この記事では、『The Economist』が英語学習に最適な理由と、効果的な勉強法を解説します。この記事を読むと、エコノミストやその他の英字新聞、英雑誌を活用し、リーディング力・語彙力・速読力を向上させる方法がわかります。
エコノミストでハイレベルな英語に触れながら速読力を養い、世界のニュースを理解できる本物の英語力と教養を身につけませんか?
コンテンツ
『The Economist』は経済専門誌じゃない!特徴を解説
「『The Economist』って、よく名前は聞くし興味はあるけど、実際はどんな雑誌なの?」という方に、ここで簡単にご紹介させてください。
イギリス発の国際的な英字新聞
『The Economist』はイギリスの週刊誌で、政治、経済、国際関係、科学技術、宗教、教育、文化など、幅広いテーマを扱っています。
主に経済や金融の専門家をターゲットにしてはいますが、彼らは世界で何が起こっていて、今何が流行しているかを幅広く知ることが業務上必要です。なので、経済や金融に限らず、あらゆる話題が取り上げられています。
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私自身、経済や金融はド素人ですが、特別な知識がなくても理解できて楽しめる記事がたくさんあります。
『The Economist』の読者層は知的エリート
『The Economist』は、独自の視点と鋭い分析が高く評価されているので、知識レベルの高い読者が多いのが特徴です。具体的には、世界のビジネスリーダーや経営者、政治家、投資家、研究者、知的エリートなどが主な読者層です。
世界情勢を深く掘り下げる記事が多く、単なる報道記事にとどまらない面白い分析記事がたくさんあります。日本のこともよく取り上げられているので、世界から日本はどう見られているかを私たちが知るのにも役立ちます。
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世界の知的エリートと同じ新聞を読むことで、世界の動向が理解できたり、未来の予測がしやすくなるはず・・・と思いながら、私も読んでます!
他の雑誌にはない、記事の客観性と正確性
『TIME』や『Newsweek』など、日本人英語学習者に人気の英語雑誌の多くは、記事を書いた記者の名前が掲載されています。一方、『The Economist』の記事には、記者の署名がありません。
これが何を意味するかというと、『The Economist』は記者の個人的意見に偏るのではなく、編集部全体の一貫した見解として客観的で正確な記事を提供することを意図しているということです。『The Economist』は、そういう点で世界の出来事を正確に捉えることができるメディアとして評価されています。
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だからと言って『The Economist』が完全に「中立」な新聞というわけではないですよ。どんなメディアも必ず偏りはあります。
購読方法は、「オンライン」か「紙+オンライン」が選べる
『The Economist』は紙の雑誌だけでなく、オンライン版も提供されています。オンライン版では、最新のニュースをリアルタイムでチェックできるので、英語学習にも便利。
公式サイトやアプリから記事を閲覧でき、記事の読み上げ音声(機械の読み上げではなく、人間のナレーターが読み上げた音声)も提供されています。英語学習者には、とてもありがたい機能です。
たとえば2025年2月6日の記事では、フジテレビと中居正広さんの件が取り上げられています!4分45秒の音声付き。
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こんな感じでオンライン版でも十分使えるのですが、私はやっぱり紙の方が読みやすいので、「紙+オンライン」で定期購読して、毎週雑誌を配達してもらっています。
『The Economist』表紙が「予言の書」と呼ばれる理由
『The Economist』は、年末に発行する特集号の表紙デザインが未来を暗示しているということで、「予言の書」などと呼ばれて世界中の人に注目されています。
エコノミストのスポンサーには、世界中に影響力を持つ国際金融資本家がいます。ですから、「予言」と言ってもスピリチュアル的なものではなく、次の一年がどうなるか(あるいは彼らが世界をどう思い通りに動かそうとしているか)を、エコノミストは知っているというわけですね。
過去には経済危機、パンデミック、国際紛争などを予言していたと話題になったこともあります。『The Economist』の読者の間では、「次の年に何が起こるのか?」と表紙を深読みして様々な憶測をする文化があります。
2024年末にエコノミストが発表した、2025年の未来予測イラストは以下。
出典:https://www.economist.com/the-world-ahead/2024/12/19/the-world-ahead-2025
どうでしょう?あえて抽象的に表現しているのでわかりにくいですが、たとえば
・中国の衰退
・電気自動車の不調
・民主主義の危機
・新たなパンデミックの可能性
などが読み取れます。
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私が講師をつとめるSPEEDIER READINGでも、このエコノミストの2025年予測の解説ライブをしました!参加された方には大好評でした^^
『The Economist』で英語力が劇的に伸びる5つの理由
ここからは『The Economist』が英語学習者にお勧めな理由を解説します。
1. 高度な英語表現に触れられる
『The Economist』の記事は、洗練された英語表現が多用されています。イギリス英語特有の、比喩や皮肉のこもった表現がちりばめられています。
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真面目で堅苦しい英語ばかりかと思いきや、ダジャレや言葉遊びがたくさんあり、それに気づけた時は喜びも大きいです!
エコノミストを継続して読むことで、英語のニュアンスや記事を書いた人の意図(本音)まで読み取れる深い読解力が身につきます。
私は、エコノミストを読み続けたことで、「この一文を加えることで、読者をこういう方向に誘導しようとしているんだな」といった裏の意図もわかるようになりました。ジャーナリズムに踊らされない読解力を身につけられたのは、エコノミストのおかげです。
2. 時事問題を通じて英語を学べる
世界の最新ニュースを英語で読むことで、今現在、世界で起こっていることを知りながら、同時に英語力を高めることができます。
グローバルな視点を養い、教養を身につけることで、外国人とのコミュニケーションがより円滑になります。
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私も、エコノミストを読み始めるまでは世界情勢に関して無知でしたが、購読を続けたおかげで、世界のことが理解できるようになってきました。
3. 英語の速読力が上がる
『The Economist』の記事は情報量が多いので、内容を素早く理解する力が身につきます。見出しやリード文に重要なポイントが明確に書かれているので、瞬時に記事の全体像をつかむ練習をするのにも最適です。
英文を速く読むコツとして、「スキミング(大まかに読む)」「スキャニング(必要な情報を探す)」の技術を身につけることが重要です。『The Economist』は、記事の構成が明確なため、これらのスキルを鍛えるのに最適な教材です。
私がエコノミストを読み始めたのは、師匠の松本道弘先生の影響ですが、松本先生はネイティブより速く英語が読める速読の達人でした。
松本先生の速読のコツや見出しの読み方については、英語の達人が1分間に読めるワード数(WPM)は?【日本人最速】も読んでみてください。
英語を速く読むのに必須の「スラッシュリーディング」については、スラッシュリーディングのやり方とおすすめ教材【英語がどんどん読める】をどうぞ。
4. 語彙力と推測力が向上する
『The Economist』は英検1級・1級超レベルの難解な単語が頻出するので、定期的に読むことで語彙力が飛躍的に向上します。
また、知らない単語をその都度調べるのではなく、文脈や語源の知識を使って意味を予測しながら長文を読む習慣がつき、未知の単語の意味を推測しながら英語を正確に読む力も鍛えられます。
知らない単語の意味を推測しながら英語を速く読めるようになる方法については、英語を読むスピードを劇的に上げる10の秘策【通訳翻訳者が公開】で詳しく解説しています。あわせてどうぞ!
5. 英語での思考力が鍛えられる
『The Economist』の記事は、明確な論理構成を持っています。序論・本論・結論の流れがしっかりしている記事が多く、説得力のある文章を書くための参考になります。
説得力のある裏付け、具体例の提示、予想される反論への解決策など、相手に訴えかける英語表現の型が身につきます。スピーキングやライティングの時にも、説得力があるアウトプットができるようになります。
fujisanというサイトでエコノミストを定期購読すると、最大22%引きになります。
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『The Economist』と『TIME』の比較
日本の英語学習者に人気の、ハイレベルな英語を学べる英字新聞と言えば、断然『TIME』だと思います。TIMEに比べれば、The Economistは知名度はかなり低いでしょう。
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でも、私は「絶対にTIMEよりThe Economistの方がお勧め!」と自信を持って言えます。
TIMEとThe Economistの違いを比較して表にまとめてみました。
ここからは、具体的にTIMEとThe Economistの違いをご説明します。
『The Economist』は毎週発行、『TIME』は隔週発行
日本人に人気の『TIME』は2025年2月現在、2週間に1回しか届きません。
TIMEは週刊誌(毎週発行)という扱いなのに、2号分の合併号を1冊として発行するようになったからです。この現象は、パンデミック頃に始まりました。
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夏季休暇や年末年始休暇の時は、なんと月1回しか発行されないことも。実際、2025年1月のTIMEの発行は「JAN. 27」号の一冊のみでした。
しかも、合併号だからページ数が多くて分厚いのかと言えば、そんなことはありません。(むしろ、いつもよりさらに薄っぺらかったことも)
月1回しか届かないとなると、最新ニュースが読めませんし、英語の勉強にも支障をきたします。
その一方、『The Economist』は毎週発行されています。夏と冬の休暇の時期だけ合併号が発行されますが、その時は普段よりページ数を増量した、本来の意味での合併号が届きます。
その点でも、エコノミストの方が「世界の今」を伝える媒体としてよりふさわしいと言えると思います。
『TIME』にはページ数稼ぎの記事が多数
TIMEの紙面の多くを占めるのが、「世界で最も影響力のある100人」「世界で最も影響力のある会社100社」「次世代の注目人物100人」「今年注目の発明100」などの記事。
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たまになら面白いですが、かなりの頻度です。正直、報道記事よりこういう100リストの記事が簡単なんだろうな(もしかして手抜き?)と感じてしまいます・・・
TIMEは主観的、The Economistは客観的
前述したように、『TIME』は隔週、時期によっては月1冊しか発行されなくなりました。
それにより、『TIME』は世界のニュースを報じる新聞としての価値が薄れ、左派ライターたちが個人の体験や主張を述べる雑誌に成り下がってしまったと感じます。(私の完全な個人的意見です)
しかも、『TIME』は記者の署名があります。それはつまり、「この記事はこのライターの意見です」とTIMEが表明していることを意味します。
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ひろゆきさん風に言えば、「それってあなたの感想ですよね?」って話。
一方で『The Economist』は、無記名です。誰が書いた記事かわからないということは、エコノミストの総意としてその記事が出ているということです。
だからといって絶対に正しいとか完全に中立という意味ではありませんが、少なくとも、極端に偏った個人的な意見は紙面に載りません。
『The Economist』には日本がよく取り上げられる
2025年2月の最新号を比較すると、その記事数は
・TIME:25
・The Economist:65
と大きな差があります。これは、ページ数やフォントサイズ、広告の数だけでなく、一つの記事の長さが理由です。
『TIME』は一つの記事が長く、数ページにわたります。長い記事は読みにくいです。一方、『The Economist』は、記事の長さは3分の2ページ程度。英語はTIMEより難しいですが、短い記事もたくさんあるので、読みやすいと私は思います。
『The Economist』は記事数が多い分、世界のことが話題になりますし、日本もよく取り上げられます。一方、TIMEには日本の記事はめったに載りません。
たとえば、最近のエコノミストでは、日本のこのような記事が掲載されました。
・フジテレビと中居正広さんのスキャンダル
・能登地震と日本の優れた災害対応
・世界に広がる日本のハイテクトイレ
・欧米の若者の間でバズっている日本の抹茶
・日本の学校教育の長所と短所
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特にエコノミストは日本のトイレが大好きで、よく絶賛の記事が載ります。
『The Economist』の効果的な読み方
ここからは、具体的に『The Economist』を使ってどのように学習するか、私がThe Economistを5年間読んできた経験からお伝えします!
興味のある記事だけ読む
すべての記事を読もうとしてはダメです!5年間購読している私も、未だに半分、いや3分の1すら読めずに次の号が来てしまいます(汗)。
でも、いいんです。目的は全ての記事を読むことではなく、世界情勢を知りながら英語力を高めることなんですから。
記事は文化や教育、男女格差など、比較的誰でも読みやすいテーマもあれば、政治や国際紛争など、ある程度の知識がないと読めない記事もあります。
だから、あなたが興味のあるテーマや面白そうな記事を選ぶのがおすすめです。
見出しやリード文から内容を推測する
見出しやリード文を先に読んで大まかな内容を把握し、その後で本文を読むと理解しやすくなります。わからない単語があっても、すぐに調べず文脈から推測する習慣をつけましょう。
The Economistの見出しから本文の内容を予測して速く読むコツは、英語の達人が1分間に読めるワード数(WPM)は?【日本人最速】に書いていますので、あわせて読んでみてください。
デジタルではなく紙で読む
パソコンで英文を読むと、紙で読むよりスピードが10%落ちると言われているそうです。「電子書籍より紙の書籍の方が読みやすいし、新聞記事もオンラインより紙の方が読みやすい」というのは、多くの人が実感として感じているんではないでしょうか?
なので、できればThe Economistも紙で読むことをおすすめします。オンライン版で購読するなら、記事を印刷するのも良いですね。
赤のボールペンで字をなぞりながら、気になるところに線を引いたり、知らない単語を後でチェックするために印をつけながら読むと、画面上で読むよりずっと集中して読めるはずです。
ペンやしおりを使って速く英語を読む私の方法は、英語を読むスピードを劇的に上げる10の秘策【通訳翻訳者が公開】で詳しく書いています!
書店で単品購入する
The Economistに興味はあるけれど、購読料が高すぎてちょっと無理・・・という場合は、大型書店やオンライン書店で単品購入をするのもお勧めです。
amazonや楽天ブックス等で、時々ですが扱っている場合もあります。
→amazonでThe Economistの単品販売を見てみる
あるいは、購読料が気になる場合は、TIMEなら月額572円で読み放題の楽天マガジンで読めるので、それもお勧めです。
詳しくは、TIME誌の一番お得な購入方法【岸田首相や安倍元首相も表紙に登場】をどうぞ。
まとめ:『The Economist』で英語力を飛躍させよう
そういうわけで、私はエコノミストの回し者でも何でもないですが、日本の英語学習業界の新スタンダードとして、「英語学習者はエコノミストを読め」と提唱したいと思います。
『The Economist』は、高度で洗練された英語表現が学べ、速読力や語彙力、論理的思考力の向上にも役立ちます。難しいと感じるかもしれませんが、興味のある記事から少しずつ読み進めることで、無理なく学習を継続できます。
『The Economist』を読むことで、英語力だけでなく、世界のニュースを正しく理解する力や、国際的な視点を持つ力も身につきます。ぜひ『The Economist』を活用し、英語力を飛躍的に向上させましょう!
fujisanというサイトでエコノミストを定期購読すると、最大22%引きになります。
\\ 定期購読でお得にEconomistを読もう! //
「The Economistに興味はあるけど、今はまだ読むのは難しそうだな」という場合は、SPEEDIER READINGへぜひどうぞ!
毎週ひとつ注目記事を取り上げ、私と夫のマイクが記事の内容や英語表現をラジオで解説しています。たとえば、埼玉県のクルド人居住区「ワラビスタン」の記事など、日本に関する記事もよくラジオで取り上げて解説していますよ。