英語スラッシュリーディングのやり方とおすすめ教材【どこで区切るか徹底解説】

あなたは、「スラッシュリーディング」という英語の読み方、知ってますか?

スラッシュリーディングとは、英文を意味の切れ目で区切って斜めに線を入れて、頭から読んでいくやり方です。

 

TOEICリーディング、毎回時間切れで最後まで読めない・・・

仕事の英文メール、1通読むのにどれだけ時間かかるんだ・・・

洋書を買ったけど、3ページ読んで止まったまま置いてある・・・

 

こんな悩みの根っこには、ほぼ間違いなく「返り読み」の習慣があります。

多くの日本人学習者は高校の授業でこの読み方が染み込んでいて、これがリーディングのスピードを上げる一番大きな壁になっています。

 

かく言う私も、学生時代はずっと長文問題が苦手で、英語を読むことが苦痛でした。大学でも、クラスでは落ちこぼれ。

「英語がスラスラ読めるって楽しい!」と心から思えるようになったのは、それからだいぶ後のある出来事がきっかけでした。(後ほど書きます)

 

そんな私が英語を英語のままで読めるようになったのが、スラッシュリーディングです。これを身につければ、英語を英語の語順のままで理解できるようになります!

英語を前からかたまりで情報処理できるようになると、リーディングの速度はもちろん、リスニング力も上がります。

 

この記事を読めば、以下のことが分かります。

✅ スラッシュリーディングとは?(返り読みとの違いを実例で)
✅ 「どこで区切るか分からない」人がまず押さえるべき3つの原則
✅ 英語のどこでスラッシュで区切る?実例つきの6パターン
✅ 区切る場所に自信がない人におすすめの英語教材+無料で始められる素材
✅ スラッシュリーディングが上達する3ステップと、やりがちな失敗パターン
✅ スラッシュリーディングがリスニング力も同時に底上げする理由と加速法
✅ よくある質問(どれくらい続ければいい?他の勉強とどう組み合わせる?)

 

読み終わる頃には、「スラッシュリーディングはどこで区切るか」の感覚と「何を使ってスラッシュリーディングを始めたらいいか」がはっきり分かるようになります

「英語がスラスラ読めない!全然先に進めない!」とイライラするのは、この記事で終わりにしましょう!

目次

スラッシュリーディングとは?英語を英語のまま読む一番シンプルな方法

スラッシュリーディングとは、英文を意味の切れ目で区切って斜めに線を入れて、頭から読んでいくやり方です。

スラッシュリーディング

 

対して、日本人がやりがちなのが「返り読み」です。

スラッシュリーディング

英語と日本語では語順が全然違うので、上のように「7→1→4→3→2→6→5→9→8」という順番で英文を前後に行ったり来たりしながら日本語にすることになって、読むのにものすごく時間がかかります。

 

ここで、実際の英文を使って、「返り読みの頭の中」と「スラッシュリーディングの頭の中」がどう違うのか、見比べてみましょう。

「返り読み」の頭の中はこうなっている

たとえば、次の英文を見てください。

I saw the painting which she had bought at the auction.

 

返り読みをしている人の頭の中は、こうなっています。

 

私は絵を・・・彼女が買ったところの絵を・・・
あ、彼女がオークションで買ったところの絵を・・・
ええっと・・・『私は彼女がオークションで買った絵を見た』?

 

頭の中で英語の語順をひっくり返して、何度も英語を行ったり来たりしながら、最終的にきれいな日本語に組み直す。これが「返り読み」です。

私は、実はずっとこういう読み方しかできませんでした。

 

これ、めちゃくちゃ時間かかりますよね。しかも、音声の英語は待ってくれませんから、リスニングでも同じ読み方をしていると、どんどん置いていかれてしまいます。

スラッシュリーディングだと、頭の中はこう変わる

同じ英文を、スラッシュリーディングで読むと、こうなります。

I saw the painting / 私はその絵を見た
which she had bought / それを彼女は買った
at the auction. / オークションで。

 

英語の語順のまま、意味のかたまりごとに、前から理解していく。これがスラッシュリーディングです。

このとき、もうひとつ大事なコツがあります。それは、「どんな?」「何を?」を埋めようとしながら読むということ。

 

「私はその絵を見た」と聞こえたとき、素直な気持ちで「そうなんだ」で納得しますか?

「その絵って、どんな絵よ?」って気になりませんか?

 

気になっているところに「彼女が買った / オークションで」という情報が入るから、スムーズに頭に入ってくるんです。

この「『どんな?』『何を?』と次に来る情報を待ち受ける」ができるようになってから、私のリスニングや読解の力が格段に上がりました。

「どこで区切るか分からない」人がまず知っておきたい3つの原則

実は、スラッシュリーディングで一番つまずくのは「どこで区切ればいいのか分からない」というところです。

いきなり文法のパターンに入る前に、先に知っておいてほしい原則が3つあります。これを頭に入れてから次の章を読むと、区切り方のハードルがぐっと下がります。

原則1:区切る基準は「文法」より「意味のかたまり」

スラッシュを入れる場所は、基本的には「意味の切れ目」と覚えておいてください。

 

「ここは関係代名詞だから切る」「ここは前置詞だから切る」と文法で考えると、逆に手が止まります。「ここまでで一回、意味がまとまるな」という感覚で、前から区切っていくのが本来のやり方です。

文法のパターンはあとから「そういえばそうだな」と答え合わせに使う、くらいのイメージで大丈夫です。

原則2:スラッシュの入れ方に絶対の正解はない

スラッシュの位置には、いくつかの決まりがあります。が、絶対的な正解があるわけではないので、難しく考えすぎないでください。

同じ英文でも、切る場所は人によって違いますし、読み慣れてくるとスラッシュの数自体も減っていきます。「正しく切れているか」を気にしすぎると、結局いつもの返り読みに戻ってしまいます。

 

最初は「なんとなくここでキリがいい気がするな〜」というところでスラッシュを入れながら、前からどんどん読んでみましょう!

原則3:目的は「正しく切ること」ではなく「速く読めるようになること」

ここが一番大事です。

スラッシュリーディングの目的は、スラッシュを正しく入れることではなく、英語のかたまりごとに前から意味をとらえて速く読めるようになることです。

 

だから、スラッシュを引くことそのものに時間をかけすぎないでください。引いたスラッシュで「前から読む練習」をするのが本番です。

引き方で悩んで手が止まっているなら、多少雑に切ってでも前に進んだほうが、スラッシュリーディング本来の効果は出ます。

 

・・・とは言っても、「そもそもどういう英文で練習すればコツがつかめるのか?」が気になりますよね。ここからは、私自身がどうやってこの読み方を身につけたか、少しお話しさせてください。

【実例つき】英語のどこで区切る?6つのパターン

とはいえ、「目安になるパターンがあれば知っておきたい」と思う方がほとんどだと思います。なので、ここからは実際の英文でよく出てくる区切りのパターンを6つ紹介します。

全部覚える必要はありません。「こういう場所で切れるんだな」というイメージをざっくり掴んで、あとは答え合わせ用の参考資料として使うくらいがちょうどいいです。

接続詞の前(after, because, since, if, whenなど)

例)

Let’s wait here / until it stops raining.
(ここで待とう / 雨が止むまで)

It has been 10 years / since we moved here.
(10年が経った / ここに引っ越してきてから)

関係代名詞・関係副詞の前(省略されている場所含む)

例)

The time will come soon / when we can enjoy space travel.
(すぐに来るだろう / 宇宙旅行を楽しめる時が)

He works at a store / which is 5 miles from here.
(彼はお店で働いている / それは5マイル先にある)

間接疑問詞の前(when, what, why, howなど)

例)

Do you know / why she is absent?
(知っていますか / なぜ彼女が欠席しているのか)

I don’t remember / what my teacher said.
(私は覚えていない / 先生が何と言ったのか)

前置詞の前(in, at, by, with, on, ofなど)

例)

I move the chair / in front of the door.
(私は椅子を動かした / ドアの前にある)

I don’t want to be late / for the appointment / at the dentist.
(私は遅れたくない / 予約に / 歯医者の)

名詞の直後に現在分詞節・過去分詞節がくる時、その前

例)

What are the languages / spoken in Switzerland?
(言語は何ですか / スイスで話されている)

He likes the girl / running over there with a dog.
(彼はあの女の子が好きだ / 犬とあそこを走っている)

主語が長い時、動詞の前

例)

The woman in white / is a famous actress.
(あの白い服の女性は / 有名な女優だ)

The activities on the brain of a human body / depend on the temperature.
(人間の脳の活動は / 体温に依存している)

 

ここまで長々と書いてきましたが、全部覚える必要は全くありませんので、心配しないでください!何度もやっているうちに、だんだんとわかるようになってきます。

区切る場所に自信がない人におすすめの英語教材【Speedier Reading】

「はい、ではスラッシュリーディングを今日から実践しましょう!」って言われても、いきなり英文にスラッシュが入れられるか、自信がない方もいるかもしれません。

 

『意味の切れ目』って言われても、意味を理解するだけで精一杯なのに、切れ目なんて分からない!

と、心の中で叫びたくなりますよね(笑)

 

「自分にとって簡単な英文を読む」という王道ルートは前の章でお伝えしたとおりですが、もう少し体系的に、効率よくスラッシュリーディングのコツをつかみたいという人向けにお勧めできる教材があります。

私も制作に関わったSpeedier Readingです。

 

この教材には、スラッシュリーディング(本書では「センスリーディング」という呼び方をしていますが、意味は同じです)にかなり重点が置かれています。

同じ英文にBASICとADVANCEDの2段階スラッシュが引かれている

Speedier Readingの特徴は、同じ長文に対して「BASIC」「ADVANCED」の2種類のスラッシュリーディング(センスリーディング)の読み方が紹介されていることです。

 

たとえば、以下のような文章が掲載されています。

It is surprising how alike we are; a thermometer under the tongue of anybody, whether one is yellow, black, brown, or white, gives the same reading: thirty-seven. We know our body temperature doesn’t vary with race, body type, age, or sex.

 

この同じ英文に、短めに区切った「BASIC」と、大きなかたまりで区切った「ADVANCED」の2種類が用意されています。自分のレベルに合わせて読み方を選べる、というわけです。

BASICの読み方(例文つき)

BASICレベルでは、短めに区切りが入っています。

It is surprising / how alike we are; /
(驚くべきことに / 私たちはあまりにも似ている / )

a thermometer / under the tongue of anybody, /
(体温は / 誰の舌の裏側も / )

whether one is yellow, black, brown, or white, /
(黄色人種、黒人、褐色の肌であろうと、白人だろうと / )

gives the same reading: / thirty-seven. /
(同じ数値を示している / 37度を / )

We know / our body temperature doesn’t vary /
(私たちは知っている / 体温が変わらないことを / )

with race, body type, age, or sex. /
(人種、体型、年齢、性別によって / )

ADVANCEDの読み方(例文つき)

上と同じ文章ですが、ひとつのかたまりが大きめです。

It is surprising / how alike we are; /
(驚くべきことに / 私たちはあまりにも似ている / )

a thermometer under the tongue of anybody, /
(あらゆる人種の舌の裏側の体温は / )

whether one is yellow, black, brown, or white, /
(黄色人種、黒人、褐色の肌であろうと、白人だろうと / )

gives the same reading: thirty-seven. /
(同じ37度である / )

We know / our body temperature doesn’t vary /
(私たちは知っている / 体温が変化しないことを / )

with race, body type, age, or sex. /
(人種、体型、年齢、性別によって / )

 

BASICとADVANCEDを両方読んでみて、どちらがよりスーッと頭に入ってくるかを感じてみてください

最初は、ADVANCEDの方は、返り読みの癖が出そうになるかもしれません。そんな時は、BASICに戻って何度も読みましょう。

右側の日本語訳を隠して上から読む練習法

Speedier Readingの実際のテキストでは、左に英文、右に日本語訳となっています。

 

右側を手で隠しながら、左を上からどんどんかたまりで理解していく練習を続けると、スラッシュリーディングのコツがつかめてくるはずです!

最初は全然スピードが出なくて大丈夫です。前から読み切ることを優先しましょう。

自分で英文を選んでやりたい人向けの素材

前の章の体験談でお話ししたとおり、スラッシュリーディングの上達に効くのは、自分にとって簡単な英文を大量に読むことです。

教材を買わなくても、手元にあるもの・無料で手に入るもので十分スタートできます。

 

ポイントは、「ウンウンうなって読むレベル」ではなく、「え、こんな簡単でいいの?」と拍子抜けするくらいのレベルを選ぶことです。

中学校の英語の教科書:手元に残っていれば、これが最強。「簡単すぎて意味ないのでは?」と思うレベルこそベスト。
ペンギンリーダーズ(Penguin Readers)などのレベル別洋書:語彙や文法が段階的に制限されていて、初心者でも1冊読み切れる。
NHKの基礎英語:テキストのリーディング部分を前からかたまりで読む練習に使える。
中学・高校1年生向けの副読本:本屋で手に取って、「簡単に意味が取れる」と感じるレベルを選ぶのがコツ。

ただし、ペンでスラッシュを気兼ねなく雑に入れられるものを選んでくださいね。

スラッシュリーディングが上達するとこう変わる(3ステップ)

スラッシュリーディング(センスリーディング)は、続けていくと読み方そのものが段階的に変わっていくのが面白いところです。

ここからは、BASIC→ADVANCED→スラッシュ不要、という3つの到達点を紹介します。今の自分がどの段階にいるか、イメージしながら読んでみてください。

最初:細かく切らないと読めない(BASICレベル)

スラッシュリーディングを始めたばかりの頃は、BASICレベルのようにたくさんスラッシュを入れないと、前から意味が取れません。

 

これは普通のことで、最初は上記のBASICくらいにたくさんスラッシュを入れる必要がある段階です。

ここで無理にADVANCEDに挑戦して返り読みに戻ってしまうより、BASICで「前から読む」感覚を体に入れるほうが近道です。

慣れ:大きなかたまりで意味が取れる(ADVANCEDレベル)

続けていくと、だんだんと大きな塊で意味がとらえられるようになり、スラッシュが少なくても大丈夫になります

この段階に来ると、ADVANCEDのスラッシュを見ても違和感なく読めるようになってきます。スラッシュの数が減っても、前から意味が流れていく感覚は変わりません。

 

読むスピードが上がったと一番実感しやすいのが、このタイミングです。

最終形:スラッシュを書かなくても頭の中で切れる

さらにスラッシュリーディングに慣れてくると、スラッシュを入れなくても、頭の中で句切れるようになり、どんどん速く読めるようになっていきます

 

ここまで来ると、紙にスラッシュを書き込まなくても、英文を見た瞬間に「このあたりで一度かたまりが切れる」というのが自然に分かります。

これが、スラッシュリーディングが目指している最終的なゴールです。最初からここを目指す必要はなくて、BASIC→ADVANCED→頭の中、の順に階段を上がっていけば大丈夫です。

スラッシュリーディングはリスニング力も一緒に底上げする

実は、以前に読者さんからこういうご質問をいただいたことがあります。

リーディング(速読)力を鍛えると、リスニングにも役立ちますか?

 

答えは、めちゃくちゃ役立ちます。

英語を語順通りに理解するスキルは、リーディングにもリスニングにも、まったく同じように効きます。これが、スラッシュリーディングを今日から始める大きな副産物。

リーディング目的だけで始めたのに、気づいたらリスニングまで楽になっていた、なんてことが普通に起こります。

「単語はわかるのに、意味が入ってこない」の正体

こんな経験、ありませんか?

単語はわかるし、スクリプトを読めば文法もわかるのに、英語が意味ある言葉として耳に入ってこない・・・

 

これ、とてもよくある悩みなんですが、原因は「単語を聞こえた通りに、一定のスピードで処理するスキルが不足しているから」です。

リスニング力がないというより、処理速度が追いついていないという状態です。

 

音声の英語は待ってくれません。返り読みで1回目の情報を組み立て直している間に、音声は次の情報をどんどん流してきます。

だから、語順のまま理解することができなければ、どんどん置いていかれてしまうんですね。

リーディングで作った回路が、そのまま耳でも使われる

ここで効いてくるのが、スラッシュリーディングです。

スラッシュリーディングは、「出てきた単語を、そのままの順番で、かたまりごとに意味にしていく」訓練です。これを続けると、英語を前から処理する回路が脳の中にできていきます。

この回路は、目で読むときも、耳で聞くときも、同じものが使われます

 

私自身も、「英語を語順のまま理解する」という感覚が分からなかった頃は、ただただ、聞こえてくる英語をそのまま右から左に聞き流して「全然ついていけないや・・・」となっていました。

でも、返り読みをやめて語順のまま読む訓練を積んだら、リスニングも格段に楽になりました。

リーディングのスピードアップは、リスニング力向上に直結します。

さらに加速させたいなら「音読」とセットで

リスニング力も本気で上げたいなら、スラッシュリーディングに音読を組み合わせるのが最強です。

 

先ほど紹介したSpeedier Readingは、大学受験塾のミスターステップアップと一緒に制作した教材なのですが、私はその塾の近所に住んでいます。

そこの受験生たちは、毎日猛烈に音読しています。食堂で食事を待つ間、階段の途中に座り込んで、道を歩きながら、とにかく無心に英文を音読している。

「わたし、この子たちに完全に負けとるわ・・・」と思うくらい、すごい光景です(笑)

 

なぜ彼らが音読しているかというと、「音読と同じスピードで英語を処理できる脳の回路を作るため」です。

音読と同じスピードで意味を取ろうとすれば、当然、返り読みをしている暇はありません。出てきた単語を、そのままの順番で理解しながら読み進めるしかない。

 

つまり、音読はスラッシュリーディングを強制的にやらされる訓練でもあるんです。

スラッシュで区切った英文を、そのままネイティブ音声に合わせて音読してみてください。「前から処理する回路」が一気に太くなります。

ちなみに、音読のときは正しい発音とイントネーションも大事なので、必ずネイティブ音声を聞いて確認しながら進めてくださいね。

スラッシュリーディングでやりがちな3つの失敗パターン

スラッシュリーディングは、やり方自体はシンプルですが、慣れないうちはつまずくポイントもだいたい決まっています

ここでは、私が見てきた中でも特に多い3つの失敗パターンを紹介します。当てはまっていたら、次の英文から少しだけ変えてみてください。

失敗1:スラッシュを細かく切りすぎる

最初にやりがちなのが、単語1〜2個ごとにスラッシュを入れてしまうパターンです。

意味の切れ目で切らなきゃと思って、とにかく細かくスラッシュを入れています・・・

細かく切りすぎると、実は「かたまり」ではなく「単語ごと」に意味を取る癖がついてしまいます。これだと返り読みと変わらず、リーディング速度はほとんど上がりません。

 

スラッシュリーディングの本当の狙いは、「英文をひとつのかたまりで受け取ること」です。1かたまりが短すぎると、このトレーニング効果がほぼ消えてしまいます。

目安としては、BASICレベルくらいの長さで切れていれば十分。それより短くなっていないか、たまに自分の引いたスラッシュを見直してみてください。

失敗2:スラッシュを引くこと自体が目的になってしまう

次に多いのが、スラッシュをどこに入れるか悩みすぎて、そこで時間を使ってしまうパターンです。

1文に10秒、20秒かけてスラッシュを入れて、引き終わったところで満足してしまう。これ、めちゃくちゃもったいないです。

 

スラッシュリーディングの目的は、スラッシュを正しく入れることではなく、英語のかたまりごとに前から意味をとらえて速く読めるようになることです。

引く場所で悩んでいるくらいなら、多少雑でも「えいや!」でスラッシュを入れて、前から読む練習に時間を使ったほうが速く上達します

先ほどの、スラッシュを入れる場所の6パターンも、答え合わせ用として頭の片隅に置いておくくらいでOKです。

失敗3:日本語訳を先に見てしまう

3つ目は、Speedier Readingのような英文と日本語訳が並んでいる教材で特に起きがちな失敗です。

英文を読もうとしたら、目が勝手に右側の日本語訳に行ってしまい、「英文を読んでいる」のではなく「日本語訳を確認している」作業になってしまうパターンです。

これだと、日本語訳を読んで英文を「なぞっている」だけなので、スラッシュリーディングの練習になっていません。

だから、右側を手で隠しながら、左を上からどんどんかたまりで理解していく練習を続けるのが大事です!

最初はスピードが出なくてもいいので、英文を自分の目と頭で前から読み切る、というルールを守ってみてください。

スラッシュリーディングに関するよくある質問

最後に、スラッシュリーディングについて読者の方からよく聞かれる質問をまとめておきます。記事を読んで残った疑問があれば、ここで解決してください。

Q. スラッシュリーディングは、どれくらい続けると効果が出ますか?

毎日短くてもいいので触れ続けると、変化は比較的早く感じられます。

「何ヶ月で絶対に効果が出る」と断言できるものではありませんが、スラッシュを書き込みながら前から読むトレーニングは、まとまった時間を取らなくても進められます。

1日10〜15分でも、毎日続ければ「前から読む」感覚は確実に体に入っていきます。逆に週1で1時間やるよりも、短く・毎日のほうが向いている練習です。

 

目安として、「読みやすい!」「少し速くなってきた!」という感覚は数週間〜1ヶ月くらいで掴める人が多いです。ただし、完全に日本語に頼らず英語の語順のまま理解できるレベルまで行くには、もう少し時間がかかります。

体験談の章にも書きましたが、私自身は「簡単な英語を大量に読む」という習慣を始めてから、2年くらい経った頃に大きな転換点を感じました。

ここまで来ると、スラッシュを書き込まなくても頭の中で切れるようになっています。

Q. 「センスリーディング」「スラッシュリーディング」と呼び方が違うけど、別物ですか?

ほぼ同じものだと思って大丈夫です。

 

Speedier Readingでは「センスリーディング」という呼び方をしていますが、「意味のかたまりで前から読む」という中身はスラッシュリーディングと同じです。

呼び方は教材や先生によって違うだけで、やることは「前から意味のかたまりで読む」の一点です。これを理解していれば、名前は気にしなくて大丈夫です。

Q. スラッシュリーディングに向かない英文はありますか?

詩や歌詞、文学作品などは、スラッシュリーディング向きではありません。

 

これらは、意味のかたまりで情報を処理するというより、リズム・比喩・余韻を味わう文章です。スラッシュを入れて前から意味を取ろうとしても、そもそもの読み方が違います。

一方で、ニュース記事・論説文・エッセイ・ビジネス英語・大学入試問題・TOEICのリーディング問題などは、スラッシュリーディングが有効です。

 

また、たとえニュース記事であっても、自分にとって難しい(頑張ったら読める)レベルの英文は、スラッシュリーディングには向いていません。

理由は、すでに述べた通り、自分にとって難しい英文の「意味の切れ目」を探すのは、簡単ではないからです。(すでにスラッシュが入っているSPEEDIER READINGなら、その心配がないので大丈夫です)

Q. 精読・多読・音読と、どう組み合わせればいいですか?

スラッシュリーディングは、精読とも多読とも音読ともぶつかりません。むしろ、全部と組み合わせられます。

 

精読 → スラッシュを入れて構造を確認しながら、丁寧に意味を取る
多読 → スラッシュはざっくりでいいので、前から大量に読む
音読 → スラッシュの切れ目で一息つきながら、前から音読する

どれでも「前から意味のかたまりで処理する」という軸は共通です。すでに他のリーディング学習をしている人は、その中にスラッシュリーディングの考え方を混ぜ込むイメージで大丈夫です。

Q. スラッシュは、毎回紙に書き込まないといけませんか?

最初のうちは書いたほうがいいですが、慣れてきたら書かなくてOKです。

 

スラッシュリーディングに慣れてくると、スラッシュを入れなくても、頭の中で句切れるようになり、どんどん速く読めるようになっていきます

書き込む練習は、その「頭の中で切れる」状態に到達するまでのステップだと思ってください。自分の今のレベルに応じて、書く・書かないを選んでいきましょう。

まとめ|スラッシュリーディングで「返り読み」を卒業しよう

「英語がスラスラ読めない」「返り読みがやめられない」とお悩みだった方も、この記事でスラッシュリーディングのやり方と上達の道筋がイメージできたのではないでしょうか?

最後に、この記事の要点を整理します。

 

スラッシュリーディングは、英文を意味のかたまりで前から読む英語の読み方
返り読みから抜け出す一番シンプルな方法。

「英語脳」を作るために日本語を排除する必要はない
日本語は、理解を助ける補助輪。補助輪が外れたら英語のままで理解できるようになる。

「どこで区切るか分からない」の正体は、英語が難しすぎるだけ
意味が理解できない文章の切れ目は、誰にも分からない。自分にとって簡単な英文から始める。

代表的な区切りパターンは6つ
接続詞・関係代名詞・間接疑問詞・前置詞・分詞節・長い主語のあと。全部覚える必要はない。

自信がないうちはSpeedier Readingで慣れるのがおすすめ
同じ英文にBASICとADVANCEDの2段階スラッシュが引かれていて、左右の訳を隠して読む練習ができる。

自分で選ぶなら、中学の教科書・ペンギンリーダーズなどのレベル低めを
「え、こんな簡単でいいの?」と感じるレベルが、実は一番効く。

続けるとスラッシュを書かなくても頭の中で切れるようになる
BASIC→ADVANCED→頭の中、の順にレベルが上がっていく。

リーディングの訓練は、そのまま耳にも効く
語順のまま処理する脳の回路は、読むときも聞くときも同じものが使われる。音読を組み合わせると加速する。

やりがちな失敗は「切りすぎ・引くのが目的化・日本語訳を先に見る」の3つ
当てはまっていたら、次の英文から少しだけ変えてみる。

 

最後に、今日から始められる最小の一歩をお伝えします。

・自宅にある中学の英語の教科書、または図書館でペンギンリーダーズのレベル1〜2を1冊借りる
・その中から「え、こんな簡単でいいの?」と感じるくらいのページを選ぶ
1日5分だけ、短めにスラッシュを入れながら、前から読んでみる

 

これだけでOKです。私がそうだったように、「英語がスラスラ読めるって楽しい!」という感覚になったら、そこからは勝手に速く読めるようになっていきます。

 
スラッシュの入れ方に自信がない場合は、最初はSPEEDIER READINGで慣れることをお勧めします。厳選した良質な長文ばかりで、内容そのものも面白くて読み応えがあります。

ぜひ、こちらも読んでみてください。

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Ai Evans エバンス愛

独学で英語を学び、国際機関で通訳者を8年経験したのち、独立。本物の英語力を身につけ、大和魂を海外に発信できる国際人を育てることが目標です。
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