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プロの翻訳家になるには最短でどのくらいの年月が必要?

エバンス愛

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翻訳家を目指しているという大学生の方から、プロの翻訳家になるには最短でどのくらいの年月が必要なのか?というご質問をいただきました。

 

(TOEIC910点の、カナダに留学中の大学生から)

留学生活も残りあと少しになり、漠然と将来英語を使って生活したい、海外に住みたいという夢はあるものの、一体どのような方向に進みたいのか。改めて考えてみたところ、翻訳家の仕事が自分にはぴったりなのではないかと思い、愛さんのサイトを見つけました。

私は極度な恥ずかしがり屋なこともあり、積極的に発言をしたり、話しかけたりすることが苦手なため、特に会話力に伸び悩んでいます。何度もおっしゃっているように、TOEICでは真の英語力をはかることはできないというのは自分自身つくづく実感しています。

前置きが長くなってしまいましたが、プロの翻訳家になるには最短でどのくらいの年月が必要なのでしょうか。愛さんは翻訳家になられるまで、予備校講師や、事務でお仕事をなさっていたのですよね?

私は来年、大学3年生になります。どんなに頑張っても、大学を卒業してすぐに翻訳家になるという夢は現実的に厳しいのでしょうか(ちなみにドイツ文学専攻です)。よろしければ、ご回答をお願いします。

 

「翻訳家」と「翻訳者」の違い

ご質問に答える前に、一つ説明しておきたいことがあります。

はっきりとした決まりがあるわけではありませんが、一般的に「翻訳家」というのは、文芸翻訳(文芸作品の翻訳)をする人を指します。いわゆる私たちが「読書」をする本の翻訳をしている人ですね。

一方、一般企業や大学、政府や自治体などで作成されるマニュアル、議事録、論文、契約書、法規などの、いわゆる「文書」を翻訳する人たちは「翻訳者」と呼ばれます。「産業翻訳者」「実務翻訳者」ということもあります。

映画の字幕を翻訳する人は、(字幕)「翻訳家」「翻訳者」のどちらの言い方もあります。

 

私は文芸作品の翻訳をしたことはありますが、基本的にはずっと産業翻訳をしてきたので、自分は「翻訳者」という認識です。また、日本で翻訳の仕事をしている人の9割は、産業分野の翻訳をしています。文芸翻訳や映像翻訳は、残念ながら、かなーーーり狭き門です。

なので、「翻訳者」の立場からの考えを書きますね。

 

翻訳者になるためにはどれくらいの期間が必要?

さて、このご質問についてですが、最短でどれくらいというのは、人それぞれなので何とも言えないというのが正直なところです。早ければ、大学生でも翻訳の仕事をしている人だっていますしね。

私も、単発のアルバイトならフランス語の翻訳の仕事を大学時代にしたことがあります。

 

でも、翻訳家になりたいと願って10年経ってもなれない人もたくさんいます。

つまり、期間が問題なわけではなく、その人の能力とタイミング次第だということです。とは言え、「その人の能力と運次第」とは言っても、何らかの目安が欲しいですよね。わかります(笑)

 

翻訳は、英語力さえあればいいのではなく、いろんな専門知識、経験、日本語力も大事になります。

そういった要素を全て排除し、純粋に「英語力」だけを考慮して、どのくらいの期間、どのくらいの勉強時間を積めば翻訳が職業にできる(=翻訳で十分に食べていける)可能性があるか、考えてみました。

 

TOEICが900点くらいは取れるけど、抜群の英語能力や高い専門知識がないという場合、あと3000時間くらいはかかるかなと思います。(本当にざっくりとした目安です。例外はいくらでもあります)

3000時間というのは、1日3時間勉強して3年かかる計算なので、あなたが翻訳で食べていけるようになるには、最低でもそのくらいかかるというイメージで考えてもらうといいかもしれません。

この記事も参考になると思いますので、よかったらどうぞ。

1日に何時間勉強すれば英語が上達しますか?に対する通訳翻訳者の答え

 

とは言え、英語力がそれほど高くなくても(TOEICで言うなら700点程度)、売れっ子の翻訳者になれる例もあります。それは、専門分野(特に理系)がある場合です。

専門的な技術文書の場合、英語のレベルとしては難しくなく、背景知識が分かっていれば訳せることが多いです。なので、TOEICが900点に満たない人でも翻訳をしている人はいますよ。(まあ、翻訳者の能力をTOEICで測ることは無意味なんですけどね)

 

さっき、「抜群の英語力や高い専門知識がないのなら、TOEIC900点からあと3000時間くらいかかるかな」と言いましたが、これは「翻訳者」という肩書で仕事をし、それで生計を立てていく(会社勤めであれフリーランスであれ)場合の話です。

海外との取引のある会社の時々翻訳業務が発生するポジションなどなら、今すぐにでも得られる可能性はありますよ。また、トライアルに合格するだけなら、1000時間もかからないかもしれません。

 

新卒で翻訳一本で仕事をしていくのは難しい

一般的に言うと、大学を出て新卒で翻訳一本で仕事をしていくというのは、かなり珍しいケースです。

というのは、翻訳というのは、ただ英語ができれば良いのではなく(英語ができるのは当たり前)、それ以上の専門知識・スキルや職務経験が関わってくるからです。

 

たとえば私も昨日、知人から頼まれて「鋳造(鋳型)」の機械の取り扱いマニュアルをチェックしていました。英語そのものは中学生レベルだし、専門用語は辞書で調べれば分かるのですが、私には全くなじみのない分野なので、英語を読んでもなかなか絵が頭に思い描けず、苦労しました。

こんな感じで、英語は中学生レベルでも、それが正しく翻訳できるかどうかは別問題というのが産業翻訳の世界です。

 

ものすごく日本語の文章能力が高ければ(たとえば自分でも日本語で小説を書いてるとか)、新卒後すぐに文芸翻訳の道ももしかするとあるかもしれません。大学での専門分野(特に理系)を生かして、その分野に関わる産業翻訳ができるかもしれません。

でも、普通は、なかなかそうはいかないのが現状です。

 

あなたが、特別にアピールできる

・日本語ライティング能力
・英語ライティング能力(ネイティブレベルの英語が書ける)
・翻訳需要の高い専門分野の知識

などがあれば別ですが、そうではない場合は、翻訳の仕事も発生するような企業に属して、社内の翻訳に携わりながら特定の業界の専門知識をつけて、やがて(望むなら)独立というのが、最も現実的な道のように思います。

あなたほどのTOEICの点数があって留学経験もあるということであれば、少なくとも企業は「英語要員」として見てくれるはずです。

 

募集要項に「翻訳」とある求人以外に目を向けることも大事

最初から希望通り翻訳の仕事がゲットできれば最高ですが、そうならない場合、「翻訳」というポジションにこだわりすぎず、「英語を日常的に使う機会がある職場」ということを考えて就職活動をするのがいいと思います。

海外との取引がありそうな会社に就職して、英文メールのやりとりや海外からの電話応対、英語文書の作成やチェックなどの業務を通じてだんだんとビジネスで通用する英語力と専門知識を身につけ、最終的に翻訳が任せてもらえるようにアピールするのが、最も現実的なルートでしょう。

 

「翻訳」というポジションで募集をかけていなくても、翻訳業務が発生している会社は案外多いです。英語ができる社員に、「この文書を翻訳してほしいんだけど、お願いできる?」と突然声がかかるんです。

私の読者さんにも、そういう経験をした人はたくさんいます。そして残念ながらそのほとんどが、「え、私はとてもそんな高度な翻訳はできません」と泣く泣く断り、悔しい思いをしています。

普段から英語力を磨き、自分で翻訳の勉強を続けながら、こういうチャンスをどんどんものにしていくことで、翻訳のポジションでのキャリアが開けてくる可能性は十分にあります。

 

将来翻訳の仕事をしたい人が今からできること

将来的に翻訳の仕事をしたくて、でも専門分野などが特にない場合、まずは文法の復習をしっかりすることをお勧めします。TOEICが900点台でも、リスニングが得意なので文法があいまいでも何となく点数が取れている、という人は案外多いものです。

◆初心者から翻訳家になれますか?ゼロからデビューまでの最短ルートにも文法の復習やその後の自主勉強について書いてあるので、参考にしてください。

 

そして、たとえばThe Japan Newsという英字新聞で翻訳コンテストがあり、誰でも応募可能ですが、こういったコンテストを活用して今から翻訳の空気にふれることをぜひお勧めします。

参考:

◆The Japan News翻訳コンテスト(週150円)で翻訳を独学
◆厳選!翻訳コンテスト情報と応募のメリット【2018年秋最新版】

 

初心者がとっつきやすいのは英語→日本語ですが、日本語→英語にもぜひ挑戦することをお勧めします。翻訳業界では、英日翻訳は競争率が高く、単価は低くなるからです。翻訳を仕事にするなら、日英翻訳ができる方が有利です。

英日翻訳ができても日英翻訳ができるとは限りませんが、日英翻訳ができる人は普通は英日翻訳もできますしね。

 

私がこの翻訳コンテストに応募していた頃は、お題になっているトピックに関連した英文記事をネットでいくつも読んで「英語ではこういう書き方をするのか」と勉強しました。たとえば、受け身の使い方とか。

日本語では能動態で表すことも英語では受動態で表す方が自然なこともありますし、その反対もあります。そういう、「英語らしい英語」の書き方を学ぶんです。

そして入賞したら、それを仕事に応募する時や翻訳トライアルの時にアピールできます。

参考:翻訳の仕事に未経験者が採用されるには?差がつく自己アピールを伝授

 

翻訳に関する資格は取った方がいいのか?

翻訳の仕事をするのに、資格は必要ありません。私は「ほんやく検定」などの民間の検定試験を一度も受けたことがありませんが、今までそれで不便を感じたり、仕事を得る際に不利だと思ったことは一度もありません。

私が知る多くの翻訳者も、同じことを言っています。

なので、「資格を取らないと翻訳の仕事ができないのでは?」と心配する必要はありません。もちろん、試験合格に向けて勉強する中で、翻訳スキルが高まったり自分の能力を客観的に認識する助けにはなりますので、挑戦してもいいでしょう。

 

ただし、一般企業に就職する場合、残念ながらこういう翻訳関連の資格はほとんど認知されていません。「ほんやく検定3級」と履歴書に書いても、それがどの程度の翻訳力を指すのか、先方には伝わらないことがほとんどです。

なので、資格を履歴書に書くだけで満足せず、自分はどのようなスキルを持っていて、その結果その会社にどのように貢献できるのか、しっかり言葉でアピールする必要があります。

 

翻訳学校や通信講座は利用した方がいい?

勉強

 

受講生が欲しい翻訳学校や通信講座の関係者と、それらを利用してうまくいった人は「利用した方がいい」と言うでしょう。一方で、私のように利用せずうまくいった人は「必要ない」と言うでしょう。

あなたがどちらを参考にするかは、あなた次第です。ここでは、利用したことのない立場からの意見を書きますね。

 

私の個人的な意見では、TOEIC700点〜800点くらいのレベルになるまでは、英語力そのものを高めることに集中した方がいいです。(ただし、TOEICに特化した対策は必要ありません。)

TOEIC600点台とか英検2級あたりで翻訳講座を始めても、課題をこなすのに時間がかかりすぎて結局必要な勉強時間が取れないとか、難しすぎてついていけないとか、休学したとか辞めたとか、正直あまりいい話を聞きません。

翻訳の勉強といっても、何か翻訳者になるために特別な勉強が必要なわけではありません。結局は英語を正しく理解するか、あるいは英訳であれば自然で正しい英語で意図が伝えられるかという基本的なことが大部分です。

それ以上の訳し方のコツとかテクニック的なものは、微々たることです。

 

私は、翻訳者見習いの人に翻訳の指導をしていますが、「英文の解釈が正しくできるか」という、翻訳以前の「そもそもライン」があります。これができていない場合は、翻訳のテクニックを指導してもなかなかうまくいきません。そして実は、TOEIC900点台の人でもそういう人がかなり多いのです。

「もっと英語のインプットを増やしてください」とか、翻訳どうこうではない根本的なアドバイスをすることも多いです。

 

それでも翻訳の通信講座や学校を利用する価値

もちろん、学校や通信講座を利用することで、自分では気づけない弱点や自分の間違いを指摘してもらえます。独学で何を勉強していいのか分からない場合は、やることが明確になると思います。

ただ、「翻訳学校に通えばどうにかなる」という依存はきっぱり捨てましょう。残念ながら、受講しただけではどうにもならない人がたくさんいる世界です。あくまでも、自分の努力次第なんだということを忘れないようにしましょう。

 

そして、「TOEIC500点でも翻訳の仕事をしている人はいる!」とか、「できるだけ早めの段階で翻訳講座を受講してスキルアップするべき!」とか言っている人を見つけたら、その人の動機は何か、よく考えてみましょう。

もちろん、本当に自分の経験としてそう言っている人もいると思います。早い段階から翻訳講座を始めるというのも、ひとつの道です。でも、それを言っているのが翻訳学校だったら、その動機は当然ながら「生徒が欲しい」です。

それがビジネスなので、当たり前です。ただ、そういう相手の動機も理解した上で、自分に今本当に必要なのか、冷静に判断することが必要だと思います。

 

私が翻訳未経験からやり直すなら

ちなみに、私が今からキャリアをやり直すとしても、やっぱり通信講座や翻訳学校には行かないですね。

中学高校レベルの英語を習得することにまずは注力して、できるだけ早く土台を固めます。翻訳は基礎がしっかりしている人の方が伸びが早いし、逆に文法などがあいまいな人はいつまでも苦労するからです。

 

その上で、特許翻訳など自分になじみがない特定の専門分野で翻訳の仕事がしたい場合に、その分野の実務に直結する実践的な知識や技術を学ぶためであれば、行くかもしれません。

分野が決まっていて、それに特化した翻訳を学ぶためなら、利用価値は大いにあると思います。トライアルや仕事の斡旋のチャンスもありますしね。

 

なお、あなたが翻訳に携われる専門分野や専門知識などがすでにあるのであれば、仕事の得られやすさは変わります。

TOEIC700点台や英検2級でも、すぐに仕事がゲットできる可能性が高いようなら、いきなりその分野の翻訳を勉強した方がいいかもしれません。翻訳講座の先生に相談してみたらいいと思いますよ。

 

英語ができれば翻訳ができるわけではない

最後に、繰り返しになりますが、英語を使う仕事は英語さえできれば務まるわけではありません。

基本的なビジネスマナーや仕事のやり方を覚えないといけないし、その会社が扱っている商品のことなど専門知識も必要です。英語以外の勉強もたくさん必要になります。

翻訳の仕事も同じで、英語ができても、その文書に書かれている商品や機械などの知識が全くなかったら翻訳は難しいです。

 

でも、そうやって特定の業界で経験を積んでいくことで、だんだんとあなたの市場価値が高まっていきます。

たとえばあなたが金融業界で数年間勤めて、金融業界の仕組みや特性を理解し、金融英語を身につけたとします。そしてその実績を持って「私は金融関係の職務経験が○年あり、業界の知識もあります。翻訳の勉強も続けてきたので、お役に立てると思います」とアピールができるようになれば、強いですよ。

なので、英語だけじゃなく、「英語プラスアルファ」の経験や知識が身につくような働き方を目指すことをお勧めしたいと思います。

 

というわけで、お役に立てば幸いです!

翻訳という仕事について、収入や求人の見つけ方、フリーランスと社内翻訳者の違いなどについて、このページに詳しく書いています。よかったらどうぞ。

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Ai Evansエバンス愛

独学で英語を勉強し国際機関で通訳者を8年経験したのち、独立。英語でもっと人生を豊かにする英語学習コーチとして、本物の英語力を身につける方法を指導しています。
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