2021年2月1日
英語を読むのが遅い人がやってる「返り読み」キッパリ治す5つの勉強法
エバンス愛
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英語を読むのが遅くなる原因である「返り読み」の癖が抜けなくて、悩んでいませんか?
たとえば、この写真にある
I’M SORRY FOR THE THINGS I’VE SAID WHEN IT WAS WINTER.
という英語、そのまま返り読みせずスラッと理解できましたか?
それとも、一番後ろの「冬だった時に」からスタートして、「私が言った」→「ことについて」→「ごめんなさい」と頭の中で日本語に変換してしまいましたか?
(補足:この英語が何を言いたいかというと、冬は寒いせいで機嫌が悪くなったり落ち込んだりするから、きっとひどいことを言ってしまったんでしょうね)
「返り読み」の癖が抜けずに悩んでいる方から、以下のメールをいただきました。
私は大学受験生のときは読み書きだけは、問題なく出来たと思います(京都大学、早慶レベルの問題も、問題なく解けていました。)。
このとき、やっていた読み方というのが、愛さんが問題であるとご指摘なさっている返り読みです。学校や予備校でこの勉強方法(返り読み)で教わり続け、長年これを続けてきてしまったので、このやり方を直そうと文章を先頭から読む練習を現在しているのですが、やたらと時間がかかってしまいます。まさに愛さんが仰っている大きな障害になってしまっているのです。
私のようになってしまった場合の対処方法をご教示願えないでしょうか?
返り読みが頭に染み付いているせいで、英語を読むのが遅すぎて困る・・・というお悩みをお持ちの方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
このページでは、英語を読むのが遅い人の敵である「返り読み」をキッパリ治して、英語を前からスラスラ読めるようになる5つの勉強法をお教えします!
これを読んで実践していただければ、英語を読むのが遅くなる諸悪の根源の返り読みの悪癖から脱却し、英語を英語のままでどんどん理解できるようになりますよ。
コンテンツ
英語を読むのが遅くなる原因の「返り読み」とは?
返り読みとは、上記のように、英語を日本語の順番に直しながら、前に行ったり後ろに行ったりして英文を読む方法です。
日本の英語教育では、だいたいこのやり方で英語の長文読解をやります。
この読み方(精読といいます)も大切ですし、やる必要はあります。でも、精読&返り読みだけをやっていると、英語を語順通りに前から読んで理解することができなくなってしまい、英語を読むスピードが上がらないんです。
最終的な理想は、「基本は直読直解で前から順番に理解して(多読)、引っかかるところだけ返り読みでじっくり理解する(精読)」という読み方です。
読んでいる英語の難易度や目的に応じて、直読直解と返り読みを自由自在に行ったり来たりできるようになると、もう怖いものはありません。
で、返り読みは多くの日本人は慣れているはずなので、ここからは直読直解ができるようになる方法をお伝えします。
英語を読むのが遅い人の大敵・返り読みを治す5つの勉強法
1.簡単な英語をたくさん読む
当たり前のようで重要なことを言いますが、そもそもどうして返り読みをするかというと、それがあなたにとって難しい英語だからです。
ぱっと見ただけでは文章の構造がどうなっているか分からないし、長い文章がどこで切れるのか分からないからです。
たとえば、現在中級以上の英語レベルの人であれば、
「He plays baseball.」
という文章を見たとき、
「彼は、する、野球を・・・」→「あ、『彼は野球をする』、か」
っていちいち「返り読み」はしないはずです。
「ああ、野球してるんだなぁ」
って、英語の語順のまますっと理解できると思います。
つまり、英語が速く読めるようになるためには、あなたにとって簡単な英語、返り読みの必要すらない英語にたくさん触れて、「英語の語順のまま理解できるスキル」を身につけることが必要なんです。
簡単な文章をたくさん読むことで、英語の語順通りに理解する訓練ができます。その習慣が定着すれば、返り読みをせずに読めるようになり、読むスピードが上がります。
なお、せっかく自分にとってやさしい文章を選んでも、それをゆっくり読んでしまうと、返り読みの癖が出てしまいます。なので、できるだけスピードを上げてたくさん読むことがコツです。
また、スピードを上げて読むには、自分が興味を持てる内容を選ぶことも重要です。内容が楽しくなければすぐに飽きてしまいますし、どんどん先に読み進めようという気力も湧きませんから。
このページで、「多読」のために語彙や文法レベルが調節された英語学習者用のリーディング素材をご紹介しています。
2.簡単な英語をたくさん聞く
リーディングとリスニングには、相関関係があります。
リーディングスキルが向上すれば、リスニングスキルも向上します。その逆も然りです。
音と文字という違いはありますが、読む・聞くどちらも「インプット」だからです。(話す、書くは「アウトプット」ですね)
だから、英語を聞くことで読解力も上がります。
実際、リスニングで
・ちょっと長い文章になると、すぐについていけなくなる
・単語は聞き取れるけど、文章が意味のある言葉として頭に入って来ない
といった悩みがある人は多いと思いますが、リーディングと原因は同じなのです。
その原因は、英語を語順通りに理解する脳の回路ができていないから。
それを解決するのは、「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語をたくさん聞く」ことです。
「英語を日本語に変換せず、英語のままで理解する」ということについては、以下のページに詳しく書いてありますので、合わせて読んでおいていただければと思います!
英語を語順通りに理解できる脳の回路を「読む・聞く」の両方から鍛えていけば、返り読みの癖も抜けていきますし、リーディングのスピードも速くなっていきます。
読む練習に加えて、スキマ時間などを活用してたくさん英語を聞くことを習慣にしてください。
3.スラッシュリーディング
スラッシュリーディングとは、英文を区切って斜めに線を入れて、頭から読んでいく勉強法です。
I saw the painting / which she had bought / at the auction.
(私はその絵を見た / それを彼女は買った / オークションで。)
という感じです。
このように、英語を前から読む練習をするときに、区切りを入れながら英文を読んでいくと、語順通りに読んで理解する直読直解の感覚が身につくんです。
日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語を読むときは、スラッシュリーディングは必要ありません。が、ちょっと難しい英語を読むときは、このようにスラッシュを入れてかたまりごとに前から理解していきます。
スラッシュを入れる場所は、
・前置詞の前
・関係代名詞/関係副詞の前
・分詞の前
・接続詞の前
などいろんなルールがあるのですが、絶対的な決まりがあるわけではありません。
決まりがないので、最初はどこで区切ったらいいのか悩むと思います。
そんな時は、最初から区切られているリーディング教材「Speedier Reading」を使って、「意味の切れ目」の感覚をつかむことをお勧めします。
なお、今は私は普通に英語を読む時、スラッシュを入れなくても頭の中で区切りながら読めるようになりました。
構文が取りにくい長い文章や難しい文章に出合ったときだけ、スラッシュを実際に入れて文の構造を分析して、読んで理解するようにしています。
スラッシュリーディングの詳しいルールは、以下の記事を参考にしてください!
4.音読
音読も、返り読みを直すのに有効です。なぜかというと、音読をしながら、同時に返り読みすることは不可能だからです。
音読をしながら、それと同じスピードで英語を処理できる脳の回路を作れるのが、音読なんですね。
注意点としては、英文の意味を考えずに、ただ単語だけを機械的に音読しても意味がないので、気をつけてくださいね。意味をかみしめながら、でも一定のスピードで、英語を音読してください。
また、間違った発音やイントネーションで音読すると、リスニングの時に聞き取れなくなってしまいます。ネイティブ音声で正しい発音とイントネーションも確認することは必須です。
5.シャドーイング
4の音読よりもちょっと難易度が上がるのですが、返り読みの矯正にシャドーイングは効果てきめんです。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、その音声のすぐ後ろを影のようにくっついて、真似をして発音していくというトレーニング法です。
具体的にシャドーイングがどういう勉強法かについては、以下のページを参考にしてください。
シャドーイングは、「テキストを見ながら」行う方法を推奨している先生もいますが、私は、「何も見ないで」聞こえる英語だけを頼りに、英語を発音していく方法がダンゼンお勧めです。
そのためには、簡単な英語でないとシャドーイングできませんから、上でしつこく述べてきた「簡単な英語を読んだり聞いたりする勉強法」と、非常に相性がいいわけです。
音読だと自分のペースで読めるので、ついつい音読のスピードを落としたり、中断して返り読みをしたくなるかもしれません。
でも、シャドーイングは問答無用で英語がどんどん流れてくるので、英語に必死でついていきながら発音するしかありません。それが、返り読みの矯正にはすごく効果があるのです。
しかもシャドーイングなら、リスニングと発音・イントネーションも同時に鍛えることができて、一石二鳥ならぬ一石三鳥。(´゚д゚`)
なお、シャドーイングも音読と同じく、ただ機械的に繰り返しても効果はありません。意味を頭の中に思い浮かべながらやってくださいね。
(1)頭の中に意味をイメージして、(2)耳で英語を聞いて、(3)口で英語を話す、という3つを同時にやるわけなので、最初はめちゃくちゃ簡単な中1レベルの素材からシャドーイングを始めてください。
私は、TOEIC700点で多読を始めた頃、通勤の車の中では中1〜中2レベルの英語を聞きながらひたすらシャドーイングしていました!
シャドーイングと音読の違いについて、ご参考までにどうぞ。
「返り読み」キッパリ治す5つの方法・まとめ
英語が読むのが遅くて悩んでいる人が、みんなついついやっている「返り読み」の癖をなくす勉強法を5つご紹介しました。
その5つの勉強法は、以下。
1.簡単な英語をたくさん読む
2.簡単な英語をたくさん聞く
3.スラッシュリーディング
4.音読
5.シャドーイング
ただ、全部を一度に実践するのは大変なので、できることから一つずつで大丈夫ですよ!
どちらかというと読むのが得意な人は、以下がお勧めです。
・簡単な英語をスピードを上げてたくさん読む訓練
・スラッシュリーディング
どちらかというと聞くのが得意な人は、
・簡単な英語をたくさん聞く訓練
・シャドーイング
発音と返り読みの癖をいっぺんに矯正したい欲張りな人(笑)は(←私)
・音読
・シャドーイング
がお勧めです。
というわけで、長くなりましたが、あなたの返り読みの癖がキッパリ治ることをお祈りしています。すぐに結果は出ないので、根気強く挑戦してみてくださいね。
以下の記事も必ず参考になると思いますので、合わせて読んでみてください!