英語の長文が読めない5つの原因と直し方|翻訳者が教えるタイプ別診断


単語も文法もそれなりに勉強したのに、長文になると途端に意味が頭に入ってこない・・・

一文ずつは読めるのに、読み終わると「で、結局何の話だった?」となってしまう・・・

英語を読むのが遅くて、TOEICや英検のリーディングが最後まで終わらない・・・
そう、お悩みではないでしょうか?
英語の長文が読めない、単語はわかるのに内容が頭に入ってこない——そんな悩みを、社会人の英語学習者から本当によくお聞きします。
実は私自身、高校時代、英語のリーディングの授業が苦痛でたまらず、クラスでは落ちこぼれ。社会人になってからも、英字新聞を全然読めずに廃品回収行きにしていました。
そんな私が今では、英語をスラスラ読めるようになり、翻訳の仕事をしています。The Economistという、英語圏のエグゼクティブが購読している難易度の高い英雑誌も、毎日読んでいます。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ 英語の長文が読めない5つの原因
✅ 自分がどの原因で読めないのかが分かるタイプ別診断
✅ 原因タイプごとの、今日からできる直し方
✅ 落ちこぼれだった翻訳者がTOEIC980点を取るまでにやったこと
✅ 「単語はわかるのに読めない」「速く読めない」人へのヒント
では、さっそく見ていきましょう。
英語の長文が読めない5つの原因を、まずは自己診断

英語の長文が読めない原因は、大きく分けて次の5つです。あなたは、どれに当てはまると思いますか?
・原因1 返り読みで前後に行ったり来たりしている
・原因2 頭の中で日本語に訳さないと理解できない
・原因3 知らない単語が出るたびに止まってしまう
・原因4 語彙・基礎文法が不足している
・原因5 一文が長いと文の骨組み(構文)が取れない
多くの人は、このうち1つだけでなく、いくつかが組み合わさっています。
長文が読めない原因の診断チェックリスト
次のうち、自分に当てはまるものにチェックしてみてください。
【原因1(返り読みで前後に行ったり来たりしている)の傾向】
・英文を読むとき、つい後ろから前に戻って訳している
・長くなるほど、行ったり来たりの回数が増えて時間がかかる
【原因2(頭の中で日本語に訳さないと理解できない)の傾向】
・頭の中できれいな日本語に訳さないと、内容が理解できない
・英語の語順のままでは、意味が頭に入ってこない
【原因3(知らない単語が出るたびに止まってしまう)の傾向】
・知らない単語が1つでもあると気になって、すぐ辞書を引いてしまう
・辞書を引いているうちに、前の内容を忘れてしまう
【原因4(語彙・基礎文法が不足している)の傾向】
・そもそも知らない単語が、1段落に3個以上ある
・中学〜高校の英文法の理解があいまいな自覚がある
【原因5(一文が長いと構文が取れなくなる)の傾向】
・単語の意味はわかるのに、一文が長くなると意味が通らない
・どこまでが主語で、どれが動詞なのか分からなくなる
あなたが英語を速く読めない原因とその直し方
自分が英語を読めない原因を知った後で、それに適した勉強法を選ぶことが必要です。
そうしないと、返り読みが原因なのに単語ばかり増やしても、長文は読めるようになりません。原因と対策がズレると、どれだけ努力しても空回りしてしまうからです。
複数の原因に当てはまった人は、一番チェックが多かった原因から取り組んでください。それぞれの原因と直し方は、このあと記事内で1つずつ解説します。
| あなたのタイプ | まず取り組む直し方 |
| 原因1:返り読みで前後に行ったり来たりしている | 「返り読み」の矯正 |
| 原因2:頭の中で日本語に訳さないと理解できない | やさしい英語の「多読」 |
| 原因3:知らない単語が出るたびに止まってしまう | 「推測して読む」習慣 |
| 原因4:語彙・基礎文法が不足している | 中学〜高校基礎の「土台固め」 |
| 原因5:一文が長いと構文が取れなくなる | 「構文(文の骨組み)」の取り方 |
ただし、原因4の語彙・基礎文法の不足に当てはまった人は、ほかは後回しで、語彙と基礎文法に最優先で取り組んでください。
【原因1】返り読みで前後に行ったり来たりしている

1つ目の原因は、英語を前後に行ったり来たりしながら読む「返り読み」です。長文が読めない人の、もっとも多い原因です。
私も、学生時代から社会人になるまで、ずっとこの返り読みタイプでした。
返り読みとは?英語を前後に行き来して訳す読み方
返り読みとは、英語を日本語に訳すことを目的として、前後に行ったり来たりしながら英文を読むことです。

学校の英語の授業で、英文を日本語に訳すリーディングをさんざんやらされた人は、ほぼ全員この癖がついています。
長文になればなるほど、この「行ったり来たり」の回数が増えるので、読むスピードはどんどん落ちていきます。
「返り読み」の直し方:語順どおりに前から読む
返り読みの直し方は、簡単な英語を「語順どおりに」「できるだけ速く」読むこと。前から順に意味を取る練習を積めば、返り読みの癖は抜けていきます。
返り読みを直す5つの勉強法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

「返り読み」を矯正する具体的なトレーニングとして有効なのが、意味のかたまりごとに区切って前から読む「スラッシュリーディング」です。
スラッシュリーディングの具体的なやり方(どこで区切るか)は、こちらをどうぞ。

【原因2】頭の中で日本語に訳さないと理解できない

返り読みとセットで多いのが、頭の中できれいな日本語に訳さないと内容が理解できない、という原因です。私も以前は、頭できれいな日本語に並べ替えないと、内容を理解した気がしませんでした。
きれいな日本語訳は、長文読解には必要ない
ゆっくり読んでいると、どうしても文章を分析したくなったり、頭の中できれいに日本語に翻訳したくなるんですよね。
ですが、意味さえ取れれば、訳文の日本語が多少不自然でも全く問題ありません。

たとえば、こんな感じで、前からどんどん解釈していくのです。(上記はSPEEDIER READINGテキストより)
多少不自然な日本語になろうと、「英語を英語のまま、語順どおりに理解する感覚」を身につけない限り、TOEICなどの試験でリーディングを制限時間内に解ききるのは厳しいです。
きれいな日本語に翻訳する癖の直し方:やさしい英語を速くたくさん読む
この癖を抜けるカギは、自分にとって簡単な英語を、速くたくさん読むこと。いわゆる「多読」です。
難しい英語をウンウン唸りながら読んでいるだけでは、英語はスラスラ読めるようになりません。やさしい英語を大量に読むことで、いちいち日本語に訳さなくてもスラッと理解できる感覚が育ちます。
ただし、多読は「やり方」を間違えると何年やっても効果が出ません。正しい多読のやり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

「英語を英語のまま理解する」感覚については、こちらも参考にどうぞ。

【原因3】知らない単語が出るたびに止まってしまう

3つ目は、知らない単語が出てくるたびに辞書をひかずにはいられなくなり、時間がかかって長文を読み切れないという原因です。
知らない単語で止まると、長文は永遠に終わらない
知らない単語が一つでも出てくると気になって仕方がなく、すぐに辞書で調べてしまう癖です。
以前の私はまさにそうで、辞書を引かないと先に進めない状態でした。
読みながらいちいち辞書を引くと、文脈がぶつ切りになって、かえって意味が取れなくなります。単語を全部調べていたら、1段落読むのに何十分もかかる。そりゃ、続きません。
知らない単語で止まる癖の直し方:まず推測して読む→あとで「答え合わせ」
直し方は、知らない単語が出てきても、辞書を引く前にまず推測して読み進めること。
自分にとってやさしい英文なら、それまでの文脈が頭に入っているので、知らない単語の意味もだいたい想像できます。まず最後まで読んで、どうしても気になる単語だけ、あとで「答え合わせ」で調べればいいんです。
自分で苦労して推測した単語の方が、すぐに辞書で調べた時よりずっと頭に残るし、覚えられます!
私も、今は英字新聞The Economistを毎日読んでいますが、知らない単語はできる限り推測して読み終え、気になるものだけ後で答え合わせしています。

読むスピードを上げる工夫(推測しながら読む方法を含む)は、こちらで詳しくお伝えしています。

【原因4】語彙・基礎文法が不足している

ここまでの3つは「読み方の癖」でした。4つ目は、もっと手前の問題。そもそも土台となる語彙や文法が足りていない、という原因です。
私のクライアントさんにも、中学レベルの文法があやふやなまま何年も多読を続けて、ずっと伸び悩んでいた方がいました。
思い切って基礎の文法に戻ってもらったところ、そこから一気に長文が読めるようになったんです。
「感覚(多読)」の前に「ルール(文法・単語)」が要る
多読は、「英語って何となくこういう構造なんだ」という感覚からのアプローチです。一方、文法は「英語はこう組み立てる」というルールを学ぶこと。
この「ルール」、つまり中学〜高校基礎の文法と単語があやふやなまま長文に挑んでも、いくら読んでも頭打ちになります。
多読を始める前に固めたい基礎レベルの目安
目安は、中学〜高校基礎レベルの単語・文法がひと通り分かる状態です。具体的には、こんなレベルです。
・中学レベルの英文法がひと通り使える
・高校基礎レベル(英検準2級〜2級)の単語が見てすぐ分かる
・TOEICスコアでいうと、最低でも400〜500点以上
直し方:中学〜高校基礎の単語・文法を先に固める
このあたりが怪しいなら、長文に挑む前に、いったん基礎の文法と単語を学ぶのが結局いちばんの近道です。
「基礎固めなんて遠回り」と感じるかもしれませんが、その方が絶対に効率がいいです。
基礎固めの具体的な教材や、基礎不足のまま多読して伸び悩んだクライアントさんの実話は、この記事でくわしく紹介しています。

語彙の増やし方は、こちらもどうぞ。

【原因5】一文が長いと文の骨組み(構文)が取れない

最後は、ほかの記事ではあまり触れていない原因です。単語の意味はわかるのに、一文が長くなると意味が通らなくなる。これは「構文(文の骨組み)」が取れていないことが原因です。
単語はわかるのに、一文が長くなると意味が崩れるのはなぜ?

単語は全部わかるのに、文が長くなると、何を言っているのか分からなくなる・・・
これは、語彙の問題ではありません。文の骨組み(どれが主語で、どれが動詞か)をつかめていないのが原因です。
英語は、主語(S)と動詞(V)さえ押さえれば、文の幹がわかります。でも、長い文には説明(修飾)のかたまりがたくさんくっついていて、それに埋もれて幹を見失ってしまうんです。
構文が取れない原因の直し方:主語(S)と動詞(V)を見つけて骨組みをつかむ
長い一文に出会ったら、まず「この文の主語はどれ?動詞はどれ?」を探してください。
幹(主語と動詞)さえ見つかれば、「誰が、どうした」という文の中心がわかります。あとは、その周りの説明を後から足していけばいいんです。
たとえば、こんな文があったとします。
The book that I bought yesterday was very interesting.
主語は The book、動詞は was。幹は「The book was very interesting(その本はとても面白かった)」です。
that I bought yesterday(私が昨日買った)は、The book を後ろから説明しているかたまり。幹さえ取れれば、長くても怖くありません。
修飾のカタマリは「後ろから前を説明している」と捉える
英語は、説明(修飾)を後ろにくっつけていく言語です。関係代名詞(that, which, who)、前置詞(in, on, with)、分詞(-ing, -ed)などは、その手前の言葉を後ろから説明しています。
「このかたまりは、どの言葉を説明しているのか?」と意識するだけで、長い文がぐっと読みやすくなります。
長い文ほど、まずは主語と動詞を探すのが基本です。
ただし、「後ろから前を説明している」からと言って、後ろから前に返り読みしないようにしましょう!
たとえば、
The book that I bought yesterday was very interesting.
私が昨日買った本はとても面白かった。
と「返り読み」で訳すのではなく
The book that I bought yesterday was very interesting.
その本は/それを私は買ったんだけど/昨日/とても面白かった。
と、前から後ろに訳す感じです。
長文を読むときは、決して後ろを振り返らない!
スラッシュリーディングは、長い一文の構文(骨組み)を取る練習にもそのまま使えます。意味のかたまりで区切ると、主語と動詞が見つけやすくなりますよ。

翻訳者の私が長文を読めるようになるまで

ここで少し、私が英語の長文を読めるようになるまでの昔話をさせてください。正直、全然カッコよくないです。
高校のリーディングの授業が嫌でたまらなかった落ちこぼれ時代
私は学生時代に、英語がスラスラ読めた経験なんて一度もありません。
先生に指名されて、家で日本語に訳しておいたものを発表するリーディングの授業が、嫌でたまりませんでした。クラスでは、落ちこぼれでした。
当時の私は、難しい英語を一語一句ノートに和訳して、分からない単語は全部調べて理解する「精読」ばかり。というか、それ以外の読み方を知りませんでした。
お金を払って廃品回収行きになったThe Daily Yomiuri
社会人になってからも、英字新聞のThe Daily Yomiuri(現The Japan News)を購読していましたが、ほとんど読めませんでした。
全然読めないのに毎日新聞が届き、リビングの片隅に積み重なっていきます。それを見た母に、「あんたはこの新聞をいつになったら読むんかね」と、いつも言われていました。
廃品回収に直行の紙の束を、お金を払って買っていたことになります。(苦笑)
この当時、TOEIC700点から800点くらい。英字新聞を読んでも、ただ字面を目で追っているだけの状態でした。
塾講師のバイトで偶然はじまった「多読」
転機は、塾講師のアルバイトで高校生の担当になった時でした。
授業の準備のために、生徒の副読本(長文問題ばかりのテキスト)を読まなければならなくなったんです。「高校生の長文の指導か〜、自信ないな〜」と、すごく憂鬱でした。
・・・が!予想よりずっと簡単に読めたのです。
自分のレベルに対して簡単な英語を読むという経験は、それがほぼ初めて。日本の英語教育って、常に「できるだけ難しいものをやれ」という感じですよね。
そのときの「英語がスラスラ読めるって楽しい!」という感動は、今も忘れません。
センター試験が半分の時間で解け、TOEIC980点を取得
授業準備のために簡単な英語を毎日読んでいたら、読むのもだんだん早くなり、日本語に訳さないで英語のまま理解できるようになりました。
そして、制限時間80分のセンター試験(現共通テスト)が40分で解けるように。 多読らしきことを始めて、2年くらい経った頃です。
また、TOEICで980点(リーディングセクション485点)を取得しました。TOEIC対策はほぼしていないので、単純に「早く正確に読む力」がついたからだと思います。
原因を1つずつ潰していけば、誰でも必ず読めるようになります。
まとめ|原因を特定して、タイプに合った直し方から始める
最後に、この記事でお伝えしたことを整理します。
✅ 英語の長文が読めない原因は、大きく「5つ」に整理できる
返り読み/日本語訳癖/単語で止まる/基礎不足/構文が取れない。まず原因を特定する。
✅ 原因1〜3は「読み方の癖」
語順どおりに前から読む・やさしい多読・推測して読む、で抜けていく。
✅ 原因4は「土台不足」
中学〜高校基礎の文法・単語を先に固めるのが、結局いちばんの近道。
✅ 原因5は「構文(文の骨組み)」
単語はわかるのに読めない人は、まず主語(S)と動詞(V)を探す。
大切なのは、自分の「読めない原因」を1つに絞り込むことです。原因さえ特定できれば、あとはその原因に合った直し方から始めるだけで、長文は必ず読めるようになります。
なお、リーディングのコツを5つまとめて知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

まずは、さきほどの診断チェックリストで一番多く当てはまった原因のセクションに戻って、その「直し方」を1つだけ試してみてください。それが、長文をスラスラ読める自分への第一歩です。
5つの原因のうち、原因1〜3の「読み方の癖」にまとめて効くのが、語順どおりに前から読むトレーニングです。
私が作った速読教材「SPEEDIER READING」で、直読直解の力を一気に鍛えられます!良かったら、ぜひご検討ください。



