プロの翻訳家になるには最短でどのくらいの年月が必要?

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翻訳家を目指しているという大学生の方から
メールをいただきました。


> — 現在の英語レベル(TOEIC、英検など) —
> TOEIC910点

> — メッセージをどうぞ —
> 初めまして。

> 私は現在カナダに留学中の大学生です。
> カナダに来て約8か月が経ちました。

> 留学に来る前は、外国で暮らせば自然と話せるようになるはず!
> 映画も字幕なしで簡単に理解できるようになるはず!と
> 完全に勘違いをしていました。


> 留学生活も残りあと少しになり、漠然と将来英語を使って生活したい、
> 海外に住みたいという夢はあるものの、一体どのような方向に進みたいのか。
> 改めて考えてみたところ、翻訳家の仕事が自分にはぴったりなのではないかと思い、
> えいみさんのサイトを見つけました。



> 私は極度な恥ずかしがり屋なこともあり、
> 積極的に発言をしたり、話しかけたりすることが苦手なため、
> 特に会話力に伸び悩んでいます。

> えいみさんが何度もおっしゃっているように、
> TOEICでは真の英語力をはかることはできないというのは
> 自分自身つくづく実感しています。


> えいみさんのサイトを見つけたのはほんの数日前なのですが、
> 真の英語習得へのコツや、えいみさん自身の体験談を読んで、
> 自分の中の葛藤が少し楽になったように感じました。

> こんなすぐに話せるようになるわけがない、
> 継続という長いスパンで見なきゃいけないんだ!と。



> 前置きが長くなってしまいましたが、
> プロの翻訳家になるには最短でどのくらいの年月が必要なのでしょうか。
> えいみさんは翻訳家になられるまで、
> 予備校講師や、事務でお仕事をなさっていたのですよね?

> 私は来年、大学3年生になります。
> どんなに頑張っても、大学を卒業してすぐに翻訳家になるという夢は
> 現実的に厳しいのでしょうか(ちなみにドイツ文学専攻です)。
> よろしければ、ご回答をお願いします。


> 長々とすみません。明日もメール講座を楽しみにしていますね。

> — 引用について —
> 名前は伏せた上で引用可



メッセージありがとうございます。^^

> 留学に来る前は、外国で暮らせば自然と話せるようになるはず!
> 映画も字幕なしで簡単に理解できるようになるはず!と
> 完全に勘違いをしていました。


ですよね~。
住んでても全然ですよね~。

もちろん、英語に触れる機会は多くなるので全く意味がないわけではないですが、
結局は、どこに住んでいようとどれだけ英語に時間を割いて本気でやるかどうかだと思います。

でも、「外国に住んでるだけじゃダメなんだ!」って
早く気づけただけで良かったと思いますよ!

そうやって勘違いしている人、たくさんいますから・・・。


話すのが苦手なら、翻訳者という職業は良い選択肢だと思います。

私の同僚には、翻訳専門の人と通訳翻訳兼業の人がいますが、
翻訳専門の人は英語を書くのはもちろん得意で日本語の文章能力も高いですが、
話すのは苦手という人も複数います。

私も、どちらかと言うと話すのは得意ではなく
普段から日本語でも口数があまり多くない方なので、
英語で積極的に話すということもあまりなく
英会話がずっと苦手で来てしまいました。

そういう時、すごくおしゃべりで積極的な人を見ると
うらやましいな~と思います。



> プロの翻訳家になるには最短でどのくらいの年月が必要なのでしょうか。
> えいみさんは翻訳家になられるまで、
> 予備校講師や、事務でお仕事をなさっていたのですよね?


さて、このご質問についてですが、
最短でどれくらいというのは、人それぞれなので何とも言えないです。
早ければ、大学生でも翻訳の仕事をしている人だっていますしね。

私も、アルバイトなら
フランス語の翻訳の仕事を大学時代にしたことがあります。

でも、翻訳家になりたいと願って10年経ってもなれない人もたくさんいます。

つまり、期間が問題なわけではなく、
その人の能力と運次第だということです。


あ、ちなみに、「翻訳家」という言葉は
一般的に文学作品やビジネス書を翻訳したりする人を指す言葉のようです。

私自身は「翻訳者」であって、「翻訳家」という肩書はしっくりきません。

マニュアル、論文、ホームページ、決算書など
いわゆる「産業翻訳」をやっているからです。

上の「翻訳家」が主にやる「文芸翻訳」より
「産業翻訳」の方がはるかに市場が大きく、仕事も多いです。


あなたがどうこうという話ではなく、一般的に言うと、
大学を出て新卒で翻訳一本で仕事をしていくというのはかなり珍しいケースです。

というのは、翻訳というのは、ただ英語ができれば良いのではなく
(英語ができるというのは当たり前の話)
それ以上の専門知識・スキルや職務経験が関わってくるからです。

ものすごく日本語の文章能力が高ければ
(たとえば自分でも日本語で小説を書いてるとか)
文芸翻訳の道もあるかもしれません。

大学での専門分野(特に理系)を生かして
その分野に関わる産業翻訳ができるかもしれません。

でも、普通は、なかなかそうはいかないはずです。


あなたが、特別にアピールできる

・日本語能力
・英語ライティング能力(「英語らしい英語」が書ける)
・専門分野

などがあれば別ですが、

そうではない場合は、翻訳の仕事も発生するような企業に属して
社内の翻訳に携わりながら特定の業界の専門知識をつけて
やがて独立というのが、最も現実的な道のように思います。

もちろん、独立しなくとも、社内翻訳者というポジションを得て
翻訳者として企業に属し続けることも可能ですよ。

あなたほどのTOEICの点数があって留学経験もあるということであれば、
少なくとも企業は「英語要員」として見てくれると思います。

だから、翻訳ということだけにこだわりすぎず
「英語を日常的に使う機会がある職場」ということを考えて
お仕事を見つけてみたらいいのではないでしょうか?


英語を使う仕事といっても、(翻訳ももちろんそうですが)
英語さえできれば務まるわけではありません。

いろんなビジネスマナーや仕事のやり方を覚えないといけないし、
その会社が扱っている商品のことなど専門知識も必要です。
英語以外の勉強もたくさん必要になります。

でも、そうやって経験を積んでいくことで
だんだんとあなたの市場価値が高まっていき、今後たとえば

「私は金融関係の職務経験が○年ありますので、専門知識もあります。
 金融関係の翻訳なら任せてください!」

といったアピールができるようになります。
そう言える分野ができると、強いですよ。

というわけで、お役にたったら幸いです。
頑張ってくださいね。



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