英単語を3日で150語覚える通訳の暗記法|会議前の準備を全公開


来月、英語の会議に出ることになった。専門用語だらけなのに、単語を覚える時間がない・・・

試験が間近に迫っているのに、単語が全然覚えられない・・・
締め切りは決まっているのに、覚える量が多すぎる。そんな「詰んだ」感覚で検索してきた方、多いのではないでしょうか?
短期間で大量の英単語の暗記が必要な職業の一つと言えば、通訳者です。通訳は、出席する予定の会議の内容に合わせて、大量の単語の暗記が必要になります。
地球温暖化防止に関する会議であれば環境関連の単語、自動車メーカーの技術者向けの会議なら車のメカニックに関する単語、決算の話し合いなら財務に関する単語と、ジャンルは様々です。
私自身は社内通訳者なので、環境や自動車など、毎回全然違う分野の通訳をすることはありませんでした。それでも、同じ会社でも「会計」「人事」「技術」「開発」「臨床」「統計」など様々なジャンルの会議に呼ばれるので、たった数日で100個や200個の単語を覚えるようなこともザラにありました。
通訳の準備のため、3日で150個新しい単語を頭に詰め込んだときは、泣きそうになりました・・・
まあ、仕事なので「覚えられない」とか甘えたことを言っていられず、無理やりだろうが何だろうがとにかく覚えるしかありません。(まあ、同じジャンルで何度も通訳していれば、だんだん楽にはなってきますが・・・)
この記事では、そんな環境で曲がりなりにも仕事をしてきた私が、会議の直前のほんの数日でどうやって大量の英単語を丸暗記しているか、ご紹介します!さらに、数年前までは時間がかかっていたこの準備が、今はAIでどれだけ短くなったかもお見せします。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ 英単語を短期間で大量に暗記する5つの方法(通訳が会議前にやっていること)
✅ 会議用の英単語リストをChatGPTで数分で作る手順
✅ 本番で知らない英単語が出てきたときの、通訳の対処法
英単語を短期間で大量に暗記する5つの方法|通訳が会議前にやっていたこと

まずは、私が会議前の数日でやっていた5つの方法からです。特別な才能も、高い教材も要りません。
方法1:英単語シートを1語1秒で、何十回も高速で回す
私はまず単語シートを使って、英語とその日本語訳を並べて書いてそれを覚えていきます。詳しくは、【これだけで1000単語覚えた】私の英単語帳の作り方を大公開にも書いてあります。

英語を見て日本語でちゃんと言えるかを確かめて、今度は、日本語を見て英語を言えるようになるまで繰り返します。(「日本語→英語」への変換は、私は通訳で必要なのでやりますが、一般の学習者さんは必要ない場合もあります。)
コツは、1単語1秒以内でパッパッと進めていくことです。ゆっくりじっくりやるのではなく、速く何度も繰り返す。それが単語を覚える時の重要な点です。
短時間で大量に覚えようと思ったら、何はなくともこれしかありません。超高速で、何十回も繰り返す。寝ても覚めても、繰り返す。
1単語1秒。パッと見て言えなかったら、悩まずにすぐ次へ!
私のこの単語シートだと、1枚30単語なので、1単語1秒で回せば30秒で終わります。
この単語シートをポケットに入れておいて、車で信号待ちの時、寝る前に布団の中で、職場のコーヒー休憩中など、とにかく何度も何度も何度も何度も何度も見ます。
もちろん、正しい発音もちゃんと一緒に覚えます。聞き取れなかったら使い物にならないので。
「単語を覚えるにはひたすら書きまくって暗記!」と思っている人もまだいるかもしれませんが、何度も書いて覚えてはダメです。書いて暗記することの弊害は、こちらの記事に書いてあります。ぜひ読んでおいてください。

方法2:知らない専門用語は、WikipediaとGoogle画像検索で「何なのか」から理解する
英語が上級レベルになってきたり、ビジネスの現場で英語を使うようになると、知らない単語を辞書で調べても「日本語でも意味が分からない」ってことが多くなってきます。専門用語が多いからですね。
たとえば、私は自動車業界に勤めていたことがありますが、自動車の構造に疎くて部品のことなどが全くわかりませんでした。「シャフト」と言われても、それが何かがわからないのです。
会議通訳の準備をする時、単語を知らないのはもちろんのこと、背景知識がなくて「そもそもこれが何なのか分からない」という専門用語ばかりということも多いです。
だから、時間が許す限りネットで調べて「それが何なのか」をまず理解することから始めます。たとえばシャフトって何だろうと思ったら、それをネットで調べます。
Wikipediaで調べてもいいし、「○○とは」と調べて解説ページを読んでもいいです。私が重宝しているのは、Googleの画像検索です。
あれこれ説明を読まなくても、イメージでパッと理解した方が早いこともよくあります。たとえば、Googleで「シャフト」を画像検索して出てきた写真やイラストを見たら、「なるほどー、シャフトってタイヤの内側についてる棒のことなんだな〜!」と一発でわかります。

専門用語を調べるだけではなくて、画像検索は、普通にあなたが日々の単語学習でどうしても覚えられない単語に出会った時などにも使えますよ。
たとえば「gloomy:暗い」という単語が、何度見ても覚えられないとしましょう。そうしたら、gloomyを画像検索してみたらいいのです。

どよーん・・・って感じで、gloomyのイメージが立体的になりませんか?
これからは、gloomyという単語を見たら、この画像のイメージを思い出して、「ああ、あのどよーん・・・っていうイメージだったな」っていう印象とともに覚えるようにするのです。
もし「何度見ても覚えられない単語だらけ」という状態が続いているなら、それは才能の問題ではなく、覚え方が大人の脳に合っていないだけかもしれません。英単語が覚えられない本当の理由と、大人の脳に合った記憶法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

また、Wikipediaで単語を調べるときに助かるのは、関連用語へのリンクが充実していることです。
たとえば、AとBという単語を覚える必要があるとします。どっちも何のことか分からなくてWikipediaで調べたら、どうもBというのはAという製品の部品の一つらしいなと分かって、おまけにAとBがどういう位置関係にあるのかが図で示されていたりします。すると、格段に覚えやすくなるんですよね。
たとえば、「シャフト」をWikipediaで調べると、「トルクチューブ」とか「トランスミッション」とかいう単語にリンクがついているのですが、だいたいにおいて、その関連用語も覚えなきゃいけない単語だったりします。
そんな感じで、Wikipediaや画像検索を上手に使ってみましょう。
わたしたち通訳は、専門知識がない分野の会議準備で、こういう作業を毎回やってます。が、これをお読みの多くの方は、ご自身の専門分野の用語の意味がわからないということはないと思うので、その場合は必要ないですよ!
方法3:英単語より先に略語を覚える
これは特に専門用語でよくあることなんですが、頭文字の略語が会議の場で使われることも頻繁にあるので、そっちもちゃんと把握しておかないと通訳のときに困るんですよね。
で、このときに先に略語を覚えてしまうと楽だったりします。
たとえば「貸借対照表」という単語はbalance sheetと呼ばれるんですが、私の職場ではBSとみんな言っていました(うちだけかな?)。この、BSの方を先に覚えてしまう。すると、BSという頭文字をヒントにしてbalance sheetが簡単に導き出せます。
どうでもいいですが、「BS」はbullshit(くそったれ!)という非常に無礼で汚い単語の略語でもあるので注意です。笑
次に、勝手に略語を作るというのは、上のやり方の反対で、長い単語や決まり文句は自分で勝手に略語を作ってしまいます。自分の中の通訳メモのルールという意味もありますし、その略語から単語を思い出すこともできますので。
自分が覚えやすいルールを作るっていう面ではゴロ合わせ的なイメージです。
方法4:資料を片っ端から瞬間和訳・瞬間英作文する(きれいな英語は二の次)
その単語にまつわるWikipediaの文章、会議用の資料とかの文書を読んだら、とにかく片っ端から頭の中で(声を出せる時には声に出して)訳していきます。日本語の文章を読んだら瞬間英作文。英語の文章だったら瞬間和訳。単語だけを覚えるより記憶に残りやすいです。
たとえば、「シャフト」という言葉の意味を調べると「タイヤにエンジンからの駆動力を伝える棒状の部品のこと」と書いてあったとしたら、それを瞬間英作文するのです。
例)タイヤにエンジンからの駆動力を伝える棒状の部品のこと
→A stick-shaped part that transmits power from the engine to the tires
この英語がネイティブらしいか、最適かどうかは二の次。とにかく英語にすることを優先します。
通訳の現場では、凝ったネイティブ表現を時間をかけて出している暇はないので、とにかくその時に自分の持ち時間で出せるものを出すしかありません。少々直訳調であろうがOKと割り切って、瞬間英作文をします。
あるいは、自分が覚えようとしている単語や、その単語に関連する専門分野の知識を「人に教える」つもりで頭の中で英語で説明してみます。
「○○ means・・・」
「We use ○○ when・・・」
みたいな感じで瞬間英作文。自分ひとりで理解したつもりになっているよりずっと理解力が増します。記憶にも定着します。
瞬間英作文は、英会話スキルだけでなく語彙力アップにも使えます。単語を覚えるには、口を動かすことです。ボキャブラリーに瞬間英作文、取り入れてみてくださいね。英会話力も伸びて、語彙力も伸びて、一石二鳥。
瞬間英作文のやり方そのものは、こちらの記事でどうぞ。

方法5:会議の流れを予想して、出そうな発言を瞬間英作文しておく
会議では当然、覚えた単語がバンバン出てきて話し合いが進行していくんですが、会議がどんな流れになりそうかを下調べして可能な限り想像します。
そして、「この人はこういうこと言いそうだ」といったことをある程度予測を立てて、その私の想像上の発言を瞬間英作文します。単語が記憶に残りますし、理解にもつながります。これが実際、会議前の準備には一番役立ちます。
会議の流れを予想しながら準備を進めていくと、「あ、そういえばこの単語はどういう意味なんだろう?」「ところで、この話はどうだったっけ?」と自分の盲点に気づけます。そこを埋めながら、覚えるべき単語をしっかり叩き込んでいきます。
通訳の準備で単語を覚えるときは、その覚えるべき単語を含む日本語をできる限り瞬間英作文して、文章の中で使えるようにします。
単語は、文章の中で言えるようになって初めて「使える」になります。
あらゆる場面を想定した脳内シミュレーションと瞬間英作文については、この記事に詳しく解説しているので読んでみてください。

また、あなたが「自分が会議で発言する側」で悩んでいるなら、英語会議の想定問答の作り方まで踏み込んだこちらの記事をどうぞ。

会議前の英単語リストは、いまはAIで数分で作れる

ここまでの5つは「どう覚えるか」の話でした。実はその手前に、もう一つ地味に大変な作業があります。「何を覚えるか」のリストを作る作業です。
私が通訳者として働き始めたのは、もう20年ぐらい前。当時は会議室にWi-Fiなんてない時代だったので、単語帳も瞬間英作文の文も、全部紙で準備して会議の場に持って行っていました。会議資料を読み込んで、知らない単語を調べて、シートに書き出して。このリスト作りが、まず一苦労でした。
それが今は、ChatGPTに頼めば数分です。ほんとうに、いい時代になりました。
会議用の英単語リストは、ChatGPTに作らせる(日本語訳は1つだけでいい)
ChatGPTに、こんな感じで頼みます。
来週、英語の会議に出ます。議題は「新製品の品質保証体制」です。
この会議で出てきそうな英単語・表現を30個、重要な順に「英語|日本語訳」の表にしてください。
・日本語訳は、この会議の文脈に合うものを1つだけ
・業界の専門用語を優先し、中学レベルの基本単語は入れない
すると、たとえばこんなリストが返ってきます。
quality assurance (QA)|品質保証
defect|不良
recall|リコール
inspection|検査
root cause|根本原因
corrective action|是正処置
supplier|仕入先
traceability|トレーサビリティ
↑出力例(先頭だけ抜粋。以下、30個まで続く)
ポイントは、日本語訳を1つに絞らせることです。定義を2つも3つも並べたリストは、覚える段階で必ず失速します。「1単語に日本語1つ」は、私の単語シートのルールと同じです。
出てきたリストを単語シートに落とす方法は、この記事のChatGPTの章で解説しています。

会議資料が手元にあるなら、資料を貼り付けて「この資料から専門用語を抜き出して」と頼めば、さらに精度が上がります。20年前の私が丸1日がかりでやっていた作業が、これで終わりです。
覚える英単語はスプレッドシートに貯めて、毎朝ながめる
お仕事で英語が必要な私のコンサルの生徒さんには、仕事で出てきた「これ、英語でどう言うんだろう?」をChatGPTに聞いて、教えてもらった言い方をスプレッドシートに貯めてもらっています。
もちろん、スプレッドシートに貯めるだけでは使えるようにならないので、毎朝など定期的に見返してもらっています。
単語が頭に残るかどうかは、結局「何回目にしたか」で決まるからです。リストを作って満足するのではなく、毎朝開く場所に置いておく。
会議前の詰め込みでも同じで、作ったリストはスマホやPCの一番開きやすい場所に置いて、スキマ時間のたびに回します。
ちなみに、締め切りに追われていないふだんの学習では「1日何個ペースで覚えるのが現実的なの?」と気になりますよね。
私が普段実践している「1日200語」の単語学習法はこちらの記事で紹介しているので、ペース配分の目安にしてください。

本番で知らない英単語が出てきたら?通訳の対処法

どれだけ準備しても、本番で知らない単語はゼロになりません。最後に、そのときどうするかという話をしておきます。
通訳でも、会議で100%聞き取れることはそんなにない
私は会議通訳の仕事をずっとしてきましたが、正直に言うと、100%全部聞き取れることばかりではありません。
知らない単語が出てくることもありますし、電話会議なら音声が不明瞭で聞き取れないことだってあります。(もちろん、毎回100%聞き取れるに越したことはないし、そのために毎日訓練をしてるんですけどね)
それでも、通訳の仕事は成立していました。聞き取れなかった部分は、聞き取れた部分と知識で補えるからです。
日本語で考えてみてください。騒がしい場所で電話をしている時、相手の声が完全に聞き取れなくても、だいたい分かれば会話は成立します。日本語の新聞記事で、よく知らない言葉が出てきても、文脈からなんとなく推測して全体的に理解しますよね。
私たちは、聞き取れない単語や知らない単語を推測して、欠けた部分を補っています。英語でも、同じことができるのです。
知らない英単語は、背景知識と構文で補える(全体像が分かっていれば何とかなる)
英語にも、続きを予測できる目印がたくさんあります。I’m afraid ときたら、後ろには悪い知らせが来る。We wish we could ときたら、「できたらいいけど実際はできない」という話になる。単語そのものが聞き取れなくても、こうした構文の知識で流れがつかめます。
それに加えて、通訳は背景知識・話者の立場・表情まで総動員します。「今日の参加者ならこの話になるはず」「この人はこの立場だから、こう言っているはず」。音声だけに頼らず、すべてを総合して理解しているのです。
つまり、方法5で会議の流れを予想し、方法2で背景知識を入れておくこと自体が、そのまま本番で知らない単語が出たときの保険にもなります。準備は、暗記のためだけのものではないんです。
知らない単語が1個や2個あっても、全体像がつかめていれば何とかなります!
多くの人は、知らない単語が一つでも聞こえたらパニックになるという経験をしたことがあると思います。でも、聞こえない部分があっても、それを推測で補って理解できれば良いし、通訳だって毎日そうやっているんです。
この「聞こえた音+推測=理解」というリスニングの考え方は、こちらの記事で練習方法まで詳しく解説しています。

まとめ|英単語は短期間で大量に覚えられる
というわけで、通訳の仕事をしてきた私が短期間で大量に英単語を覚える方法をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
会議や試験が迫っているなら、やることはこの順番です。
- ChatGPTで「覚える単語のリスト」を作る(議題を渡して、日本語訳は1つだけ。数分で終わる)
- リストを単語シートに落とす
- 1語1秒で、何十回も高速で回す(電車の中・信号待ち・コーヒー休憩など)
- 日本語でもピンと来ない専門用語は、画像検索とWikipediaで「何なのか」から理解する
- 資料と想定発言を瞬間英作文して、単語を文章の中で使えるようにしておく
残念ながら、3日で150個詰め込んだ単語というのは、学生時代の一夜漬けのようなもので、すぐに忘れてしまいます(苦笑)。でも、ここで書いたテクニックを駆使して何度も高速回転しながら覚えることで、だんだんと長期記憶として定着していきます。
私がその高速回転に使ってきた単語シートは、使い方の動画つきで無料でお渡ししています。会議や試験が迫っている方こそ、下のボタンから受け取って、実践してみてくださいね。


