英単語は1日何個覚えるべき?通訳が実践する「1日200語」勉強法


単語帳を1日10個ずつ、確実に覚えようとしているのに、ぜんぜん先に進まない・・・

思い切って1日50個に増やしてみたら、翌日にはほとんど忘れていた。もう若くないから、記憶力が衰えてるんだ・・・
そんなお悩みを、私はたくさんお聞きします。

DUO、金フレ、キクタンなど、いろいろ買ってみたけど、やったのはどれも最初の数ページだけでした・・・
これも、実際に読者さんからいただいたメッセージです。
単語帳が、いつも最初の数ページで止まってしまう。かといって、ペースを上げると、覚えたそばから忘れていく。
だから「1日何個ならちょうどいいのか、いいかげん誰かに決めてほしい」。そんな気持ちで検索されたのではないでしょうか?
でしたら、私が決めます。私の答えは、タイトルにすでに書いた「1日200語」です。ただし、「覚える」のではありません。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ 英単語は1日何個に目を通せばいいか(まずは100語・約10分でOK)
✅ 1語5〜10秒で「目を通す」ための、具体的な3ステップ
✅ 3ヶ月で単語帳を1冊終わらせる、平日と週末のスケジュール
✅ 「何周しても覚えられない」から抜け出す、周回のやり方
英検1級に合格し、通訳翻訳者として仕事ができるようになった私も、英単語を覚えるのはすごく苦手で、挫折の回数は数え切れません。
そんな私が単語を覚えられるようになった方法が、この「覚えずに目を通す」やり方です。
英単語は1日何個?通訳の答えは「覚えずに、200語に目を通す」

私は毎日、200語の英単語に目を通しています。具体的にどうやっているか、ご紹介します。
私が実践する「1日200語」|覚えるのではなく、見るだけ
「1日200語」と聞くと、とんでもない暗記量に見えますよね? でも、私はこの200語を「覚えている」のではありません。目を通しているだけです。
目を通すというのは、単語を見て、発音して、日本語の意味を1つ確認する。それだけのことです。1語あたり、かける時間は5〜10秒。「今日中にこの200語を暗記するぞ」という気合は、どこにもありません。
「今日中に覚えなきゃ」という力みを捨てることが、単語学習を続ける最大のコツです!
大事なのは、「1日何個覚えたらいいのか」という問いそのものを、変えてしまうこと。
「1日に何個覚えるか」ではなく、「1日に何語と会うか」。単語学習は、その日のうちに暗記を完了させる作業ではなく、同じ単語に何度も会いに行く作業だからです。
英単語はまず1日100語・10分から
とはいえ、最初から200語をやる必要はありません。まず、1日100語からで十分です。1語5秒〜10秒なら、100語に目を通すのに約10分。通勤電車の2駅分ほどの時間です。

100語!? 10個でも覚えられないのに、無理に決まってる・・・
と思いますよね? 大丈夫です。繰り返しますが、覚えなくていいんです。100語を、10分でざーっと眺めるだけ。眺めるだけなら、今日からできます。
2回目からは、1単語1秒で
1回目は、1単語に5秒〜10秒くらいかけて発音などもチェックしていきますが、2回目以降は、1単語1秒でどんどん回していきます。
「ああ、また忘れた」「覚えられない」とかいちいち考えず、自分を責めず、淡々と1単語1秒で眺めていきましょう。それでOKです。
では、なぜ「眺めるだけ」で単語が身についていくのか? その理由を、次で説明します。
英単語を1日10個ずつ覚えるのは遠回り|「広く浅く」で顔見知りを増やす

「1日10個ずつ、確実に」。この進め方がなぜ遠回りなのか? 理由は、大人の記憶の仕組みと相性が悪いからです。
単語帳の見開き2ページを完璧にしてから進む、が一番非効率
まじめな人ほど、いま開いているページを覚えきってから、次のページへ進もうとします。学校の試験勉強なら、それが正解でした。
でも、この「狭く深く」方式には、大きな落とし穴があります。完璧を求めるほど進みが遅くなり、1冊終わる頃には最初のページを忘れています。というより、そもそも最後のページまでたどり着けません。
「これも覚えなきゃ、全部覚えなきゃ」とやっていたら、一生終わらないんです。
だから、発想を逆にします。「狭く深く」ではなく、「広く浅く」。1冊全体を、浅く、速く、何度も回すのです。
見たことのない英単語は、自分のレーダーに引っかからない
「広く浅く」をおすすめする理由は、もう1つあります。
一度も見たことのない単語は、英文の中で出会っても、風景の一部として素通りされていくだけなんです。あなたのレーダーに、まだ登録されていないからです。
でも、単語帳で一度でも目を通していれば、「あ、これ、単語帳で見た顔だ」と引っかかります。
「単語帳で見た・・・!でも覚えてない。何だっけ〜?」と悔しい思いをするのが大事なんです。
「これ、単語帳に載ってた」と引っかかりさえすれば、しめたもの。そこから先は、出会うたびに記憶が濃くなっていきます。
単語帳の3000語と、早く「顔見知り」になる
単語帳を最初に回すときの目標は「全員と親友になる」ことではありません。「全員と顔見知りになる」ことです。
親友になるというのは、全員の顔と名前が一致しているのはもちろん、その友達のことを深く知っている状態ですよね。でも、初対面で親友になるなんて、そんなの無理です。
でも、英単語になると、初対面で親友になろうとする人が多すぎるんです!
3000語の単語帳なら、その3000語と、できるだけ早く一通り顔を合わせましょう。最初は「初めましての挨拶」だけでいいんです。
つまり、その人の顔(スペル、見た目)と、名前(意味)を、いったん頭に入れる。でも、新学期にいきなりクラス全員の名前が覚えられないように、単語も最初は覚えられなくて大丈夫です。
2回目に会ったら「どこかで見た顔だな、でも名前なんだっけ」、3回目には「ああ、あなたね」。そうやって、挨拶を重ねるうちに親しくなっていきます。
初対面で名前と顔を完璧に一致させる必要はありません。「どこかで見た顔だな」から始めれば十分です。
英単語を翌日忘れるのは、記憶力のせいではない
「でも、目を通しただけの単語なんて、翌日には忘れてるんじゃ・・・」と思いますよね? そのとおり、忘れます(笑)それでいいんです。
大人の脳は、30歳くらいを境に、丸暗記が苦手な仕組みに変わります。それは脳の劣化ではなく、成熟した証拠。代わりに、何度も繰り返し出てくる情報だけを「覚える価値あり」と判断して記憶に残すようになります。
つまり、1回会っただけの単語を忘れるのは、脳が正常に働いている証拠。記憶力の衰えではなく、反復の回数が足りていないだけです。
忘れることを前提に、会う回数で勝負する。それが「1日100個」方式です。
大人の脳が昔のように英単語を覚えられなくなる理由と、大人の脳に合った英単語学習法は、こちらの記事で詳しく書いています。

英単語100語に目を通す手順|1語5〜10秒、1日10分で終わる

「1日英単語100語に目を通す」の中身は、次の3ステップで行います。
ステップ1:英単語を見て、自分で発音する(音声もチェック)
単語のつづりを見たら、正しい発音を確認して、自分の口で1回発音します。単語帳に音声がついていればそれを流しながら、なければGoogle検索で発音を再生すれば正しい発音が確認できます。
ポイントは、黙読で済ませないこと。声を出せない場所なら、頭の中で正しい発音を再生するだけでも構いません。
発音があやふやなまま覚えた単語は、リスニングで出てきたときに気づけません。必ず音を確かめてくださいね。
ステップ2:日本語の定義を1つだけ見る
訳語は、代表的なものを1つだけ見ます。
たとえば impediment なら「障害」だけでOK。「妨害、障害物、身体障害・・・」と辞書に並ぶ定義を全部覚えようとしないでください。
「何となく、邪魔をする何かなんだな」くらいのざっくりしたイメージがつかめれば、上出来です。

定義はきっちり覚えなくていいです!ゴールは、その単語を見た瞬間に、文字の定義ではなく「イメージ」が浮かぶことです。
ステップ3:例文や派生語・類義語・対義語は「ふーん」と眺めるだけでいい
例文は、読み込みません。「ふーん、こういうふうに使うのね」と眺めて、次の単語へ進みます。派生語・類義語・対義語も、「へー」と眺めて終わりにしてください。覚えなくていいです。
例文をじっくり読んだり音読したりするのは、あとで登場する「どうしても覚えられない単語(選抜チーム)」の単語にだけやれば十分。全部の単語にやっていたら1語5秒では終わらず、このやり方の命であるスピードが崩れてしまいます。
書いてある情報をじっくり読み込みたくなる気持ちは分かりますが、全部の単語に時間をかけていたら、絶対に続きません!取捨選択が肝です。
以上の3ステップで、1語5〜10秒。100語なら、約10分で終わります。できれば朝、仕事に行く前にこの10分を取るのがおすすめです。
なお、初対面で知らなかった単語には、印をつけておいてください。私は「正」の字を書き込んでいます。この印が、あとで説明する「選抜チーム」の名簿になります。
朝の英単語100語に、その日のスキマ時間で何回も会い直す
朝の10分で挨拶を済ませたら、1回で終わりにしません。その日のうちに、同じ100語と何回も会い直します。といっても、机に向かう必要はありません。
信号待ちや電車を待つ時間には、朝の100語をパラパラと見返します。2回目以降は、1語1秒の高速回転でどんどん単語をチェックしていきます。思い出せなかった単語には、正の字に画数を足していきます。
そして、通勤や家事などの「手はふさがっているけれど、耳は空いている時間」には、単語帳の例文音声を聞き流します。朝に目を通したばかりの単語が耳から流れてくるたび、出会いの回数が1回ずつ増えていくわけです。
机に向かうのは朝の10分だけ。あとは全部「ながら」でできますから、忙しい平日でも回るんです。
英単語帳は3ヶ月で1冊終わる|平日500語→週末に「選抜チーム」を作る

1日100語のペースが、どうやって「3ヶ月で1冊」になるのか? 週単位・月単位の設計図をお見せします。
単語帳は「2〜3ヶ月で1冊」と期限を決める
最初にやることは、期限を決めることです。目安は、2〜3ヶ月で1冊。
期限を決めないと、単語学習はだらだらズルズルと延びていきます。そして延びれば延びるほど、「今日もやらなかった」「もう何ヶ月やってるんだろう」と、自己肯定感が下がっていくんです。
もう1つ、単語帳は1冊に絞ってください。2冊並行すると、どちらも中途半端になります。どの1冊を選ぶかは、こちらの記事を参考にしてください。

平日は毎日100語|1週間で英単語500語に目を通す
月曜から金曜まで、毎日新しい100語に目を通します。これで1週間に500語。
2日目以降は、新しい100語への挨拶に加えて、前日までの単語もざっと復習します。復習の範囲は日ごとに増えていきますが、心配はいりません。覚えてきた単語はどんどん飛ばしていいので、時間はそれほど膨らまないんです。

仕事が忙しいのに、平日に1日100語なんて、絶対無理・・・
と身構えなくて大丈夫です。1日分は100語・約10分。朝、ちょっと早起きすれば取れる時間です。あとは、「ながら時間」と「すきま時間」でできます。
ちなみに、「来週の会議までに、この分野の単語をどうしても覚えたい」といった締め切りつきの暗記は、平常運転とは別の、短期集中のやり方があります。

週末は総復習|覚えられない英単語だけで「選抜チーム」を作る
土日は、新しい単語には進みません。平日に目を通した500語を、もう一度ざっと見直します。
このとき、平日のあいだに印が積み重なった単語、つまり「何度会っても、どうしても覚えられない単語」が浮かび上がってきます。その単語だけを絞り込んで、「選抜チーム」を作ってください。
選抜チームは、Ankiのような単語カードアプリに入れるか、単語シートに書き出します。そして、その単語だけを重点的に何度も繰り返します。
「何度見ても、どうしても覚えられない単語」は、私は以下のように単語シートに書き出しています。それをいつも持ち歩いて、歩きながら見たり、コーヒー休憩などのすきま時間に何度も見ています。

すべての単語を書き出していたら、いくら時間があっても足りません。時間をかけるのは、選抜チームだけでいいんです。
この単語シートの作り方や使い方は、こちらでご覧いただけます。

1ヶ月で単語帳を一巡(約2000語)|残り2ヶ月で選抜チームを潰す
平日500語×4週間で、1ヶ月に約2000語。つまり、2000語クラスの単語帳なら、1ヶ月で1冊に一通り目を通せる計算です。
3ヶ月の全体像は、こうなります。
1. 1ヶ月目:全ページに目を通す(平日100語→週末に総復習と選抜チーム作り)
2. 2ヶ月目:印のある単語だけを回しながら、選抜チームをAnkiや単語シートで潰していく
3. 3ヶ月目:選抜チームの生き残りを潰しきる。ここで1冊完成
「1日10個ずつ確実に」なら1年かかっても終わらなかった単語帳が、挨拶方式なら3ヶ月で一巡どころか、何巡もできてしまいます。
英単語帳は何周すればいい?|2周目からは「印のある単語」だけでいい

「単語帳は10周しろ」という話、聞いたことがありませんか? でも、周回数そのものを目標にする必要はありません。
単語帳の全ページを回すのは1周目だけ
全ページにまんべんなく目を通すのは、1周目だけです。
1周目で印をつけましたよね。2周目からは、印のある単語(覚えていない単語)だけを見ます。覚えた単語まで律儀に読み直すのは、時間がもったいないですから。
だから、周回は回を重ねるごとに軽くなっていきます。「1周=重い作業」のイメージのままだと10周は絶望的ですが、2周目以降は「正の字がついている単語だけパラパラ見る」。それなら、続けられそうな気がしませんか?
思い出せない英単語は、悩まずにすぐ答えを見る
周回中、意味が出てこない単語の前で、うんうんと思い出そうとしないでください。すぐに答えを見て、正の字の画数を増やして、次へ進みます。
単語の記憶を強くするのは、「思い出す努力の長さ」ではなく「出会いの回数」です。1語のために30秒悩むより、その時間で次の単語に進んでいった方が、ずっと効率的です。
答えをすぐ見るのは、ズルではありません。「とにかく何度も見る」ことが目的なのだ、と頭を切り替えましょう!
単語本の例文音声は、ひたすらながら聞きする

でも、覚えたと思っても、また忘れたらどうしよう・・・?
という不安もありますよね。だから、「2周目以降は、覚えた単語はスルーでいい」と言われても、多くの人はそれができません。
「また忘れるのが怖いから、結局全部の単語をチェックしてしまう。そして、時間がかかる」となっているのではないでしょうか?
それへの私の答えは、
その単語本の音声を、暇さえあればながら聞きしましょう!
です。
家事や身支度をしている時間など、耳が空いている時間に、とにかく何周も何周も音声を聞きましょう。このときには、すでに知ってる単語とまだ覚えていない単語の区別はせず、通しで聞いて大丈夫です。
そうやって、知っている単語も含めて何度も聞くことで、単語の定着率が高まります。「覚えたはずの単語をまた忘れたらどうしよう」という不安も消えます。
英単語帳は「100回繰り返すつもり」でやる
「結局、何周すればいいですか?」という質問への私の答えは、こうです。
100周やるつもりでやりましょう!
あなたがその単語本をマスターするために、本当に100回繰り返す必要があるかはわかりません。でも、3回や5回では絶対にムリ。
ですが、「もう記憶力が衰えて、何回やっても覚えられません」と嘆く多くの方は、実際には多くても10周くらいしかやっていません。3周すら回せていない人も多いです。
だから、「100周やろう」と最初から思って取り組んでほしいのです。100周って途方もなく聞こえるかもしれませんが、1単語1秒で回したら、仮に2000語だとしても30分ちょっとで終わります。
何回もやっていれば、覚えていない単語の数も減っていきます。1周にかかる時間も、どんどん減っていきます。「100周やろう」と決めて何度も何度も繰り返しているうちに、気づいたら覚えていますから。
まとめ|英単語は「1日何個」より「1語何秒」
というわけで、「英単語は1日何個覚えるべき?」への私の答えは、個数ではありませんでした。1語にかける時間を5〜10秒まで軽くして、そのぶん多くの単語に、何度も会いに行く。これに尽きます。
あなたがこれからやることを、時系列で並べ直すとこうなります。
1. 単語帳を1冊だけ決めて、期限を「3ヶ月」に設定する
2. 平日は毎日、朝の10分で新しい100語に目を通す(1語5〜10秒)。同じ100語に、その日のスキマ時間の見返しと例文音声の聞き流しで、何回も会い直す
3. 週末は総復習。覚えられない単語だけで「選抜チーム」を作る
4. 2ヶ月目からは印のある単語だけを1単語1秒で回し、選抜チームを潰しきったら1冊完成
私自身、気合と根性で単語を覚えようとしていた頃は、買った教材がまったく続きませんでした。
そんな私が、今では単語を覚えられるようになり、英検1級レベルより難しい英字新聞The Economistも辞書なしで読めるようになりました。
この3ヶ月に向けて、ひとつだけ道具を足すなら、週末に作る「どうしても覚えられない単語」を抽出する先です。私が10年以上使っている単語シートなら、単語帳から絞り込んだ単語も、仕事や英文記事の中で出会った単語も、1枚に貯めて、スキマ時間にさっと回せます。
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