英語音読は何回やる?回数より大事な正しいやり方とコツ【通訳が解説】

英語の音読、毎日やってるけど、結局何回読むのが正解なんだろう?

毎日音読してるのに、なかなか話せるようにならない・・・やり方が間違ってるのかな?

 

「このやり方で合っているのかな」「結局、何回読めばいいんだろう」。そんなモヤモヤを抱えたまま音読を続けている方は、とても多いと思います。

 

私は社会人になって独学で英語を学び直し、通訳になりました。それには、音読が大きな役割を果たしています。

とは言え、最初から音読の重要性が分かっていたわけではありません。学校の英語の授業は、黙読して、構文を取って、和訳するばかり。音読の時間なんて、ほぼありませんでした。もちろん、当時は英語は全く話せませんでした。

 

ところが、大学で第一外国語に選んだフランス語が、とにかく音読漬けの授業だったんです。

毎日のように先生から一人ずつ指名されて音読をし、家でも音読の練習をした結果、フランス語の方が英語よりずっと早く話せるようになりました。

 

その後、車通勤の往復1時間を、中学レベルの簡単な英語のシャドーイングにあてました。それを続けたら、TOEICのリスニングで満点が取れるようになりました。

ただ、効果が出るのは「正しいやり方」で続けたから。やり方を間違えると何回読んでも伸びませんが、ポイントさえ押さえれば、同じ時間でも結果はまるで変わります。

 

この記事を読めば、以下のことが分かります。

✅ 英語音読は何回やればいいか(回数の目安と早見表)
✅ 通訳が実践する、正しい音読のやり方5ステップ
✅ 試験前・授業・社会人など、目的・場面別の音読のやり方
✅ 声を出せない・喉が疲れるなど、つまずいたときの対処法
✅ 回数より大事な「質」を上げるコツ

目次

英語音読は何回やればいい?回数と時間の目安

まずは、いちばん気になる「何回やればいい?」から答えますね。先に結論をいうと、回数そのものにこだわる必要はありません。

結論|回数を数えるより「口から出るまで」が目安

「何回読むか」を数えること自体が目的になると、音読はただの作業になってしまいます。回数をこなしても、頭にも口にも残りません。

 

私が「何回やればいいですか?」と聞かれたときは、いつもこうお答えしています。

私は、音読を重ねた結果、フレーズがそのまま口から出てくるくらいまでやります。ところどころ暗記するくらいまで。

 

つまり、回数を数えるより、その英文が口からスッと出てくるまで繰り返すというのが、目指すべき音読の回数です。

 

そもそも音読にどんな効果があるのか、なぜ「ただ読むだけ」では伸びないのか、その理由はこちらの記事でくわしく解説しています。

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目的別・音読回数のめやす

とはいえ、「だいたいの回数も知りたい」という方は多いですよね。目的別に、私がすすめる回数をお伝えします。

・試験の直前などに、単語や熟語を記憶したい(短期戦略) → 5〜10回程度
・数日かけて、ひとつの教材を口になじませたい(中期戦略) → 30回前後
・表現を自分のものにして、自然に口から出るようにしたい(長期戦略) → 100回前後

 

まずは、30回を目指しましょう。30回で「口になじんだ」状態になり、そのまま100回まで続けると「考えなくても口から出る」状態に近づきます。

 

この時、同じ文章を30回連続して音読すると、だんだん「作業」のようになってきて、意味を考えず機械的に口だけを動かすことになりがちです。それでは、せっかくの音読の効果が減ってしまいます。

1文を30回連続で音読するのではなく、長文や単語本などのより広い範囲を音読して、何日もかけて30回になるように行うイメージです。

 

もちろん、最終ゴールは回数ではなく「口から出ること」。30回を待たずにスラスラ言えるようになったら、その時点で次へ進んでOKです。

「音読は1日に何分やればいい?」への答え

音読(英語を声に出す練習)の時間は、1日に30分くらい取れれば理想です。ですが難しい場合は、10分でも大丈夫です。

30分機械的にダラダラやることに意味がないのは、ただ回数をこなしてもダメなのと同じ。たとえ1日10分でも5分でも、真剣に音読をすれば効果は必ずあります。

 

1日5分だとしても、口をしっかり動かし、お手本にできるだけそっくりになるように真剣に音読を続けてみてください。必ず英語力は上がります。

「音読をどれくらいやったら次の教材に進んでいい?」への答え

多くの人は、英文を数回読んだら、すぐ次の教材に進みます。「どんどん新しい教材へ進むのが良いことだ」と思いがちですよね。

でも、音読でいちばん差がつくのは、実は「繰り返しの量」。次々進むより、同じ素材をしゃぶり尽くすまで繰り返すほうが、ずっと効果的なんです。

 

次の素材に進む基準は、シンプルです。テキストを見ずに、音だけで言えるようになったら、次に進んでOK。そこまでは、同じ素材で粘る価値があります。

 

同じ教材ばかり音読していると、前に進めていない気がして不安・・・

大丈夫です。同じ教材を続けていても、読むたびに「層」が積み重なって、レベルは着実に上がっています。けっして、前に進んでいないわけではないんですよ。

英語音読のやり方5ステップ

私が実際にやっている、1回の音読の流れを5ステップで紹介します。1セットで、だいたい15〜20分あれば十分です。

1️⃣ 英文の意味を100%理解する
2️⃣ お手本の音声をよく聞く
3️⃣ 情景をイメージして声に出す
4️⃣ お手本に声を重ねる(オーバーラッピング)
5️⃣ テキストから目を離してシャドーイング

ステップ1|まず英文の意味を100%理解する(理解せず読むのはNG)

音読の前に、まず英文の意味を100%理解しておきます。知らない単語や文法は、先に調べてつぶしておきましょう。

ここを飛ばすと、意味の分からない呪文をただ唱えているのと同じ。「意味を100%理解してから音読に入る」のが重要です。

ステップ2|お手本の音声をよく聞く(自己流で読み始めない)

意味が分かったら、必ずお手本の音声を数回聞きます。

このとき、ただ流すのではなく、どこを強く読むか・どこでポーズを置くか・声をどう上げ下げするか(抑揚)に注目して聞いてください。あとでそっくりマネするための「設計図」を、先に耳に入れておくイメージです。

 

自己流の発音やイントネーションで音読しないように注意しましょう。間違った発音やイントネーションで繰り返すと、それが脳にこびりついて固定化してしまいます。

自己流の音読は、間違いを毎日せっせと強化しているようなものです。いったん間違った発音が頭にこびりついてしまうと、直すのが大変です。最初から正しい発音で音読しましょう!

ステップ3|情景をイメージしながら声に出す

いよいよ声に出します。テキストを見ながら、お手本に寄せて読んでいきましょう。最初は発音するだけで精一杯でOKです。

慣れてきたら、単語を追うのではなく、頭の中に「絵」を描きながら読むのがコツ。

 

たとえば、

She isn’t able to swim fast.

なら、「女性がもたもた泳いでいる様子」を思い浮かべながら音読します。

 

 

ぼんやりしたイメージで大丈夫なので、頭の中に「絵」「映像」を思い浮かべることを大切にしましょう。

英語を話すときや聞く時には、頭に絵を思い浮かべることが本当に大事です!

ステップ4|お手本に声を重ねて「完コピ」する(オーバーラッピング)

次は、お手本の音声に自分の声を重ねて読む「オーバーラッピング」です。強いところは強く、弱いところは弱く、ポーズや抑揚まで、まるごとマネします。

ねらいは、強弱・ポーズ・抑揚まで、お手本を「完コピ」すること。やってみると、自分のイントネーションが思ったより平板だと気づけます。

 

じつは、この自己流の平板な読みこそ、日本人の「ボソボソした、伝わりにくい英語」の正体です。自分では「やりすぎかな」と思うくらい、強弱と抑揚を大きくつけてみてください。

英語を話す時には、それくらいでちょうどいいです。

 

オーバーラッピングのくわしいやり方は、こちらの記事も参考にしてください。

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ステップ5|テキストを離してシャドーイング(+録音でチェック)

仕上げは、テキストを離して音だけでマネる「シャドーイング」です。音読→オーバーラッピング→シャドーイングの順で、だんだん難易度を上げていくのがポイント。

そして、ときどきスマホで自分の音読を録音して聞いてみてください。客観的に「できていない部分」が見えて、一気に上達します。

 

録音した自分の声を聞くのは、恥ずかしいのはよく分かります!でも、やる価値あります。

 

録音した自分の英語を聞いてみると、たいてい自分の想像の数倍下手です。でも、自分がちゃんと発音できていない部分に気づけます。

自分が発音できているつもりでできていない箇所に気づいたら、そこを直すだけで一気に伸びますよ。

 

シャドーイングのやり方は、こちらでくわしく解説しています。

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目的・場面別の音読のやり方

音読のやり方は、目的や場面によって少しだけ変えると、ぐっと効率がよくなります。あなたの目的に近いところを読んでみてください。

資格試験(TOEIC・英検)前の音読のコツ

TOEICや英検が近いときは、短期記憶に働きかける音読に切り替えます。短い例文を、直前に回数多めで読み込むのがコツです。

たとえば、TOEICや英検で出やすい単語や熟語のテキストを音読するのがおすすめです。黙って読むより音読する方が、ずっと覚えやすくなります。

 

これはDUO3.0ですが、このように単語や熟語が例文に含まれている教材は、音読に使いやすいです。

覚えられない単語が入った例文を中心に音読を繰り返し、単語の意味を記憶に定着させるようにしましょう。

 

試験前は「短く・直前に・回数多め」で短期記憶を活かす1文につき5〜10回程度を一つの目安にしてください。

意味と情景を頭に描きながら行う「イメージ音読」

学校の授業でやらされた音読を思い出すと、ただ文字を追うだけの「棒読み」だった方も多いのではないでしょうか?あれだと、残念ながらあまり効果は出ません。

❌ 字面だけを追う「棒読み」
⭕ 意味と情景を思い浮かべながら読む

 

大人がやり直すなら、字面を追う「棒読み」にせず、意味と情景を伴わせること。声に出したあと、内容をちゃんとイメージできているか、自分でチェックしてみてください。

有名な「安河内メソッド」を社会人の音読に取り入れる

音読といえば、安河内哲也先生の音読法が有名です。受験生だけでなく、社会人にも向いています。

やり方は、中学英語の教材を使って、リピーティング・オーバーラッピング・シャドーイングの3つの音読法で毎日音読します。

 

リピーティング

方法:お手本のあとに続けて音読する
効果:発音・リズム・音の変化(リエゾンなど)の習得

オーバーラッピング

方法:お手本に声を重ねて音読する
効果:イントネーション改善

シャドーイング

方法:テキストから目を離して音だけでマネる
効果:リスニング強化・会話の瞬発力向上

社会人は「目的」から音読の比重を決める(音読至上主義にしない)

音読は強力な勉強法ですが、音読するだけでOKというわけではありません。

単語を覚えたい人が、全部の例文を毎回音読するのは、単語を覚える最も効率がいい方法ではありません。たとえば、「音読するのは、どうしても覚えられない単語の例文だけ」など、目的に合った音読をやるのが重要です。

 

あるいは「英語でスピーチや発信ができるようになりたい」なら、音読より自分の言葉を組み立てる練習に多くの時間を回したほうがいいです。

目的から逆算して、音読に割く比重を決めるのが、社会人の賢いやり方です。

音読に関する悩みと解決策

ここからは、社会人の方が音読を実践する時に悩む部分とその解決策をまとめました。

「声を出せる場所がない」社会人へ|口パク・サイレントシャドーイング

音読をしたいけれど、家族がいる、夜は声を出しづらい、職場では当然ムリ・・・

社会人から多くいただく悩みです。

 

声を出せないなら、「口パク」でOKです。声にならないささやき声でも、口の筋肉はちゃんと動きます。あるいは、口を動かさずに頭の中で音読をするのでも、全くやらないよりはいいです。

たとえば、以下のような感じです。

・マスクの下で口をパクパク動かす
・電車では、音声に合わせて口の中でつぶやく(サイレントシャドーイング)
・お風呂で読む(湿気で喉にもいい)

音読で口や喉が痛くなる人へ|正しい姿勢と腹式呼吸

音読を始めたばかりだと、すぐ喉が疲れたり痛くなるかもしれません。英語と日本語では使う口の筋肉が違うので、最初は疲れて当然です。まずは5分から始めましょう。

喉が痛くなりやすい人は、姿勢を見直してみてください。胸を張ってまっすぐ前を見て、腹式呼吸で読むのがコツ。下を向くと喉が詰まって痛くなりやすいです。

音読は速く読めることが重要?

「もっと速く読まなきゃ」と焦る方もいますが、速読みは必須ではありません。

目指すのは、お手本と同じ速さで、よどみなく読めること。むやみに速くして、発音や中身がいい加減になるのは逆効果です。スピードより、まずは正確さとリズムを優先しましょう。

 

そもそも「英語を読むスピードそのものを上げたい」という方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

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英語音読のやり方によくある質問

最後に、音読のやり方でよく聞かれる質問にお答えしますね。

音読中、日本語訳は頭に思い浮かべるべき?

日本語の文字ではなく、その文章の内容が「映像」で思い浮かぶようにしましょう。

 

最初は日本語訳の文字が頭に浮かんでしまうと思いますが、そこから頭の中でざっくり絵が思い浮かぶようにしましょう。

最終ゴールは、和訳をはさまず、英語のまま情景が浮かぶ状態。最初から完璧にはできないので、段階的にその状態に近づいていけば大丈夫です。

 

後ろから前に戻って訳す「返り読み」のクセがなかなか抜けない方は、こちらの記事もどうぞ。音読と合わせると、英語を語順のまま読む力がつきます。

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音読は朝と夜、どっちがいい?

私のおすすめは、断然「朝」です!

朝に音読すると、声を出すことで目が覚めます。黙読だと眠くなりますが、音読は朝イチのウォームアップにぴったりです。

 

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「時間が取れるときにやろう」と思っていると、結局やらないまま1日が終わります。続けるコツは、こちらの習慣化の記事もどうぞ。

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どんな教材で音読すればいい?

教材は、次のポイントで選んでください。

⭕ お手本の音声が付いている
⭕ 自分にとって「簡単すぎるかな?」と思うレベル(中学英語が最適)
⭕ 単語帳の例文(単語も覚えられて一石二鳥)
❌ 難しすぎる新聞記事など(意味理解に時間がかかり、消化不良になる)

 

お手本の音声つきなら、いま手元にあるものでOKです。教材選びは、こちらの記事もあわせてどうぞ(シャドーイング向けとして紹介していますが、音読にも最適です)。

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まとめ|回数より「やり方」で音読は変わる

というわけで、「音読は何回やればいいの?」の答えは、回数ではなく「その英文が口からスッと出てくるまで」でした。

冒頭の「このやり方で合っているのかな」というモヤモヤ、少しは晴れてきたでしょうか?

 

ポイントを、もう一度だけ整理しますね。

回数より「口から出るまで」(迷ったら短期30回・長期100回が目安)

正しい順番は5ステップ(意味の理解→お手本→情景音読→オーバーラッピング→シャドーイング+録音)

いちばんの肝は「自己流で読み始めない」

声が出せない・喉が痛い・速く読めない、は全部やり方で解決できる

 

私自身、中学レベルの簡単な英語を「口から出るまで」繰り返したことが、今の英語につながっています。むずかしい教材を一度読むより、簡単な英文をしゃぶり尽くすほうが、ずっと効きます。

まずは今日、お手本音声つきの簡単な英文を1つ選んで、意味を確認してから5回だけ声に出してみてください。それだけで、これまでの「ただの読み上げ」とは手応えが変わってきますよ。

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Ai Evans エバンス愛

独学で英語を学び、国際機関で通訳者を8年経験したのち、独立。本物の英語力を身につけ、大和魂を海外に発信できる国際人を育てることが目標です。
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