2023年10月31日
英語を読むスピードを劇的に上げる10の秘策【通訳翻訳者が公開】
エバンス愛
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英語を読むスピードが遅くて、TOEICで最後まで問題が読み終わらず、最後は塗り絵・・・
仕事で英語資料を読む必要があるけど、速く読めなくて自動翻訳に頼りっぱなし・・・
英字新聞を読んで海外の情報を仕入れたいけど、時間がかかりすぎていつも挫折・・・
そんな悩みを抱えている人は、とても多いと思います。
実は私自身も、ずっと英語を読むのが苦手でした。何度も同じところを読んでしまったり、目線が文字をなぞるだけで全く頭に入らなかったり・・・と、英語をスラスラ読めなくてとても苦労してきました。
でも、そんな私も苦手を克服し、英語を速く読めないと仕事にならない翻訳者になれました。英字新聞の中でも最難関のひとつのThe Economistを毎日読んで、要約をインスタにアップするようになりました。
というわけで、このページでは、英語が速く正確に読めるようになるためにやるべき10のことをお伝えします!
私が長文苦手を克服するためにやってきたことや、毎日The Economistを使って実践しているテクニックもご紹介します。
では、早速参りましょう!
コンテンツ
1. 文法を復習する(中学、高校文法)
「英語を読むスピードを上げる」ことを考える前に、まず重要なことがあります。それは、「その文章、そもそもゆっくり読めば、あなたはちゃんと100%理解できますか?」ということです。

ゆっくり読んで理解できないものは、速く読んでも理解できません!
「ゆっくり読んで理解できる」というのは、つまり「なぜこの順番で単語が並んでいるのか」という英語のルール、つまり「文法」が理解できているということです。
たとえば関係代名詞、分詞構文、仮定法。あなたは大丈夫ですか?
こういった文法がきちんと理解できていないと、英文は正しく読めません。正しく読めないと、当然速く読むこともできません。
なので、文法に不安がある場合は、長文に取り組む前に文法の復習をしましょう。
私がおすすめする文法の勉強法は、このような学生向けの問題集を最低3周、できれば5周くらい繰り返すことです。
●中学文法(私は、社会人になってから中学文法の最初の最初からやり直しました!)
●高校文法(TOEICの読解問題や英字新聞がスラスラ読めるようになりたいなら、高校文法まで必要)
文法問題集を使って具体的にどう勉強すればいいか、社会人がゼロから英語のやり直しで必ず成功する勉強法【挫折した人集まれ】のページに詳しく書いています!あわせてどうぞ。
2. 単語を覚える(最低でも大学受験レベルまで)
先ほど、「まずは、そもそもゆっくり読めば100%理解できるかどうかを確認しよう」という話をしましたが、ゆっくり読んでも理解できない理由は文法だけではなく、単語力もです。
「知らない単語は意味を想像しながら読みましょう」とよく言われますが、文章の中に知らない単語が多すぎる場合、想像するにも限界がありますよね。
知らない単語の意味を想像しながら英文を理解できるためには、知らない単語が全体の2%以下である必要があるそうです。なので、英語が読めるようになるには、単語も覚える必要があります。
あなたが何を読みたいか次第ですが、最低でも大学受験レベルの単語はマスターしておきましょう。
単語力の強化には、単語本を使って集中的に単語を覚えるのが効率がいいです。私のお勧めは、「速読速聴・英単語」という本です。
こんな感じで、対話文や数段落のエッセイで、文脈のなかで複数の単語や熟語をまとめて覚えられる仕様になっています。
速読速聴は、同じシリーズでいろんなレベルの本があります。
●初級(英検3〜準2級、TOEIC500程度を目指す人向け)
●初中級(英検2級、TOEIC500-700程度を目指す人向け)
●中級(英検2〜準1級、TOEIC600-800程度を目指す人向け)
●上級(英検1級、TOEIC900程度を目指す人向け)
英字新聞が読めるようになりたいなら、この赤い本までやっておくといいですね。英語ニュースに頻出する単語を覚えておくと、長文読解がぐっとやりやすくなります。
3. 英語の語順通りに読む
英語を速く読むには、後ろを振り返らず、前からどんどん理解していくのが必須です。
英語を読むスピードを上げるうえでの大敵は、返り読み。
返り読みとは、こういうやつです。
高校の英語の授業で、こういう読み方を習うと思います。でも、これの癖がつくと、ほんとに英語が速く読めなくなるんですよね。
ここだけの話、高校の英語の先生の多くもこの読み方しかできないんです。

日本人の多くの英語学習者は、この返り読みの呪縛に苦しんでます。私も長らく苦しみました・・・
こんな風に英語を前に後ろに行ったり来たりする返り読みをしていては、当然時間がかかりますよね。
英語を前から語順通りにどんどん読むには、「スラッシュリーディング」という読み方が有効です。スラッシュリーディングとは、以下のような読み方です。
スラッシュリーディングは、意味の切れ目で文章を区切りながら、前から順にかたまりで内容を理解していきます。
日本語としては変ですが、これで良いんです。きれいな日本語にしようとする必要はありません。
スラッシュリーディングのやり方については、スラッシュリーディングのやり方とおすすめ教材【英語がどんどん読める】に詳しく書いてあります。よければ合わせて読んでみてください。
ちなみに、私が作成に携わった英語速読教材SPEEDIER READINGでは、掲載している全ての長文でこのスラッシュリーディングが練習できるようになっています!
もしご興味があれば、ご検討ください。
4. 英日入り混じり読みをする
英語を読むときに、日本語に訳していてはスピードが落ちますよね。だから、「頭の中で日本語に翻訳せず、英語を英語のままで理解しましょう」とよく言われます。
でも・・・

「それができたら苦労しねぇよ!(;´༎ຶД༎ຶ`)」って話じゃないですか?
「日本語に訳さないと理解できない、でも日本語に訳してたらスピードが落ちる・・・」という人にぜひ試してほしいのが、「英日入り混じり読み」です。
「英日入り混じり読み」とは、英語をできるかぎりそのままにして、日本語の助詞を補って読んでいきます。
たとえば、以下の英文があったとします。
「英日入り混じり読み」では、このように読んでいきます。
たとえばautomakerという単語を読んだら、いちいち「自動車製造会社」と日本語に訳さないのがポイントです。なるべくautomakerという英語のままで、autoをたくさんmakeしてる工場のイメージ(映像)を思い浮かべようとします。
そして、英語の名詞や形容詞はできるだけ英語のまま、日本語の助詞(は、を、から、の等)などを適宜補いながら読んでいきます。

私たちは、この読み方を「ルー大柴読み」と呼んでいます(笑)
私も、自分にとって難易度が高い英語を読むときには、頭の中はこの「ルー大柴読み(英日入り混じり読み)状態」になっていますよ。
ちなみに、私が作成に携わった英語教材SPEEDIER READINGでは、掲載している全ての長文に「ルー大柴読み(英日入り混じり読み)」を掲載していて、この読み方がマスターできるようになっています!
5. やさしい英語をたくさん読む
何度読んでも英文が頭に入らず、同じところばかり繰り返して先に進まなかったり、全部を日本語に訳さないと気がすまなかったり、返り読みをしたりしてしまうのは、あなたが読んでいるその英文が「難しいから」です。

難しい英語はどうやったってスラスラは読めないし、頭に日本語が浮かぶのも当たり前です。だって日本人ですから。
じゃあどうしたらいいかというと、「簡単なものをたくさん読むこと」です。「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語」にたくさん触れることで、英語を英語のままで理解できるようになります。
今日現在のあなたにとって難しい英語、つまり、知らない単語を辞書で引いて、構文を分析してようやく理解できるような英語を、今のあなたが「英語のまま」理解するのは絶対に無理です。
英語が速く読めるようになるには、「今日現在のあなたにとって、簡単な英語」を読む訓練をしましょう。
簡単な英語の教材は、学習者のレベルに合わせて語彙が調整してある「Graded Reader」などの洋書シリーズを使うのがお勧めです。詳しくは、英語多読教材の正しい選び方とおすすめ本【レベルの見極めが超重要】に書いてあるので合わせてどうぞ。
6. 知らない単語で立ち止まらず、要点に注目しながら読む
英語を速く読むには、一つひとつの単語や文法に意識を向けすぎず、「結局こういうことが言いたいんだな」という読み方を意識して身につけるのが大事です。
知らない単語を見つけるたびに、いちいち全て調べながら読むのはやめましょう。その読み方をしていると、いつまでたっても「全文きっちり分析して丁寧に返り読みしながら読んでいく」という読み方から抜け出せません。
知らない単語があったら、線を引くだけにしておいて、前後の文脈や語源から「何となくポジティブな単語かな」と想像しながら読み進めてください。
たとえば、これは先日私がThe Economistを読んだときのものです。
知らない単語、気になる表現、ここは大事だという場所に線だけ引いておいて、辞書は使わず最後まで読みます。そして、後でどうしても調べたい単語だけを調べます。
よく意味がわからない文にぶち当たったとしても、その先を読めばその文の意味がわかることも多々あります。知らないと思って印をつけた単語も、先まで読めば意味がわかることもあります。
わからない箇所でいちいち立ち止まらず、勇気を持ってスルーして先を読み進めるのも大事です。
「結局この記事は何が言いたいんだろう?」「一番大事なメッセージは何だろう?」と、全体像をつかもうとしながら読むことを心がけてください。
7. 時間を測って読む
漫然とダラダラ読んでいては、英語ってほんとに速く読めるようになりません。
上でも書いたように、自分のペースでゆっくり読んでいると、ついつい「返り読み」で読んでしまったり、「全部を日本語にしないと理解した気がしない」という悪い癖が出てきてしまうからです。
私は、毎日英雑誌The Economistを読んでいますが、必ず記事を読む前に「この記事は●分で読もう」と自分で時間制限を決めて、タイマーをセットして読むようにしています。
たとえば、この記事は5分で読もう!と思って読んだのですが、結果6分45秒かかりました。目標より遅いですが、でもタイマーをセットせずに読んでたら、簡単に10分を超えてしまうはず。
ぜひ、時間を意識して、ゲーム感覚で速く読む癖をつけてみてください。
ちなみに、時間を測るのに私はスマホは使わず、こういうタイマーをあえて使っています。
スマホを使わない理由は、時間を測って読書中にメッセージ通知が届いたら、気になって見てしまうからです。
また、スマホは一定時間を過ぎると自動でロックがかかってしまいます。途中で「今何分経過した?」と時間を見たい時に、スマホをいちいちアンロックするのは面倒くさいですよね。
これが私が使ってるタイマーですが、使いやすいのはもちろん、かわいくて気に入ってます。イロチ買いしたい。
8. 紙媒体で読む(印刷して読む)
一説によると、パソコンで英文を読むと、紙で読むより10%ほどスピードが落ちるそうです。
「電子書籍より紙の書籍の方が読みやすいし、新聞記事もオンラインより紙の方が読みやすい」というのは、多くの人が実感として感じているんではないでしょうか?
ネットの英語ニュースを読む時にも、可能なら印刷して読むといいですね。赤のボールペンで字をなぞりながら、気になるところに線などを引きながら読むと、画面上で読むよりずっと集中して読めるはずです。

オンラインの英文記事は、広告が邪魔だし誘惑が多いんですよね〜
私も、The Economistを年間購読していますが、電子版だとだいぶ安くなると知りながらも、やっぱり紙で線を引きながら読むのが好きなので、紙の雑誌が家に届くようにしています。
9. 視線を集中させて読む
視線があちこちに行かないよう、しおりや定規などを使って、自分が今読んでいる英文のすぐ下に置いて読むと良いです。地味なテクニックですが、かなり読みやすくなります。

一面の英語を目にしたときに、視線が泳ぐというか、自分がどこを読んでるのかわからなくなって、同じ文章を何度も読んでしまったり、行を飛ばしてしまうこと、ないですか?
なので、私はしおりや定規などを使って、読んでいる箇所に視線が固定するようにしています。
こんな感じで。
あ、これは奈良の春日大社の入場券ですが(笑)、こういうチケットって大きさがちょうどよくて、しおりにも使えるし、便利なんですよね。
10. 英語をたくさん聞く
そして最後は英語の読解スピードを上げるうえですごく重要なことですが、英語をたくさん読むだけでなく、たくさん聞いてください。
英語を聞くときも、「英語を語順通りに前からどんどん理解していく」というスキルが絶対に必要です。頭の中で語順を入れ替えて理解しようとしていては、すぐに取り残されてしまいますよね。
それを解決するのは、「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語をたくさん聞く」ことです。
たとえば “I love you.” という英語を聞いたら、いちいち「ええっと、Iは私で、loveは愛している、youがあなただから・・・『私はあなたを愛してる』か」といちいち日本語に訳さないですよね。
映画で”I love you.” という英語を聞いたら、その瞬間に英語のままで、その話者の気持ちがイメージできるはずです。
それはなぜかというと、これまであなたは映画とかでたくさん”I love you.” という言葉を聞いてきたから。
つまり、あなたが英語をたくさんインプットして、「英語ってこういう時にこういう言い方をするな」「なんとなくこれが自然な言い方だよな」という感覚を磨いていけば、日本語に訳さなくてもそのままイメージできる英語が増えてきます。
とは言え、意味が分からない難しい英語を聞いてもほとんど意味がないので、自分にとって簡単な英語、ちゃんと意味が理解できる英語をたくさん聞いてくださいね。
私は、NHKラジオの基礎英語(中学生レベル)をたくさん聞いて、簡単な英語を大量にインプットしました。詳細は私がNHKラジオ英語講座でTOEIC900超え(リスニング満点)した勉強法をどうぞ。
英語をたくさん聞く時間を確保する方法は、英語の勉強する時間がない人集合!誰でも毎日1時間確保できる方法に書いてあるので参考にしてください。
英語の読解スピードが倍増する10の方法・まとめ
というわけで、英語長文の読解が苦手だった私が、英語が速く読めるようになった方法と、今も毎日実践しているテクニックをまとめました。いかがだったでしょうか?
1. 文法を復習する(中学、高校文法)
2. 単語を覚える(最低でも大学受験レベルまで)
3. 英語の語順通りに読む
4. 英日入り混じり読みをする
5. やさしい英語をたくさん読む
6. 知らない単語で立ち止まらず、要点に注目しながら読む
7. 時間を測って読む
8. 紙媒体で読む(印刷して読む)
9. 視線を集中させて読む
10. 英語をたくさん聞く
できそうな項目から、ぜひ実践してみてください。きっと、英語が今までより速く読めるようになり、英語を読むのが苦痛だった人も今までより楽になると思います。
というわけで、お役に立ったら幸いです。
英語を速く読むことを集中的にトレーニングしたいなら、私が講師を務めるコミュニティSPEEDIER READINGをおすすめします!
購入者さん向けに毎週開催しているzoomライブでは、実際の英字新聞を使って英語を速く読む方法も実演していますよ。