シャドーイングで英語力大幅アップ!レベル別おすすめ教材10選

英語学習における効果的な勉強法である「シャドーイング」は、聞いた英語を即座に真似て話すことで、リスニング力や発音、さらにはスピーキングを同時に鍛えることができます。
ですが、シャドーイングに特化した書籍は多くありません。「シャドーイングに挑戦してみたいけど、どんな教材を使えばいいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
シャドーイングを最大限に活用して英語力を伸ばすためには、適切な教材選びが欠かせません。そこでこの記事では、シャドーイングに適した教材選びや、初級者から上級者までレベル別のおすすめの教材をご紹介します。
このページを読んでいただければ、シャドーイングにどんな教材を選べばいいか、迷うことはなくなるはずです!
シャドーイングとは?英語学習に革命をもたらす勉強法

シャドーイングとは、英語音声を流しながら、その後ろを影のようにくっついて発音していく学習法です。私がこれまで一番長く継続して、大きな効果を感じている勉強法です。
私は、シャドーイングのおかげで英語らしい発音やリズム、イントネーションが自然に身につき、TOEICのリスニング満点(495点)を取ることができました!
1. シャドーイングの基本的なやり方
シャドーイングは、以下の手順で行います。シャドーイングに慣れるまでは、この方法でやることをお勧めします。
手順1:まず、英文を見ないで聞いてみる
手順2:英文スクリプトを確認する
手順3:テキストを見ながら、オーバーラッピングする
手順4:テキストを見ないで、シャドーイングする
手順5:テキストを見ないで、ながらシャドーイングする
そして、慣れてきたら以下の方法がお勧めです。私はずっとこの方法で続けています。
手順1:テキストを見ないで、ながらシャドーイングする
手順2:聞き取れなかった箇所を確認する
シャドーイングの詳しいやり方については、このページで詳しく書いていますので参考にしてください。

2. シャドーイングの7つの効果
シャドーイングには、主に以下の7つの効果があります。
効果1.リスニング力がアップする
効果2.発音やイントネーション、リズムが改善する
効果3.スラスラ口が回るようになる
効果4.自然な英語表現が身につく
効果5.英語リスニング時の集中力が上がる
効果6.英文法力や語彙力が鍛えられる
効果7.英文を読むスピードや英文読解力が上がる
シャドーイングでこんな効果が得られる!とモチベーションの上がる話は、こちらのページをご参考にしてください。

シャドーイングに適切な教材選びの3つのルール
シャドーイングは、専用の教材を買ったりする必要はなく、手持ちの教材でも十分に使えます。
でも、教材の選び方を間違うと、負荷が大きくなって挫折しやすくなったり、期待した効果を全く得られないことがあります。
なので、以下の3つの条件に従って教材を選んでくださいね。
条件1.英語学習者用に作られた音声であること

私は、シャドーイングには英語学習者用に作られた教材の音声を使うことをお勧めします。
TEDや海外ドラマを使ったシャドーイングをお勧めしているブログやYoutuberさんが多いですが、私は上級者以外には決してお勧めしないです。
シャドーイングするには、英会話教材や日常英会話フレーズ集など、台本に基づいてプロのナレーターがスタジオ収録した音声が適しています。
一方、もともと英語教材用に作られた音声ではないものは、これからシャドーイングを始める人には不向きです。
たとえば、以下のような教材です。理由は、難易度が高すぎるから。
ただし、あなたがシャドーイングに慣れた上級者であれば、ニュースや映画、海外ドラマ、TEDなどもぜひ活用しましょう。
条件2.自分が身につけたい発音の教材であること

シャドーイングの効果を最大化する秘訣は「マネ」です。お手本の英語をしっかり聞き、できる限りそっくりになるように発音することが、何よりも大切です。
だから、訛りが強い英語や非ネイティブの話す英語は、シャドーイングに適していません。(その発音やアクセントを身につけたいのでなければ)
現在日本で売られている英語教材のほとんどは、アメリカ英語です。ハリウッド映画の影響で、世界で最も広く通用するのはアメリカ英語なので、特にこだわりがなければ、アメリカ英語の教材を選びましょう。
イギリス英語の発音を身につけたい方は、以下のようなイギリス英語の教材を選んでシャドーイングしてください。
以前、

イギリス英語を聞きながら、アメリカ英語の発音でシャドーイングして良いですか?
というご質問をいただいたことがありますが、答えは「ダメ」です。
「Not」がイギリス英語で「ノット」と聞こえるのに、それをあえて「ナット」(アメリカ英語)と発音するというのは、頭の中にこびりついた自分流の発音にこだわっているのと変わりませんよね。
アメリカ英語を身につけたいなら、アメリカ英語の教材を使い、そっくりそのまま真似しましょう。
条件3.「簡単すぎかな?」くらいのレベルであること

ここが最重要ポイントですが、私がお勧めするシャドーイングは、「自分にとってめちゃくちゃ簡単なもの」を使うことです。
難しいニュースやスピーチでシャドーイングに挑戦しても、どうせ続かないです。
ほとんどの学習者にとっては、中学生レベルの教材でもシャドーイングには十分な難易度です。
「何を使ったらいいかさっぱり分からない!」という場合は、ダイアログ形式の教材がお勧めです。イメージは、中学生の教科書の「MikeとJaneの会話」みたいなやつです。会話文は一文が短い場合が多く、また文章の構造も単純だからです。
私はシャドーイングは基礎英語1(中1レベル)でデビューしました。車の中でラジオを聞きながらシャドーイングをはじめましたが、英語はもちろん本当に簡単で、
Do you like baseball?
He can speak Japanese very well.
とか、そんなレベルです。
でもシャドーイングを始めた頃の私は、この程度の英語もスラスラとは言えませんでした。(・∀・;)
だから、これからシャドーイングを始めるという方は、ぜひ、ぜひ、中1レベルの英語からスタートすることを強く勧めます。英語は、「急がば回れ」です。
慣れてきてから、レベルをだんだん上げていけばいいのです。気楽にやりましょう。
おすすめシャドーイング教材10選

シャドーイング専用の教材を買う必要はありません。
なので、
条件1.英語学習者用に作られた音声であること
条件2.自分が身につけたい発音の教材であること
条件3.「簡単すぎかな?」くらいのレベルであること
という上記の3つの条件に合うものがあれば、お手持ちのもので始めましょう。
適当な教材がないという方のために、おすすめのシャドーイング教材をご紹介します。
なお、初級、中級、上級というのは、教材そのものの難易度ではなく、私が推奨する「ながらシャドーイング」に使う前提で選んでいます!
1. NHKラジオ 中学生の基礎英語(初級)
「中学生レベル英語なんて簡単だ」と、基礎英語をバカにしてはいけません。シャドーイングに使いたい素材は、楽勝で聞き取れる、理解できることがそもそも必須です。
それを正しく発音できて、自分の言葉として発言できるようになるのがシャドーイングの目標です。
基礎英語を使ってシャドーイングをするメリットは、文法解説が素晴らしいのでシャドーイングをしながら文法を復習できるということです。
私自身は、社会人になって基礎英語でやり直し英語を始めましたが、忘れかけていた文法をシャドーイングを通じて思い出すことができました。
テキストなしで聞き取れる自信がない人は、テキストを購入しましょう。音声は、NHKの公式アプリ(「NHKゴガク」または「NHKらじるらじる」)で無料で聞けます。
ただ、NHK公式アプリの場合、1週間分の音声しか聞けないので、過去の番組は配信が終了したら聞けなくなることに注意してください。
NHKラジオ講座をダウンロードして無料でいつでも聞けるようにする方法は、以下のページで詳しく解説しています。

2. 起きてから寝るまで英語表現シリーズ(初級)
「起きてから寝るまでシリーズ」は、様々な英語フレーズが収録されています。文章が短くポーズがあるので、シャドーイングに使いやすいです。
日本語と英語が交互に読まれるので、テキストが手元になくても意味も確認しながらシャドーイングができて便利です。
ゆっくりしたスピードで、起きてから寝るまでの基礎的な英語表現が収録されています。これがシリーズの中で一番カンタンな本。
海外旅行関連の単語や表現がたくさん収録されています。
音声がクリアでシャドーイングに適しているのはもちろん、海外旅行を控えている人には、旅行関連の役に立つ単語や英会話表現が身について一石二鳥です!
小さいお子さんを子育て中の方にはぴったりの、子育てに関する様々な表現をシャドーイングしながら身につけられる教材です。
英語を使って働きたい方、働いている方にはこれがおすすめ。会議や同僚とのおしゃべりで使える様々な表現をシャドーイングしながら学べます。
なお、これらの「起きてから寝るまで」シリーズは、amazonのAudibleの聴き放題プラン(月額1,500円)に含まれています。シャドーイングに使えそうかを判断するために、Audibleに登録して音声を聞いてみてください。
お気に入りが見つかったら、kindleなどで本を購入しましょう。本を購入すると音声ダウンロードもできるので、audibleは不要だったら退会してOK。audibleは、初回は30日無料で聴き放題が利用できます。


3. 「中学英語で読める」シリーズ(初級)
NHKラジオ基礎英語は、文法解説があるので役立つ反面、シャドーイングを繰り返す場合は、日本語の同じ解説を何度も聞くことになり効率が悪いです。その場合、NHK基礎英語から生まれた以下の教材がお勧めです。
教材を購入すると、音声もダウンロードすることができます。速度設定もアプリで細かく変更が可能なので、最初はちょっとゆっくりにして挑戦してみましょう。
4. エンジョイ・シンプル・イングリッシュ(初級〜中級)
こちらもNHKのラジオ講座です。番組は5分と短く、英語はゆっくりで聞き取りやすくてシャドーイングしやすいです。日本語の解説はほとんどないのも、シャドーイングには好都合です。
英語初級者の人は、テキストを購入して意味や単語をしっかり理解してからシャドーイングを行うのがおすすめ。リスニング力があってテキストなしでも理解できる中級者以上の方は、テキストなしでシャドーイングに挑戦してみましょう!
5. VOA Learning English(中級)
(2025年11月現在、この2021年度版が最新のようです)
VOA(Voice of America)とは、英語ネイティブではない人向けの英語ニュースラジオです。レベルを制限した単語を使い、ゆったりしたスピードで英語が読み上げられます。
そのゆったりスピードが、発音やイントネーションをしっかり真似るシャドーイングにはちょうどいいです。「基礎英語は子供っぽくて嫌」とか、「ニュースが好き」という人には、VOAがお勧めです。
ただし、音だけをオウム返し状態でシャドーイングすることがないように、ニュースの内容や単語をしっかり理解した上で行ってくださいね。
6. ラダーシリーズ洋書(中級)
「ラダーシリーズ」とは、使用する単語を限定してやさしい英語でリライトされた、英語学習者用向けの洋書です。
英語ネイティブ読者を想定した洋書とは違うので、難しい単語や文法は出てきません。でも、幼児向けの本とは違うので、大人もストーリーを楽しめます。
レベルが1から5までありますが、シャドーイングに使うなら、まずはレベル1をお勧めします。
なお、audiobook.jpというサービスの月額会員になると、60冊以上のオーディオブックが聴き放題になります。
スクリプトは別途購入する必要がありますが、まずは聴き放題でお気に入りを見つけて、それからスクリプトを買うと良いと思います。

7. 速読速聴・英単語シリーズ(中級〜上級)
速読速聴シリーズは、単語教材です。ターゲット単語が複数含まれた長めの文章や会話文が、音声付きで50本程度収録されています。
知らない単語だらけの長文をいきなりシャドーイングは無理なので、まずは本を使ってしっかり単語を学習してから、あるいは本を目で見ながらシャドーイングしてくださいね。
単語を覚えるためにCD音声を何度も聞きながらシャドーイングすると、発音も良くなり、リスニング力も上がり、単語も覚えられて一石三鳥です!
レベル別になっているので、自分のレベルに合ったものを選びましょう。
中学・高校初級レベル
TOEIC600〜700点台を目指す人向け
TOEIC800点台を目指す人向け
TOEIC900点台を目指す人向け
8. 英語で日本を紹介する本(中級〜上級)
日本を英語で紹介する系の音声付き書籍も、すごくお勧めです。日本の伝統文化や観光地などについての知識を得ながら、同時にシャドーイングの訓練ができます。
特に、通訳案内士のお仕事をしている人や合格を目指している人、海外の友達と日本について語りたい人には、ぜひやってほしいです!
音読JAPAN
「自動販売機」「弁当」「温泉」「祭り」など、日本独特の事柄35トピックについての長文が掲載されています。音声はQRコードでスマホから簡単に聞けるので、便利です!
指名が途切れない通訳ガイドの英語で日本紹介アイデアブック
通訳ガイドさんが書かれた本で、「旅館」「新幹線」「茶道」などのトピックに加えて、「浅草寺」「春日大社」「道後温泉」など、外国人に人気の観光地の説明が英語で書いてあります。
全部で100トピックが収録されていて、見開きで英語と日本語になっているので、使いやすいです。音声はスマホでダウンロード・再生できます。
9. Audibleオーディオブック(上級)
シャドーイングに慣れた上級者の方は、Audibleで様々な洋書オーディオブックを聞いてみて、気に入ったものがあればシャドーイングに利用しましょう。
Audibleのアプリで速度調節も可能なので、シャドーイングに使いやすいです。
私は、「こういうポジティブな考え方を自分に取り入れたい!」と思うような本を何度も聞いてシャドーイングをして、体に染み込ませています。
私のAudibleおすすめ本は、以下のページを参考にしてください。

本を一度読んだだけでは、その時は「これはいいこと聞いた!」と思ってもすぐに忘れてしまいますよね。そんな時に、シャドーイングは記憶を維持するのにとても役に立ちます。
また、私はながら聞きだと、ついぼーっと考え事をして英語が頭に入らないことがよくあるので、それを防止するためにシャドーイングをすることもよくあります。
10. TED(上級)
シャドーイング素材として巷では有名なTEDですが、私がお勧めするのは上級者のみです!
TEDがシャドーイングに使いにくい理由は、
・量がありすぎてどの動画を選んだらいいかわからない
・スピーカーの出身地やアクセントが多様(ノンネイティブも多い)
・話し言葉なので難易度が高い(=私が推奨する「ながらシャドーイング」は極めて困難)
からです。
が、上記の問題が自分で解決できて、「自分もこういう考えを持つ人間になりたい!こういうスマートな言い回しを身につけたい!」という動画が見つかれば、ぜひシャドーイングに使いましょう。
一流のスピーカーによる英語スピーチをシャドーイングに使っていくことで、教科書英語ではない自然な英語を体に染み込ませることが可能です。
シャドーイング教材のおすすめと選び方・まとめ

以上、シャドーイング教材の選び方と取り組み方をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
シャドーイング教材を選ぶ上での、私が最重要と思うポイントは以下です。
1.英語学習者用に作られた音声であること
2.自分がマネしたいと思う発音の教材であること
3.「簡単すぎかな?」くらいのレベルであること
こういう教材を選んでください。
そして、
という私のお勧めの中から、ぜひあなたのお気に入りを見つけていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
英語学習に必要な様々な費用を「実質値引き」し、さらに英語を学びながら収入を得る方法について、詳しくはこちらのページに書いています!よかったら、あわせてどうぞ。



