2020年1月8日
瞬間英作文は英語が不自然だからダメとか言ってる人、ちょっと来なさい
エバンス愛
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「瞬間英作文の教材は英語が不自然!」「あんな英語はネイティブは使わない!」という指摘をamazonのレビューとかでよく目にします。
瞬間英作文をやってみようと思って書籍や教材を調べてみたけれど、そういう指摘が気になって、やろうかどうかあなたも迷っているかもしれません。でも、それが理由で瞬間英作文にトライしないなんて、本当にもったいない!!
このページでは、「英語が不自然だから」という理由で瞬間英作文に踏み出せない人のために、瞬間英作文で英語が話せるようになった私が「瞬間英作文の英語が不自然でも全く気にしなくていい理由」を述べたいと思います!
コンテンツ
瞬間英作文は表現の暗記が目的ではない!自然さの議論は無意味
瞬間英作文は、暗記に頼らず、自分でどんな場面でもどんな内容でも英語を瞬時に紡ぎ出す力をつけるためのトレーニングです。だから、英語が不自然でも全然問題ありません。瞬間英作文で身につけたいのは、英語の構文、つまりパターンなのです。
「構文」っていうのは、文を組み立てるルールのことです。
受動態(主語 + be動詞 + 過去分詞 + by ○○)を瞬間英作文するなら?
たとえば、英語で受動態を組み立てるルールは、「主語 + be動詞 + 過去分詞 + by ○○」ですよね。
瞬間英作文をやることで、「頭では分かる」「ゆっくり考えればできる」というレベルを超えて、一瞬で受動態の文を組み立てて口に出せることを目的としています。
その本は彼によって書かれた。 → The book was written by him.
と一瞬で変換できるようにするのが目的です。
でも、「瞬間英作文の英文が不自然だからダメ!」と言っている人たちは、こういう文に対して
「”The book was written by him.” という英語は不自然!」
「こういう時は、普通は”He wrote the book.”と言う!」
「友達のネイティブに聞いたら、こんな英語は使わないと言っていた!」
といった調子で批判します。
でも、こういう指摘は正直、的外れです。瞬間英作文でやりたいのは、英語を組み立てるルールを体で覚えることです。“The book was written by him.”という文を丸暗記したいわけではありません。むしろ、丸暗記してはいけません。
この文での目的は、「受動態の文を一瞬で作れるようになること」なので、この特定の文が自然か不自然かなんて、どうでもいいわけです。(・∀・)
「暗記してはいけない!」のほか、瞬間英作文をやる時の注意点については、このページに詳しく書いています。瞬間英作文に挑戦する前に、ぜひ読んでおいてくださいね。
受動態はネイティブは使わない?「ネイティブらしい英語」とは?
以下の2つの文章の、どっちがネイティブらしいのか?
・The book was written by him.(受動態)
・He wrote the book.(能動態)
一般的なシチュエーションでは、”He wrote the book.”です。
でも、すべての状況において受動態が不自然なのかというと、全くそんなことはありません。受動態が好んで使われる場面も、ものすごくたくさんあります。主語がはっきりしない(あるいは、あえてぼかしたい)時、動作主を強調したい時などです。
たとえば、”The book was written by him.”とネイティブが言うなら、それは「by him」を強調したい場合です。
このように、受動態が自然かどうかは、状況によって違います。でも、受動態そのものが自分のものになっていないうちから、何が自然とか不自然とか考えても、その「感覚」ははっきり言って何の役にも立ちません。
だから、瞬間英作文の教材に、たとえば受動態の「不自然な表現」が入ってたりしても、それはその教材の欠陥ととらえるべきではなくて、「とにかく受動態のパターンを練習して体に染み込ませろということなんだな」と考えたらいいだけなんです。
野球やテニスの素振りと同じです。まずは、文法的に正しい受動態の文を、パッと英語で出せるようになるのが先です。その後で、どういう時に使うのが自然なのかをだんだんと英語の実践学習の中で身につけていけばいいんですね。
「自然な英語」にこだわりすぎると、英会話の上達が遅れる
瞬間英作文を批判する人がそろって口にする「英語が不自然」。もちろん、自然な英語が使えるようになることを最終的には目指すべきですが、「ネイティブらしい英語」崇拝には、危険な面があります。
自然な英語にこだわる人ほど、英語が話せない(過去の私)
瞬間英作文に限らず、何の教材にしても、「不自然な表現がある」って騒ぐ人は多いですが、そういうとこにばかりこだわっている人ほど、いつまでたっても英語が話せるようにならないです。
・・・な〜んて偉そうなことを言ってしまいましたが、かく言う私こそ、ネイティブらしい表現にこだわるあまり、通訳の仕事ができなくなるほど英語が話せなくなってしまった人なんです。
何か英語を口にしようとするたび、「これって自然な英語かな?おかしくないかな?」「これで文法的には通じるだろうけど、変な表現じゃないかな?」と気になって気になって、本当につらい時期がありました。
で、私がどうやってその時期を抜けたかというと、通訳の怖い先輩にカツを入れられたからなんです(笑)。
その言葉に私は本当に救われたのですが、怖い先輩が私にかけてくれた魔法の言葉については、以下に書いています。きっと気持ちが軽くなると思うので、ぜひ読んでみてください!
英語を母国語としない人間が話すことなんだから、完璧に自然な表現なんて最初から話せるわけないんです。
まずは、少々不自然な英語でもいいから、自分の言いたいことをしっかり相手に伝えられるようになるのが先。自然な英語を学ぶのは、それからです。
自然なネイティブらしい英語を学ぶ=「表現の暗記」である
「わざわざ不自然な英語が書いてある瞬間英作文の教材を使わなくても、最初から自然なネイティブらしい英語だけ学べばいいじゃないか」。あなたはそう思うかもしれません。
でも、「自然な英語」って、ちょっと普通の日本人の感覚では思いつかないような表現だったり、意味を知らないと理解できないような表現なんです。
日本人の感覚では発想できない表現なのだから、それらを学ぼうと思うと、その表現の丸暗記をするしかありません。丸暗記をすると、覚えている文しか使うことができませんよね。自分で一から文を組み立てるという力はつかないままです。
瞬間英作文は、英語表現の丸暗記ではなく、自由自在に言いたいことを英語で組み立てられる力を身につけるトレーニングです。
文の構造を体で覚えることさえできれば、あとは自由自在に応用ができるようになるんです。どんな場面でも、どんな内容でも、単語を変えるだけで、好きなことを好きなように言えるようになります。
そして、自分の総合的な英語レベルが上がってくるにつれて、何が自然で何が不自然なのかも、だんだん分かってくるものです。なので、実践で「自然な表現」というものを身につけるのが本来あるべき形だと私は強く思います。
本に「これは不自然な表現」と書いてあった・・・とかじゃなく。
これに関連して、ネイティブらしい自然な表現にこだわりすぎると、こんなネガティブな面もあります!よかったら、合わせて読んでおいていただければ。
ただし、複雑な日本語の例文には注意
とは言え、瞬間英作文の教材のやり始めのときは特に、中学生レベルの本当に簡単な英文に絞って練習することをお勧めします。変なひねりのない、英作文しやすい日本語を使ってください。
日本語が複雑な、ひねった文章の場合、瞬間英作文するのが大変ですし、必要ない苦労をすることになります。中学で習う基本的な文法項目(受動態、現在進行形、比較級など)をどんどん練習するつもりでやりましょう。
逆に、すでに英語である程度の意思疎通は取れるけど、もっと複雑な内容をスラスラ口にできたり、英語でディスカッションできたりするようになりたい人は、以下の記事を参考にしてみてください!瞬間英作文の応用編で、通訳トレーニングをする方法です。
まとめ
というわけで、瞬間英作文は、丸暗記するものじゃありませんので、不自然な表現があっても全然問題なし。ただパターンを体に染み込ませる練習!これだけ覚えておいていただけたらと思います。
お役に立ったら幸いです!