2018年7月28日
シャドーイングで英語が話せるようになりますか?10年続けた私の結論
エバンス愛
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シャドーイングって英語を声に出すトレーニングなので、英会話ができるようになるイメージありますよね。でも、実際のところ、シャドーイングって英会話にどれくらい効果があるのでしょうか?
この記事では、私の痛い経験も交えて、シャドーイングで英語が話せるようになるのかどうか、検証したいと思います!
コンテンツ
シャドーイングが英会話に役立つこと
シャドーイングは、英会話にどんな効果をもたらすのでしょうか?
1.英語を発音する時に滑らかに口が動く
シャドーイングで口の周りの英語用筋肉が鍛えられるので、英語の音読やリピートの時、滑らかに口が動くようになります。(※「英語で自分の言葉で話す時」ではないことに注意。あくまで、音読やリピートの時です。)
また、シャドーイングで何度も発音したフレーズが、英会話で必要な時にサラッと自然に出てきたりするようにもなります。
2.リスニング、発音、イントネーションが鍛えられる
リスニングが鍛えられるので、英会話の時に相手の英語がよく聞き取れるようになります。ちぐはぐな英会話にならないために、相手の言っていることを理解できるというのは重要ですからね。
発音とイントネーションも良くなるので、外国人と話をしても、発音が悪くて通じないといった悩みがほぼなくなります。人前で英語を発音することへの抵抗もなくなります。
発音の心配をしなくて良くなり、英語を口に出せば自然に英語らしい発音とイントネーションになるので、話す時には内容に集中できるようになります。なので、発音にも注意を向ける必要がある人より質の高いアウトプットができます。
3.同時並行処理スキルが鍛えられる
多くの人は英語で会話しているとき、相手の話を聞くので精一杯だと思います。そして、自分が話す番になって「えっと・・・」と頭の中での英作文がはじまり、すごく時間がかかってしまいます。
でも「話す」「聞く」を同時にこなさないといけないシャドーイングをやることで、同時に二つのことに注意を向ける能力が鍛えられます。
つまり、シャドーイングをやることで、相手の会話を聞きながら「何て答えようかな」と考える余裕ができるようになります。
この能力がさらに極まると、相手の英語を聞き漏らすことなく同時に辞書を引いたり資料を調べたりできるようになります。
以上。
シャドーイングは、英会話にはこういう効果があります。
・・・さて、あなたは何か気づきましたか?
シャドーイングで英語は話せるようにならない理由
はい、答え書いちゃいましたが、シャドーイングで英語は話せるようにならないんです。
シャドーイングって、英語をたくさん声に出す勉強法なので、「シャドーイングで英会話もバッチリ」って思っている方も多いと思いますが、違うんです。
もちろん、上記のような効果があるのは確かなので、やる意味が全くないわけではありません。でも、自分の言いたいことがスラスラ英語で言えるようになるとかいう効果は、ほぼ期待できません。
シャドーイングはどうして英会話に効果がないんでしょうか?
シャドーイングというのは、話すと聞くを同時に行わないといけないので、最初はそれだけで精一杯です。脳は「聞く」と「繰り返す」という、リアクション(受動)状態になるんですね。「話す」というアクション(能動)状態にはなりません。
英会話ができるようになるには、能動的に「話そう」という意識を持って練習しないとまず無理です。特にシャドーイングに慣れないうちや、自分のリスニング力とリピート力でシャドーイングできるギリギリの教材を使っている場合は、「話す」というアクション状態が作りにくいです。
また、私の場合はシャドーイングだけに集中して行うことはほぼなく、運転中とか、家事をしながらとか、何かのついでにやっています。私が読者さんに勧めているのもこの方法です。
なので、運転などをしながらシャドーイングをしつつ、同時に「英語の文章を組み立てて話す」(アクション状態)ことを意識するには、時間的・精神的余裕が足りないんです。
聞こえる英語のスピードに遅れないようについていきながら、どんどん英語を口に出さないといけないからです。
じゃあ、「ながら作業でのシャドーイングをやめてシャドーイングだけに集中すれば、アクション状態に近づけるじゃないか」と思うかもしれません。
理論的にはそうなのですが、それだったらその時間にスカイプ英会話や瞬間英作文をやった方が、よほど英語が話せるようになります。
それでもシャドーイングで英会話力を伸ばすには?
というわけで、シャドーイングの効果は、完全なアウトプットのトレーニングで得られる効果には到底及びません。シャドーイングは、インプットとアウトプットの中間くらいに位置するトレーニングでしかないからです。
英語が話せるようになりたいなら、「完全にアウトプットに特化したトレーニング」に勝るものはありません。
なので、シャドーイングをすれば英語が話せるようになるという幻想は捨てて、
・リスニング力、発音、イントネーションを鍛える
・口の筋肉を鍛える
・同時並行処理スキルを鍛える
という効果のためとある程度割り切ってシャドーイングに取り組んでいただきたいのですが、それでも「シャドーイングをする時にこういうことに気をつけると、英会話にも効果があるよ!」という点を2つここでお話しします。
声をきちんと出す
シャドーイングに慣れないうちは、小さい声でボソボソと話してしまいがちです。最初はそれでいいですが、慣れてきたら普通に話す時の声でシャドーイングをすることを心がけてください。
自分が普段話すときの声量でシャドーイングをしてみると、いかに「できたつもり」の適当シャドーイングだったかが分かります(笑)。
声をきちんと出してシャドーイングすることで、英語を話すときの発音やイントネーションも良くなりますし、ボソボソリピートするよりはアウトプットモードに近づきます。
自分の発言であるかのように英語を声に出す
シャドーイングは、機械的に音を繰り返すのではなく、その意味を噛み締めながら話し手の気持ちになってシャドーイングすることが重要です。これも、慣れないうちはリピートするだけで精一杯だと思いますが、慣れてきたらぜひ意識してください。
英語を聞いて繰り返しながら、次の展開を予測して、話し手の言葉がまるで自分が組み立てた言葉であるかようなつもりで感情を入れてリピートすることで、英会話力向上にもつながります。
さきほど、シャドーイングは「聞く」と「繰り返す」というリアクション(受動)状態だと言いました。シャドーイング中に自分の言葉であるかのようにリピートすることを意識しながら、少しでも「自分で英語を組み立ててアウトプットする」というアクション(能動)状態に近づけていくイメージです。
シャドーイングで効果が出ない3つの原因と対策
「シャドーイングでなかなか効果が出ない」というお悩みもよくあるのですが、それはシャドーイングのやり方が間違っているからです。
以下に、シャドーイングで効果が出ない原因と、その対策をお教えします。
1.シャドーイングに使っている教材が難しすぎる
巷では、よく「TEDでシャドーイングしましょう!」なんて言われていますが、(上級者以外は)辞めておいた方がいいです!!
TEDでなくても、知らない単語が多い素材や、全くスピードについていけないような難しい素材でシャドーイングするのはNGです。
英語が「聞き取れる」ことと、「自分の口から出せる」ことには、大きな大きな違いがあります。私たちは誰だって、「聞き取れる」レベルのずっと下のレベルの英語しか、口に出せないのです。
私の推奨するシャドーイングは、「自分の口から出せる」レベルの英語を、スクリプトを見ないで、確実にきっちり真似するトレーニングです。
だから、面倒くさがらずに、簡単だと馬鹿にせずに、中学生レベルからシャドーイングをすることを私は強くお勧めします。私自身も、中1レベルの超基礎からシャドーイングをはじめました。
シャドーイング教材の選び方については、以下のページも参考にしてください。
2.シャドーイングのトレーニング時間が足りない
シャドーイングに限りませんが、英語のトレーニングは、そんなにすぐに結果は現れません。
私自身は、車通勤の時間をシャドーイングに使い始めたのですが、毎日往復1時間の運転中はずっとシャドーイングしていました。
もちろん、あくまでも「運転しながら」なので、交通状況によっては口が止まることもありました。毎日1時間みっちりという感じではなく、ゆるく1時間という感じでした。
「ゆるく1時間」を継続することで、どんどん英語が聞き取れるようになり、発音も格段に良くなったとはっきり感じるのに、だいたい1年くらいはかかったと記憶しています。
とは言え、1年間全く成果が出なかったというわけではなく、はっきり効果を感じるのには私はそれくらいかかったということです。
なので、ほんの1〜2ヶ月ではほとんど効果は感じられないのが当たり前なので、すぐに諦めないで、焦らずコツコツと継続してください。
シャドーイングを始めてどのくらいでどうなったという経緯は、このページに詳しく書いています。
効果が感じられるまでにかかる時間には当然個人差がありますが、まずは1日20分、半年を目標に頑張ってみてください!!
3.音だけをオウム返ししている
これは、私がシャドーイングで勘違いをしていて後悔していることです。
私は、シャドーイングでついつい「自動的に英語音声を真似て繰り返す」という状態になっていました。そのせいで、シャドーイングの効果を最大限に発揮できませんでした。
口では英語を自動的に繰り返しているけど、肝心な内容を理解していないということもありました。
シャドーイングとは、ただただ繰り返すのではなく、その発言が自分の頭から出ているような感覚で繰り返すのが大事なんです。私はこれに気づくのが遅れました。
話の内容をしっかり理解して次の発言を予測しつつ、その発言者になりきって、自分の発言として相手に伝えるような気持ちでシャドーイングすることで、英会話力ももっと上がっただろうと思います。
要するに、シャドーイングは「オウム返し」ではダメだということです。「意味を理解する」でもまだ不十分。それに加えて、自分の言葉として出ているような感覚で話すことが重要です。
最初は、英語を聞いて声に出すことだけで精一杯で、意味を考えたり、ましてや自分の言葉であるかのように口に出すことまで頭が回らなくても当然です。
でも、最終的には「発言者になりきり、自分の言葉であるかのようい発音する」ことが理想的な状態なんだと知っておいていただき、日々のトレーニングを積み重ねてください!
まとめ
私は10年以上シャドーイングのトレーニングをしましたが、英語は話せるようになりませんでした。もちろん、トレーニングのおかげで口は滑らかに動きますし、発音も格段に良くなりました。使える英語として身に付いた表現もたくさんあります。
でも、シャドーイングだけでは自分で英語が組み立てられるようにはならないんです。自分で英語が組み立てられて、何でも自由自在に言えるようになるには、自分で英語を組み立てるトレーニングをするしかありません。
私は、それに気づくのが遅れたので、アホみたいにシャドーイングばっかりしてたわけです。(汗)
で、「あれ?全然英語話せるようにならないぞ?なんかおかしい」と思って始めたトレーニングが「瞬間英作文」です。「能動的に話そうという意識を持ってトレーニングしないと、英語は話せるようにならない」と言いましたが、瞬間英作文がまさにその訓練法です。
というわけで、シャドーイングで英語が話せるようになるのか?その答えは、シャドーイングだけでは無理!というお話をしましたが、いかがだったでしょうか?
シャドーイングもいいのですが、シャドーイング以外にちゃんと英語が話せるようになるための練習をしてくださいね!