2021年2月21日
最強の英語勉強法「シャドーイング」の5つの効果【TOEICリスニング満点取れた】
エバンス愛
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「英語のシャドーイングって、ほんとに効果あるんですか?」という質問をよく受けます。
その答えですが、私の今日の英語力(特にリスニングと発音)の半分以上は、シャドーイングでできています。
シャドーイングを始めてから、TOEICの点数がどんどん上がっていきました。全くTOEIC対策をしていないのに、リスニングセクションで満点の495点を取ることもできました。
留学経験がなくても、発音矯正をしなくても、「発音がいい」と褒めていただくことが増え、純日本産の英語を武器に通訳の仕事ができるようになったのも、シャドーイングを10年以上継続してきたおかげです。
つまり、シャドーイングは、効果めちゃくちゃあります(*´∀`*)
このページでは、そんな最強の英語トレーニング法「シャドーイング」で得られる効果と、思うように効果が得られない場合の対策についてお伝えします。
読み終わる頃には、あなたもシャドーイングがやりたくて仕方ない状態になっていることでしょう!
そもそも「シャドーイング」とはどういう勉強法なのかについては、以下のページを読んでくださいね。
最強の英語勉強法「シャドーイング」で得られる5つの効果
シャドーイングを行うことでどんな効果が得られるのか?私の経験も交えて、シャドーイングの5つのすごい効果をお話ししたいと思います。
シャドーイングの効果1.リスニング力がアップする
私たちは、聞き取れない英語は口にも出せません。
シャドーイングは「聞いた英語をすべてそのまま自分の口で再現する」という勉強法なので、いやでもリスニング力が上がるのです。
英語を聞くだけでは、何となく分かったつもりになってしまうことがありますよね。
でも、「今の話、何だった?説明して」と言われると、「あれ?単語をところどころ覚えているだけで、実は聞き取れてなかった・・・」そんな経験、あなたにもあると思います。
でも、シャドーイングをしてみると、自分の弱点(聞こえたつもりで聞き取れてないところ)が一発で分かります。
口に出してみたとき、「ごにょごにょ・・・」となってしまう部分が、
・単語を知らない
・単語は知っているけど、その発音に慣れていない
・単語と単語がくっついた音(リエゾン)に慣れていない
などが理由で、聞き取れていないところです。
※ 「リエゾン」とは、たとえば Did you…?が「ディド ユー」ではなく「ディジュー」と発音される状態のこと。
ひとつひとつの単語の発音を知っていることが大切なのは言うまでもありませんが、特にこういう、単語同士がくっついた音「リエゾン」がきちんと聞き取れるようになることは、本当に大切です。
生きた英語は、リエゾンのオンパレードですから。
リエゾンをマスターするには、黙って英語を聞いているだけでは不十分です。また、個々の単語の発音を覚えるだけでも不十分です。
シャドーイングで文章をまるごと自分で口に出して正しい発音とリズムを体感して、実際に単語がくっついてどんな音になるのか体験するしかありません。
シャドーイングの練習を積んで、リエゾンにも慣れてくると、「聞いても全然分からなかったのに、文字を見たらこんなに簡単な英語だったのか!」という、誰もが悩む状態から抜け出すことができます。
そして気づいたら、リスニング力は大幅にアップしていることでしょう。
シャドーイングの効果2.発音やイントネーションが上達する
シャドーイングで、正しい発音、アクセント、イントネーションやポーズ(間)の取り方を自然に身につけることができます。
以前の私は、英語を読んでいてもどこが強くてどこが弱く読まれるか分からず、とにかく同じトーンで発音してしまったり。英文の意味の切れ目がどこなのか分からず、息継ぎのタイミングを逃して窒息しそうになっていました。
シャドーイングに取り組む前は一本調子でしか発音できなかったのが、シャドーイングで発音とイントネーションが大きく改善されました。
私たちは、どうしても自分流の発音に傾きがちです。単語の発音やアクセントを間違ったまま覚えて気づかないことがよくあります。
発音やアクセントを間違って覚えていると、せっかくその単語を知っていても、聞き取れません。
たとえば、「general」を反射的に「ジェネラル」と認識している人は多いと思います。でも、実際のアメリカ英語では「ジェナロー」です。
「general」→「ジェネラル」→「ジェナロー」というパターンを、シャドーイングでは効果的に身につけられるんですね。
シャドーイングだと、インプットとアウトプットが同時なので、聞こえた音をその通りに再生することで精一杯です。
だから、シャドーイングでは聞こえたまま真似して発音するので、正しい発音とイントネーションを身につけることができます。逆に、わざわざ自分流の発音に直すほうが手間なのです。
音読とシャドーイングの違いと、それぞれのメリット・デメリットについて、詳しくは以下の記事に書いています。私としては、音読とシャドーイングであれば、断然シャドーイング推しです。
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
参考:音読とシャドーイングの効果の違いとメリット・デメリット
シャドーイングの効果を最大にする秘訣は、とことん真似をすること。発音に自信のない人は、是非しっかりシャドーイングをやってみてください。
シャドーイングの効果3.英会話スキルが上がる
シャドーイングを続けることで、英語の口の筋肉を鍛えることができます。
日本語と英語は発声も異なります。日本語は主に口先だけで浅い発音をしますが、英語は喉を開いてお腹から声を出します。シャドーイングをしてみると、自分の発声がお手本の英語よりずっと浅いことに気づけます。
私がシャドーイングを始めた頃は、5分続けるのもしんどいと感じていました。口の周りが痛くなり、舌がつるような感じでした。
でも、シャドーイングを続けて10年以上経ち、今はレベルが高くない素材なら1時間でもシャドーイングを続けられるようになりました。
喉の奥を開いて発声したり、強く音を出して発音するような英語らしい音も、出せるようになりました。
また、シャドーイングの訓練によって、「聞こえない」→「聞けば分かる」→「シャドーイングできる」という段階を経て、「その表現を自分の引き出しから出せる」ようになります。
シャドーイングでたくさんの表現を発音していくことで、いろんなイディオムなどの英語表現を覚えることができます。
たとえば、“hit it off”(気が合う)というイディオムがあります。単語は全部簡単ですが、こういう表現って、なかなか覚えられないですよね。
でも、なかなか身につかないイディオムや英会話表現も、シャドーイングで声を出していくことで、効率よく記憶に定着させることができます。
また、hit it offは実際に発音すると「ヒット・イット・オフ」ではなく「ヒリローフ」と聞こえるのですが、それを知らないと聞き取れないですし、もちろん口にも出せません。
でも、シャドーイングを何度もしていくと、「こういう時にこの表現を使うんだな」という場面ごと覚えることができ、自分が同じ状況になった時にその表現を自然に使えるようになります。
シャドーイングの効果4.英語をリスニングする時の集中力が上がる
英語を聞いていると、すぐに疲れてボーッとしてきて集中力が下がってしまうことに悩んでいる人は多いと思いますが・・・
リスニングの時の集中力の大幅アップも、シャドーイングで叶います!!
シャドーイングをすると、普通に英語を聞き流す時よりずっと注意深く英語を聞き取るクセがつきます。真似をして発音しないといけない以上、適当に聞き流すわけにはいきませんからね。
こういう、ただ漫然と英語を聞くのではなく「絶対に聞き漏らすまい!」として注意深く英語を聞くことを「アクティブリスニング」と言います。
シャドーイングは「聞く」と「話す」を一度に行うトレーニング法なので、特に最初はしんどいです。「こんなことできるようになるの?」と思うかもしれません。
でも、日常的に継続していくと、だんだんと2つのことを同時に行うことに慣れてきます。
すると、シャドーイングせずに普通に英語をリスニングする時、それがいかに楽かに気づくのです。
シャドーイングと比べて全然疲れないので、長時間でも集中力が落ちることなく、英語がスラスラ聞き取れるようになります。
私は、会社員時代に先輩と一緒に会議通訳に入って何が一番驚いたかというと、先輩たちが発言者の言葉を聞き、メモを取りながら、同時に電子辞書で単語を調べ、さらにバインダーのページをめくっていたことです。
「いっぺんにいくつのことを同時並行してるの!?」と、本当にあっけにとられたことをよく覚えています。「先輩、ちゃんと発言聞いてます?メモほとんど取ってないけど大丈夫?Σ(・∀・;)」と、内心オロオロしたものです。
でも、いざ先輩が訳し始めると、発言の内容は把握できているし、しかも辞書で単語もちゃんと見つかっているし、バインダー資料の必要なページもちゃんと探し当てていました。
そして、最初は超人技としか思えなかったこんな芸当も、やがて私にとっても当たり前になりました。
こんな「同時に複数のことに注意を向ける」という訓練の一つがシャドーイングです。
最初は「聞く」と「話す」を同時にやるなんて絶対無理!と思っていたシャドーイングも、訓練を重ねるとできるようになりますが、それは二つの動作に注意を向けて同時に行うことができるようになったからです。
TOEICなどの試験の時のリスニングで、集中力が切れてボーッとしてしまうことにお悩みの方は、特にシャドーイングをお勧めします!
シャドーイングの効果5.英文を読むスピードや英文読解力が上がる
シャドーイングは、英語を英語の語順のままで理解する「英語脳」の育成にもものすごく有効です。
英語を読むときに、ついつい「返り読み」をしてしまう癖に悩んでいる人は多いと思いますが、シャドーイングで矯正できます。
シャドーイングでは、リーディングと違って英文を前に行ったり後ろに行ったり(返り読み)することは当然できません。英語の語順そのままで前から処理するしかないですよね。
シャドーイングで英語を英語の語順のままで処理することが習慣になると、リーディングの時にも同じことができるようになるんです。
だから、リーディングのスピードも上がるのです。
多くの日本人が悩んでいる、憎っくき「返り読み」をシャドーイングで矯正する方法については、以下のページに詳しく書いています。
また、英語のシャドーイングを繰り返していくうちに、文法や英語構文も自然に身につきます。
「こういう流れでくると、次はこの単語だな」と予想がつくようになってきます。これは、文法や構文が理屈を超えて体に染み込んで、自動化できたというサインです。
頭でごちゃごちゃ考えなくても文法や英語構文を体得していれば、英語を読むスピードも理解度も上がっていき、英語を読むのがどんどん楽になります。
シャドーイングで効果が出ない3つの原因と対策
「シャドーイングでなかなか効果が出ない」というお悩みもよくあるのですが、それはシャドーイングのやり方が間違っているからです。
以下に、シャドーイングで効果が出ない原因と、その対策をお教えします。
1.シャドーイングに使っている教材が難しすぎる
巷では、よく「TEDでシャドーイングしましょう!」なんて言われていますが、(上級者以外は)辞めておいた方がいいです!!
TEDでなくても、知らない単語が多い素材や、全くスピードについていけないような難しい素材でシャドーイングするのはNGです。
英語が「聞き取れる」ことと、「自分の口から出せる」ことには、大きな大きな違いがあります。私たちは誰だって、「聞き取れる」レベルのずっと下のレベルの英語しか、口に出せないのです。
私の推奨するシャドーイングは、「自分の口から出せる」レベルの英語を、スクリプトを見ないで、確実にきっちり真似するトレーニングです。
だから、面倒くさがらずに、簡単だと馬鹿にせずに、中学生レベルからシャドーイングをすることを私は強くお勧めします。私自身も、中1レベルの超基礎からシャドーイングをはじめました。
シャドーイング教材の選び方については、以下のページも参考にしてください。
2.シャドーイングのトレーニング時間が足りない
シャドーイングに限りませんが、英語のトレーニングは、そんなにすぐに結果は現れません。
私自身は、車通勤の時間をシャドーイングに使い始めたのですが、毎日往復1時間の運転中はずっとシャドーイングしていました。
もちろん、あくまでも「運転しながら」なので、交通状況によっては口が止まることもありました。毎日1時間みっちりという感じではなく、ゆるく1時間という感じでした。
「ゆるく1時間」を継続することで、どんどん英語が聞き取れるようになり、発音も格段に良くなったとはっきり感じるのに、だいたい1年くらいはかかったと記憶しています。
とは言え、1年間全く成果が出なかったというわけではなく、はっきり効果を感じるのには私はそれくらいかかったということです。
なので、ほんの1〜2ヶ月ではほとんど効果は感じられないのが当たり前なので、すぐに諦めないで、焦らずコツコツと継続してください。
シャドーイングを始めてどのくらいでどうなったという経緯は、このページに詳しく書いています。
効果が感じられるまでにかかる時間には当然個人差がありますが、まずは1日20分、半年を目標に頑張ってみてください!!
3.音だけをオウム返ししている
これは、私がシャドーイングで勘違いをしていて後悔していることです。
私は、シャドーイングでついつい「自動的に英語音声を真似て繰り返す」という状態になっていました。そのせいで、シャドーイングの効果を最大限に発揮できませんでした。
口では英語を自動的に繰り返しているけど、肝心な内容を理解していないということもありました。
シャドーイングとは、ただただ繰り返すのではなく、その発言が自分の頭から出ているような感覚で繰り返すのが大事なんです。私はこれに気づくのが遅れました。
話の内容をしっかり理解して次の発言を予測しつつ、その発言者になりきって、自分の発言として相手に伝えるような気持ちでシャドーイングすることで、英会話力ももっと上がっただろうと思います。
要するに、シャドーイングは「オウム返し」ではダメだということです。「意味を理解する」でもまだ不十分。それに加えて、自分の言葉として出ているような感覚で話すことが重要です。
最初は、英語を聞いて声に出すことだけで精一杯で、意味を考えたり、ましてや自分の言葉であるかのように口に出すことまで頭が回らなくても当然です。
でも、最終的には「発言者になりきり、自分の言葉であるかのようい発音する」ことが理想的な状態なんだと知っておいていただき、日々のトレーニングを積み重ねてください!
最強の英語勉強法「シャドーイング」の効果・まとめ
以上、シャドーイングの効果についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
シャドーイングの5つの効果は、以下でした。
1.リスニング力がアップする
2.発音やイントネーションが上達する
3.英会話スキルが上がる
4.英語をリスニングする時の集中力が上がる
5.英文を読むスピードや英文読解力が上がる
そして、シャドーイングの効果が出ない原因3つは、以下です。
1.シャドーイングに使っている教材が難しすぎる
2.シャドーイングのトレーニング時間が足りない
3.音だけをオウム返ししている
非常に重要なことを書いたので、できれば何度も読み返していただき、シャドーイングの効果を最大に引き出して、バッチリ英語力をアップさせてくださいね。