【英語の聞き流し】リスニングに効果があるのか、白黒つけようじゃないの

英語の聞き流しって、ネットで調べれば調べるほど混乱しませんか?
「聞き流しは効果ないです!」 という人もいれば 「効果あるよ!」 という人もいます。いろいろな情報が入り乱れていて、途方に暮れますよね。

結局、英語の聞き流しって効果あるの?ないの?どっちなの・・・?
そう思っている方のために、このページでは英語の聞き流しは効果があるのかないのか、はっきりさせてみることにしました。
実は私も、かつて英語の聞き流しで盛大に失敗した一人です。
CNNニュースを流しっぱなしにしたり、海外ドラマを英語で見たり、洋楽を聞きまくったり・・・リスニング力はビクともしませんでした。
でも、その後「正しい聞き流しのやり方」を知ってからは、通算何千時間ものながら聞きを積み重ねました。
そのおかげで、たくさんの単語や熟語を覚え、ネイティブ表現も身につけ、TOEICリスニング満点を取れるまでになりました。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ 英語の聞き流しに効果があるのかないのか、はっきりした結論
✅ リスニング力が伸びる聞き流しと、ビクともしない聞き流しの違い
✅ 自分の英語レベルに合った聞き流しの正しいやり方
✅ 「ながら聞きが苦手」と感じている人への解決策
いろいろな情報に振り回される前に、このページで「英語の聞き流し」に白黒つけてしまいましょう!
英語の「聞き流し」学習の2つの定義

「聞き流し」を巡って意見が割れるのは、「聞き流し」の定義が人によって違うからです。ここをはっきりさせないと、そもそも話がかみ合いません。
定義1:意味をなさない英語が耳の右から左に通り抜ける(=ただのBGM)
「聞き流しは効果がない!」と言っている人のほとんどは、この状態を指しているはずです。知らない単語ばかりで意味も分からない英語が、雑音として耳に流れてきているだけ。
これは「聞き流し」というより、ただのBGMです。
残念ながら、この聞き流しに効果はほぼ期待できません。こういう話、よく聞きませんか?
「アメリカに住んで5年になりますが、家にいるときはCNNニュースをずっとつけています。だから、英語を聞いている時間はかなり多いです。でも、英語はほとんど進歩していません。相変わらずニュースの内容はほとんど分かりませんし、英語はしゃべれないままです・・・」
本人は英語を聞いているから勉強時間が取れていると思っています。でも、知らない単語ばかりのほとんど意味の分からない内容である以上、それって単なる「雑音」なんですよね。(;・∀・)
たとえば、中国語がまったく分からないあなたが、中国語のテレビ番組を毎日耳に流し込んだとします。それだけで中国語が理解できるようになり、話せるようになるでしょうか?
1年や2年くらいでは、ほぼチンプンカンプンのままのはずです。
だから、「意味をなさない英語の音が耳を通り抜ける」という状態の聞き流しであれば、残念ながら効果はありません。
定義2:英語だけに集中できない状態で音を耳に流し込む(=ながら聞き)
もう一つの定義は、「机などで集中して勉強する時間以外の時間で英語を聞くこと」 です。
たとえば、ジョギングしながら、お皿を洗いながら、通勤しながら・・・英語学習とは違う作業をしながら英語を耳に流し入れること。私はよく「ながら聞き」という表現をしますが、ほぼ同じ意味だと思ってください。
じゃあ、こっちの定義の方だったら効果あるのか?ってことですよね。
これは、効果がある場合とない場合があります。
「聞き流し」が良い悪いというのではなく、どういう状態で英語を聞いているかが実は大事なんです。ここから詳しく解説していきます。
聞き流しでリスニング力がビクともしなかった私の失敗談

私自身、過去にたくさんの「間違いリスニング学習」をやらかしています。
私は遠回りをしてしまいましたが、これを読んでいるあなたはここに書いていることに気をつけていただければ、私よりずっと早く目標のリスニング力にたどり着けるはずです。
CNN・BBCなど海外ニュースの聞き流し
ケーブルTVを契約し、常に部屋で英語のニュースが流れている環境を作りました。CNNニュース、BBCニュースなどをひたすら聞きまくる日々です。TOEIC600点〜700点くらいの頃でした。
NHKのニュースを副音声にしたり、ラジオの英語ニュースを聞いたり、全然分からないのに英語をとにかく流しっぱなしにしていました。
夕食の時も、分からないくせにニュースを副音声にして、私以上に英語ができない家族からひんしゅくを買っていました。
結論を言うと・・・リスニング力アップの効果はありませんでした。
効果がないどころか、分からないことからストレスがたまり、勉強がつらく感じるばかりでした。
しかも、ニュースは自分の興味がある内容でなければ、聞こえなくても全然構わないものです。
「どうしても聞きたい!理解したい!」というモチベーションすらないのに、意味の分からない英語を流していても、効果があるはずがありません。(ああ・・・今はっきり分かる、この愚かさよ・・・)
誤解のないように言っておくと、ニュース英語を聞くこと自体はとても良い訓練になります。私も、もっとだいぶ後になってからNHKのニュースを副音声で毎日聞くようになりました。
何がいけなかったかというと、意味がほとんど分からないまま、音声が右から左へ聞き流されている状態だった ということです。当時の私のリスニング能力は、生の英語ニュースに耐えうるレベルではありませんでした。
しかも、スクリプトがあって確認できるならまだしも、意味の分からないものを一回勝負で聞きっぱなし。これで「リスニングの勉強」だと思っているとしたら・・・それは大いなる勘違いです。
生のニュースをスクリプトもなく一発勝負で聞いて十分な学習効果があるのは、TOEIC900点以上くらいの方です。個人差はありますが、過去の私を含め、多くの方がTOEIC900点台でも海外ニュースはお手上げです。
海外ドラマ・映画を見ながらの聞き流し
これもやっていました。
当時ハマっていたのは、「ビバリーヒルズ高校白書&青春白書」というドラマです。一回目の放送は日本語で聞いて、再放送は副音声で聞いてみるとか、自分なりにいろいろ工夫して観ていました。
辞書を片手に、聞こえた単語を調べてみたり、ノートに書いてみたり。
で、現実は、ほとんど何も聞こえない、書けないんですが・・・
録画まではしていなかったので、何度も聞きなおすことはできませんでした。スクリプトも持っていないので、分からないところはどうやっても分からない。
しまいには、「もう~!!今ディランとケリーがいいところなのに、何言いよるか分からん!!」 と、日本語に切り替える始末。
結局分かったのは、スクリプトと解説なしで海外ドラマや映画を見ても、リスニング力アップの効果はほとんどないということです。
理由はニュースの場合と同じ。聞きっぱなしでは意味がなく、当時のレベルに合っていなかったのです。
ただ、当時の私の環境ではダメだっただけで、現在のようなNetflixなどで英語字幕も表示できる環境であれば、映画や海外ドラマをたくさん見てリスニング力を高めるのは大いに賛成です。
こちらの記事も合わせて読んでみてください。

洋楽の聞き流し
もうここまで来たら笑うしかありませんが・・・
私は高校時代、勉強はそっちのけで洋楽に狂っていました。「これもリスニングの勉強のうち!」と言いながら。(笑)
Chicago、Whitesnake、Warrantとかが大好きでした。(知ってます?)
でも・・・まっっったく、聞き取れませんでした。
歌では、海外ドラマ以上に、歌詞カードの英語と聞こえる言葉に差がありました。私は、歌の英語を「理解する」のをいつしか諦めてしまいました。もう、単に音楽としてしか聞こえなかったのです。
洋楽は、今でも知らない曲だと半分くらいしか聞き取れません。
「英語の歌を聞いたり歌ったりすることは、英語力アップに効果ありますか?」とよく聞かれます。歌詞をちゃんと理解し、発音をしっかり真似て歌うのであれば、効果はあります。 カラオケが趣味の人は、そういう勉強法もアリです。
ただし、歌詞を覚えようとしたり聞き取ろうとしたりしないで、ただ音楽として洋楽を楽しんでいるだけでは、ほとんど効果はないと思ってください。

「ダメリスニング学習」に共通する3つの法則
ここまで私の失敗談をいろいろ書いてきましたが、ニュース、海外ドラマ、洋楽が絶対にダメと言っているわけではありません。
ドラマで英語力を大きく伸ばした方もたくさんいるでしょうし、洋楽を聞きまくって英語が分かるようになった方もいると思います。
私が自分の苦い経験から痛いほどよく分かった「ダメリスニング学習」の法則は、以下の3つです。
・一回限りの聞きっぱなしで、スクリプトも解説も使わない
・自分に合ったレベルのものでない
・音が崩れすぎている素材を使っている
つまり、ニュースやドラマであっても、
・きちんと聞きなおしができ
・聞き取れないところをスクリプトで確認でき
・楽しくて続けられるもの
であれば、まったく構いません。
「楽しい」ことは継続のために重要なので、ドラマが楽しいなら、どうぞドラマを教材として使ってください。
ただし、自分のレベルに合っていること、何回も聞きなおせること、スクリプトや解説が手に入ること。このお約束は忘れずに。
「ちゃんと聞いている」のにリスニング力が上がらない理由
以前、こんな相談をいただいたことがあります。
「毎日ケーブルテレビの英語ドラマやニュースで勉強して3年になります。『聞き流し』ではなくちゃんと聞いているのに、TOEICは600点台のまま変化がありません。どうしたらいいでしょうか?」
この方に詳しく聞いてみると、「集中もせずにぼーっと耳に音を入れているだけではない」「英語を集中して聞き取ろうと努力している」とのことでした。
でも、リスニング力が上がらなかった理由は明確でした。
・聞き取れなかった箇所のチェックをしていなかった
ドラマやニュースを一度見たらそれっきりで、聞き取れなかった単語や意味の分からなかった部分を確認する作業をしていませんでした。残念ながら、この確認作業を伴わない学習では、リスニング力はほとんど上がりません。
・同じ素材を反復していなかった
同じものを2回以上見ることはなかったそうです。確かに、ドラマは先が気になるので、同じエピソードを繰り返し見ることはあまりないですよね。ニュースも、古いものを何度も見る人なんていないはずです。
でも、一発勝負のリスニングで効果が出るのは、すでにTOEICのリスニングは楽勝といったハイレベルの方だけです。
・素材のレベルが高すぎた
TOEIC600点台の方にとって、普通の海外ドラマやニュース「だけ」をやっていては正直伸びないと思います。単語や文法など、英語の基礎が不足しているからです。
というか、海外ドラマを「英語を聞き取ろうとしながら」見るだけでTOEICの点数がバリバリ上がるんなら、とっくにみんなやってますよね。
好きな海外ドラマをどんどん見るだけでいいんなら、こんな楽な話はないです。私だってやりたい。(笑)
英語が聞き取れない原因をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

リスニング力向上に効果がある英語の聞き流し3つの条件

ここまで「ダメな聞き流し」の話ばかりしてしまいましたが、安心してください。正しいやり方で聞き流せば、ちゃんと効果はあります。
ここからは、リスニング力が伸びる聞き流しの3つの条件をお伝えします。
1:家事・運動など「非言語活動」と組み合わせる
聞き流しと両立できる作業は、「非言語活動」 です。
非言語活動とは、読んだり書いたりという言語脳を使わない作業のこと。たとえば「家事」「運転」「歩く」「走る」といった活動です。
私は一人で家事をしながらいつも英語を聞いています。食洗機からお皿を食器棚に片付けたり、洗濯物をたたんだり。メイクをしながら聞くこともあります。
逆に、「読む」「聞く」「話す」「書く」を伴う言語活動は、聞き流しと両立できません。
「メールを書く」「書類を見る」「読書」「誰かとの会話」・・・こうした作業と英語の聞き流しを同時にやっても、脳はどちらかにしか集中できません。
「英語を聞く時間を増やそうと思い、趣味の読書をしながら英語を聞いています」というメッセージをいただいたこともあります。
でも、本の内容に集中している時は、英語はほぼ右から左のはずです。それではただのBGMなので、効果はありません。
英語の聞き流し(ながら聞き)に適した日常の活動については、以下の記事に詳しく書いています。合わせて読んでみてください。

2:自分のレベルに合った素材を選ぶ
聞き流しする素材を理解するのに十分な文法・構文力があって、知らない単語が少ない場合、分からない箇所があってもおおまかには理解できます。
「聞き取れた部分から聞き取れなかった内容を推測する」「知らない単語が出てきても文脈で補う」という聞き方ができるのが理想的です。
家事など別の作業をしながらの聞き流しだと、完全には英語に集中できませんよね。聞き取れない箇所があっても、手が塞がっていてすぐにスクリプトを確認できない場合も多いでしょう。
だからこそ、聞き流す英語のレベルがあなたに合っていることが、いっそう重要なのです。
もしも、レベルが合っていない英語でも効果があるんだったら、家でケーブルテレビを契約してずっとCNNやBBCを流しっぱなしにしとけばいいわけです。
そうしたら、難しい英語も自然に分かるようになる。こんな簡単な英語勉強法、ないですよね・・・(;・∀・)
これで効果があるなら、英語ができなくて困っている日本人はいません。
3:聞き流し以外にも勉強時間を確保する
自分にとって分かりやすい英語をただただ聞き流しても、それだけでは英語力はあまり向上しません。
聞き取れなかった部分を推測したら、実際に単語をチェックしたり日本語訳を確認したりする作業も取り入れましょう。
たくさん単語を知っていればそれだけ理解しやすくなるので、ボキャブラリービルディングも大事です。また、リスニング力を上げるにはリーディング(英語を読む)の習慣も有効です。
聞き流しは、「机に向かう勉強」と組み合わせてこそ、最大の効果を発揮します。
英語のリスニング能力と読解能力の相乗効果については、この記事に詳しく書いています。

レベル別・英語の聞き流し勉強法

ここからは、あなたの英語レベルに合わせた聞き流しの具体的なやり方をお伝えします。
TOEIC700点程度までの人は、学習者用素材を繰り返す
中級レベル(TOEIC700点程度)までの方が聞き流しで学習する場合、以下の3つが不可欠です。
・ニュースやドラマではなく学習者用の教材をメインに使う
・同じものを繰り返し聞く
・聞き取れなかったところをスクリプトで確かめる
中級レベルの方がドラマやニュースをメインにしても、知らない単語が多すぎてどうせほとんど頭に入りません。
何度も聞きなおしたり、スクリプトで確認したりという作業があってはじめて、聞き取れなかった音が聞き取れるようになります。教材をとっかえひっかえするのではなく、同じ素材を繰り返しましょう。
このレベルまでは、英語特有のリズムとパターンを身につけることが非常に大事です。リズムとは、リエゾンなど音の変化のこと。パターンとは、「こういう場面ではよくこういう言い方をする」という英語の決まりのことです。
レベルに合った英語を時間の許す限りたくさん聞き流して、リズムとパターンをしっかり体に覚えさせましょう。
使う教材は、手持ちの英会話教材とか単語教材の音声とか、あなたのレベルに合っていたら何でも大丈夫ですよ。
私自身がTOEIC700点程度の頃は、中学生レベルの英会話教材や、NHKラジオ講座を聞き流しに使い倒していました。
私がNHKラジオ講座をどう活用してTOEIC900超え・リスニング満点を達成したかは、こちらに詳しく書いています。

TOEIC800点以上くらいの人は、初めて聞く素材を徐々に増やす
「同じものを繰り返し聞きましょう」とお伝えしましたが、聞いたことのある同じ教材ばかり繰り返していても、初めて聞いた素材が理解できるようになるのは難しいです。
初めて聞く英語を一発で意味が取れるようになるために、初めて聞く素材の分量も徐々に増やしていくことが大事です。
CNNやBBCより分かりやすい、たとえばNHK英語ニュースなどから取り入れるといいと思います。NHKの英語ニュースは「NHK WORLD-JAPAN」アプリで聞けますよ。
集中度に応じて聞く素材を使い分ける

ただし、聞き流しがどの程度集中できる時かによって、聴く素材を適切に選ぶことが重要。
「聞き流し」と一言で言っても、頭を使う作業の時と使わない作業の時では、英語に向けられる集中度がまったく違います。集中度に応じて聞く素材を変えるのがおすすめです。
よく、「料理をしながら英語を聞いても集中できません」と相談されますが、その場合、集中していなくても理解できる程度の英語を聞けばいいのです。
私の場合、たとえばスーパーで食料品の買い物をしている時に英語を聞いていますが、買い物に頭を使うからか、英語にあまり集中できません。気がつくと意識が飛んでしまって内容を見失っています。
なので、意識が飛んでもちゃんとついていける素材を聞きます。具体的には、過去に何度も聞いて理解している英会話CDや、学習済みの単語教材です。
逆に、湯船につかって歯を磨いている時は頭を使う作業ではないので、その日のNHK英語ニュース(初めて聴く素材)を聞くのを日課にしていました。
もっとレベルが上がってからは、通勤の車の中で初めて聞くオーディオブックやポッドキャストを聞き流すことが多かったです。
片道40分の通勤ルートは毎日渋滞していて、信号のないバイパスをまっすぐノロノロ運転で進むだけなので、割と集中して英語が聞けました。
まとめると、こんな使い分けです。
・集中しにくい作業のとき → 過去に聞いた素材の復習
・頭を使わない作業のとき → 初めて聞く新しい素材
おすすめのポッドキャストやオーディオブックについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

オーディオブックについては、このページに書いています。


精聴と多聴はリスニング学習の両輪

英語の聞き方には大きく分けて「精聴」と「多聴」があります。聞き流しの位置づけを正しく理解するために、この2つを知っておいてください。
「じっくり」の精聴と「ざっくり」の多聴
精聴とは、英語を「じっくり」聞くトレーニングです。一語一句すみずみまでしっかり英語を聞き取ることを目指します。一語一句聞き取れなければ成立しない、シャドーイングやディクテーションも精聴に含まれます。
多聴とは、英語を「ざっくり」聞くトレーニングです。一語一句にこだわらず、話の全体をざっくりとらえることを目指します。このページで解説している「聞き流し」は、多聴にあたります。
シャドーイングとディクテーションについては、こちらの記事に詳しく書いています。



どちらか片方だけでは伸びない
精聴と多聴は、リスニング学習の両輪です。どちらも重要で、欠かすことができません。 でも、ほとんどの人は「どちらか片方」しかやっていません。
たとえば、「一語一句聞き取れないと気が済まない」とばかりに同じものをひたすら聞き続け、細かいことを気にし続ける人。こういう人は「全体をざっくりとらえる」という訓練がまったくできていません。
こういう人、多いです。
逆に、「毎日海外ドラマとニュースを見ています!」という人は、「全体をなんとなくざっくり」の訓練はできても、一語一句じっくり聞き取るという勉強がまったくおろそかになっています。
こういう人、さらに多いです。
聞き流し(多聴)だけでなく、精聴も組み合わせてやっていきましょう。どちらもやってはじめて、リスニング力は伸びていきます。
英語の聞き流しの心構え
英語の聞き流し(ながら聞き)をいろんなところでお勧めするたび、こういうお悩みをたくさんいただきます。

私、ながら聞きが苦手なんです。料理をしながら聞いていると、つい料理に集中してしまって英語が全然頭に入らないんです。

僕、どうしてもながら聞きが体質的に無理みたいです。気がついたら英語が右から左に抜けてしまうんです。
この同じメッセージを、今まで何通いただいたか分かりません。
私自身は、通算したら何千時間という時間を聞き流しで積み重ねてきました。そのおかげでたくさん単語や熟語を覚えたし、日本人の発想にはないネイティブ表現を覚えたし、もちろんリスニング力もアップしました。
だから、私にとっては絶大なる効果があったことは知っていました。
でも、「私はながら聞きが苦手なので、ダメなんです」という悩みをたくさん聞いて、「人によっては、どうしても体質的に無理なのかもしれない」と思っていました。
が、ある時ふと見た科学番組「ナショナルジオグラフィック」で、私の考えは変わりました。
人間は同時に2つ以上のことはできない
最新の研究結果によると、人間の脳の仕組み上、2つ以上のことを「同時に」行うのは無理なんだそうです。
同時に2つのことをやっていると思っても、実はそれはただ「断続的に」行っているにすぎない、ということでした。
この「断続的に」というキーワードが、私にはすごくピンときました。
考えてみてください。あなたが料理をしている間、ずっと料理に100%集中していますか? リビングのお子さんの様子を気にかけたりしませんか? テレビを見たりしませんか?
あなたが歯磨きをしている間、ずっと歯の汚れを落とすことだけに100%集中していますか? 鏡に映った髪型やメイクを気にしたりしませんか?
それと同じなのです。
料理をしているからと言って、料理の始めから終わりまで、意識が常に100%料理に向いているわけではありません。
意識は断続的に、料理から離れて別のことに行ったり、また料理に戻ったりしているのです。
「聞き流し」をしながら、英語に意識を100%向け続けるのは、無理です。
というか、それってもはや「聞き流し」じゃないし(笑)
英語の聞き流しは「断続的に」聞けばいい

はい。これをふまえて。

料理をしながら英語を聞いていると、料理につい集中してしまって英語が聞こえてないから、私はながら聞きダメなんです。
って悩む必要は、もう一切ありません。
つい料理に集中して英語が聞こえなくなるなんて、当たり前です。だって料理しているんですから。
料理と英語の間を意識が行ったり来たりしながら、どちらもやればいい。ただそれだけのことです。「断続的に」英語を聞けばいいのです。
「でも、ちょっと集中力を要する作業の時は、かなりすっぽりと英語が頭から抜けてしまうんですが・・・」そう思う方もいますよね。
私は料理があんまり得意じゃないので、よく分かります。
1時間の聞き流しで半分がスッポ抜けても、30分ものインプットができる

でも、たとえば1時間、料理をしている間にただ料理をしているだけだったら、英語の勉強時間はゼロです。
しかも、1時間をまるまる100%、意識を料理に費やしているわけではありません。料理をしながら、
・テレビの音をなんとなく聞いたり
・昨日あった嫌なことを思い出して落ち込んだり
・家族や同僚の腹の立つ態度を思い出してさらにムカついていたり
私たちは、ろくなことをしていないのです。(;・∀・)
この時間に英語を聞き流していたら、どうですか?
1時間聞き流した英語の半分が仮にすっぽ抜けたとしても、30分もの英語インプット時間が積み上がります。 しかも、テレビのくだらない情報を耳に入れなくて済むし、ネガティブな考えも頭から追い出せます。
だったら、「ながら聞きが苦手」とか「集中できない」とか心配せず、どんどんやったもん勝ちだと思いませんか?
英語の聞き流しに関するよくある質問
聞き流しについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. 寝ながら英語を聞き流すのは効果がある?
効果が全くないかどうかはわかりませんが、私はおすすめしません。
寝ている間は脳が記憶の整理をしている大事な時間です。英語を流すことで睡眠の質が下がり、日中の仕事や勉強に悪影響になるリスクがあります。
もしも、寝ている時に聞き流すことで英語力に大きな効果があるのなら、とっくにみんなやっているのではないでしょうか?(笑)
Q. ニュースやドラマはリスニング教材に使ってはいけない?
あなたが勉強と思わず楽しめるのである限り、私はたくさん見ることをお勧めします。
聞き取れないところを英語字幕やスクリプトで確認でき、「聞き取ろう」と思って見ている限り、ニュースやドラマでもまったく構いません。
「楽しい」は継続の大きな力になるので、ドラマが楽しいならぜひ使ってください。私も、映画やドラマをたくさん見たことでリスニング力が上がりました!


Q. 1日どのくらい聞き流しをすればいい?
私は1日3時間を目指しています。ですが、「1日〇時間」と決めるよりも、スキマ時間をどんどん積み重ねる感覚の方がうまくいきます。
通勤の往復、家事の時間、身支度の時間・・・それぞれは短くても、合計すると意外な量になります。大事なのは量よりも「毎日続けること」です。
Q. どのくらい続ければ効果を実感できる?
正しいやり方で続ければ、半年くらいで変化を感じられるはずです。
ただし、聞き流し(多聴)だけではなく、精聴(シャドーイングやディクテーションなど)を併用していること、単語や文法の基礎ができていることが前提です。
聞き流しだけで劇的にリスニング力が伸びるわけではないので、両輪で進めてくださいね。
Q. 聞き流しにおすすめの素材は?
レベル別に紹介します。
・初級〜中級(TOEIC700点くらいまで)
NHKラジオ英語講座、CD付き英会話教材、学習者用の単語教材など。まずは同じ素材を繰り返しましょう。
・中上級〜上級(TOEIC800点以上)
NHK英語ニュース(NHK WORLD-JAPANアプリ)、英語ポッドキャスト、オーディオブックなど。初めて聞く素材を徐々に増やしていきましょう。
まとめ|英語の聞き流しは「正しいやり方」なら効果あり
✅ 英語の「聞き流し」には2種類ある
ただのBGMは効果なし。ながら聞きは、やり方次第で効果あり。
✅ 効果がない聞き流しには共通点がある
レベルが合っていない、聞きっぱなしでスクリプトを確認しない、音が崩れた素材を使っている。
✅ 効果がある聞き流しの3つの条件
非言語活動と組み合わせる、自分のレベルに合った素材を選ぶ、聞き流し以外の勉強も並行する。
✅ レベルに応じて素材と聞き方を使い分ける
TOEIC700点までは学習者用素材を繰り返す。800点以上は初見素材を徐々に増やす。集中度に応じて素材も変える。
✅ 精聴と多聴の両方をやる
聞き流し(多聴)だけでも、精聴だけでもダメ。両輪で進める。
✅ 「ながら聞きが苦手」は思い込み
断続的に聞けばいい。半分が抜けても、聞かないよりずっと積み上がる。
英語の聞き流しは、正しいやり方でコツコツ積み重ねれば、確実にリスニング力アップにつながります。
このページに書いた正しい方法で、ぜひ今日から聞き流しを始めてみてください。半分がスッポ抜けたって大丈夫。やったもん勝ちですよ!



