現役フリーランス通訳者に聞いた!通訳になるための10の条件
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現役フリーランス通訳者に聞いた!通訳になるための10の条件

エバンス愛

※当ブログ記事には、広告が含まれます。

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「将来は通訳になりたいけど、どうしたらなれる?」
「やっぱり通訳学校に行ったほうがいいんだろうか?」
「でも、学校に入るにも英語力ってどのくらい必要?」
「通訳ってどこも経験者しか採用してないけど、そもそも経験ってどこで積めばいいんだ?」

通訳になりたい人にとって、疑問は尽きないと思います。

 

そこでこの記事では、私が8年余り社内通訳者として勤めた経験と、フリーランス通訳者をしている知人の話から、通訳者になるための条件としてお話ししたいと思います。

翻訳者歴12年の私が考えてみた、翻訳者になるための10の条件と共通する部分も多いですが、通訳を目指している方だけでなく英語とキャリアの考え方について参考になる部分がたくさんあると思います。

 

通訳者になるための10の条件

通訳者に必要な英語力は英検1級、TOEIC900点

英検1級、TOEIC900点があれば自動的に通訳に採用されるということでは全くありません。翻訳者を目指す人と同じく、「ないよりはあった方がまし」という程度で、「通訳として仕事ができるには、このくらいはないと話にならない」というスタートラインです。

TOEIC900点を通訳学校の入学基準にしているところもあるようですが、そのくらい簡単に取れるようじゃないと通訳の仕事をするのは難しいということです。

 

知人の通訳者によると、「苦労してやっとTOEIC900点を取っているようでは、通訳なんて死んでも無理」だそうです(苦笑)。でも、私の経験からも、それは正しいです。

とは言え、誰にだってTOEIC900点を苦労してやっと取った時代があったのです。その通訳者さんだって、私だってそうです。だから、今あなたがその段階でも、あるいはまだその段階に達していなくても、落ち込む必要はありません。そこから上がっていくのみです。

 

瞬発力

「出来のいい高校生レベルくらいの英語力があれば、翻訳はできなくはない」という話を、現役の在宅翻訳者がしていたことがあります。

質の問題はあるでしょうし、スピードが遅すぎて仕事としては到底成り立たないという問題はあります。もちろん内容の専門性にもよります。でも、翻訳は時間さえかければ何とかなりうる仕事です。

 

でも、通訳の場合、高校生どころか、訓練しないと誰も無理です。あれこれ考える間がなく一瞬で訳出しないといけないからです。瞬発力が必要なんですね。

瞬発力をどこで身につけるかというのは、瞬間英作文のやり方とおすすめ教材。私はコレで独学で通訳になりましたに書いている瞬間英作文のトレーニングなどがありますが、やっぱり実践に勝るものはありません。

 

経験の場

とにかくお客様の前に出て通訳をするという経験を積まないことには、上手くなりません。なので、そういうチャンスが与えられる場所に積極的に出る必要があります。

翻訳者歴12年の私が考えてみた、翻訳者になるための10の条件でも書きましたが、「英検1級に合格してから通訳の勉強を・・・」とか「もうちょっと勉強してからボランティアガイドの活動を・・・」とかいう言葉が出ている人は、厳しい言い方かもしれませんが、「勇気がないからやりたくない」という自分の本音を自覚しましょう。

 

もちろん、ものすごく怖いのは私も死ぬほどわかります!

でも、どうせ英検1級に合格したってプロ通訳としてはお話にならないレベルですし、「もうちょっと勉強」しても、「英検1級に合格」しても怖いのは全く変わりません。

どれだけ勉強をしたって、通訳の現場で一発目から満足いく仕事ができることはありません。最初は誰だってど下手で大恥をかいてという経験をするんですから、それを先延ばしにしても仕方ないですよね。

 

ITスキル

通訳の準備中や通訳現場で、欲しい情報に一瞬でアクセスできるためのネット環境の整備や、検索能力の高さなども必要です。

はじめて行く通訳現場で、自分の端末を現場のWiFiに接続するといった基本的なことも、誰の助けもなく自分でできるようにしておくことも必須です。

 

また、パソコンを持ってない時に、出先で急にエージェントから「紹介できそうな仕事があるから、今すぐ履歴書送ってくれる?」などと頼まれた場合、すぐにアクションが取れるかどうかでチャンスをものにできるかどうかが決まる、とフリーランスの通訳者が言っていました。

こういうとき、ネットやパソコンに疎い通訳者はもたついてしまいます。彼女の場合、ネット上のクラウドサービスを利用して、iPhoneからいつでもどこでも自分の履歴書が取り出せて送信もできるようになっているそうです。

「オンラインストレージ」という、ネット上の自分専用の倉庫に自分のファイルなどを入れておいて、どこからでも取り出せるようにできるのです。(もちろん、誰でも見られるわけではなく、パスワードなどできちんと管理されています)

 

通訳者に関係なく、オンラインストレージを使う人はどんどん増えています。

私はDropboxというサービスをずっと愛用していますが、これで自宅のデスクトップ、ラップトップ、iPad、iPhoneで同じデータにアクセスできるので、ものすごく便利です。

たとえば、出先でラップトップでやっていた単語帳作成作業の続きを自宅のデスクトップでやる、なんてことも簡単にできますし、パソコンを持っていない時もiPhoneからパソコン内のデータにアクセスできます。

パソコンが突然故障したり、天災などで破損したり、あるいは盗難があったりしても、大切なデータを守ることができるのは、とても安心感があります。私は、通訳の単語帳や在宅翻訳の原稿ファイルなど、大事なファイルをここに入れて管理しているので、万が一パソコンが壊れてもデータは無事です。

 

大量の動画などを保存したいのでもなければ、無料で使える範囲(2GB)で十分です。このリンクから申し込むと、私の紹介者としてあなたの容量が500MB増えますので、良かったら。

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無料のアプリもあります。

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少々のことではへこたれない強い心

通訳と翻訳が大きく違うところは、サービスを提供する相手の反応が通訳の場合はすぐに見えることです。それで安心できる面もあるのですが、厳しいフィードバックもすぐに返ってきます。

通訳は、待ったなしのやり直しのきかない一発勝負なので、プレッシャーが半端ではありません。どんなプロも、大失敗をたくさんしています。

理想とはほど遠い不十分な通訳しかできず、恥ずかしくて情けなくてもう消えてしまいたいような、叫びたいような、つらい気持ちになることが日常茶飯事です。

 

なので、そういうことがあっても仕事が終わったら仕事のことは忘れて上手に気持ちを切り替えたり、自分を責めすぎないで自分の成長に気づけたりする前向きさがものすごく大事です。

 

論理的思考力

通訳は「Aという英語を入れたらBという日本語が出てくる」と思っていて、だから通訳は単語をたくさん知っておくのが大事と思っている人が多いようですが、そうではありません。(もちろん、仕事に支障のない程度のボキャブラリーは必要ですが)

通訳は、話を聞きながら「結局この人は何が言いたいんだろうか」と思考し、それを別の言葉で置き換える作業です。特に、長い発言の内容を限られたメモで記憶して通訳するには、「いろいろ言ってるけど、この人の言いたいのは結局これだな」と中心を見抜く分析力と理解力が欠かせません。

 

また、「こういう経緯があったから、あれの話をしているんだな」とか「次の展開はどうなるんだろうか」とか、目の前の会話以外の分析と理解も大事です。

「もしかしたら会議であの話も出るかもしれない」「出席者がこの人たちだと、話がこう進むかもしれない」「ということは、あの内容についても予習して準備しておこう」という、先読みをしてあらゆる事態に備えて万全の準備をすることを厭わない周到さも必要です。

 

自分はここにいる!というアピール力

フリーランスの通訳者を目指す場合、自分の存在が他の人に知られていない状態で、自分だけの力でお仕事を次々に取っていくのは難しいと現役フリーランス通訳者が言っていました。

個人であっても公式ウェブページを持つ、FacebookやLinkdIn(主に英語圏で広く使われている、ビジネス人脈を広げるためのSNSサービス)などの活用は重要です。

それを見てくれた人から仕事の打診が来るだけじゃなく、いろんな人脈にもつながります。フリーランスだと特に、情報は命ですから。

 

個人がメディアを持つのが珍しかった時代は、通訳エージェントを通して仕事の紹介があるのが普通でした。

でも最近は、フリーランス通訳者が自分の経歴や得意分野、活動内容や理念をブログなどを通して発信しやすくなり、依頼主もそういった媒体を見て「この人にお願いしたい」と直接コンタクトを取るということが普通になってきています。

エージェントを通さず直接やり取りすれば中間マージンが発生しないので、互いにとってありがたいですしね。

「ぜひこの人と仕事がしたい」と思われるような、業務履歴や語学力だけではない人間力や理念(どういう思いで通訳という仕事をしているのか)をアピールしていくことが、今後どんどん大事になってくると思います。

 

将来設計

通訳の雇用形態は一般的に不安定です。フリーランスはもちろん不安定ですし、そうでなくても会社のピンチには真っ先に切られる宿命の「派遣」がほとんど。

私は社内通訳者だったので、幸い派遣や契約社員ではなく安定していましたが、通訳者としては少数派です。

 

派遣の場合、一ヶ所に何年も働き続けるのは難しいですし、かといって通訳の職を求めてずっと転々と転職を繰り返さないといけないのも大変です。なので、通訳者は、フリーランスへの転身を考える時が必ず来ます。

身の振り方を考えておくこと、次の一手を常に考えてスキルアップを怠らず将来に向けてエージェントとの関係構築など、種まきをしておくことが重要になってくると思います。

 

何とかチャンスを作る意志と覚悟

フリーランス通訳を目指す場合、地方在住の方はかなり厳しいです。もちろん、派遣勤務を狙うとしても、地方で通訳の求人を見つけるのは簡単なことではありません。

そして、一番問題なのは、通訳は「経験者」しかほぼ募集がないということです。「だったら未経験者はどこで経験積めばいいのか問題」です。

 

あるフリーランス通訳者は、地方在住の人が「未経験」から最初の経験を得るために、可能であれば、3年くらい東京で修行をして経験を積んで地元に戻り、そこで経験者として勝負するのもアリとおっしゃっていました。

まあ、東京は競争率が激しいのは間違いないと思いますが、何らかの通訳と名の付く仕事にもぐりこめる可能性は絶対に地方より高いと思います。

でも、独身ならいいですが、お子さんがいたりしたら現実的には難しいかもしれません。家族を置いて東京に行って修行してくるのが良いか悪いかは別として、どれだけ通訳としてキャリアを積み重ねたいかという熱意次第ですよね。

 

ところで、経験を積み、フリーランス通訳者になっても、地方では仕事が発生せず、状況が厳しいのは変わりありませんが、実は、「海外での仕事」なら条件は同じなんだそうです。

海外での会議なり打ち合わせなりに通訳として呼ばれて行く場合、通訳の旅費はお客様負担です。で、その通訳が日本のどこに住んでいようと、負担する旅費は一緒ということです。だから、地方のフリーランスにも希望があります。

地方在住の人の場合、海外への出張を伴う仕事を狙うのがいいかもしれません。

 

執念

知人のフリーランス通訳者は、「自分は執念深かったから通訳になれた」と言っていました。

自称執念深い彼女は、英検1級にも合格まで10回近く挑戦したそうですし、「どうしてもここで通訳として働きたい!」という会社での採用面接は何と4回も受験したそうです。

そのうち面接官の方とももう顔見知りになって「ああ、またあなた?」「はい、また参りました!」と(笑)

面接が終わって、帰り間際には「今回もダメでも、また受けに来ます」と言ったそうです。結果は、熱意の粘り勝ちで採用。

彼女の言う「執念」という言葉はユーモアでもあると思いますが、結局は熱意なんだとほんとに思います。

 

通訳者になるための条件まとめ

以上、私の独断と偏見で、通訳者になるための条件をまとめてみました。

1 通訳者に必要な英語力は英検1級、TOEIC900点
2 瞬発力
3 経験の場
4 ITスキル
5 少々のことではへこたれない強い心
6 論理的思考力
7 自分はここにいる!というアピール力
8 将来設計
9 何とかチャンスを作る意志と覚悟
10 執念

 

この他に、もちろん「コミュニケーション能力」や「勉強が苦にならないこと」など、いろいろあるのですが、それはどこでも言われている当たり前のことなので、今回はあえて省きました。

通訳を目指す方のお役に立てば幸いです!

 

通訳という仕事について詳しく知りたいなら、こちらの記事も合わせてどうぞ。

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Ai Evansエバンス愛

独学で英語を学び、国際機関で通訳者を8年経験したのち、独立。本物の英語力を身につけ、大和魂を海外に発信できる国際人を育てることが目標です。
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