2018年10月21日
英検1級2次試験合格に絶対必要な3つのことと不要な3つのこと
エバンス愛
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英検1級の2次試験(面接)は、私が受験していた2007年頃は「2分間スピーチを最低30本書いて、丸暗記する」というのが王道の方法でした。本当に、当時は誰一人として疑わずこの方法で勉強していました。
スピーチ丸暗記で対策するガッツがなかった私が合格した2008年からは、「スピーチの暗記なんかいらない!そんなことして合格するより、いろいろ使えるネタをストックして、英会話力そのものを上げた方がいい!」と言い続けてきました。
時を経て、「スピーチを大量に書いて暗記」というそれまでのブームは下火になり、ネタ集めと英会話力アップの重要性に対する認知度が少しは高まったのかな〜と思っています。
このページでは、スピーチ暗記をしなくても合格に届くために、面接で必要なことと不要なことと私が考えることを書きますね。
コンテンツ
英検1級2次試験合格に必要だと思うこと
まず、英検1級の面接で合格通知を勝ち取るために必要なことは、以下の3つです。
1.沈黙しない
沈黙していては、試験官もスピーキング能力を測りようがありません。
自分の経験と他の方の口コミなどを総合して私が勝手に想像しているところでは、「沈黙」はそれだけでかなりのマイナスポイントになってしまうということです。
実際に、私の不合格と合格の回で何が一番違ったかというと、間違いなくスピーチの時の「沈黙」の時間でした。
文法の間違いを気にして黙るより、間違っていても絶えず口を動かしているほうがずっといいです!
後でも書きますが、文法の少々の間違い(相手が理解できるなら)は気にする必要ないと思います。(まあそう言われてカンタンに出来るなら苦労しないんですけどね・・・)
2.具体例、体験談を持っておく
いろんな具体例や体験談を英語で言える心構えをしておくのがいいと思います。スピーチの時に自分の意見の裏づけとして必要なのはもちろん、質疑応答でも聞かれるのは
「あなたは・・・と言いましたが、具体的にはどういうことがありますか?」
「あなたは・・・という経験がありますか?」
といった、「あなた」の考えや体験に焦点をあてたものです。
自分の体験談を書かない(というか語数的にムリ)英検エッセーとは、ここが違うところ。スピーチのネタ集めをする中で、具体例もどんどん増えていくと思います。
私がネタ集めに使った媒体については、このページに書いています。
新聞などで情報収集する以外に、使えそうな自分や家族などの実体験を英語で言えるようにしておくといいです。身近な体験や面白い具体例などで個性を出すことができた場合は、いい結果に結びついていることが多いようです。
私も、(合格が2008年なので古い話ですが)ニンテンドーWiiを具体例として挙げて、面接官の興味を引くことができました。詳しくはこちらに書いています。
3.かみ合った会話をする
英語のコミュニケーション能力が試されているわけなので、「質問にチンプンカンプンな答えをしていないか?」がチェックされています。
質疑応答でいくら素晴らしい意見を述べていたとしても、面接官の質問をちゃんと理解できていないままにズレた返答をしていると、マイナス査定されます。
試験官の質問の意味が分からないときは、遠慮せず聞きなおしましょう!私は、これを声を大にして言いたいです。
他の方の口コミや体験談などを読んでいても、必要以上に聞き直すことに抵抗感を持っている人が多い気がしました。でも、日本語での会話だって、相手の言う意味が分からなかったり、聞き取れないこともありますもん。
ネイティブ同士の会話でだって起こりうることなんだから、1回や2回聞きなおしたって点数にはほとんど響かないのでは?というのが私の意見です。
むしろ、曖昧なまま的外れな答えをしてしまうより、相手の真意を理解しようと努めることは「対話における重要なスキル」です。実際私は、1度目、2度目の受験とも、質問の意味が分からず聞きなおしました。
どちらの面接官も私の質問に快く答えてくれましたし、それが点数にマイナスとして表れている形跡はありませんでした。
面接で質問が聞き取れなかった場合の聞きなおし方は、以下のページに詳しく書いているので、参考にしてください!
英検1級2次試験合格に不要だと思うこと
では、ここからは合格するのに不要だと私が思うことを書きます。
1.しっかりしたスピーチの構成
私が考える「最低限の合格ライン」は、「トピックに対する自分の答えと、その理由をちゃんと言うこと」これだけです。
自分の選んだお題に対して、「私の意見は○○です」と最初にはっきり言う。そして、それを裏付ける具体例を時間切れまで言い続ける。私は、これで合格しました。
もちろん、きちんと組み立てられたスピーチができるに越したことはありません。でも、自分の立場を明確にし、それと矛盾しない内容の具体例が言えればOKと私は思います。
「1分の準備時間で」行うスピーチの完成度など、たかが知れています。出題者(英検協会)が1分しか準備時間を与えていない以上、「構成の確かさ」はそれほど重要視していないはずであるというのが私の考えです。
たった1分の準備時間にもかかわらず、2分にぴったりおさまる、序論・本論・結論の構成がきちんとしたスピーチができる人がいるとすれば、ほとんどの場合、それは「暗記に頼ったスピーチ」ということになってしまいます。
(そりゃ、百戦錬磨のスピーチの達人なら違うんでしょうけど・・・)
「暗記」だけでは合格させないぞ!という英検協会の意図は、少し考えればすぐ分かります。暗記ではない会話能力を確かめるために、質疑応答の時間が長く取ってあるんですよね。
考えてみてください。
小学生でも英検1級に合格する子がいるのです。
もちろんそういう子は帰国子女だったりするのでしょうけど、序論・本論・結論の構成を1分できちんと考えて、ぴったりの時間配分で話せる小学生って一体どのくらいいるでしょう? しかも、大人でも困るようなあんなテーマでですよ?
「会話」の能力が試されているのだから、「私、こう思うよ!だって・・・じゃん?」(結論→理由・具体例)これだけで最低限の点はもらえるはずだし、これで十分説得力のある話はできるはずなんです。
「私、こう思うよ!だって・・・じゃん?」というスピーチに足りないのは「結論」です。
だから、私はここでグダグダ言ってますが(笑)、要するに、「そろそろ2分かな〜」というところで理由(本論)を切り上げて、「こういう理由で、私はこう思います」(結論)で結べばいい話です。多分、それだけで構成でもらえる点は上がるでしょう。
でも、私はそうしないことを選びました。だから、一度も時間を計って練習をしませんでした。
それは、「2分」という時間を意識してスピーチ練習することのメリットを、英検合格以外には何も感じなかったからです。そして、仮に2分よりずっと早く結論を言って切り上げてしまった時に、沈黙が生まれるリスクを避けたかったからです。
そのかわり、頭に浮かぶ具体例をどんどん滑らかに英語にしていく練習に時間を割きました。これさえできれば、2分を埋めることは簡単だし、質疑応答にも対応できると思ったからです。
2分間スピーチの代わりに私がひたすらやったのは、ネタ集めと瞬間英作文(口頭英作文)です。瞬間英作文については以下のページをどうぞ。
最後に、「きちんとした構成のスピーチ」が一番であるということにはもちろん異論はない、ということをはっきりさせておこうと思います。ただ、それができりゃ苦労せんわけで。
誰にでも当てはまる方法なんてないし、それぞれ重視したい部分が違って当たり前です。
「自分はどの点を伸ばしたいのか?」「どこなら少し手を抜いても大丈夫そうか?」そういうことを自分で天秤にかけた上で、総合点として合格点に届かせることを目標にすればいいと思います。
2.文法と発音についての過度な心配
英検ホームページでは、スピーチの採点項目として「文法、発音の正確さ」が挙がっていますが、発音は一つ一つの音の発声法ではなく、「全体の印象」で決まっているというのが私の考えです。
また文法もスピーチや質疑応答の発話の滑らかさといった、これまた「印象」に引きずられているようです。
私が受験した2007年〜2008年は現在とは配点が少し異なりますが、以下が私の得点です。左が2007年11月に私ははじめて2次試験を受けて不合格だった時で、右が2008年の2月、2回目の受験で合格だった時です。
2007年11月に不合格だった時は、発音は20点満点の12点(60%)の評価しかもらえていません。
でも、この2ヶ月前の9月に私は通訳の採用試験を受けたのですが(採用されました)、その時の先輩たちの私の第一印象は「発音がきれいな子」だったそうです。
まあネットなんで何とでも言えますが(笑)、普通に英語を音読するだけなら、発音はまあまあ良いと自負しています。
それでも、60%。
そして、そのたった3ヶ月後に2回目の受験をして、その時は16点(80%)の評価をもらえました。この間、発音の練習なんて全くしていませんし、発音スキルは変わっていません。
これが何を意味するのかというと、厳密な一つ一つの音の出し方がどうとか、舌の使い方がどうとか、私たちが考える、いわゆる「ネイティブらしい発音」「うまい発音」という基準では採点していないということです。
文法・ボキャブラリーの項目でも、同じ現象が起こっています。
私は元々塾講師ですので、商売道具である文法には自信がありますが、1回目の受験の時は舞い上がって文法がシッチャカメッチャカになっていたのかもしれません。
3ヶ月後、私の文法の知識もボキャブラリー量もほぼ変わっていませんが、60%から80%にアップしています。
発音が上手で文法の間違い自体もなかったとしても、何度も詰まりながらしか話せなかったり、沈黙が多かったりしたら、「発音や文法が良い」という評価もしにくいのです。
こう考えると、結局、「文法・語彙」と「発音」の点数をアップさせるためには、それに単独で力を入れるのではなく、その印象を左右する「スピーチ」「対話」に力を入れると、それにつられて全体の点数が上がる、ということになります。
「沈黙はマイナス」というのはほぼ確実なことなので、文法の正しさに気を取られるあまり、つっかえてしまうのはどうしても避けたいです。
文法の間違いや下手な発音は、沈黙よりはずっといい!!これをぜひとも覚えておいていただきたいと思います。
なので、発音をネイティブらしく矯正しようとする必要はなく、相手が理解できないほどのまずい発音でさえなければ大丈夫と考えてください。もちろん目的は英検だけではないだろうから、発音の練習自体が無意味だとは言いませんけどね。
どうしても発音が気になる人は、発音の練習をするより「文全体のイントネーション」に気をつけてみることをお勧めします。強弱がはっきりして英語らしければ、不思議なことに上手に聞こえるものです。
イントネーションの矯正は、シャドウイングが効果的です。詳しくはこちらをどうぞ。
3.気の利いた言い回しや高度な単語・熟語
内容がしっかりしてさえいれば、中学生で習うレベルの文章で全く問題ありません。文章をつなぐ言葉も、And, But, So, Because・・・で無問題!!
「高度」な英語を話そうとする必要は全くないし、それを求めるがために沈黙してしまうようなら、その考えはぜひ捨てるべきです。
そのトピックに合った用語の下調べはある程度必要ですが、高度なイディオムや接続詞は不要です。わざわざ難しい単語を使った方が点数が稼げるとは私は全く思いません。そのトピックに合った単語を使えばいいだけです。それがコミュニケーションですから。
ちなみに、私は話すときに「Although(Though)」を自分に禁じていた時期があります。(全然高度じゃないですが・・・)
というのは、文頭にAlthoughと言ったのに、「~ですが」という意味につられて「But」と文中でつい言ってしまうことが多かったからです。
英会話のトレーニングが足りない時は、とにかく英語を話すのに必死で、自分がどのようにその文章を始めたかを忘れてしまうんです(苦笑)。同じ悩みを持っている人は多いと思います。
間違ったAlthoughの使い方をするより、簡単なButで手堅く行くほうがいいんです。自分が心地よく使えない構文や接続詞は使わないことをお勧めします。
英検1級の2次試験合格に必要なもの、不要なものまとめ
以上、私が考える、合格に必要なものと不要なものをお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
2次試験合格に必要なもの
1.沈黙しない
2.具体例、体験談を持っておくこと
3.かみ合った会話をすること
2次試験合格に不要なもの
1.しっかりしたスピーチの構成
2.文法と発音についての過度な心配
3.気の利いた言い回しや高度な単語・熟語
最後に、どこで点を稼いで全体として合格点に届かせるかは人によって全然違います。また、あなたがどういう目的で英語力を伸ばしているのかによっても、優先するべきポイントは異なるでしょう。
対策本やこういうブログの情報を鵜呑みにするのではなく、自分の得意・不得意をきちんと見極め、どういう英語力を目指したいのかを考えて対策を立てましょう!