2018年8月13日
英語講師・英会話講師に必要な英語力はどれくらい?お給料や求人は?
エバンス愛
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日本には、英語を学びたい人が子供からお年寄りまで何千万人といますよね。教える場も小学校から大学、英会話教室、学習塾など様々です。最も私たちに身近な「英語力を活かす仕事」が英語の先生ではないでしょうか?
英語に限りませんが、人にものを教えるという仕事は、誰かの人格形成、人生やキャリアに関わり貢献できるという面で、責任重大ですがやりがいのある仕事です。
コンテンツ
英会話講師、英語塾講師の特徴
難易度 ★~★★★★ 生徒の学年、年齢、レベルによってまちまち
求人数 ★★★★★ 地方でも確実に需要があり、求人広告も見つけやすい
お給料 ★★~★★★★ 規模・形態でピンキリ。時給換算すると他の業種より高め
(★は5つが最高。私の完全な独断と偏見によるものですので、ご了承ください。)
<良いところ>
・他人の教育や成長に貢献ができるので、非常にやりがいがあり喜びが大きい。
・生徒がレッスンを受けられる時間の関係で、勤務時間(拘束時間)が一般的に短め。
・時給は事務系職種より高く、予備校の人気講師なら一流企業並みかそれ以上。
・人に教えるという責任感と緊張感で、自分の英語力が嫌でも上がる。
<悪いところ>
・学習塾の場合、夏休み・年末年始などは特に業務が過酷。深夜に及ぶことも。
・中高生や大人が対象の場合、勤務時間が基本的に夜なので家庭との両立が困難。
・一般企業に転職する場合、講師の経験をキャリアとして認められにくい。
・担当する生徒が決まっている場合、特に突発的な休暇が取りづらい。
<向いている人>
・教えることが好きな人。誰かの役に立ちたいという気持ちの強い人。
・人に分かりやすく説明することが得意な人。
・相手が何を望んでいるか、何に困っているかを察するのことができる人。
英語講師とはどんな仕事?必要な資格、英語力は?
英語を活かした仕事として、私たちにもっとも馴染みがあって仕事内容がイメージしやすいのが英語講師だと思います。
「英語の先生」と一口に言っても、いろんな種類があります。
英会話講師
主に民間の英会話教室で、英会話を教える先生です。民間の英会話教室や塾で教えるには、資格は必要ありません。
英会話スクール講師
大人の生徒にはネイティブの英会話講師の方が人気がありますが、小さな子ども相手やネイティブ講師では不安な初心者の生徒向けに、日本人の英会話講師を採用しているスクールも多いです。
英会話スクールに勤務する以外に、英会話スクールと提携している幼稚園や保育園に派遣されて園児に英語を教えるという形態もあります。
必要な英語力は、英検準1級、TOEIC800点程度が目安です。子供向けの場合、TOEIC700点程度でも大丈夫なところがほとんどです。(学校によって差はあります。)
ネイティブレベルである必要はありませんが、「英会話」を教えるのであれば、基本的な意思疎通は英語で行うことができ、発音もそこそこ上手であることが求められます。
自宅で英会話教室
小さいお子さんなどがいるため自宅で英語を活かして働きたい場合、ECCジュニアや公文などの大手とフランチャイズ契約を結ぶか、または個人で自宅で英会話教室を開くこともできます。
自分で宣伝して集客する自信がなかったり、未経験なので教室の運営などが不安だという場合は、フランチャイズで英会話教室をはじめた方が安心かもしれません。
インターナショナルプリスクールの講師
あまりなじみがありませんが、インターナショナルプリスクール(バイリンガル幼稚園)での赤ちゃんクラスまたは年少クラスでの英会話講師という仕事もあります。
インターナショナルスクールは、主に日本在住の外国人の子供向けの学校ですが、日本人講師を募集していることもあります。(日本人の子供も通っているため、英語も日本語もできる人が求められているようです)
小さい子供向けなので高度な英語は扱いませんが、バイリンガル幼稚園なので子供との会話や指示が基本的にすべて英語になります。外国人の保護者が日本語が苦手な場合もあるので、最低限の意思疎通ができる会話力も必要です。
英会話講師の勤務時間は、生徒によって異なります。たとえば、退職した年配の方が中心のクラスであれば、午前や午後の早い時間に授業を行うことも可能です。
幼稚園や小学校の小さいお子さんが対象の英会話スクールの場合は、午後から夜の早い時間帯になることが多いと思います。ビジネスマンが対象のクラスであれば、終わりが夜9時や10時になることもあるでしょう。
学習塾英語講師
放課後や休みの日に主に中高生に英語を教える仕事です。学校のカリキュラムを少し先取りして文法を教えたり、学校の定期試験の対策をしたりします。受験生には、生徒の志望校の受験対策も行います。
学習塾講師として英語を教えるにも、資格は必要ありません。私は10年以上塾講師として小学生から大学浪人生までに英語を教えましたが、教員免許は持っていません。塾で教えている限りは、教員免許が必要とか、持っていれば有利と感じたこともありません。
必要な英語力としては、中学生に英語を教える場合はTOEIC600点程度以上が目安です。英会話ができる必要はありません。アクセントなどが間違っていない限りは、発音はジャパニーズイングリッシュでも問題ありません。
大学受験レベルの講師として働きたいなら、TOEIC900点くらいあれば困りません。こちらも、英会話ができる必要はありません。大学受験にはリスニングがあるので、リスニング力は必要です。
学習塾講師の場合、生徒が学校が終わって塾に来る午後からが仕事の時間なので、通常は午後1時頃から夜10時くらいが勤務時間になります。既婚者で相手が普通のオフィスワークの勤務時間だったり、小さい子供がいたりする人には、なかなか難しいかもしれません。
私が学習塾で毎日15時から23時までの勤務時間で働いていた時は、夫も英会話学校勤務で同じような時間で働いていたのでたいした問題はありませんでしたが、夫が普通のオフィスワークだったらできなかったかもしれません。
家庭教師
あまり一般的ではありませんが、家庭教師という形で英語指導することも可能です。生徒の家を訪問する場合もあれば、Skypeなどを活用して遠隔で指導することもできます。
私自身、自分が「家庭教師」であるという自覚はこの記事を書くまでありませんでしたが、Skypeとメールを活用して英語を個別指導している生徒さんが全国にいます。
授業内容は、講師それぞれの得意分野と生徒のニーズによります。私の場合は、生徒それぞれの学習プランの作成、文法の指導、英文添削、翻訳の指導などをしています。
私の生徒さんはみんなビジネスマンや主婦などの社会人ですが、大学受験生向けのeラーニングなども増えていますので、相手は社会人でなくても可能だと思います。
最近はブログなどを通じて情報発信することが可能になったので、遠いところに住む人とつながることも簡単になりました。
もちろん家庭教師やSkypeを使った個別指導の場合も、資格は必要ありません。「自分が過去に困ったことに悩んでいる人のお手伝いをする仕事」と考えれば、そのお手伝いができる経験とノウハウさえあれば、ものすごい実績も資格も必要ないことがわかります。
中学校や高校の英語教諭
中学校や高校の英語教諭になるには、教員免許が必要です。大学の教育学部で学んだり、大学時代に必要な講義を履修して教育実習を受け、公立の場合は都道府県の採用試験に合格すれば教諭になれます。
学校の先生は、英語の授業以外に部活動や家庭訪問など様々な業務があり非常に忙しい仕事なので、「英語を仕事に活かしたい」が第一のモチベーションの人には必ずしもお勧めはできません。
小学校の非常勤英語講師
全国の公立小学校で英語の授業が2011年からスタートしました。今の所は正式な「教科」ではないので、免許や資格がなくても非常勤講師として英語を指導することができます。
小学校の授業時間の一部が勤務時間なので、お子さんがいる方なども家庭と両立しやすく、子供が好きで英語を活かしたい人の注目を集めている職業です。
小学校の英語講師の需要は高まってきていて、目指す人も今後どんどん増えることは間違いありません。今のうちにJ-SHINE(Japan Shogakko Instructors of English・小学校英語指導者認定協議会)の資格を取得したり、スキルアップをしておくといいと思います。
小学生に英語を教えるのに必須の資格ではないにもかかわらず、AEONなどの大手英会話スクールの通学コースは30万円以上と高額です。通信講座なら8万円で資格が取れるので、私だったらこっちにします。
英語講師のお給料は?
英語講師のお給料は、規模や教える生徒のレベルにより様々ですが、子供や小中学生が対象の場合は時給は1000円〜2000円くらいが相場です。レベルも、基礎的なレベルほど安く、レベルが高ければ給与も高くなります。
難関大学受験の講師や、社会人向けのビジネス英語やTOEIC講師など、講師に高い英語力や経験が求められる場合は、時給5000円くらいになることもあります。
ただし、一部の大学受験塾などを除いては、1日8時間の勤務時間が全部授業ということはありません。生徒が学校や仕事が終わってからレッスンを受けに来ると考えると、一人の講師が受け持てる1日あたりのレッスン時間は、多くても4時間程度です。
時給がいいので1日3〜4時間程度のアルバイトをしたい人には最適ですが、フルタイム換算だとそうでもありません。一般的なフルタイムの塾講師や英会話講師のお給料は20〜25万円程度です。
英語講師の求人は?どうしたらなれる?
地方であろうと田舎であろうと、そこに英語を学びたい大人や子供がいる限りは、英語講師の職は必ずあります。これが、英語を活かして仕事をしたいと思う人にとって嬉しいことですよね。
英会話講師や英語の塾講師になるには、お住まいの地域の求人情報を見てみれば、募集は簡単に見つかるはずです。「○○(地域名) 英会話講師 求人」などのキーワードでネットで検索してみてください。
中学と高校の英語教諭以外は、資格がなくてもなれます。なので、「どうしたら英語講師になれるか」という質問に対する答えは、まずは英語力を高めつつ、ハローワークのサイトやネット検索などで英語講師の求人をチェックし、求められる英語力や資質のイメージに自分を近づけていくことです。
たとえば、英会話講師を目指すのであれば、まずは自分が英語を話すことへの抵抗をなくすことが重要です。スカイプ英会話などで英語を日常的に話し、発音を向上させることをお勧めします。
(参考)スカイプ英会話レッスンのメリットとスクール比較【忙しい人に最適】
塾講師になりたいなら、高校受験の問題集などを買ってきて、実際にどんな英語が必要なのか見てみてください。「自分がこの現在完了形を教えるなら、どう説明するだろう?」と考えながら、問題集をやり直してみましょう。
どんな仕事でもそうですが、未経験から最初に仕事を得るのが難しいです。そのあとは、経験者というだけで優遇されたり条件の良いポストが見つかりやすいです。
なので、最初に英語講師になる時は、少しくらい自分の求める条件に合っていなくても、妥協できるならさっさと働き始めてしまって、次に目指すポストに必要な勉強をしたり経験を積みつつ1年程度勤めて、ステップアップを狙うことをお勧めします。
私の塾講師の経験と、英語講師になる利点
私は、大学1年生から塾で講師のアルバイトをはじめました。大学卒業後も、4年ほどフルタイムで塾講師として働きました。
塾講師の仕事が性に合っていたのと、英語を教える感覚を鈍らせたくなかったので、一般企業に転職してからも、副業として週末だけ大学受験予備校で英語を教えていたほどです。
私は、小学生から浪人生まで、教科は理科以外なら何でも教えます。(高校は文型科目しかできませんが・・・)得意なのは、高1の英文法と高3のセンター対策(英語)です。
多くの英語マスターに共通するひとつの法則
通訳翻訳者として勤めながら、私はひとつのことに気がつきました。それは、ベテラン通訳・翻訳としてバリバリ英語を使いこなしている英語マスターには、英語教師の経験のある人が多いということです。
これは何も私の職場に限ったことではなく、通訳者や翻訳者として活躍されている方は、英語の先生をしていたことがある人が本当に多いようです。
普通に考えれば「そりゃ、英語が得意な人なんだから、先生をしようと思ったって不思議はないじゃん」と思うかも知れません。
でも、私が気づいたのは、「英語が得意 → 英語の先生 → 通訳」というプロセスのうち「英語が得意だから先生になった」という法則ではなく、「英語を教えたから通訳・翻訳者になった」という法則です。(※通訳・翻訳者が英語講師より優れているという意味ではありません)
「人間が物事を本当に理解しているかどうかを測れる一番の物差しは、それを他人に分かりやすく教えることができるかどうかだ」とよく言われます。自分ではなんとなく分かったつもりでいても、いざ人に教えようとすると「あれっ?」てこと、ありますよね。
でも、英語の先生になって何度も何度も同じことを繰り返して教えているということは、「他人に分かりやすく教えることができる」ということであり、つまり「その事柄を本当に理解している」ということなんです。
TOEICの点数がある程度のレベルに来ると、そこで伸びが止まってしまうという人は、たくさんいます。こういう場合、「なんとなく分かったつもり」で来ている人が多いようです。
さらにステップアップをしようとすると、不安定な基礎が障害になってしまいます。たとえば、野球で素振りという基礎練習もそこそこに試合に出ても、良い結果は出せないのと同じです。
その点、英語教師の経験がある人というのは、教える過程でもう自分では確実にマスターしている基礎練習を、何度も何度も繰り返しているんです。素振りの練習を、やりすぎるほどやっているんです。
私はありがたいことに「基礎がしっかりしているから、成長が早い」と先輩たちに言ってもらっていましたが、それは、「今」私が勉強しているからというより、塾講師としてバットをブンブン振りまくったからだと確信しています。
「(英語が専門じゃないのに)どこで英語の勉強をしたの?」そういつも聞かれるんですが、「塾で教えていた」こと以外に、思い当たることがないんです。
文法、長文読解、作文、すべて私は働きながら勉強し直しました。お金をもらいながら学べるなんて、ほんとにありがたい。(そして、生徒には少し申し訳ない気持ちです)
英語の先生になると勉強法に詳しくなる
英語の先生になると、学習法にも詳しくなるんです。これが、自分の勉強にも大いに役立ちます。生徒に対してやっているのと同じように、自分を客観的に見ることができるようになります。
自分が勉強につぎ込んでいる時間に見合った結果をきちんと出せているか、という評価もできるようになります。
私は、こんなに効率よく英語を学べるということを知ってしまってからは、学校になんて勿体なくて行けなくなりました。(笑)今後行くことがあるとすれば、「強制力」を利用して自分を追い込む時だけだろうなと思います。
また、学習塾の場合、英語講師は国語など他の文型科目の指導も兼任することが多いですが、国語の指導経験は翻訳などにも生かされます。(もしあなたが翻訳を仕事としてやってみたいとお思いなら、ですが)
翻訳は、正しい日本語が書けない人には厳しい世界ですが、敬語はもちろん、「ら抜き言葉」など「分かってるつもりだけどアヤシイ」というものも中学生の文法で全部解決します。
お金を「もらって」英語を勉強するという選択
「英語を教える」という仕事は、それ自体夢があって私は大好きですが、この上なく効率的に英語が学べる方法でもあると思います。英語を教えることを仕事にすれば、勤務時間がそのまま英語の勉強時間になるからです。
英語の仕事を目指すに当たってまず考えるのは「学校に行くこと」だと思いますが、「英語を活かして働くことを目指すために英語を教える」という発想もアリだと思います。(もちろん英語の先生自体、英語を活かした仕事ではありますけど)
「勉強」とは、「お金を払ってするもの」という固定観念を私たちはどうしても持ってしまいがちです。でも、「お金をもらいながらの勉強」を意識して効率的な時間とお金の使い方を考えるのも手です。
「英語の仕事がしたいけど、今はまだ自信がないから・・・」と英語をほとんど使うことのない職場を選ぶしか選択肢がないとお思いなら、「英語の先生」を第一のステップにすることも視野に入れてみてはどうでしょう?
(※言うまでもありませんが、「第一のステップ」と言っても生徒の人生を左右しかねない重要な仕事なので、やるからにはきちんと責任を持ってやっていただきたいです。)
英語をちょっとだけ使う職場と、英語講師では、英語の面で言えば英語講師の方がはるかに力がつきます。英語を使う仕事がしたいけど、今の英語力だとごく簡単な定型のコピペ英文メールのやりとりくらいしか仕事がないなら、そこから英語を活かしてキャリアアップは正直厳しいです。
また、一般企業で英語が活かせる仕事は、地方ではなかなか求人がありませんが、塾であれば地方でもたくさんあるので、日本中どこでも職が得やすいです。また、人材の入れ替わりが早い業界なので、新人の扱いに慣れている塾が多いと思います。
高校生の指導はやはり経験が必要なので、中学生から始めてみるのがいいかもしれません。塾・予備校講師以外に、家庭教師という選択肢もあります。
英語講師の仕事まとめ
以上、英語を教えるという仕事についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
このブログの読者さんには一般企業で英語を活かして働きたいという目標を持つ人が多いので、英語を活かしてキャリアアップしていく「踏み台」としての英語講師という面が必要以上に強調されてしまい、もしかすると実際に英語教師をされている方のご気分を害したかもしれません。
私自身は、一般企業に転職してからも英語講師の仕事を手放さなかったほど、英語を教える仕事に思い入れがあって大切に思っています。決して英語講師という仕事を軽視しているつもりはないことをご理解いただければと思います。
上でも書きましたが、生徒の人生を変えることもあるのが教師という仕事です。何を隠そう私自身、センター試験で失敗した私に塾の先生が思いつきで言った「フランス語でもやってみるか?」という言葉でフランス語をやることにし、人生が変わりました。(今はその先生にとても感謝しています!)
小学校で英語の授業が導入されて、英語を教える仕事が身近になったことで、注目を浴びている職業。英語を教えることを志している方のお役に立ったら幸いです!
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