1日に何時間勉強すれば英語が上達しますか?に対する通訳翻訳者の答え


「1日に何時間くらい勉強すれば英語が上達するのでしょうか?」という質問を、私は本当によく受けます。

私はこのまま勉強を続けても、上手にならないのでは・・・?
一体あとどれくらい続けたら、私は英語が話せるようになるのか・・・?

そんな迷いで英語の勉強に身が入らない人も多いんじゃないかと思います。


一体、1日に何時間勉強すればいいのか?

その答えは、

・現状どれくらいのレベルなのか
・英語で何ができるようになることを目指しているのか
・正しい方法で勉強しているのか
・どれだけ集中して勉強しているのか
・短期集中なのか、ゆっくりのんびりなのか

といった条件で全く変わります。

それでも、「この勉強をいつまで続けたらいいのか・・・」と手探りで進むより、おおまかでもいいから何らかの「目安」があったらいいですよね。私自身も、英語の勉強をはじめたときに「まずは1000時間を目指しましょう」という言葉を何かで読んで、目標ができて頑張れた記憶があります。

「だいたいこのくらい勉強したら、こんな感じなんだ」ということが分かれば、今後の目標も立てやすいと思います。

このページでは、私自身の経験やクライアント、読者さんの変化をふまえて、英語の勉強時間の目安と到達できるレベルについてお話ししたいと思います。



1日の英語の勉強時間と、それぞれの1年後の変化の目安



1日にどれくらい英語を勉強するかをコースに分けて、それぞれ1年後にどんな変化が起きている可能性があるか、ざっくり目安で示してみます。



1日10分コース(やらないよりはマシレベル)


すきま時間にちょこっと英単語アプリで単語を覚えたり、週1回英会話レッスンを受けている(レッスン以外の勉強時間はなし)というイメージ。

これを1年間続けた後の変化は、正直言って「ほとんどない」というのが大部分の人の感想になると思います。ただし、英会話レッスンを受けた場合、「外国人と話す度胸だけはついた」という変化は感じられるかもしれません。



1日30分コース(現状維持レベル)


毎日ちょっとした時間に英語を聞いたり、すきま時間でサラッと単語本や英会話フレーズ本をチェックしているイメージ。

今まで全く勉強していない人が毎日30分やれば、多少の進歩は感じるかもしれません。今までもそこそこ勉強してきた人であれば、現状維持程度です。1年後の変化もほとんど感じられないでしょう。



1日1時間コース(限りなくゆるやかな上達レベル)


「時間があったら勉強しよう」ではなく、毎日きちんと「通勤時間は英語を聞こう」などと決めて勉強を積み重ねているイメージ。

長いブランクがあった人の場合、分かる単語が増えたなど、ちょっとした変化は感じるでしょう。今までも英語を勉強してきた人の場合は、上達はしますが自分の実感としては分からないほどのわずかな変化です。TOEICで言えば1年後に50点から100点アップくらい。



1日2時間コース(そこそこ上達レベル)


毎日1時間以上英語を聞く習慣に加えて、それ以外の時間に文法や単語などを少しずつやっているイメージ。

長いブランクがあった人なら、1年後には結構変化が感じられるはずです。今までも勉強してきた人なら、「ちょっとは上達した・・・かも?」と少し成長が実感できる程度です。TOEICで言えば、100点から200点アップくらい。



1日3時間コース(上達の実感が感じられるレベル)


毎日2時間以上英語を聞く習慣に加えて、それ以外の時間に文法や単語、シャドーイング、英会話などを着実に積み重ねているイメージ。

長いブランクがあった人の場合、かなり変化します。ブランクがない人でも、突然視野が広がったように感じるいわゆる「ブレイクスルー」体験も一度は訪れると思います。TOEICで言えば、200点から300点アップくらい。



1日5時間コース(だいぶ別次元に変化するレベル)


留学生並に毎日のかなりの時間を英語の勉強に使っているイメージ。

長いブランクがある人は別人レベルに変化すると思います。それ以外の人でも、変化は実感できるしブレイクスルー体験も普通にあるでしょう。

(ただし、これだけ時間が取れる人は時間に余裕があり、ダラダラ勉強しがちです。なので、1日5時間を1年間本当に集中して英語に費やすことができるなら、という条件付き。)



何時間くらい勉強したら、どのくらいの英語力になるのか?



じゃあ、あなたが目指す英語レベルに到達するには、
1日にどのくらい勉強して、それをどのくらい続けたらいいのでしょうか?


スタート地点を平均的な社会人の「片言英会話レベル(TOEIC500点程度)」と想定して、何時間勉強したらどういう英語力が身につくのか、おおまかな到達イメージと、1日に費やす勉強時間ごとの所要年数を書いてみます。

「○時間勉強したらTOEIC○点になる」ということではなく、スコア重視の勉強をすればもっと早く到達できます。私の主観による部分も大きいので、あくまでもひとつの目安として考えてください。

なお、前もって言っておきますが、この先を読んだら心が折れるかもしれませんので、覚悟して読んでください(笑)。でも、想像するほど大変ではないので、安心してくださいね。その理由は最後に書きます。



海外旅行で自分で最低限のことができるレベル(TOEIC700点程度)
★必要な勉強時間の目安:700時間


ある程度「英語ができる」と言えるレベルの最低ラインがこのあたりです。多くの人が目標にする、「海外旅行でツアーでなくても最低限のことが自分でできるレベル」かなと思います。

ちなみに、このレベルで海外旅行に行った人の多くは「もっと英語ができたらもっと海外旅行が楽しめるのにな〜!」と歯がゆい思いをします。

このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 12年
1日30分コース: 4年
1日1時間コース: 2年
1日2時間コース: 1年
1日3時間コース: 8ヶ月
1日5時間コース: 5ヶ月



ごく簡単なメールや仕事の会話なら英語でできるレベル(TOEIC800点程度)
★必要な勉強時間の目安:1,000時間


英語を使って仕事がしたいと思う人が最低ラインとして目指すべきレベルです。英語のメール処理、ごく簡単な翻訳なら(時間をかけたら)できるレベルです。

私自身が英語のやり直しを始めてから1000時間くらいを積み重ねたのは、高校生にアルバイトで英語を教えていた頃です。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 17年
1日30分コース: 6年
1日1時間コース: 3年
1日2時間コース: 1年半
1日3時間コース: 1年
1日5時間コース: 7ヶ月



ハイレベルなことでなければ英語で仕事ができるレベル(TOEIC900点程度)
★必要な勉強時間の目安:2,000時間


世間的には「英語を武器に仕事ができるレベル」です。ただ本人としては、周囲の期待と自分の英語のできなさとのギャップに最も悩むレベルでもあります。

私自身が2000時間くらいの勉強時間に到達してTOEIC900点程度になったのは、塾でフルタイムで大学受験生に英語を教えていた頃です。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 34年
1日30分コース: 12年
1日1時間コース: 6年
1日2時間コース: 3年
1日3時間コース: 2年
1日5時間コース: 1年半



以上は、私の経験に加えていろんな人の話や状況を総合しておおまかに目安を書きましたが、ここより先はサンプルが身近にあまりないため、私自身の事例で述べます。

なお、以下は純粋な勉強時間だけでなく、仕事での英語業務の時間も含めています。



海外での英語生活に不安がなくなったレベル
★私の通算英語学習時間:5,000時間


塾講師として2年フルタイムで勤めた後、カナダ(フランス語圏ですが)にワーホリに行こうと思った頃の通算学習時間が5000時間くらいでした。この時TOEICは980点でした。

留学の手続きや面接、渡航での英語に問題はありませんでした。英語教授法の授業を現地の英語ネイティブに混じって受けましたが、授業やテストはついていけ、英語でレポートも苦労なく書けました。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 85年
1日30分コース: 30年
1日1時間コース: 15年
1日2時間コース: 7年半
1日3時間コース: 5年
1日5時間コース: 3年



翻訳の仕事をある程度自信を持ってできるようになったレベル
★私の通算英語学習時間:7,000時間


少し込み入った英文メールのやりとりや翻訳でも、ネイティブレベルには程遠いものの「この英語で大丈夫だろう」という確信で仕事がこなせるようになったのがこの頃です。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 119年
1日30分コース: 42年
1日1時間コース: 21年
1日2時間コース: 10年半
1日3時間コース: 7年
1日5時間コース: 4年



英語にある程度不自由しなくなったなと思えたレベル
★私の通算英語学習時間:10,000時間


読む・書く・話す・聞くの4技能のどれも、ある程度不自由しなくなったと言えるかなと思えたのはこの頃です。英検1級に合格し、通訳として採用されたのもこの時くらいです。

私自身は、英語のやり直しを始めて1万時間に到達するのに8年近くかかったので、平均したら1日4時間くらいの勉強時間だったことになります。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 170年
1日30分コース: 60年
1日1時間コース: 30年
1日2時間コース: 15年
1日3時間コース: 10年
1日5時間コース: 6年



映画が字幕なしでもそこそこ楽しめるレベル
★私の通算英語学習時間:15,000時間


「字幕なしで映画」は多くの人が憧れますが、これはみんなが思ってる以上に相当ハードル高いです。これだけ時間をかけても「だいたい分かる」ということで、全部は分かりません。テーマによっては6割くらいしか分からない映画もあります。

ここを本気で目指すのか、その価値があるのか、考えた方がいいかもしれません。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 255年
1日30分コース: 90年
1日1時間コース: 45年
1日2時間コース: 22年半
1日3時間コース: 15年
1日5時間コース: 9年



通訳としてある程度自信を持って仕事ができるようになったレベル
★私の通算英語学習時間:17,000時間


私はよく「通訳の仕事を『私にやらせてください!』と自信を持って言えるレベルになったら、やってみたいのですが」という相談を受けますが、それまでに必要だった私の勉強時間はこんな感じです。通訳を始めて5年目くらい。

「自信を持って通訳の仕事が引き受けられるようになったら通訳やりたい」なんてこと言ってたら、あっという間におじいちゃん、おばあちゃん、もしくはお墓の中ですよ。


このレベルに達するのに必要な期間の目安(概算)

1日10分コース: 289年
1日30分コース: 102年
1日1時間コース: 51年
1日2時間コース: 25年半
1日3時間コース: 17年
1日5時間コース: 10年



机での勉強時間だけが勉強じゃない


いかがでしょうか。

TOEIC500点程度をスタート地点とした計算ですので、あなたの状況とは多少違うと思いますが、だいたいどのくらいの勉強を何年くらいやればいいのかという目安がつかめたでしょうか。

きっと、あなたの顔は今青ざめていると思います。
「えっ、こんなにやんないといけないの?」と。

あなたが目指す英語レベルによっては、

「その頃、もう私とっくに死んでるじゃん・・・てか、もう来世で違う人生だわ」

という場合もあるかもしれません(笑)


でも、あまりがっかりしないでいただきたいんです。

私の現在の通算学習時間は多分2万時間は超えていると思いますが、私の感想は「ものすごく苦しい道のりでした」とか、「2万時間、死ぬ気で勉強しました」みたいな感じでは全くないんです。

2万時間という数字も、この記事を書くにあたって過去の記憶をたどって計算していったら通算2万時間だった、というだけです。2万時間やろうと思っていたわけではありません。

毎日英語を習慣にしていたら、勝手に2万時間になった。
ただただ、それだけなんです。


英語を習慣にすることについては、以下の記事も参考にしてください。

英語学習にモチベーションはいらない。英語の勉強が勝手に続く習慣




「英語を習慣にする」ということなくして、毎日「よし、英語の勉強するぞ!」というモチベーションだけでは、1000時間すら到達するのは無理です。(モチベーションで勉強している人の多くは、1日10分コースです。)

逆に、習慣になってしまえば、あなたが毎日歯磨きをすることをおそらく「つらい」とは思わないように、英語もつらいことではなくなるんです。そして、あとは自動的にどんどん時間が積み上がっていきます。

そのために私がしている工夫は、「耳が暇な時間」を徹底的に活用することです。

毎日の自分の時間の使い方に注意を配り、目と手はふさがっているけど耳は空いている時間を洗い出し、英語を聞くと決めています。たとえば、運転中、家事をしながら、などです。

上記の時間は、机での純粋な勉強時間ではなく、「ながら聞き」の時間も入っています。通勤や家事、お風呂、散歩などの時間を使って、少しずつ英語のインプットを増やしていってください。

ながら聞きについては、こちらのページも参考にしてくださいね。

英語の勉強する時間がない人集合!確実に毎日1時間の学習時間が確保できる方法




ながら聞きを含めても良いなら、1日2時間とか3時間という数字も、途方もないものではなく現実的な数字として見えてきませんか?



英語のブレイクスルーが起きる目安は1000時間。1日3時間で1年かかる


私が「毎日どのくらい英語の勉強をしたらいいですか?」という質問を受けると、いつもこう答えています。

「ある程度上達を望むんだったら、1日3時間が一つの目安です。私はクライアントさんにはいつも『1日3時間を目指しましょう』って言ってます」

私自身、英語のやり直しを始めたとき、「英語学習では、1000時間程度でブレイクスルーが起きると言われています。まずは、1日3時間、1年で1000時間を目指しましょう」という目安を聞いて、「そうか、1000時間を1年でやるなら、1日3時間も必要なのか」と、それまで英語学習にいかに甘い気持ちで取り組んでいたかを思い知らされました。

最初は、1日3時間なんて絶対無理と思っていましたが、3時間はやらないとたいしてレベルが上がらないんだと現実を知ったので、ながら聞きを含めて何とか3時間を捻出できるようにいろいろ工夫してきました。そしてその結果、2万時間を積み重ねた今があります。


正直、1日3時間はハードル高いです。フルタイムで働いていてお子さんがいたりしたら、どう頑張っても無理という人もいると思います。だから、「絶対に3時間でないとダメです」と言っているわけではなくて、あくまでも理想はそこに置いて、工夫しながら少しでも3時間に近づけましょうということです。

そうやって時間を積み重ねていけば、日々の積み重ねはわずかでも、それは積もり積もって私たちが英語で得られる楽しみや自由を支える力強い土台になってくれます。

ぜひ、あなたの毎日の生活を見直して、英語が聞ける時間はないか、探してみてください。私たち忙しい大人がある程度の英語力を身につけようと思ったら、「ながら時間」の活用は絶対に欠かせませんから、耳が暇な時間は積極的に活用してください。そして、一日でも早く、目標レベルの到達に向けて英語時間を積み重ねはじめてくださいね。


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