「英語を一語一句聞き取りたい!」と思うあなたへの爆弾発言ー大事なのは推測



このページでは、間違った勉強をしてる人が本当に多い「多聴」について
とある重要な、そしておそらく衝撃的な話をします。

「いつも聞き取れない細かいところが気になって
 焦るうちに大事なところも聞き逃してしまって
 結局文章全体の意味が分からないまま終わってしまいます。
 どうしたらいいですか?」

という質問をよくいただきます。


その答えを単刀直入に言えば、こうです。

「全部聞き取れなくて構いません。」

あなたにとっては衝撃的かもしれませんが、
いわゆる「英語がバリバリにできる人」だって
聞こえる英語を全て聞き取ってなどいないのです。

アナウンサーがくっきりはっきり話す発音なら100%聞き取れても
早口で音声が不明瞭な映画だったりすると、聞き取れないこともあるのです。

私の知る限り、ネイティブの日常英語(映画など含む)を
全て100%聞き取れるという人は、いません。

私は聞き取れませんし、いつも例に出して恐縮ですが
私の20年先輩の通訳も聞き取れません。

私の夫(英語ネイティブ)さえ常に100%は聞き取ってません。(汗)
(彼が特別というわけではなく、誰でもです)

夫の名誉のために言えば、
つい先日も、私は「日本語が100%聞き取れない」という経験を
通訳の現場でしたばかりです。

日本人の部長が発言をしたのですが、
テレビ会議だったので音声が不明瞭だった上に
その部長は年配だし滑舌の悪い人なので、
何を言ってるか聞き取れない部分もところどころありました。

でも・・・言いたいことは分かるんですよね。
英語への通訳も問題なくできました。


ちょっと想像してみてください。

たとえば、会議の話題が東京へのオリンピック誘致だとして
(うちの会社ではそんなことは議題にのぼりませんが、一例です)
その日本人部長が、こう言ったとします。

「今は震災や円高で日本がお金がなくて・・・(音声不明瞭)のに、
 オリンピックなんて・・・(音声不明瞭)」

この音声不明瞭のところ、想像してみてください。

さてこの部長は、オリンピック誘致に賛成なのでしょうか?
反対なのでしょうか?


・・・どう考えても反対ですよね?

「今は震災や円高で日本がお金がなくて大変な時なのに、
 オリンピックなんてやっている場合ではない!」

とかなんとか、そんな感じだと想像がついたと思います。
つまり、100%聞き取れなくても理解は十分成立するのです。


100%聞き取れていないのに
なぜ理解がきちんと成立するのでしょうか?

それは、推測と経験で補っているからです。

「推測と経験」というのは、

・文法の知識
・単語・熟語の知識
・構文の知識
・よく使われるフレーズ・会話パターンの知識
・その話題や状況についての知識(話の流れ、文化的背景など)
・話者についての知識(性格、ポジション、口癖など)

などによって成り立っています。


「オリンピックなんて・・・」

という言葉のあとに肯定的な言葉がくるのか否定的な言葉がくるのか、
普通の日本人だったら、感覚で分かります。

「~なんて」という言葉の後ろに来るのってどんな言葉ですか?

「ありえない!」
「もってのほかだ!」
「大反対だ!」

など、普通は否定的な言葉ですよね?

「オリンピックなんて絶対やるべきだ!」
「オリンピックなんて日本を元気にするために必要だ!」

とかいう日本語は、不自然です。

そうやって、日本語の文法や構文の知識を
私たちは知らず知らずのうちに頭の中でフル回転させて
聞こえないところを補って、きちんと理解しているんです。

私たちは、聞き取れた単語から、
文法や構文の知識をもとに周りの不明瞭な部分を補い、
また背景知識や状況、文脈から想像し、

そこから「ということは、こういうことを言ってるんだな」と
文全体を推測しているにすぎないんです。

それでいいんです。

だって、さっきの日本人部長の考えはだいたい推測ついたでしょう?
それで十分なんですよ。


「聞こえた音 = 理解」

これがほとんどの日本人が英語に対して
幻想を抱いている状態ですが、こうじゃないんです。

「聞こえた音 + 聞こえない部分の推測 = 理解」

なんです。

つまり、物理的に聞き取れるかどうかよりも
正しく推測できる構文力や理解力があるかどうかが重要なんですね。


さっき言った

・文法の知識
・単語・熟語の知識
・構文の知識
・よく使われるフレーズ・会話パターンの知識
・その話題や状況についての知識(話の流れ、文化的背景など)
・話者についての知識(性格、ポジション、口癖など)

こういったものが身に付いていけば、
おのずとリスニング力は上がります。

英語のすべての音を「物理的に」聞き取れることを目指すのではなく(無理!)、
聞き取れなかった部分を正しく推測する力をつけましょう。



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