2021年1月29日
英語多読教材の正しい選び方とおすすめ本【レベルの見極めが超重要】
エバンス愛
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「英語の小説を読んでみたいと思って、ハリーポッターのペーパーバックを買ってみたものの、難しすぎてほんの数ページで挫折した・・・(´;ω;`)」
なんていう経験が、あなたはおありかもしれません。
私は、全然読めないくせに英字新聞を購読しつづけ、廃品回収のゴミに延々とお金を払っていた悲しい過去があります。
多読は、ただ何でもかんでも英語を読めばいいわけではなく、英文の選び方が超重要です。
この記事では、あなたのレベルに合った多読教材の選び方とお勧め書籍をご紹介します!
コンテンツ
自分のレベルに合った多読用教材の選び方
多読の教材を選ぶときは、以下の2つを意識してみてください。結構、ここを勘違いしてもったいないことになっている人が多いです。
1.あなたのレベルに対してかなり簡単なもの
英文読解、リーディングなどの教材を探す場合、「TOEIC○点レベル」とかいう表示のまま選ぶと、多読には難しい場合が多いです。
たとえば、「TOEIC700点レベル」という市販の教材があったとすると、それは700点レベルの人が「頑張れば何とか読める」程度だからです。
でも、多読は、読むスピードをどんどん速くしていって、返り読みせず、日本語にも訳さず、英語の語順通りに理解できるようになるためにやることだと思います。(もちろん、本を読むことそのものの喜びのためでもありますが)
なので、TOEICなどの目安の表示を自分のレベルよりかなり下げるか、可能なら中身を見て知らない単語がないことを確認して選ぶようにしてください。
「頑張れば読めるな」「このくらいなら大丈夫そうかも」ではありません。「簡単に読めるもの」です。(超強調)
そして、勉強だからと堅苦しく考えずに、「楽しそう!」とワクワクする本をたくさん読んでください。
2.「子供向け」の本を多読用教材として選ぶときは注意
冒頭でお話ししたハリーポッターは、ネイティブは子供でも読んでいますよね。でも、「子供向け=大人なら外国人でも読めるはず」というのは間違いです。
ネイティブの子供は当然知っている単語でも、私たちにはなじみのない単語はたくさんあります。
くだけた言い方や幼児語など、私たちが学校で習わないけどネイティブの子供は使っている表現は多いです。
あなたがビジネスで英語を読めるようになりたいなら、絵本などで幼児語にたくさん触れるのは、その労力がもったいないと私は思います。
また、これは個人的な好みの話になりますが、大人である私は、幼児向けの本は読みたいとは思いません。
どうせ英語の勉強のために読むなら、ただ英語を読むことを目的とするより、内容から何かの知識を得たいです。だから、絵本よりも実用書やノンフィクションが読みたいです。
私がこれから多読を始めるとしたら、子供向けの絵本とかは選びません。
なので、好みじゃないのに無理に絵本とか幼児向けの本を選ぶ必要はないですよ。
下でご紹介しますが、graded readerという学習者向けに単語や構文のレベルを調節した本なら、超初心者向けでも、ちゃんと大人が対象の興味深い本はあります。
もちろん、「子供向けの本も好き」「子供と一緒に楽しみたい」という場合は、幼児向けの本を選んでいただいて全く構いませんよ。
おすすめの多読教材、書籍
英語学習者向けに単語や文法のレベルを制限して、学習者が理解できる英語で書かれた「Graded Reader」(語彙制限本)と呼ばれる本がたくさんあります。
また、オンラインで無料または格安で読める本などもご紹介します。
ピアソンイングリッシュリーダー(旧ペンギンリーダー)
英語学習者向けに、単語や文法のレベルが調整された洋書がたくさんあります。映画や文学が充実しています。
ピアソンイングリッシュリーダーのレベルは、以下のようになっています。
文法項目も調節してあります。
有名な小説、映画、ドラマなど、バラエティ豊かなので、きっと「これ読みたい!」というものがいくつも見つかると思います。
また、英語学習者にはいろんなレベルの方がいるので、それぞれレベル分けされています。
レベルは7段階に分かれていて、下のラダーシリーズより自分のレベルに合ったものが選びやすいと思います。
語順通りにスラスラ英語を読めることを目的とする多読用であれば、現在のあなたのTOEICや英検換算レベルより2〜3つ下げたものを選ぶことをお勧めします。
たとえば、ピアソンイングリッシュリーダーの「レベル3」は
・語彙が1200語
・英検準2級〜2級
という目安になっていますが、TOEICだと400〜500点程度、高校1年生〜2年生レベルといったところでしょう。
なので、レベル3は、TOEIC400〜500点、英検準2級〜2級レベルの人が取り組むことは、私はお勧めしません。
そうではなく、TOEIC600〜700点レベル、英検準1級レベルの人がレベル3を読むのがお勧めです。実際、私がTOEIC700点台の頃に、高1のレベルの英語リーディング教材がちょうど良くどんどん読めるレベルでした。
ラダーシリーズ
上記のピアソンイングリッシュリーダーと同じく、学習者向けに単語や文法のレベルが調整されています。
中学校レベルから中級者レベルまで5段階に分かれていて、小説だけでなく伝記やノンフィクションなどがたくさんあります。ラダーシリーズは、巻末のワードリストで単語の意味を確認できます。
ラダーシリーズのレベルは、以下のようになっています。
出典:ラダーシリーズについて
ちなみに、ラダーシリーズの本がオーディオブックで聴き放題のサービスもあります!
▶英語初級者に最適!おすすめ洋書オーディオブック15冊【ラダーシリーズ】
多読の森
たくさんの語彙制限本が月額800円で読み放題(100円プラスで聞き放題)です。
ラダーシリーズやピアソンイングリッシュリーダーの本を買っていたら結構お金がかかるので、毎月たくさん読みたい方はこちらも検討してみてください。
読み放題なので、紙の本ではなくブラウザで読むスタイルですが、読書スピードなども測ることができます。
→多読の森
多聴多読マガジン
多聴多読マガジン(定期購読で最大17%オフ)
多聴多読マガジンは、定価1,480円の雑誌ですが、初級者と中級者向けに多聴・多読ができる素材が入っています。音声つき。
複数の洋書が掲載されているので、自分に合ったレベルの洋書を見つけることができます。
いきなりピアソンやラダーシリーズの本を買おうにも、自分のレベルがよくわからないという場合は、この雑誌の洋書を実際に読んでみて、自分に合ったレベルを試してみてもいいかも。
COMMONLIT
英語ネイティブの小学生〜高校生の国語の授業で使うことを目的として、オンラインで無料で読める読み物をたくさん集めたサイトです。
読み物はレベル別に分かれていて、3rd〜5th Gradeがアメリカの小学生向け、6th〜8thが中学生向け、9th〜12thが高校生向けです。
難しい単語(その学年の子にとってのいわゆる新出単語のようなもの)には注がついていて意味がすぐに調べられるので、便利です。ただし定義を含めサイトは英語なので、中級者以上向けです。
上で紹介しているような長い読み物ではなく、偉人伝、文化、環境、歴史、エンタメ、短編小説など、興味深い素材が揃っています。私が塾講師時代に多読をはじめた時にたくさん読んだ素材に一番近いのが、これです。
パブリックドメインの洋書
『トム・ソーヤーの冒険』『白鯨』『高慢と偏見』など、誰でも知っている古典の名作の版権が切れたものが、オンラインで無料で読めます。
たくさん読みたいけどお金はかけたくない方は、こちらもお勧めです。ただ、学習者向けに単語や文法の調節はされていないので、上級者にお勧めです。
洋書が無料で多読できるサイトについて、詳しくはこのページに書いてあります。
日本のマンガの英語版
あなたが好きな日本のマンガの英語版も、多読素材として非常にいいと思います。
単語は難しい場合もありますが、あなたの好きなマンガや、ストーリーをすでに知っているマンガであれば、絵の助けもあるので読みやすいです。
私は、鬼滅の刃の日本語版全巻と英語版19巻まで(買った時の最新刊まで)を大人買いして、読んでいます!
海外でもものすごく人気があるので、日本人として読んでおこうと思って。
日本語と英語の翻訳を比較しながら読むのも楽しいです。マンガって、オノマトペ(擬音語・擬態語)が多いので、鬼滅の刃の翻訳者さんは苦労しただろうなー。
英語多読教材の正しい選び方と、おすすめ書籍・まとめ
というわけで、多読の教材の正しい選び方と、おすすめ書籍やサービスをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
・ピアソンイングリッシュリーダー(旧ペンギンリーダー)
・ラダーシリーズ
・多読の森
・多聴多読マガジン
・COMMONLIT
・パブリックドメインの洋書
・日本のマンガの英語版
これらの中で、あなたのお気に入りをぜひ見つけてみてくださいね。そして、楽しみながら継続してください。
最後に重要なことは、今日現在のあなたにとって難しい英語、つまり、知らない単語を辞書で引いて、構文を分析してようやく理解できるような英語を、今のあなたが「英語のまま」スラスラ理解するのは無理です。
難しいものをやるのではなく、「今日現在のあなたにとって簡単なもの」に触れることで、英語を英語のまま理解する感覚を身につけるのです。
「英語を日本語にしないと理解できない」「返り読みしないと読めない」という、よくある悩みは、「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語」にたくさん触れることで解決します。
日本の英語学習者さんって、真面目な勉強家が多いので、ついつい難しめの教材を背伸びして選んでしまうことが多いです。でも、多読に関してはそれは厳禁です。
難しめの素材は、きっとこれまで何度も読もうと試みてきたのではないですか?そして、挫折したのではなかったでしょうか?
「自分にとって簡単なものをやるなんて、なんだか甘えてるみたい。もっと自分に厳しくなければ」なんて、マゾにならないでください。(笑)
というわけで、お役に立ったら幸いです。
以下の記事も参考になると思います!合わせてどうぞ。
▶翻訳者の私が英語リーディングのコツを掴んだ時にやったこと3つ