2019年10月9日
英英vs英和辞典、英語学習に効果的なのはどっちか徹底比較してみた
エバンス愛
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英英辞典がいいのか英和辞典がいいのか、これは英語学習系のブロガー、Youtuberの間でも意見が割れています。
つまり、英英辞典のおかげで高い英語力を身につけた人もいれば、英和辞典しか使っていなくても高い英語力を身につけた人もいるということ。乱暴に言えば、「どっちでも結果は出る」ということです。
私は英和辞典派です。メイン(9割以上)は英和辞典です。とは言え、私は職業柄、辞書の使用頻度が高いので、英英辞典も一般の人よりは使っていると思いますけどね。
この記事では、あくまでも私の意見として、英英辞典と英和辞典はどっちがいいのか、徹底比較してみたいと思います!そして、英和と英英をどう使い分けたらいいのか、できるだけわかりやすく場面別にお伝えします。
コンテンツ
英英と英和のどっちを使うかは、目的とレベル次第
英英辞典と英和辞典のどっちを使うのがいいのかは、その人の勉強の目的や状況、英語レベルによって違います。
では、どういう時に英英がよくて、どういう場合なら英和がいいのでしょうか?
1.単語を効率よくたくさん覚えたいなら、英和辞典の圧勝
まずは、「新しい単語を覚えたい」なら、英和辞典と英英辞典のどっちがいいのでしょうか?
「単語を効率よくたくさん覚える」ということが目的ならば、これははっきり言って英和辞典の圧勝です。
「英英辞典で単語を調べたら、単語の持つニュアンスが理解できて覚えやすい」って言いますが、重大な事実が見落とされています。
知らない単語を辞書(英和であれ英英であれ)で一度調べたくらいで、単語は覚えられないということです。むしろ、「それで覚えられたら苦労しねー」って話じゃないですか。(;・∀・)
その単語をどこか別のところ(ノートや単語シートなど)に書き写して、それを何度も見たり、その同じ単語に何度も出会うことを重ねて、ようやく身につくものです。
であれば、辞書を使って単語を覚えるには、「どこかに書く(write down)」という作業が必須になります。
で、私の場合、こういう単語シートを使っています。(メール講座でフォーマットを無料プレゼントしています)
私は、アルクの英辞郎Proを愛用しています。英辞郎で知らない単語を調べて、定義を下半分に書き込んでいます。仮に、この小さなスペースに英英辞典で調べた定義を書こうとすると、悲惨なことになるでしょう。
英和辞典 bloc=連合
英英辞典 bloc=a group of countries or people that have similar political interests
これだけの文字数の差があるのです。スペースを大きくして英英辞典の説明を書き写すにしても、ものすごい時間がかかってしまいます。
暗記のために、ノートなど別のところに書き写すことを目的として単語を辞書で調べるのなら、英和辞典を使った方がいいです。
そして、英語・日本語が対になった単語帳やシートを使って単語を覚えていくと、なかには何度繰り返しても全然頭に入っていかず、なかなか覚えられないものが出てくるはずです。その覚えられない単語だけ、英英辞典で調べるのが私はお勧めです。言葉に対する理解が深まって覚えやすくなったりします。
2.似たような定義の単語の違いを知りたいなら、英英辞典
同じような定義が書いてある2つの単語を見て、「どう違うの?」と思った時、それが英英辞典の出番です。
たとえば、英語のreservationとappointment。英和辞典で調べると、どちらも「予約」です。
「これって全く同じ使い方していいの?違うなら、どう違うの?」こういう時は、英英辞典で調べた方が早いです。
英英辞典で調べると、こうあります。
reservation:an arrangement in which something such as a seat on an aircraft or a table at a restaurant is kept for you(訳:飛行機の席やレストランのテーブルなどを確保するための取り決め)
appointment:a formal arrangement to meet or visit someone at a particular time and place(訳:特定の時間と場所で人に会ったり訪問するための正式な取り決め)
(Cambridge Dictionaryより抜粋)
これで、日本語では同じ「予約」でも、違う意味なんだなとわかります。これで、たとえば歯医者さんの予約だったら「決まった時間にクリニックを訪問する約束のことだから、appointmentだな!」と理解することができるわけです。
英英辞典は、「定義」ではなく「説明」が載っているので、こういう時には英英辞典の方が重宝します。
3.日本語の定義がピンと来ない時は英英辞典
英和辞典を使って単語を調べていると、日本語の定義を読んでも「ん?」と意味がわからないことが時々あります。
たとえば、最近日本でもよく使われる言葉に”sustainable(サスティナブル)”とか”sustainability”という言葉があります。英和辞典で調べると「持続可能な」と書いてあるんですが、イマイチイメージがわかないし、覚えにくいです。
日本語をの定義を読んでもピンと来ない、そんな時は英英辞典の出番です。
英英辞典で調べると、こう書いてあります。
sustainable:able to continue without causing damage to the environment(訳:環境を損なうことなく持続できる)
(LONGMANより抜粋)
ただ長く続くというより、「環境にやさしい」というのがメインの意味なんだなということがわかります。そうすると、「持続可能な」という曖昧な日本語にエコなイメージが加わるので、理解が深まります。
4.日本語にどんぴしゃの語彙がある単語(特に名詞)は英和辞典
日本語と英語が全く同じものを指している場合は、英英辞典の方が何倍も早いし効率的です。
たとえば、あなたが出会った知らない単語を英英辞書で調べると、こう書いてあったとしましょう。
a serious disease in which there is too much sugar in your blood
(LONGMANより抜粋)
どうですか? これを読んで、あなたはそのまま英語で「ふーん、そうか」と理解して終わったでしょうか?
それとも・・・
「えっと・・・血液中の砂糖が多すぎ? 重大な病気だから・・・あ、『糖尿病』のことかな?」
と、つい日本語訳を思い浮かべてしまったのではないでしょうか?
このように、英語のdiabetesには、日本語の「糖尿病」というドンピシャな単語があります。どちらも、全く同じ病気のことを言っています。
「車」と「car」も、同じものを指します。英英辞典で「エンジンと4つのタイヤと座席がついた・・・」とかいう連想ゲームより、英和辞典の方がずっと早いし効率的です。
病名以外にも、体の部位、動物、植物、物質などを指す言葉(多くは名詞)は、英和辞典の方が何倍も早く単語の意味をつかめます。
せっかく英和辞典で調べても、日本語の定義が思い浮かんでしまうなら、最初から英和辞典にしとけばいいのではないでしょうか? 面倒くさがりな私は、そう思ってしまいます。
もちろん、「日本語にドンピシャの語彙があるかどうか」は調べてみないとわかりません。でも、多くの単語はそうなので、まずは英和辞典で調べてみたらいいのではないでしょうか。
ニュアンスの違いが知りたかったら、または定義がピンと来なかったら英英辞典に切り替える、というやり方がいいのではないかと私は思います。
「遠回りしてでも、英語を読んで理解すること自体に意味がある。それで英語脳が鍛えられる」という議論もわかります。これについては、お伝えしたいことがたくさんあるので、別の機会に解説したいと思います。
5.通訳者・翻訳者を目指すなら英和辞典
通訳者・翻訳者を目指すなら、英和辞典を使った方がいいと思います。
「意味は完全にわかるのに、日本語で何て言うかわからない〜(´;ω;`)」では、仕事になりません。私は通訳の現場で、これで痛い思いをした経験が何度もあります。
通訳者・翻訳者なら、英語は言うまでもありませんが、日本語もしっかり磨いておく必要があります。普段から、「この英単語は日本語でどういう定義だろう?」としっかり考える癖付けのためにも、英和辞典がメインの方がいいでしょう。
逆に、日本語の定義を知らなくても問題ない状況の海外在住の人などは、英英辞典を活用するといいと思います。
通訳者が3日で150個の単語を覚える方法を記事にしました。良かったらどうぞ。
6.英語の初級者・中級者は英和辞典
英語の初級者・中級者の人は、知らない単語を英英辞典で調べても、その説明の中にまた知らない単語が出てくることが多いはずです。で、その単語を調べたら、また知らない単語が出てきて・・・・って。
それを根気強く毎回やれる人ならいいのですが、そんな勉強、続くでしょうか・・・?それに、そうやってグルグル調べていたら、最初に何の単語が調べたかったのかも忘れてしまわないでしょうか?(;・∀・)
中級者くらいまでは、英英辞典で単語を調べて理解するのに時間がかかりすぎるので、効率が悪いです。TOEIC800点以上くらいの上級者さんが、ニュアンスの違いを知るために英英辞典を使うのが賢いやり方だと思います。
7.忙しくて勉強時間が少ないなら英和辞典
英英辞典を使うと、英和辞典を使う何倍も時間がかかります。英和辞典なら、短い定義を見たら1秒でパッとわかりますが、英英辞典は説明の英語文を解読するのに10秒くらいはかかります。
もちろん、慣れたら多少は短くなりますが、英和辞典より短くなることはありません。
英英辞典は、語学留学中の学生さんなど、勉強にたくさん時間を費やすことができる人がメインの辞書として使ったらいいのではないかなと思います。
仕事や育児で忙しい人は、知らない単語の意味は英英辞典でサクッと短時間で調べた方がいいです。
貴重な時間を大切に使うためにも、非効率的な勉強はしたくないですよね。英語のマスターにどれくらい時間がかかるのか、炎上覚悟でぶっちゃけた記事がこちら。
まとめ・英英と英和は、目的とレベルで使い分ける
以上、いかがだったでしょうか? あくまでも私の意見ですが、以下のように使い分けるといいのではないかと思います!
英和辞典:
・単語を効率よくたくさん覚えたい
・日本語にどんぴしゃの語彙がある単語(特に名詞)を調べる
・通訳者・翻訳者を目指している
・初級者・中級者レベル
・忙しくて勉強時間が少ない
英英辞典:
・似たような定義の単語の違いを知りたい
・日本語の定義がピンと来ない
以上、お役に立ったら幸いです!
単語が覚えられなくて悩んでいるなら、こちらもぜひどうぞ。