大人の英語脳の作り方|リスニングで「英語のまま理解する感覚」を身につける方法


英語を英語のままで理解するには、どうしたらいいの?どういう勉強をすれば、「英語脳」ができるんだろう?

ついつい日本語に翻訳してしまって、英語のスピードについていけなくなる・・・大人は、もう「英語脳」はできないのかな?
こう悩んでいる英語学習者は、とても多いです。あなたも、同じように考えたことはありませんか?
この記事では、大人がリスニングで「英語のまま理解する感覚」を身につける作り方を、手順とコツまでお伝えします。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ 「英語脳」とは何か、大人からでも感覚は身につく理由
✅ なぜリスニングで日本語に訳してしまうのか(意志のせいではない)
✅ リスニングで英語脳の感覚を身につける4ステップ
✅ 大人が英語脳を作るときに押さえる3つのコツ
✅ よくある質問への答え
私は、英会話スクールや英語圏留学なしで、社会人から独学で英語を勉強し直して通訳になりました。その経験も交えながら、今日から実践できる作り方をお伝えします。
「英語脳」とは何か?大人からでも感覚は身につく

「英語脳」とは、英語を日本語に訳さず、英語のまま理解している状態のことです。
まず、大前提として「英語を理解する」とはどういうことでしょう?それは、「意味がわかる」ということであり、「頭の中にその概念(イメージ)が浮かんでいること」を指します。
英語でも日本語でもなく、そのイメージが頭に描けているということです。
だから、英語を聞いたときに「りんご」という日本語を思い浮かべるのではなく、赤いりんごのイメージが直接浮かぶ。そういう状態が、英語脳で理解しているということになります。

大人になってからでも、このような「英語を英語のまま理解する」感覚は育てられます!
次のセクションから、なぜ頭の中で日本語に訳してしまうのか、そしてどうすれば「英語のまま理解する感覚」を身につけられるのかを、具体的な手順でお伝えします。
日本語に訳してしまうのは、難しい英語を聞いているから

私たちが頭の中で英語をついつい日本語に訳してしまう理由は、「聞いている英語が難しいから」です。そこを押さえれば、何をすればいいかが見えてきます。
英語 → 日本語 → イメージ と、英語 → イメージ の違い
たとえば、
She is a good tennis player.
という英語が聞こえてきたとき、または文字で読んだとき、私たちはどのようにこの英語を脳内で処理するか、ちょっと考えてみましょう。
私たちが英語初心者だった中学1年生の頃は、このように、まず日本語に翻訳してから理解していたと思います。

でも、だんだん英語に慣れてきて、もっと高度な英語が理解できるようになると、直接英語から映像化して処理できるようになったと思います。日本語を介さず英語脳で理解できている状態ですね。


いえ、私はそのレベルの英語でもまだ日本語にしてしまいます・・・
という方もいるかもしれません。
ですが、たとえば、“I love you.” という英語だったらどうでしょう?
あなたが字幕なしで映画を見ていたとして、登場人物が”I love you.”という言葉を発したとき。

えっと〜、I love youは「私はあなたを愛している」だから・・・
と、日本語にしないと分からないでしょうか?
それとも、「愛してる」という日本語にせず、

胸キュンなんだな!
と、英語のままでその状況を理解できますか?
おそらく、英語のままで理解できているはずです。
“I love you”を聞いて英語のままで意味が理解できたあなたは、”I love you”というフレーズにおいてはすでに英語脳を持っているのです。
つまり、英語を英語のままで理解するのは、「できる時とできない時がある」のです。ここ、非常に重要です。
英語脳が発動する条件と、日本語に訳してしまう時の違い
では、私たちはどんな時に英語が英語のままで理解できるのでしょうか?どんな場合なら、英語脳が発動するのでしょうか?
それは、上記で例に挙げたような、「自分のレベルよりはるかに簡単な英語のとき」です。
・使われている単語や文章構造が今の自分にとって簡単である
・内容が身近である
She is a good tennis player. や I love you. といった英語は、単語や文法、話のテーマも私たちにとってなじみがあるものばかりですよね。
だから、英語のままで理解できるのです。
では逆に、英語が英語のままで理解できないのはどんな時でしょうか?
・使われている単語や文章構造が今の自分にとって難しい
・内容が身近ではない
たとえば、以下の英文を読んでみてください。
When a composite variable is used as a primary variable, the components of this variable may sometimes be analysed separately, where clinically meaningful and validated.
訳)合成変数が主要変数として用いられる場合、合成変数の成分に臨床的意義がありかつ妥当性が示されているならば、その成分を個別に解析することがある。(英辞郎より引用)
私は、この英文を読んで、「英語のままで」理解することはできません。
以下、これを読んでいる私の脳内です。
variableって、名詞だと「変数」って意味だったっけかな〜・・・。てか、この文章、何の話?analysedってあるから、なんかの解析の話か・・・。whereの後ろ、なんか文法的に変・・・ああ、そうか、「○○な場合は」みたいな意味で、S+Vが省略されてるのかな・・・
このように、「変数」「解析」「場合」といった日本語が頭の中でぐるぐるします。日本語脳になっちゃうんですね。
私が日本語脳になってしまう理由は、この分野の単語や内容になじみがないからです。
この文章が英語のままでスラスラ理解できて状況が頭の中にイメージできるのは、医薬分野に長く英語を使って携わっていて、数学や解析の知識がある人だけです。
多分、私の前職の通訳歴20年以上の先輩でも、この文章を英語のままですんなり理解はできないです。
訳してしまうのは「難しい英語を聞いているから」
ここで重要なことをお伝えします。
英語のプロである通訳者も、すべての英語がいつも英語のままで理解できるわけではなく、常に英語脳なわけじゃないんです。
日本人なんだから、日本語が頭に浮かぶのは当たり前。頭から日本語を完全に排除することは不可能です。
私たちがリスニングで日本語に訳してしまうのは、「今の自分にとって難しい英語を聞いているから」です。
だから、何をどう聞くかを変えれば、英語のまま理解する感覚は育てられます。
リスニングで英語脳の感覚を身につける4ステップ

私たちが英語脳を身につける方法は、「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語」をたくさんインプットすることです。
ほとんどの英語学習者は、自分のレベルに対して難しい素材を使いすぎです。

確かに、「簡単な英語を聞いても意味ないんじゃないか」と思って、いつも難しい教材でリスニングしてる気がする・・・
そうですよね。でも、「そもそも難しい英語だから、日本語に直さないと理解できない」のです。
日本語にしなくても理解できるレベルの英語にたくさん触れて、英語を英語のままで理解できる「英語脳」を強化しましょう。
そして、より難しいレベルの英語も英語のままで理解できるように、ちょっとずつ難しい教材にも挑戦していけばいいのです。
では、ここからは私たち大人が今日から実践できる「英語脳の作り方」を、リスニング中心の4ステップでお伝えします。
ステップ1:訳さず理解できるレベルの英語を選ぶ
英語を日本語に翻訳せず英語のままで理解できるようになるために使う教材は、とにかく、自分のレベルよりはるかに簡単な英語です。
「はるかに」というのがポイントです!
たとえば、NHKラジオの基礎英語は、中学生レベルなので英語のままですっと理解できる文はたくさんあるはずです。
私も、英語のやり直し開始からTOEIC700点レベルの頃まで、NHKラジオの基礎英語1(中1レベル)にめちゃくちゃお世話になりました。
TOEIC700点といえば、通常なら余裕で大学受験も突破できるレベルです。その頃に、ラジオで中学1年生レベルの「基礎英語1」をたくさん聞いていたわけです。
このあたりが、中学生レベルの英語でおすすめです。
自分にとってやさしい英語をたくさん耳に入れることで、自然と英語のままで理解する癖がつきます。そして、その「自分にとってやさしい英語」のレベルを上げていけば良いのです。
ステップ2:その英語を毎日リスニングする(ながら聞き)
自分のレベルよりはるかに簡単な英語のインプットを机でやるのはもったいないので、(机ではもっとチャレンジングなものに取り組むべきです)時間をうまく使って、学習効果を高めましょう。
自分にとって簡単な英語を「ながら聞き」しながらお皿洗いなどの家事をすると、その時間が英語時間になります。注意が多少散漫になっても、簡単なので十分ついていけます。
通勤や家事の合間にリスニング時間をかき集めるコツは、以下の記事でも紹介しています。


ステップ3:少しずつ難易度を上げる
ステップ1と2で「このレベルなら訳さずに理解できる」という感覚がつかめてきたら、少しだけ難易度を上げた教材に挑戦してみてください。
今は「頭の中で訳さないと理解できないな」と思っている素材も、あなたの英語力がそのレベルに達したとき、英語のままで理解できるようになります。
焦らず、自分にとってやさしい英語の幅を広げていくイメージで進めましょう。
ステップ4:リスニングに加えてシャドーイングで定着させる
簡単な英語でシャドーイングしてみましょう。
聞くだけなら、日本語を介さず楽勝で理解できる英語でも、何も見ないでシャドーイングしようと思うと、最初は思うように口が回らなくて、びっくりするはずです。
シャドーイングをすることで、日本語に直すまでもなく理解できる英語のインプットが可能になり、しかも発音やイントネーションも上達します。
シャドーイングで英語を英語のまま理解できる英語脳ができ、しかも発音も良くなるなんて、すごくお得ですよね!
シャドーイングのやり方や教材選びは、以下の記事で詳しく解説しています。


大人が英語脳を作るときに押さえる3つのコツ

英語脳を作るための勉強を続けやすくするためと、つまずきを防ぐためのコツを3つにまとめました。
コツ1:簡単でなじみのあるテーマで訓練する(知識のない分野は使わない)
「簡単で、自分になじみがあるテーマ」で訓練すること。自分が知識のない分野の英語を使わないこと。たくさんやること。
まずは、これが重要です。
専門外の英語を無理に聞いても、日本語がぐるぐるするだけです。まずは、日常で使う表現が多い教材から始めるのがおすすめです。
コツ2:基礎を飽きるほど、条件反射でできるまでやる
基礎を、飽きるほど、条件反射でできるくらいまでやることも重要です。

こんな簡単な英語を聞いてていいの?
そう、不安になることもあるかもしれません。
ですが、簡単な英語を大量にインプットすることでしか、「英語の語順で英語のまま理解する」癖はつきません。
「簡単すぎるな」と思う場合は、ぜひシャドーイングに挑戦してみましょう。最初は口が回らなくてびっくりするはずです。
シャドーイングもスラスラできるし、そこに書いてある英語表現は完全に自分の言葉としてアウトプットできる、というレベルなら、もっと難しいものを聞いて大丈夫です。
コツ3:既存のルーティンにリスニングを組み込む(時間の使い方)
まとまった勉強時間が取れなくても、通勤・家事・散歩など、すでにある時間にリスニングを組み込めば、毎日続けられます。
習慣化のコツは、以下の記事で詳しく書いています。


英語脳の作り方でよくある質問

英語を英語のままで理解する英語脳の作り方について、よくいただく質問に答えます。
Q. 英語脳の感覚が身につくまで、どのくらいかかりますか?
個人差がありますが、毎日リスニング(ながら聞きやシャドーイング含む)を続けていると、数ヶ月で「このレベルなら訳さずに理解できる」という感覚が、少しずつ広がっていくのを実感できる方が多いです。
焦らず、自分にとって簡単な英語をたくさん聞くことを優先してください。
Q. 英語の聞き流しではダメでしょうか?
「聞き流し」が効果的になるのは、意味がだいたい分かるレベルの英語を聞いているときだけです。意味が分からない英語を流しっぱなしにしても、英語のまま理解できるようにはなりません。
たとえば、意味がわからないのにCNNニュースを流しっぱなしにしていても、ほぼ効果はないです!
自分にとって簡単で、日本語に直さなくても理解できる英語なら、ながら聞き(聞き流しに近い形)でたくさん聞くのはとても有効です。レベル選びが大切です。
意味が分からないままの聞き流しがなぜ効果がないかは、別の記事で詳しく書いています。


Q. 瞬間英作文をやると、英語脳は作れなくなる?

瞬間英作文は日本語から英語への変換だから、英語脳にはなれないのでは?
と心配される方もいます。
でも、瞬間英作文で身につくのは「文を組み立てるパターン」であり、英語を英語のまま理解する感覚を邪魔するものではありません。
なので、瞬間英作文をやっても英語脳は作れますので、安心してください。
詳しくは、以下の記事で解説しています。

Q. 大人からでも本当に感覚は身につく?
はい、身につきます!
脳は大人になってからでも、適切なインプットを続けることで「英語のまま理解する」回路を強化できます。大切なのは、自分にとって簡単な英語をたくさん聞くことと、続けることです。
私も、大人になってから英語脳、フランス語脳、イタリア語脳を獲得しました!イタリア語に至っては、アラフィフになってからです。
Q. つい頭の中で日本語に訳してしまうのを減らすには?
英語を聞いている時に頭に日本語が浮かんでしまうこと自体は、日本語が母国語の私たちには当たり前です。だから、

また頭に日本語が浮かんでしまった!ダメだ〜〜!!
と、潔癖症にならないで大丈夫です!
あまりに日本語ばかりがグルグルしてしまう場合、その原因は「難しい英語ばかり聞いているから」です。
ながら聞きで簡単な英語をたくさんリスニングすることを通じて、だんだんと英語を英語のままで理解できる感覚を育てていけば、大丈夫です。
まとめ|リスニングで「英語のまま理解する感覚」を育てよう
最後に、この記事でお伝えしたことを整理します。
✅ 英語脳とは、英語を日本語に訳さずイメージで理解する状態。大人からでも感覚は育てられる
やり方次第で、リスニングで「英語のまま理解する感覚」は身につきます。
✅ 訳してしまう理由は「難しい英語を聞いているから」。教材のレベルを見直そう
易しい英語なら訳さず理解できるときがある。できる時とできない時がある、がポイントです。
✅ 作り方の核心は「簡単に理解できる英語をたくさんインプットすること」
難しい英語の聞き流しは効果なし。自分のレベルよりはるかに簡単な英語を選び、毎日リスニングとシャドーイングで触れましょう。
✅ 4ステップで進める
易しい英語を選ぶ → 毎日リスニング(ながら聞き)→ 少しずつ難易度を上げる → シャドーイングで定着させる。
✅ 3つのコツを押さえる
なじみのあるテーマで訓練する。基礎を飽きるほどやる。既存のルーティンにリスニングを組み込む。
現在のあなたが「難しいな」と感じる英語の素材を聞いても、現在のあなたの英語力では、英語のままで理解するのは無理です。
そして、今は「頭の中で訳さないと理解できないな」と思っている素材は、その上のレベルにあなたの英語力が達したとき、英語のままで理解できるようになります。
「英語を英語のまま理解する力」を身につけるには、自分の実力より簡単だと思える英語を日常的に読んだり聞いたりしながら、段階的に「英語脳」をつくっていくというのが解決策です。

自分にとって簡単な英語に、たくさん触れてもいいんだ!
そう思えたら、気が楽になりませんか?
今日から、一緒に始めましょう。お役に立ったら幸いです。


