2018年5月10日
瞬間英作文の効果が出るのにかかった時間と、私に起きた超現象
エバンス愛
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私は、瞬間英作文という方法で独学で英会話のトレーニングをしました。
このページでは、私がどのように訓練をして、TOEICが何点くらいの時にどのくらいの瞬間英作文をやっていたのか、英会話力がどのようになったのか、私の歴史を赤裸々に述べたいと思います!
先を読み進める前に、瞬間英作文というトレーニング法について詳しく知りたい場合はこちらをどうぞ。
コンテンツ
瞬間英作文の効果・私の英会話力アップの道のり
「英作文を書くのではなく、口頭で行う」という方法で私の英会話力は見違えるほど上がったのですが、どのくらいのレベルの口頭英作文ができるころに、一体どのくらい英会話ができたのか?
ここでは、私の過去の英会話力の推移と、口頭英作文のレベルとを合わせてお話しします。
TOEIC800点程度
私は、TOEIC800点くらいの頃に、口頭英作文らしきことをはじめました。(※800点台になるまで口頭英作文をやってはいけないという意味ではありません)
それまでも大学で留学生ボランティアなどやっていたので、全く英会話力がゼロだったわけではありません。「簡単なこと」を「ゆっくりと」なら、間違いもたくさんありつつも最低限のことは話すことができました。
でも、少しでも複雑なことを言おうとしたり、素早く反応しようと思うと、全然英語が口からスラスラとは出ない状態。
また、恥ずかしながら当時は、とっさの会話となると基本中の基本である does, has, is などが全然使いこなせていませんでした。
He is play soccer. とか、Does she a teacher? とか、変な英語ばかりが口から出てきてしまっていました。(汗)
もちろん、TOEIC800点なので、文法のルールは知っているし、英作文を書けばいいだけなら問題ありません。でも、口頭で瞬間的に言おうとすると、これらがごちゃ混ぜで変な英語をしゃべっていました。
TOEIC980点を取った頃
口頭英作文を始めた当初よりは、中学生レベルはスムーズにはなってきました。He is play soccer. とか Does she a teacher? なんていう、バカな間違いもようやくしなくなりました。
でも、高校生に英語を教えていましたが、高校生用の英作文はまだとても口頭でできるレベルではありませんでした。だから全部答えを前もって書いてから教えていました。
流暢とはとてもいい難いレベルで、よくつっかえるし、複雑な文章は言えないので、簡単な文章をひたすらandやbutでつなげて話す程度でした。たとえばifやalthoughを使った文章とか、関係代名詞を使った文章とか、いわゆる「複文」が全然使いこなせませんでした。
ちなみに、私の経験では、こういう表現が英会話で「自分のものになったな」と思えたのは、TOEIC980点を取った何年も後です。「TOEICがそんな点数でも、中学生レベルのif文とか関係代名詞も会話で使えないの?」とびっくりされるかもしれませんが、本当に言えなかったんです。
私の場合、英会話のトレーニングを始めるのが遅すぎたんですね。だから、TOEIC高得点でも全然話せないという悲しい状態を招いてしまいました。
口頭英作文暗黒時代
塾講師を辞めて以来、口頭で英作文をすることが全くなくなりました。
というのも、当時は口頭で英作文を毎日頑張っていたのはあくまでも塾の予習のためであって、それが英会話の上達につながるとは知らなかったからなのです。
それでも、この頃は近所のスキューバダイビングクラブにいたアイルランド人の通訳のようなお世話をしたり、夫と結婚したりと、英語を話す機会は増えました。
瞬間英作文で瞬発力といろんな構文パターンを鍛えていたおかげで、普通にネイティブスピーカーと会話を成立させられるようになりました。英語が得意じゃない人からは、「ペラペラですね」と言われるレベルです。
でも・・・「ペラペラ」という言葉ほど人によって基準がバラバラなものはありません。その人の感覚からすると、私はペラペラ。でも、自分の感覚からすると、ペラペラなんてとんでもない。
実際は、自分になじみ深い話だとわりとスラスラしゃべるけれど、よくわからない内容だととたんに「・・・・・(チーン)」 という感じでした。
通訳1年目
自分になじみのある話題なら割とスラスラしゃべれるし、同僚のアメリカ人との会話もストレスなくできました。通訳にも採用されました。こういうレベルになれたのは、塾講師時代にみっちりと瞬間英作文で鍛えていたからだと思います。
でも、実は通訳として仕事が満足にできない、英検1級も面接で不合格。そんな状態でした。
あまりに使い物にならない新人だったので先輩に通訳のトレーニングを受けたのですが、この時に、口頭英作文と思わぬ再会を果たすことになりました。
先輩による日英通訳の特訓は、会議資料の文面(日本語)を先輩が読み上げ、私がそれを聞いてメモを取り口頭で通訳するという方法でした。
私は通訳学校に行ったことがないので通訳のトレーニング法も何も知らなかったのですが、「そうか!これって塾の予習でやってたのと同じじゃないか!これを自分でやればいいんだ」とその時に気づきました。
それから、自分が出席する会議の資料を読むときに書いてある日本語を目で追いながら頭の中で(あるいは小声で)英語に訳していくという自主トレーニングを始めました。
仕事中に会議の準備をする時だけでなく、会社案内のパンフレットを家に持って帰ってその日本語を読んでは口頭で英語にするということも続けました。この方法を1~2年くらい続けることで、たいていの口頭英作文は即座にできるようになりました。
余談ですが、通訳の仕事って日本語しかない文書を通訳が初見で英語に訳して読み上げ、外国人に内容を知らせる場面が結構よくあります。なので、この口頭英作文のスキルって通訳になりたい人には必須なんですよね。私は知りませんでしたが。
で、英検1級の2次対策としても口頭英作文は大いに役立ちました。合格したのは、この通訳1年生の時ですが、これをやったから私は合格できたと言っても過言ではありません。
瞬間英作文を実践して私の身に起きた現象
瞬間英作文を始めて1ヶ月で「諦め」と「瞬発力」がつく
私は、瞬間英作文を本格的に始めたのは通訳の仕事を始めてからなので、「何とか話せる」レベルからのスタートでした。ですので、やりはじめて1ヶ月くらいでは、英会話力自体が変わったなという成果は見えませんでした。
でも、自分の口から出てくる英語のレベルには変化がまだ見えないものの、「間違っても通じればいいや!」という勢い、もしくは諦めが、1ヶ月くらいでつき始めました。それに従って、瞬発力もつき始めました。
実は、この「通じれば少々間違っててもいいや!」という諦めって、ものすごく大事なんです。多くの日本人が英会話ができない理由は、まさにこの「諦める力」が身についていないから。
間違ったら恥ずかしい。文法的に正しい英語を話したい。変な英語は話したくない・・・
そういう気持ちが私たち日本人の英会話力の上達を妨げているんですが、「間違ったら恥ずかしいから」とじっくり考えていては、いつまでも瞬発力は身につきません。会話にも取り残されてしまいますよね。
この「諦める力」を身につけるのに特に効果があるのが、瞬間英作文なんです。
間違ったことを言ってないかどうか、とか自然な表現かどうか、とかそういうのを気にするのは、まだ先でいいです。
正しくて自然な英語を話せるということは、普通の人が思っているより何百倍も難しいことです。現役の通訳にとってもかなり難しいです。
言いたいことをスラスラ言えるようになることと、ネイティブ並みに自然な英語を操れるようになることとの間には、とてつもなく深い溝があります。一生かけて克服しなければいけないような、深い溝です。
私は、多分自分は死ぬまでネイティブと同等の英語は話せないんじゃないかと諦めかけています・・・
何が言いたいかというと、間違っても不自然でも「相手に自分の言いたいことを分かってもらえる」のが最優先です。まずそれありきで、その後で間違いを減らして自然な表現ができるように英語力を磨いていくんです。そうしないと、いつまでも英語を口に出すのが怖いままです。
だから、1ヶ月目は「言いたいことをスラスラ言えるようになる」ことに全力を注いでください。
こんなことを偉そうに書いている私も、かつて「正しい英語しか話したくない」「不自然な英語は嫌」と、正しさやナチュラルさにこだわっていた時期がありました。だからいつまでたっても話せなかったんですね~。今なら痛いほど分かります。
だから、順番を間違えないでくださいね。まずは、間違ってもいいから、不自然でもいいから、とにかく通じる英語を一瞬で口に出せるようになることに集中してください。
英語力が1ヶ月くらいで格段に上がるわけはないのですが、何かあきらめがつくというか、間違える勇気が出るというか、(笑)そんな感じで力が抜けて、英語がスラッと言えるようになってきます。
そうしたら、しめたものです!!
あとは、どんどん瞬間英作文のトレーニングを積んで精度とスピードを上げていくのみです。そうなったら目に見えてどんどん英語が話せるようになるので、どんどん楽しくなりますよ。^^
瞬間英作文を始めて1年で起こったブレイクスルー体験
通訳を始めたばかりの頃、私の仕事のひとつに「外国人のお客様への施設案内」がありました。
海外からのお客さんが来たときに、ひととおり社内をぐるっと回って、「この部署はこんなことやってます~」「この施設はこんなことに使ってます~」といったことを、英語で説明する役目です。
だいたい、一回の所要時間は20分くらいなのですが、私は、この仕事が、苦痛で苦痛でたまらなかったんですね。
毎日外国からお客さんがバンバン来るわけじゃないので、回数としては数ヶ月に1回とか、そんなもんなんですが、なんせ、私自身も全然把握していない他部署のことを説明しないといけないので、毎回冷や汗タラタラでした。
もちろん、そういう機会が与えられていたことは素直にありがたいと思うんです。
何が嫌なのかというと、事前に準備した英文を読み上げるしかない自分が悲しいんです。「お客さんも、こんな案内じゃつまんないよね・・・」そう思いながらも、それしか出来ないので、これまで資料をひたすら読み上げて案内してきました。
毎週でもお客さんが来るのなら、そのうち内容も覚えてしまうだろうし、案内も上手になると思います。
でも、数ヶ月に1回しかない業務の上、英検の2分間スピーチすら覚えられない私が20分のシナリオを暗記できるわけもなく・・・。私のメインの仕事は案内業務ではないので、準備に時間をかけて完璧にやることも求められていませんでした。
ある日、その何ヶ月かに一回の施設案内のチャンスが来たとき、「今度こそ、せめて何も見ずにちゃんと案内したい」そう思って、どうすればいいか考えました。で、結局、瞬間英作文で解決するしかないという結論に達しました。
私は、英語で作っていた案内用の資料から、重要そうな部分を箇条書きにしました。「ここの部分はきちんと伝えないといけない!」というポイントだけを覚えることにして、重要ポイントについての詳しい説明部分は「こんなことを言おう」と頭の中で考えては、ひととおり瞬間英作文しました。
準備時間としては、1時間くらいの短い時間です。英語は覚えないようにしました。とにかく、何を言わなければならないのか、その内容だけを覚えました。結果は・・・
資料を見ずに、20分間きちんと案内できたんです。アイコンタクトを取って、お客さんの反応をちゃんと確認しながら。20分間、とにかくよどみなく言葉が出てきたことに自分で驚きました。
暗記した内容ではなく、そのとき「あ、これを言わなきゃ」そう頭に浮かんだ内容を、すべて、一瞬で英語に変換することができたんです。
なんか、案内が終わったあと、感慨深かったです。「1年前まで、2分間しゃべり続けることさえできなかったのに・・・」と。
もう、私、英語がいくらでも好きなように話せるようになりつつあるんだ・・・と、瞬間英作文をほぼ毎日やるようになって1年後、確実に階段を一段上にのぼったことを実感した一日でした。
瞬間英作文を始めて2年、英語の神が降臨するようになった話
瞬間英作文に真剣に取り組むようになって2年ほど経つと、面白いことが起こりはじめました。たまになのですが、英語が「降りてくる」ようになったんです(笑)。
この「降りてくる」という感じをどう表現していいのか分からないのですが、まさに、「降りてくる」「降ってくる」という言葉がぴったりなんです。なんか、「笑いの神」ならぬ「英語の神」が降りてくる、みたいな・・・
ちょっと、下の図を見てください。ヘタクソですが・・・ ^^;
私の中では、英語ってこんな感じで積みあがっているイメージです。
黄色は、いつも使う簡単な英語。
とにかく日常で目にしたり口にしたりすることの多い、基本的な英語。
水色は、そこそこ使う英語。
基本的ではあるしよく口にするが、黄色ほどは出番の多くない英語。
オレンジは、たまに使う英語。
見たり聞いたりすれば完全に分かるが、あまり自分からは使わない英語。
紫は、使わない英語。
見たり聞いたりすればおそらく分かるが、「知っている」という自覚すらない程度の英語。
で、英語を話すときは、自分の手が届く範囲(つまり、黄色と水色あたり)の英語表現を使うと、まあまあ気楽に会話することができます。
図からわかる通り、本当は、頭の中にはもっともっとたくさんの英語がストックされています。でも、「会話」をしている状況では、ぴったりくる単語や表現をゆっくり探している時間がありません。
だから、オレンジにもっといい表現があるからといって、自分の背よりちょっと高いオレンジのところにまで手を伸ばそうとすると・・・
手が届きにくいところにあるので、欲しい英語をなかなか見つけることができません。そうこうしているうちに、会話のテンポがズレてしまいます。
誰でも、できればやっぱりオレンジに手を伸ばしたい。伸ばしたいけど・・・・・ぴったりくる表現が、オレンジのどこかにあることは分かってる!でも、どこにあるか分からない~!!
これは、いわゆる「あ~、絶対この単語知ってるはずなのに、とっさに出てこない~!」という状態のこと。だれでも経験ありますよね。
「えっと~、この日本語は英語でなんて言うんだっけ~??」と、その日本語に対応する英語をこっちから手を伸ばして探しに行っている状態だったのが、瞬間英作文を続けることで、こっちから探しに行かなくてもぴったりの英語が、向こうからやって来るようになったんです。
しかも、「やって来る」のは、オレンジではなく紫の英語。
紫というのは、自分の手が届かないところにある英語。つまり、見たり聞いたりすれば分かるけど、自分から取りに行くことはない英語です。
たとえば、「スケジュールの都合で、出席できませんでした」という発言を通訳したときのこと。「スケジュールの都合で」 の部分について、due to schedule conflictsという英語が、無意識に口から出てきました。
「えっと、この日本語は、英語では何て言うんだっけ・・・」と表現を探しに行ったのではありません。
勝手に、その英語がこっちにやって来てくれたという感覚。気がついたら、するするっと言い終わってしまっていました。
で、due to schedule conflictsと言っている自分に対して、「お~、そういえばそんな表現があったな」という感じなんです。
自分の口からその英語が出てくることに、自分で「へぇ〜、こんな表現が自分の中にあったんだ~」と驚くという状態です。だから本当に、「やって来た」とか、「英語の神様が教えてくれた」という表現がぴったり。
まあ実際、たいしてレベルが高い英語ではありません。この表現を読んだり聞いたりしたら、ふつうに意味は取れると思います。でも私としては、こんな表現が自分の中にストックされている自覚すらありませんでした。
「自覚がない」のだから、話したり書いたりするときに自主的に使わないのはもちろん、その表現を一生懸命覚えようとした記憶もありません。
なぜ、英語が「降りてくる」ようになったのか?
瞬間英作文を集中的にやることによって、「欲しい英語」と自分の脳のネットワークがスムーズにつながるようになったのだと思います。瞬間的な日本語と英語のルートを強化していったら、隠れワープがたまにできるようになった、みたいな感じかもしれません。
だから今は、「今度はいつどんな表現が降ってくるかな~♪」と、毎日楽しみにしています。
あなたも、瞬間英作文をたくさんやって、「英語の神が降臨」を経験してみませんか?
まとめ
今の私は、まだネイティブのように完全にナチュラルな英語が操れるとかいうレベルでは決してありません。ネイティブと同等のレベルに達するには、まだ数十年はかかると感じています。
でも、少なくとも「英語でどう言ったらいいか分からない」と止まってしまうことはもうありません。少なくとも「通じる」英語を即座に発することは可能で、言いたいことはたいてい表現できます。
そして、それは瞬間英作文であらゆる場面のことを英語で表現する訓練を続けてきたからです。
以前、TOEIC800点台後半で英検1級を目指している方から
He don’t… や、He lunch eat…などと、人称や語順、時制も無視した話し方をしてしまいます。どうしたら正しく話せるのか悩んでいます。
というご相談をいただきましたが、答えは簡単です。私もずっとそうでしたが、今は、He don’tと言ってしまうということがあり得ないくらい正しい英語が脳と口にこびりついている状態です。それは、瞬間英作文で正しい英語の回路を強化したからです。
文法を「意識しないで」正しく使えるようになるまで瞬間英作文トレーニングを繰り返すことで、言いたいことが自由自在に英語でスラスラ出てくるようになります!
単なる日常会話の暗記ではなく、どんな場面でも通用する本物の英会話力を身につけましょう!