「ネイティブを不快にさせる英語」のホントのところをアメリカ人夫に聞いてみた

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読者さんからこんなメールをいただきました。

メールマガジンでネイティブの言い回しをそのまま覚える必要がない、という内容のがありましたが、丁寧な言い方だけは気になります。

以前本屋で見かけた、ネイティブならこう言う、みたいな本にSit down, please. は失礼(先生が生徒に使うような)、 Please take your seat. じゃないとというようなことが書かれていました。

こなれた表現のような言い回しは今学ぶ必要がないとしても、丁寧さに欠ける無礼な英語を使っているとすると不安です。

”Sit down, please.” は中学生の時に、「Sit down.は先生が生徒に言う感じだけど pleaseをつければ丁寧になる」と習ったのに、あれ?じゃあ pleaseつけても無礼?

それに”You’re welcome. ”は「当然だろ 」という感じだから使わない方がいいとか、次々出てくるけどどうしたらいいんだろう?!まだ知らないで使ってる失礼な言葉がある?!とビクビクしながら話すため、ぼそぼそと小さい声になってしまい、余計に失礼なことになってます。

あと、My name is…を使うと「…でござる」のように古臭くなる、などにも振り回されています。これらはそんなに気にすることではないのでしょうか?



お気持ち、とってもよく分かります。

私も「正しく、丁寧で相手に不快感を与えない」ようにと思って、
「ネイティブには変に聞こえるこんな表現」とか
「その英語、ネイティブに笑われてますよ」といった本を
たくさん参考にしていた時期があります。

でも、その結果、あなたと同じように
「もしかして、これも失礼なんじゃ・・・」「これもおかしいかも・・・?」
あらゆることが心配になって、何も言えなくなってしまいました。

(参考)先輩に通訳のしごきを受けて泣いた過去

で、今はどうかというと、気にしていません。
正確に言えば、「気にしない」と決意しました。

気付かずにいろいろと失礼を働いているかもしれませんが、
ネイティブじゃないのだから仕方ないと思っています。

でも、私にとっては答えはこのように明確なのですが、
実際にネイティブはどうなんだろう?とお思いの方も多いと思うので
アメリカ人の夫に突撃インタビューしてみました!!


私:
「自分の使った英語が失礼で、相手を不快にさせたらどうしよう、
 そう思い始めたら『他にも自分が知らない無礼な表現があるのかも』って
 英語を話すのが怖くなるっていうお悩みメールをもらったんだけど、
 ネイティブとしてはそういう英語に触れたらどう思う?

 たとえば、日本人に『Sit down, please』って言われたらムッとする?」

夫:
「そうだね~。ちょっと攻撃的な表現ではあるよね。
 ムッとする人は確かにいると思うよ」


私:
「あなただったら?」


夫:
「僕は全然平気だよ。
 日本に住んでるネイティブなら、ほぼ問題ないと思う。
 一般的な日本人の英語レベルがよくわかってるから、
 そもそも高い期待をしてない
からね。

 でも、日本のことを全然知らずに
 日本人もみんな英語が普通に話せると勘違いして日本に来た
 ビジネスマンとかだと、不快に思うかもしれない」


私:
「でも、普通の日本人が外国人にそう声をかけるシチュエーションを考えると
 ニコニコしながら、歓迎している雰囲気を表現しながら
 『お疲れでしょう、どうぞどうぞ!!』という気持ちで
 『Sit down』って言うに決まってると思うのよね。

 私がこのメールをくれた彼女に言いたいのは
 『どういう英語表現を使うか』じゃなく『どういう気持ちでそれを言うか』
 がずっと大事ということなんだよね。

 言葉そのものが少々無礼でも、表情やジェスチャーに思いやりがあれば
 こちらが好意的なこと、少なくとも悪気がないことは伝わるだろうし、
 日本の予備知識がないビジネスマンでも大丈夫じゃないかと思うんだけど」


夫:
「確かにそうだね。気持ちが大事だね。
 でも、繰り返すようだけど、不快に思う人はいると思うよ」


私:
「そりゃそうよ。全員に受け入れられるのは無理だし
 何にでもケチをつけたがる意地悪な人は常にいるから、仕方ない。
 それを心配してたらキリがないからね。

 で、もう一つ重要なことがあると私は思ってて、
 それは、英語が上手な人が『Sit down, please』って言ったら
 相手を不快にする可能性はあるってこと。

 相手が自分に対して『英語の不自由な人』という認識じゃない場合、
 『さっさと座って』みたいに受け取られるかもしれない。
 英語が上手ということは、そういうニュアンスや使い分けも
 ちゃんと分かって言ってると相手は自然に思ってしまうから。

 だからつまり、そういう認識をされるレベルに自分が到達しないうちは
 この表現が失礼かもとか気にしなくていい
ってことが私は言いたいんだよね」


夫:
「確かに。僕たちの間でもよく喧嘩になるよね。
 君が言いたいことが、使った英語とちょっとニュアンスがズレてて
 僕がそのまま受け取って怒ったりっていう」


私:
「そうそう。あなた、私が日本人ってことをもう忘れてるからね。
 だからいつも言うじゃない、『私はネイティブじゃないから』って。

 他のネイティブに私がどう思われてるか分からないけど、
 自分の英語で相手を不快にさせてるかもとかいう心配はあまりしてない。
 正確には、心配しないようにしてる。

 だって、世の中に存在する全部の丁寧な表現をマスターするなんて無理だし
 さっきも言ったように、どういう気持ちで言うかの方が大事だから」


夫:
「だね。そんなことを心配する必要は全然ない。
 全部を覚えようとか、完璧に話そうとか思っちゃダメ。
 何を言っても気に入らない人は絶対いるからね。

 それに、ネイティブだって、必ず正しい英語を話すわけじゃないし
 英語がものすごく上手なスウェーデン人やオランダ人だって
 間違った英語を話すことがあるしね」


私:
「ちょっと例えがよくないかもしれないけど、
 『他にも私の知らない失礼な表現があったらどうしよう。
  それを知らずに使ってしまったらどうしよう』っていう心配って、

 『道を歩いていて車にはねられたらどうしよう。
  乗った電車が事故ったらどうしよう。
  曲がり角に殺し屋が潜んでいたらどうしよう』
 って家の外に出られなくなるようなものだと思うんだよね。

 その可能性はゼロじゃないけど、『そうなったらなったでしょうがない』って
 勇気と諦めみたいなものを持って私たちは日々外出するじゃん。

 英語も同じだよね。だから私がこのメールをくれた人に答えるなら
 勇気と諦めを持って、知っている英語を堂々と使ったらいいよって言いたい。
 あなたが心配したようなことはほとんど起こらないし、大丈夫だから、って」


夫:
「だね!」



その他の「無礼」「笑われる」とされる表現について


「You’re welcome」は「当然だろ」という意味に聞こえるということですが
私の夫は普通に使いますけどね~。職場のネイティブも普通に使ってますけどね~。
「当然だろ」と聞こえるという意味は分かるのですが。

あと、「My name is」は、夫の感覚では
古臭いというよりは子供っぽく聞こえるとのことです。



丁寧な表現を「気にしない」「割り切る」とは


で、こういうことを言うと
「じゃあ、無礼な表現を無礼と知りつつそのまま使い続けろってこと?」
と思う方がいると思うので、補足。

「気にしない」「割り切る」とは、
「最適な言い方を学ぶ意思がない」という意味ではありません。

私の場合、こういう言い方が丁寧だとか、この言い方は変に聞こえるといった情報を
どこかで知ったり、そう誰かに指摘されたりしたら、
「今後は言わないよう気をつけよう」とは当然考えます。

「知らないで(忘れてて)言ってしまった」ことは仕方ない、
だから気にしないというスタンスです。

なお、あなたが外国人を相手にする接客業などに従事しているなら、
仕事で使う英語はある程度決まっていると思うので、
最適な定型表現を暗記して対応するのがベストです。

あと、たとえば外国人来訪者の接待や案内などで英語が必要になった場合は、
必要な表現を準備し、失礼がないかどうか
ネイティブ等に最低限のチェックをしてもらうといった努力はした方がいいでしょう。

事前準備で避けることができる無礼は、避けたほうがいいに決まってますよね。

でも、事前準備でカバーしきれなかった「とっさの場面」で
結果的に多少失礼な表現を使ってしまったら、それは仕方ないし、
あなたの真心が表情や態度から伝われば大丈夫なので、
その可能性を心配しすぎないで、ってことです。



考え方は人それぞれですし、
従事している職業や普段接する外国人のタイプにもよりますが、
私は「こういう表現は変」という本から積極的に学ぶということは今は全くしません。

意図的に避けています。

偶然知るところとなった適切な表現はできるだけ覚えようとはしますが、
「自分から覚えにいく」ことはしません。

それは、過去にそのせいで全く英語が話せなくなってしまった経験があるから、
そして「そういうことはそのうち分かるもの」だからです。


ネイティブと同等の英語力を身につけるには、
膨大なインプットとアウトプットの積み重ねが必要です。

たくさんドラマを見たり、外国人と話したりすることが必要です。

だから、ネイティブレベルになる頃には、
いろんなニュアンスも自然に身につき、場面・相手ごとにふさわしい表現も
自然に分かるに決まってるのです。

ある表現が失礼に聞こえると知ったのなら、今後は違う言い方にすればいいだけです。
「じゃあ、他にも失礼な表現を私は知らずに使っているんだろうか?」
という心配はやめましょう。キリがありませんから。

他の表現は、きっかけがあって知った時に修正したらいいのです。
心配しなくても、あとは自然に身につきます。


というわけで、お役に立ったら幸いです!

次回は、実は夫とこの話をする中で

「日本人がこう言った時には自分は不快に感じるし、
 多くの外国人もそうだと思う」

という意外な例が出てきたので、それをお伝えしたいと思います。
楽しみにしていてくださいね。^^


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