通訳の私がシャドーイングに使っているYouTube・TED動画はこれ!


教材のシャドーイングはやってみた。どうせなら、TEDやYouTubeの「本物の英語」で練習したい・・・

憧れの海外ドラマでシャドーイングに挑戦してみたけど、速すぎて全然口が追いつかない・・・
そんなあなたに向けて、この記事を書いています。
教材の英語ではなく、ネイティブが実際にしゃべっている英語で練習したい。その気持ち、すごくよく分かります。私自身、通訳になった今のシャドーイング素材は、オーディオブックや映画がメインです。
でも、先に正直に言っておくと、TEDやYouTubeのようなネイティブ向けの英語素材は、誰にでもおすすめできるものではないんです。レベルに合わない動画を選ぶと、「シャドーイングって難しい・・・」と挫折する未来しか見えません。
だからこの記事では、おすすめの動画・素材だけでなく、あなたのレベルなら何を選ぶべきかと、教材とは違う生の英語ならではのやり方まで、セットでお伝えします!
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ シャドーイングにおすすめのYouTube・TED・映画などの生の英語素材(レベル別)
✅ 速いネイティブ英語を練習素材にする、1文ずつ止める完コピのやり方
✅ 生の英語を使ったシャドーイングが「まだ早い」かどうかの見分け方と、代わりに使う素材
私は独学で英語を身につけた通訳翻訳者で、シャドーイングはNHK基礎英語から始めて、今は映画1本をまるごと完コピするところまで来ました。その経験から、忖度なしで選んでいきます。
シャドーイングにおすすめのYouTube・TED動画と生の英語【レベル別】

最初に、おすすめの生の英語素材を一覧にまとめます。大事なのは、英語学習者向けの音声ではない、映画やYouTube、TED Talkのような生の英語素材は「中級以上」向けだということです。
・TED:スクリプト・字幕あり
・YouTube + Language Reactor:自動でスクリプト表示
・Netflixの映画・海外ドラマ:ほぼ英語字幕あり
・オーディオブック:書籍そのものがスクリプト
・ポッドキャスト・英語ニュース:スクリプトつきの番組だけ選ぶ
「自分は中級なのか初心者なのか分からない」なら、この記事の後半に見分け方を書いたので、そちらから読んでみてくださいね。
TEDのおすすめ動画|私のお気に入り4本
シャドーイング素材として巷では有名なTEDですが、私がおすすめするのは上級者のみです!
TEDがシャドーイングに使いにくい理由は、3つあります。
1. 量がありすぎて、どの動画を選んだらいいか分からない
2. スピーカーの出身地やアクセントが多様(ノンネイティブも多い)
3. 話し言葉なので難易度が高い
ここからの4本は、私が好きで何度も見ているトークです。
『GRIT(やり抜く力)』アンジェラ・ダックワース|迷ったらまずこの1本
ベストセラー『やり抜く力 GRIT』の著者本人によるトークです。成功を左右するのはIQや才能ではなく「やり抜く力」だという内容は、英語学習の心の支えにもなります。話し方がはっきりしていて、シャドーイングにも使いやすい動画です。
『My Stroke of Insight』ジル・ボルト・テイラー|脳科学者が語る自身の脳卒中
脳科学者である女性のスピーカーが、自分が脳卒中(stroke)を発症した直後の経験をリアルに語っています。自分の腕の感覚がなくなり、字が読めなくなり、言葉が話せなくなり・・・。彼女は脳卒中が起こっているさなかに、右脳の働きによって強烈な体験をします。
本当に感動的なスピーチなので、ぜひ見てみてください。18分ほどの短い動画です。書籍『奇跡の脳』の著者でもあります。
この方の英語はとてもゆっくりで、はっきりした発音なので聞き取りやすく、シャドーイングのお手本にも向いています。
『Smash fear, learn anything』ティム・フェリス|恐怖を壊せば何でも学べる
『「週4時間」だけ働く。』の著者ティム・フェリスが、水泳や外国語など「怖くて避けてきたこと」の学び方を語ります。「最悪の場合、何が起こる?」と自分に問う考え方は、英語で失敗するのが怖いあなたにこそ響くはずです。
『「週4時間」だけ働く。』は、私が独立起業する決断に大きな影響を与えてくれた本です!
彼は日本に留学していたことがあり、日本や日本語の話もよく出てきます。このTED Talkにも、面白い日本留学の思い出話があります。彼のインタビュー番組「The Tim Ferriss Show」は、レベル別・おすすめ英語ポッドキャスト20選&勉強法【初心者からリスニング力UP】でもご紹介しています。
『新しい言語を学ぶ秘訣』リディア・マホヴァ|ポリグロットの学習法
私は、英語以外に話せるのがフランス語とイタリア語(少し)なのですが、複数の言語を学ぶ中で、世の中のポリグロット(多言語話者)たちは一体どうやって勉強してるんだろう?と、調べまくった時期があります。
このトークは、その答えを通訳者でもあるポリグロット本人が明かしてくれる1本。ネイティブスピーカーではありませんが、「言語の才能」ではなく、誰にでもできる学び方の原則の話なので、シャドーイングしながら勉強法も学べて一石二鳥です。
この4本以外で探すときの基準は、「自分もこういう考えを持つ人間になりたい!」「こういうスマートな言い回しを身につけたい!」と思える動画かどうかです。
一流のスピーカーによる英語スピーチをシャドーイングに使えば、教科書英語ではない自然な英語を体に染み込ませることができます。スピーチの内容そのものを自分に浸透させることができ、あなたの人生も変わっていきます。
私も、オーディオブックやTED Talkで憧れの人の英語を聞いて、何度も真似をして、人生を変えてきました。
YouTube + Language Reactor|「まねたい1人」のチャンネルを決める
YouTubeでシャドーイングするなら、ブラウザの拡張機能「Language Reactor」(無料)が欠かせません。
パソコンのブラウザでYouTubeを開いてオンにすると、画面の右側にスクリプト(自動書き起こし)が表示され、同じフレーズを何度も繰り返し再生できます。(スマホでは使えません)
Language Reactorを使えば、こんな感じで英語を表示でき、日本語訳(自動翻訳)も合わせて確認できるので、やりやすいです。

ここで重要なのは、「この人の英語をまねたい」と思えるYouTuber1人を決めて、そのチャンネルに絞ること。あちこちの動画をつまみ食いすると、アクセントも話すスピードもバラバラで、口が慣れていきません。
あと、当然ですが、話し方が不明瞭だったり、早口なYouTuberの動画はシャドーイングには向きません。発音がクリアで聞き取りやすく、わかりやすい英語を話す人を選んでください。
私がシャドーイングやリピーティングによく使っているのは、この2人の女性起業家のチャンネルです。
2人とも発音がクリアで聞き取りやすく、まねしやすいです。それに、私自身も起業しているので、女性起業家の自己啓発的なYouTubeは、内容そのものも勉強になります。英語上達と内容の学びが、一石二鳥で狙えます。
私は、毎朝の朝活の時間に、この2人の動画で、1日15分程度シャドーイングとリピーティングをしています。
また、シャドーイングに使うYouTuberの選び方ですが、自分と同じ性別のYouTuberのほうが、シャドーイングしやすいです。同性だと声のトーンが合って、イントネーションがまねしやすいからです。
だからあなたも、自分と同性で、内容そのものに興味が持てるYouTuberを見つけるのが一番です。
あと、上で挙げたようなYouTuberがカメラに向かってひとり語りしている動画がシャドーイングにはおすすめです。
たとえば、二人以上の対談動画だと難易度がぐっと上がりますし、ライフスタイル系動画やモーニングルーティン動画などだと、無言のシーンが多くて早送りの手間が発生します。
私のおすすめ海外YouTuber30選の記事がありますが、リスニング向けの選定なので早口のチャンネルも多いです。シャドーイングに使うなら、動画を見て「これなら口が追いつきそう」と思えるかを確認してから決めてくださいね。

Netflixの映画・海外ドラマ|私は『マイ・インターン』を1本まるごと完コピした
映画や海外ドラマも、立派なシャドーイング素材になります。
私は一時期、アン・ハサウェイ主演の映画『マイ・インターン』を1本まるごと、全員のセリフを最初から最後まで練習したことがあります。
やり方は、Netflixで映画を流しながら、ひとつひとつのセリフをすべて停止して何度も聞き直し、感情を込めながら何度も発音をまねて声に出す・・・という、泥臭いもの。うまく言えないセリフは、言えるまで何回も繰り返しました。
もちろん、この練習にもLanguage Reactorは必須です!右側に英語セリフを表示して、何度もリピートしながら全セリフを練習しました。
『マイ・インターン』を選んだのは、好きな映画で何度も見ていたから。それに、アン・ハサウェイ、ロバート・デ・ニーロをはじめ、出演者の英語がきれいで聞き取りやすいんです。
映画・ドラマ選びで迷ったら、通訳の私が何度も見ているNetflixの海外ドラマを30本紹介した記事があるので、この中から「何度も見たいと思える作品」を探してみてください。

Language ReactorはNetflixでも使えて、英語と日本語の字幕を同時に表示したり、セリフ単位でリピート再生したりできます。設定方法はこちらの記事にまとめています。

オーディオブック|新人通訳時代の私のシャドーイング素材
私が新人通訳時代、車通勤中に最もシャドーイングに使っていたのは、オーディオブックです。
学習者用の素材のレベルが合わなくなり、自己啓発系のオーディオブックがシャドーイングの定番になりました。
通勤時間に英語をながら聞きしているだけでは、本の内容を何となく右から左へ聞き流してしまいます。でも、シャドーイングしながら聞くと、当然一語一句聞き取る必要があるので、きちんと頭に入ります。
自己啓発書なら、学びがあり、気持ちが明るくなり、モチベーションも上がりつつ、英語力も鍛えられる。最高です。
18年で1000冊聴いてきた私のオーディオブック勉強法と、本の選び方(小説よりビジネス書・自己啓発書)は、この記事が決定版です。

ポッドキャスト・英語ニュース|スクリプトがある番組だけ選ぶ
ポッドキャストや英語ニュースも、シャドーイングに使えます。
ただし、英語ニュースなど、台本があるポッドキャストがおすすめです。フリートークや対談のポッドキャストは、音声だけでスピーカーの表情が見えない分、YouTube動画よりさらに難易度が上がります。
たとえば、こんな感じのニュースがおすすめです。スクリプトが手に入るならなお良いですが、Spotifyで聴けばスクリプトが表示されるので、シャドーイングはやりやすくなります。
レベル別のおすすめポッドキャストは、こちらの記事で20番組紹介しています。スクリプトの確認方法(Spotifyの自動スクリプトなど)も記事内で解説していますよ。

TED・YouTube・映画でシャドーイングするやり方|1文ずつ止めて完コピする

生の英語が教材の英語と決定的に違うのは、速くて、長くて、容赦がないことです。学習者向けに調整された音声とは別物なので、教材と同じように流しっぱなしで影のように追いかけるのは、上級者でも簡単ではありません。
だから、生の英語を使ったシャドーイングのやり方はこうです。
ステップ1:内容をよく知っている作品を選ぶ
初見の映画やオーディオブックにいきなり挑戦しない。これが最初のポイントです。
すでに見た映画、日本語で読んだことのある本なら、内容を理解する負荷が小さくなり、音と口の動きに集中できます。初見の素材だと、「内容の理解」と「音の完コピ」を同時にやることになって、難易度が跳ね上がるんです。
オーディオブックなら、先に日本語版で内容を把握してから英語版を聴くのがおすすめです。
ステップ2:セリフを1文ずつ止めて、お手本を完コピする
生の英語を使ったシャドーイングでは、まず1文ずつ停止して発音やリズムをまねる「完コピ」をはさみます。
セリフをひとつ再生しては止めて、聞こえたとおりに声に出す。言えなかったセリフだけを何度もリピートして、口が回るまで反復する。
Netflixなら標準の10秒巻き戻しでもできますが、Language Reactorを入れるとセリフ単位でリピート再生できるので、この練習が格段にやりやすくなります。
この「目で見えている単語と音を一致させて、口に出す」プロセスをやると、リスニング力がすごく伸びますよ!
ステップ3:口が慣れてきたら、通しで「ながらシャドーイング」する
完コピで口が回るようになった素材は、もう「自分にとって簡単な英語」です。ここまで来たら、家事や散歩をしながら通しでシャドーイングする段階に進めます。
私のオーディオブックシャドーイングも、この形。ながら聞きだと、ついぼーっと考え事をして英語が頭に入らないことがよくあるので、それを防止するためにシャドーイングをするという面もあります。
このとき、ただのオウム返しにならないように、意味をしっかり考えながら、その英語が自分の言葉として出ているように意識して声に出しています。
意味を考えずに、とにかく聞こえた単語をそのまま口に出す「オウム返し」のシャドーイングは、効果が薄いです!
私は、これになかなか気づけず、オウム返しのシャドーイングを長くやっていた時期がありました。その結果、発音やリスニング力は上がったけど、英語が話せるようにはなりませんでした。
シャドーイングそのものの正しいやり方(5ステップ)と「ながらシャドーイング」のコツは、こちらの記事に全部まとめています。生の英語を使ったシャドーイングに進む前の土台として、一度確認しておくのがおすすめです。

TEDやYouTubeのシャドーイングは「まだ早い」?見分け方と代わりの素材

ここまで読んで、「で、自分はやっていいの?」と思っていますよね。見分け方は簡単です。
中学レベルの英語がスラスラ口から出ないなら、教材素材から
中学生レベルの簡単な英語で、シャドーイングがスラスラできるか。これが判定基準です。できないなら、YouTubeやTED Talkを使ったシャドーイングはまだ早いです。
「シャドーイングができない」というご相談をめちゃくちゃいただきますが、原因は、初心者なのにTEDとかニュースとか難しい教材を使っているからです。ネイティブ向けの生素材は、速度も語彙も学習者向けに調整されていません。
私自身、シャドーイングを始めた当時に使っていたのはNHKラジオ基礎英語です。最初は、中1レベルの超簡単な英語もシャドーイングできず、あまりのできなさに落ち込んだものです。
そこから学習者向けの素材を何年も続けて、オーディオブックや映画にたどり着いたのは、通訳になってからでした。
私のスタートも中1レベルの基礎英語でした。遠回りに見えて、簡単な素材で口を鍛えるのがいちばんの近道。無理して背伸びしなくて大丈夫!
無料で使える学習者向けのお手本音声(NHKラジオ基礎英語など)は、こちらの記事で紹介しています。まずはここからどうぞ。

学習者用教材と生の英語素材の間には「ニュースで学ぶ現代英語」をはさむ
「基礎英語は物足りない。でもTEDは無理」という中間のあなたには、NHKゴガクアプリの「ニュースで学ぶ現代英語」がぴったりです。
一文ずつ止めて再生でき、スクリプトも和訳も無料。実際のニュースを題材にしているので内容は生素材に近く、生素材デビュー前の橋渡しとして、これ以上の素材はありません。
ニュースで学ぶ現代英語を使った勉強法のコツは、こちらの記事でどうぞ。

まとめ|生素材のシャドーイングは「憧れ」と「レベル」の両方で選ぶ
というわけで、シャドーイングにおすすめのYouTube・TED動画と生素材をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
生の英語を使ったシャドーイングの手順は、この流れです。
1. 中学レベルの英語がスラスラ言えるか確認する(言えないなら教材素材から)
2. 「まねたい人・何度も見た作品」から素材を選ぶ(TEDならGRIT、YouTubeなら憧れの1人、映画なら見慣れた1本)
3. スクリプトを開いて、1文ずつ止めて完コピする
4. 口が慣れたら、家事をしながら通しでシャドーイングする
be動詞レベルから英語をやり直した私が、映画1本をまるごと完コピできるようになるまでには、簡単な素材を地道に繰り返した長い時間があります。
でも、そのプロセスを経てオーディオブックやYouTube動画、TED Talk、映画をシャドーイングに使えるようになると、シャドーイングそのものがめちゃくちゃ楽しくなりますよ!それを楽しみに、ぜひ頑張ってみてください。
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