英語音読は効果ある?正しいやり方を通訳翻訳者が解説【完全ガイド】


英語の音読って、本当に効果があるのかな・・・

毎日音読しているのに、英語力が伸びている実感がない・・・

声に出して読んではいるけれど、このやり方で合っているのか分からない・・・
そう、お悩みではないでしょうか?
英語の音読は、もう何十年も前から勧められてきた勉強法です。それなのに、「なぜ効果があるのか」「どうやるのが正しいのか」までは、学校では教わりません。
だから、なんとなく声に出してみて、なんとなく手が止まる。
私も学校では、音読をほとんどやる機会がありませんでした。中学・高校で受けた英語の授業には、「音」がなかったんです。黙読して、構文を取って、和訳する。それだけ。
でも、声を出さない英語学習で、英語が話せるようになるはずはありませんよね。当時の私の英語は、見事に「読めるけれど口からは出てこない」状態でした。
そんな私が今は、通訳翻訳を仕事にしています。車通勤の往復1時間を使って簡単な英語をシャドーイングし続けたら、TOEICのリスニングが満点になりました。
難しいことは何もしていません。声に出す練習を、10年以上続けてきただけです。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
✅ 英語音読に効果がある理由と、効果が消えてしまう条件
✅ 音読が伸びる3つの段階と、今のあなたがどこにいるか
✅ 英語音読の正しいやり方5ステップ
✅ 何を音読すればいいか(教材・素材の選び方)
✅ 音読・オーバーラッピング・シャドーイングをやる順番
✅ 忙しい社会人が音読を続けるコツ
では、さっそく参りましょう!
結論|英語音読は効果がある。ただし「自己流」では伸びない

英語の音読に、効果はあります。リーディング・リスニング・スピーキングのどれにも効きますし、単語も覚えられます。
ただし、条件が1つあります。お手本の音声を聞いて、それを真似すること。
自己流で好きなように音読しているだけでは、残念ながら伸びません。
同じ10分の音読でも、お手本を聞いているかどうかで結果が変わります。
音読で得られる効果の中身(4技能への効き方や、脳科学の裏づけ、どのくらいで効果が出るのか)は、こちらで詳しく書いています。

英語音読とは|声に出して読むだけの、いちばん地味な基礎練習
英語の音読とは、英文を声に出して読むことです。それだけです。
特別な道具も、アプリも、教室も必要ありません。テキストとお手本の音声、そして声を出せる場所さえあれば、今日から始められます。
はっきり言って、音読は地味です(笑)。派手さは、まったくありません。だから、特にビジネス経験豊富な人とかが、

この歳になって、今さら音読なんて・・・学生のやることでは?大人の自分には、もっと他にいい勉強法があるはず。
って、音読にカッコ悪さを感じてしまうところが正直あるんですよね。
でも、この地味な基礎練が、英語の土台をいちばん確実に作ってくれます。
野球やテニスの素振りと同じですよね。プロ野球選手で素振りをしない人はいないように、いつになっても基礎練習は必要です。
なぜ黙読ではダメなのか|声を出さない人が、いきなり話せるはずがない

目で読むだけ(黙読)ではダメですか?
と、よく聞かれます。
答えは、ダメです。
だって、ずっと普段は黙読ばっかりしているのに、いきなりネイティブの前で「英語をしゃべって」と言われて、上手にしゃべれるはずがありませんよね。
黙読には、もう1つ落とし穴があります。ボーッと目で追っているだけでも、なんとなく「読んだ」「勉強した」気になれてしまうこと。
声に出せば、ごまかせません。読めない箇所で必ず口が止まるので、自分が分かっていない場所がはっきり分かります。
通訳の私が、英語より先にフランス語で音読の効果を知った話
私が音読の効果を知ったのは、英語ではありませんでした。フランス語です。
大学で第一外国語にフランス語を選んだのですが、その授業が、とにかく音読づけだったんです。毎回ひとりずつ指名されて音読させられ、家でも練習して、テープ(当時はCDじゃなくテープでしたw)が擦り切れるほど教材の音声を聞いて・・・。
そうしたら、なんと英語よりもフランス語のほうが、はるかに速く上達したんです。
中学・高校と6年間やった英語より、大学で始めたフランス語のほうがスラスラ話せるようになったのです。
そのとき気づきました。私が受けてきた英語教育は、「音のない教育」だったんだと。英語が話せなかったのは、頭の問題ではなく、声に出していなかっただけだったんです。
英語音読は3段階で伸びる|「発音だけで精一杯」から「情景が浮かぶ」まで

音読でつまずく人がいちばん多いのは、段階を飛ばして最初から、全部を同時にやろうとしてしまうこと。
発音も正しくして、意味も理解して、情景も浮かべて、抑揚もつけて。そんなことが最初からできる人は、いません。
段階1|発音するだけで精一杯でいい(意味も抑揚も後回し)
英語の勉強をやり直し始めたばかりなら、最初は声に出して正しく読むだけで精一杯です。意味を考える余裕なんてなくて、「とりあえず発音を正しくしなければ」で頭がいっぱいになります。
最初は、それでOKです。同じ文を何回も読むうちに、余裕が出てきますから。
段階2|情景をイメージしながら読めるようになる
同じ素材を何回も重ねていくと、だんだん余裕が出てきます。発音に必死だった意識が空いて、読みながら頭の中でイメージができるようになる段階です。
たとえば、以下の英文を読みながら、イメージしてみてください。
She isn’t able to swim fast.
女性がプールでもたもたとゆっくり泳いでいる情景を思い浮かべる。頭の中で「和訳」をするのではなく、「イメージ」を描くのです。

日本語で小説を読むとき、情景をまったく思い浮かべずに読む人は、あまりいませんよね。英語でも、同じことをするだけです。
段階3|訳さずに、読んだ瞬間に情景が浮かぶ
最終形は、訳すという作業が消えることです。英語を読んで、頭の中に情景が浮かんで、次へ進む。
日本語を経由しません。これは、あなたが日本語を読むときにやっていることと同じです。
「この漢字の意味はこうで」と1文字ずつ考えたりせず、目で追ったら勝手に意味が分かって、情景が浮かびますよね。それを英語でもできるようになるのが、究極形です。
最初は音読をしながら頭の中で和訳してしまってもOK
「英語は英語のまま読むべきだ。頭の中で和訳なんてするな」という意見を、目にしたことはありませんか?
私も、それが最終ゴールだと思います。でも、それは上級者の到達点であって、初心者のスタート地点ではありません。
SPEEDIER READINGを一緒に作っている大学受験塾講師のよなたんが、ある英語参考書の著者のたとえを紹介していて、なるほどと思いました。
ピアノの経験が浅い人は、難しい曲をいきなり両手では弾けませんよね。まず左手だけ、次に右手だけ練習して、慣れたら少しずつ両方合わせていきます。
それと同じで、英語の音読をする時も、構文を取るのが左手、意味を考えるのが右手みたいなものです。最初は、左手も右手も、思うようには動きません。
「頭の中で和訳するな」と言われても、つい頭の中に日本語が浮かんでしまう。初心者はピアノで手がうまく動かないのと同じ。でも、最初はそれでいいのです。

ピアノも、最初は片手ずつでも練習を積めば、いずれ両手一緒に弾けるようになります。音読も、まったく同じです。焦って全部を同時にやろうとしなくて、大丈夫ですよ。
英語音読の正しいやり方|お手本を完コピする5ステップ

音読のやり方は、5つのステップに分かれます。
英語音読5ステップ
ステップ1|英文の意味を理解する
分からない単語・文法があれば、先に調べて意味を把握する
ステップ2|お手本の音声をよく聞く
強弱・ポーズ・抑揚に注目する
ステップ3|情景をイメージしながら声に出す
きれいな和訳は不要。イメージでOK
ステップ4|お手本に声を重ねる(オーバーラッピング)
自分とのズレが分かる
ステップ5|テキストを見ないでシャドーイング
ここまで来たら次の素材へ
意味が分からない英文を、音だけ真似して読んでも意味がありません。まず意味。それから音です。
各ステップのくわしい手順や、「1つの素材を何回読めばいいのか」という回数の目安は、こちらにまとめています。

大事なのは「お手本音声を聞いてから読む」|自己流の発音はこびりつく
5つの中で、どれか1つだけ守るとしたら、ステップ2です。お手本の音声を必ず聞いて、それに近づけるように読む。
強く読むところは強く、弱いところは弱く。ポーズの位置、抑揚。そこまで真似して、完コピを目指します。
お手本音声を聞くことは、絶対に欠かせません。理由は、自己流で読み続けると、間違った発音やイントネーションが、こびりつくからです。
何回も自分流で読めば、その間違いが強化されて固定化します。あとから直すほうが、何倍も大変です。

発音が下手なので、お手本みたいには読めません・・・
最初は下手で大丈夫です。それに、ネイティブレベルの発音になることがゴールではなく、相手に通じる発音になることがゴールです。
日本人の英語が「ボソボソして伝わりにくい」と言われる原因は、文字を平坦に読み上げる癖がついてしまっているからです。
お手本音声をなるべく真似して、普段話す声量で音読してみましょう。そして、文全体のイントネーションや強弱もしっかり意識するのが重要です。
自分の音読を録音して聞いてみよう
もう1つ、効くのに、みんながやらないこと。自分の音読をスマホで録音して、聞いてみることです。恥ずかしいと思いますが、すごく効きます。
「ここはちゃんと発音できているつもりだったけど、全然できてないな」というのが、録音を聞くと客観的に分かります。現実を直視するからこそ、直せます。
毎日でなくていいので、時々やってみてください。録音は、スマホのボイスメモで十分です。音読アプリ・録音アプリの選び方は、こちらでくわしく紹介しています。

何を音読する?|教材・素材は「簡単すぎる」ものが正解


どんな教材を音読すればいいですか?おすすめはありますか?
これも、本当によく聞かれる質問です。
答えは、あなたにとって簡単なもの。「こんなの、簡単にわかるよ」と思うくらいの素材がちょうどいいです。
使われている文法や単語があなたにとって簡単なものなら、発音やイントネーションに意識を集中することができて音読の成果が出やすいからです。
レベルの基準|中学英語、簡単な挨拶文くらいから始めていい
逆に、難しい素材を使うと、音読の効果が十分に引き出せません。
難しい英文で音読してもなかなか伸びません。読むのが遅くなって、「ゆっくりしか読めない型」ができてしまうからです。
また、難しい単語が多いと、その意味や発音を確認する必要があります。それをやりながら、発音やイントネーションにも注意して音読するとなると、大変ですよね。
私のコンサルでも、「音読しても内容が頭に入ってこない」という方には、素材のレベルを落としてもらっています。
お手本の音声がついていない素材は選ばない
教材選びで重要なのは、お手本の音声がついていること。音声がなければ、自己流で読むしかありません。それでは、間違った音が固定されるだけです。
ネットで拾ってきた英文をそのまま音読するのは、お手本音声がないので自己流になりやすいです。
もちろん、AIの音声読み上げ(音読さんなど)を使えば可能ですが、それも面倒ですよね。それよりも、すでに音声がある素材を使った方が数倍楽です。
私は、個人的には単語本の音読がおすすめで、クライアントさんにも課題として取り組んでもらっています。
新しい教材を買うより、今持っている1冊をしゃぶり尽くすほうが伸びますよ。
手持ちの単語帳・NHKラジオでも十分(新しく買わなくていい)
教材は、正直なところ何でもいいです。今、手元にあるものでOK。
単語帳の例文:音読しながら単語も覚えられて、一石二鳥
NHKラジオ講座:音声つきで、レベルも選べる
好きなジャンルの教材:ニュースでも物語でも、自分のレベルに合っていて、楽しいと思えるものが一番
レベル別のおすすめ教材や、無料で音読素材を用意する方法は、こちらでくわしく紹介しています。

素材が見つからないなら、ChatGPTで自分専用に作れる
「自分のレベル・仕事の場面にぴったり合う素材がない」という場合は、ChatGPTに音読教材を作ってもらう手もあります!
海外出張の場面、英語会議での自己紹介、取引先との雑談。自分がこれから実際に使う場面の英文の音読教材を、自分のレベルで作れます。
読み上げ(TTS)でお手本音声をつければ、教材として完成です。自分オリジナルの音読教材をAIで作るためのプロンプトは、こちらでご紹介しています。

教材をこれから1つ選ぶなら、私も制作に関わったSPEEDIER READINGもあります。返り読みを直しながら、正しい音で音読することに特化した教材です。
掲載されている長文が、あらかじめ意味のかたまりで区切られているので、スラッシュを引く場所に悩まず、前から読む音読がそのまま練習できます。
\\ 返り読みを直す音読教材を試してみる //
音読・オーバーラッピング・シャドーイングの順番|まず音読から始める

音読と似た練習法として、オーバーラッピングとシャドーイングがあります。「どれをやればいいの?」と迷いますよね。
音読・オーバーラッピング・シャドーイングの違い
音読|テキストを見ながら、自分のペースで声に出す(やさしい)
オーバーラッピング|テキストを見ながら、お手本の音声と同時に発音する(中くらい)
シャドーイング|テキストを見ずに、音声を追いかけて発音する(難しい)
順番は音読→オーバーラッピング→シャドーイング
まずテキストを見ながらの音読。これが先です。
音読ができるようになったら、次はお手本音声に自分の声を重ねるようにして発音していくオーバーラッピング。そして、最後にシャドーイングです。
音読ができない難易度の教材で、シャドーイングはできません。 音だけを聞いて追いかけるのは、かなりレベルが高い練習だからです。
ちなみに、「シャドーイング」にもいろいろ定義があるのですが、私の言うシャドーイングは、テキストを見ずに音だけを聞きながら声に出す勉強法です。

音読・オーバーラッピング・シャドーイングの違いと選び方は、こちらで詳しく比べています。

社会人が英語音読を続けるコツ|朝イチ5分に固定する

やり方が分かっても、続かなければ意味がありません。忙しい社会人が音読を続けるコツは、時間を短くすることと、朝に固定することの2つです。
1日30分より「毎日5分」の音読|ゼロの日を作らないほうが伸びる
「音読は1日何分やればいいですか?」とよく聞かれますが、時間が大切なわけではありません。「30分」という目安が一般的ですが、30分やればいいというものではないんです。
私は、1日10分でも音読を本当に真剣にやれば、すごい効果が出ると思っています。30分じゃないとダメなんてことは、全然ありません。
しかも、声を出せる環境で30分というのは、社会人にはなかなか難しいですよね。
もし30分取れる方なら、朝15分・夜15分など、数回に分けるのがおすすめです。いっぺんに30分は、喉の負担も大きいですから。
朝にやると続く|声を出すと目が覚める、黙読は眠くなる
私は、コミュニティメンバーさんと毎朝5時半から朝活をしています。そこでお伝えしているのが、朝イチで音読して、声を出すこと。
朝イチで黙って長文を読むと、すぐ眠くなります。でも声を出していると、しっかり目が覚めてくるんです。
そして、その日の気分で音読の時間を決めるのではなく、朝のルーティンとして固定してしまうのが確実です。
「時間ができたらやろう」と思っていると、絶対にやりませんから。
英語の音読を続ける方法(5分ルーティンの中身、忙しい日の対処)は、こちらにまとめました。

音読できる場所がないなら、通勤中もお風呂も練習場所
社会人からいちばん多く聞く悩みが、「音読をできる場所がない」です。家族がいる、壁が薄い、通勤中では声を出せない。
口パクで大丈夫です。 声にならないささやき声でも、全くやらないより効果はあります。
・通勤中:マスクの下で口パクなら、誰も気づきません。かすかにゴニョゴニョ言うくらいで十分です
・電車:声は出さず、口の中でつぶやくサイレントシャドーイング
ただ、そうは言っても「全く声に出さずに練習して、英語を話せるようになりたい」というのは、さすがに無理があります。
1日5分でも1分でもいいので、大きな声で(=普段話す時と同じ声量で)お手本の音声を真剣に真似して音読してみてください。
声を出せる環境がない人は、お風呂に浸かりながらはどうでしょう?湿気があるので、喉にもいいですよ。
音読だけでは英語は話せるようにならない|目的から音読の比重を決める

音読は英会話の役に立ちます。でも、音読だけではダメです。
音読で身につくのは「英語のリズム」と「口の動き」まで
音読をずっと続けていると、英語のリズムが身についてきます。口が勝手に動いていく感覚も出てきます。だから、話せるようになりたい人にも、音読はすごくおすすめです。
何度も読んで暗記してしまうくらいまでやり込むと、同じフレーズや似たフレーズが、英会話で必要な場面でスラッと出てきたりします。
ただ、そこで身につくのは土台まで。「自分の言いたいことを、自分の言葉で英語にする力」は、音読では育ちません。
自分の言葉で話すには、瞬間英作文とのハイブリッドが必要
音読は、どうしても表面的な作業になりがちです。書かれた文を読んでいるので、自分の言葉になりにくいんです。
そこで組み合わせたいのが、瞬間英作文。頭でイメージしたことを、自分の言葉として出す練習です。
音読で土台を作り、瞬間英作文で自分の言葉にする。 瞬間英作文のやり方については、この記事に書いています。

まとめ|英語音読は「お手本の完コピ」から始まる
英語音読で伸びるかどうかを決めるのは、時間でも回数でもありません。お手本を聞いて、それを完コピしようとしているかどうかです。
やることを順番に並べると、こうなります。簡単な教材を1冊選ぶ。意味を理解する。お手本を聞く。真似して声に出す。慣れてきたら声を重ねて、最後はテキストを離す。その繰り返しです。
そして、発音だけで精一杯だった段階から、情景が浮かぶ段階へ、同じ素材を繰り返しながら登っていく。
音読は、やってすぐに成果が出る勉強法ではありませんが、続けると必ず英語力の大幅アップにつながります!ぜひ、毎日少しずつでいいので、一緒に続けていきましょう。


