2020年2月23日
瞬間英作文のやり方とおすすめ教材。私はコレで独学で通訳になりました
エバンス愛
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独学で短期間で英語がペラペラになるトレーニング法、あなたはご興味ありますか? そんな方法あったらいいですよね〜。
私は、英語圏への留学経験もなければ、大学で英語専攻だったわけでもなく、幼少期から英語教育を受けていたわけでもありません。英語は中学生からのスタートです。英会話スクールに通ったり外国人と触れ合ったりする機会も全くありませんでした。
でも、独学で英会話のトレーニングを重ねて通訳の仕事をゲットし、会議通訳や同時通訳の仕事ができるようになり、英語を活かしてキャリアを積み重ねてくることができました。ここ15年以上いわゆる「英語で食べている」生活で、英語が生活の一部どころか大部分です。
25歳までは英語で挫折を繰り返していた普通の日本人だった私が、留学なし・英会話スクールなしでどのように独学でトレーニングを重ねて、英語が話せるようになったか、その勉強法をこのページではお伝えします。
コンテンツ
瞬間英作文とは?スピーキング力が劇的にアップする訓練法
では、瞬間英作文のやり方を説明します。いきなりですが、まずは、この日本語を見て、英語訳を即座に口に出してみてください。
よ~い、どん!
2. 私は今日やることがたくさんある。
3. 彼女は私にその本を貸してくれた。
4. 何か私にできることはありますか?
5. 私は彼にもっとゆっくり話してくれるよう頼んだ。
「えぇっと・・・」と考えることなく、即座に英語にできましたか?
解答:(ほんの一例です)
2. I have a lot of things to do today.
3. She lent me the book.
4. Is there anything that I can do?
5. I asked him to speak more slowly.
こんな風に、「日本語の文章を瞬間的に英語に変換して口に出す」という訓練を、瞬間英作文、口頭英作文などと言います。私はこのやり方でトレーニングを重ねた結果、英語が自由に話せるようになり、通訳の仕事が務められるようになりました。
上の文章はどれも、中学生で習う基本的な文法で言えるものばかりです。でも、特に普段英語を話し慣れていない人は、結構難しいなと感じたのではないでしょうか?
かくいう私は、TOEIC800点台のときでもこんな簡単なレベルの英語ですら、瞬間的に言おうとすると「えっとえっと・・・・ひ、ひ、ヒー、キャン、・・・・・ぷ、プレイ・・・・?」(滝汗)という状態でした。
だから、あなたも私と同じ状態だったとしても、大丈夫です!この瞬間英作文に取り組むことによって、英会話力は劇的にアップします。
なぜ瞬間英作文で英語がスラスラ話せるようになるのか?
自分の快適ゾーン外の構文を使いこなせるようになる
あなたは、こんな症状に心当たりないでしょうか。
症状(1):常に同じようなパターンの文章ばっかり使っている。
症状(2):常に短い文章を「and」でつなぎまくっている。
なんでこんな症状になるんでしょうか?
それは、自分が心地よく使える構文しか使ってないからです。自分が知ってる、使い慣れてる構文という快適ゾーンの中でだけ英語を使っているということです。
それが悪いと言っているのではないですよ。それであなたの目的が達成され、不自由を感じないのなら大丈夫です。
私自身は、いつも短い文章をブツッ、ブツッとしか言えなくて、それをandでつなぎまくって話すことしかできませんでした。それを「超かっこ悪いよな~」ってずっと思っていました。
いろんな構文を駆使して、長いかたまりを関係代名詞でつなげて、スラスラとかっこよく話したいなとずっと思いながら、どうやって改善したらいいかも分かりませんでした。
・・・どうやって改善したらいいと思います?
これは、自分の快適ゾーンの外の構文を使うトレーニングをしなきゃいけないんですよね。筋トレと同じです。いつも使ってる筋肉ばっかりじゃなく、普段使ってない筋肉を動かすトレーニングをするんですね。
最初はちょっと痛かったりしんどかったりするけど、だんだん慣れていけばそれがやがて普通になる。そんな感じです。
使い慣れない構文をしどろもどろで口に出して慣れていく
自分が使い慣れていない構文を使って話せるようになるのに有効なトレーニング法が、「瞬間英作文」なんです。
瞬間英作文は、あらゆる文法や構文を使って文章を組み立てさせるように作られているトレーニング法なので、自分の言い慣れてるパターンだけではとても対応できません。
たとえば、こんな文章が瞬間英作文の教材に出てくるとします。
「これらのカバンは、あのお店で売られていますか?」
まず、「これら」って何だっけ?thisの複数って・・・ああ、そうか、theseだった。
「売られていますか?」って受動態だから・・・be動詞 + 過去分詞か。
あ、これ、疑問文だ。受動態の疑問文ってどうするんだっけ・・・”Are these bags sold at that store?”
最初は、あなたの脳内は「これら」って何だっけ、受動態ってどうするんだっけ、それが疑問文になったらどうなるんだ?・・・と、こんな感じにフル回転するはずです。
まさに筋トレのように、最初は「イテテテテ・・・」という感じで、使い慣れてない構文をしどろもどろになりながら口に出して慣れていくのです。
このようにトレーニングを進めていくと、たとえば受動態のパターンを使った文章の作り方があなたに浸透して言いやすくなってきて、受動態は「新しい」じゃなく「快適ゾーン」のパターンになるというわけです。
どんな英語も、5文型と20余りの文法項目におさまる
すごく当たり前だけど大事なことなんですが、英語の「文章」の数は無限大です。でも、そのパターン(構文)の種類は本当に少ないんですよ。
「文型」という点で言えば、英語の文章ってどんな文章でも5つしか種類がないんです。
1.S+V
2.S+V+C
3.S+V+O
4.S+V+O+O
5.S+V+O+C
このたった5つ。
あんな文章もこんな文章もそんな文章も、分類したらたった5種類しかないのか・・・って思ったら、なんか感動すらしてしまうのは私だけでしょうか(笑)
「文法」(現在完了、動名詞、分詞など)という観点で言えば、どんな文章も、たった20から30くらいの文法項目の範囲におさまります。
だから、その数限られたパターンを自分の快適ゾーンに入れてしまえば、どんな場面でも、どんな内容のことでも自由自在に話せるというスピーキング力がつくんです。
だから、瞬間英作文のトレーニングをやれば、英語がスラスラ口から出てくるようになるのです。
瞬間英作文に必須の文法の理解には、5つのステップがある
瞬間英作文は、もちろん闇雲に単語をつなげていってもダメで、きちんと「文法」という英語の構造のルールにのっとって文章を組み立てていくことが必要になります。
なので、瞬間英作文のトレーニングを行うには、最低でも中学生レベルの文法の知識は必須になります。
・・・と言うと、「さすがに中学生レベルの文法は大丈夫」と多くの人は言うのですが、上で挙げた瞬間英作文の例は、全て中学生レベルの文法知識しか必要ありません。
本当に「中学生レベルの文法は大丈夫」なのだったら、上の練習問題もスラスラできるはずなのですが、多くの人には難しかったはずです。私も、TOEIC800点台で、中高生に英語を教えていた時ですら最初は全く英語が口からスラスラ出てきませんでした。
なぜ、中学生レベルの簡単な英語が口からスラスラ出てこないのか?
その疑問を理解するのに重要なポイントとして、実は、文法の理解には5つのステップがあります。必ず理解しておいていただきたい重要なことなので、心して聞いてくださいね。
1.まず理屈として文法のルールを学ぶ
たとえば現在完了(~した、ずっと~している)だと、「have + 過去分詞」と文章を組み立てるのだというルールをまず知る。
2.文法ルールを実践する
「ああ、そうそう、『ずっと~している』はhaveと過去分詞だったな」と確認しながら問題を解く。でも時々間違える。
3.文法ルールを記憶する
解説を見たりしなくても、「have + 過去分詞」のルールをしっかり記憶している。練習問題も正しく解ける。「have + 過去分詞」を意識すればちゃんと読め(聞け)、書ける(話せる)。
4.文法ルールを自分のものにする
現在完了を含む英語を読んだり聞いたりしたときに「have + 過去分詞」のルールを意識することなく「ずっと~している」という状況が反射的に理解できる。
5.文法ルールを元に自在にアウトプットできる
「haveの後ろは過去分詞だから・・・」なんて考えなくても「ずっと~している」という状況が頭に浮かんだ瞬間に正しく適切に自分の言葉として話せ、書ける。
で、実は、学校の文法のテストでは、ステップ3までいけば100点が取れます。なので、4と5の段階を意識している人は、ほとんどいません。
「学生時代は文法は得意だったのにな・・・なのに、何でこんなに話せないんだろう?」となってしまう原因は、ステップ5まで到達していないからです。
だから、現在完了が「have + 過去分詞」なことは知っているし、問題集で現在完了の問題が出たら普通に解けるのに、それを読んでも聞いても一瞬ではピンとこないし、実際に話そうと思ってもスラッと出てこないんですね。
実際、中学で勉強する文法項目全てをこのステップ5まで持ってくることができれば、それだけで英語はもうペラッペラに話せるようになります。ですが、想像がつくと思いますが、このステップ4と5が結構長い道のりです。
そして、「瞬間英作文」が、まさにこの「ステップ5」に到達して、英会話ができるようになるための勉強法なんです。
私は、とにかくいろいろな文章を口頭で英作文することによって、「これこれ!」と、文法ルールを持ち出さなくても正しい英語がスカッとはまる感覚が得られたり「こんな英語は気持ち悪くてあり得ない!」と、文法の理屈ではなく感覚で英語が感じられるようになりました。
これが、さっきの
5.文法ルールを元に自在にアウトプットできる
「haveの後ろは過去分詞だから・・・」なんて考えなくても「ずっと~している」という状況が頭に浮かんだ瞬間に正しく適切に自分の言葉として話せ、書ける。
というステップ5にようやくたどり着いた状態です。
なので、騙されたと思って、まあ一度、この「瞬間英作文」に取り組んでみてください。「ヒー、キャン、・・・プ、プレイ?」状態だった私が、英会話に不自由しなくなり今では通訳の仕事ができるまでになった方法ですから。
瞬間英作文の最大の効果を得るためのやり方
瞬間英作文は、独学で英会話力を大幅アップできる強力な勉強法ですが、独学ゆえ、間違ったやり方をしてしまうと、効果が落ちてしまいます。せっかくやるなら、ちゃんと効果を引き出したいですよね!
ここでは、口頭英作文のメリットを確実に得られるよう、トレーニングをするときに気をつけるべき7つの点を解説します。
1.最初はアホみたいに簡単な瞬間英作文をやる
瞬間英作文に取り組む時は、自分にとって、アホみたいに簡単なものをやってください。「アホみたいに」というのは、冗談ではありません。「ケッ!こんな英語、マジ楽勝だし!」というものをやってみてください。
・・・あまりの出来なさに驚きますから。
「文法的には分かるし読んでも簡単に分かるのだけど、それが口から出てこない!」という状態を克服するのが、口頭英作文トレーニングです。難しいものを無理にやろうとすると、効果が落ちますので注意してください。
英会話が苦手!という人は、どれほどバカらしいと思っても中学1年レベルからやりましょう。もちろん私も、中学1年レベルからスタートしました。基礎からきちんと固めていくのが、遠回りに見えて結果的には早道ですから。
2.できるだけ「早く」英語を口に出すことを心がける
瞬間英作文をやるときは、「できるだけ早く英語を言おう!」と心がけてください。
最初はハードに感じるかもしれません。書くときには絶対にしないような基礎的な文法の間違いをたくさんしてしまって自己嫌悪に陥ることもあります。(he can plays、とか・・・)
でも、これは誰もが必ず通る道で、この過程は英会話力アップには絶対に必要なんです。だから、つまらない間違いを言ってしまっても、スピードは落とさないでください。
逆に、最初からミスを全くせずに英語が言えたとすると、それは、慎重に考えすぎて英語を口から出すスピードが遅いというサインです。(あるいは、課題のレベルが低いということ)
英語の回路ができてくるにつれて、つまらないミスは確実に減ります。「正しい英語がスカッとはまる」という感覚が身についてきますよ。
3.英文を書かない
瞬間「英作文」だからと言って、絶対に英語を書かないでください!
真面目な人ほど、スムーズに言えなかったり間違ってしまった英文を書いて正しく理解しようと思ってしまうんですよね。でも、それでは滑らかに話せるようにはなりません。「口に出す前に頭の中で英作文を完成させる」癖が抜けなくなってしまいます。
スラスラと英語が話せるようになるために重要なのは、「英作文をする」と「英文を口に出す」を同時にやることです。
どうしても書かないと「理解」できない問題がある場合は、教材のレベルを下げてください。または、文法の基礎が固まっていないと思うのであれば、文法のやり直しが先です。瞬間英作文は、文法知識があやふやだと効果がほとんどありません。
4.英文を暗記しない
英語がスムーズに話せることが目的なので、暗記してはいけません。暗記してしまうと、応用ができなくなってしまいます。
瞬間英作文はあくまでも、文法・熟語などの知識を使って英語を一から作り出すためのトレーニングです。なので、「記憶」によってスラスラと口に出せるようになっても意味がありません。
文法知識を元に自分の力で英語を組み立てるようにしてください。英語回路が出来てきて、英文を「つくり上げる」「組み立てる」という感覚になれば、場面によって応用はいくらでもし放題です。この「つくり上げる」「組み立てる」という感覚こそが、英会話上達のカギです。
5.日本語の「字面」でなく「イメージ」を英語にする
瞬間英作文の日本語を読んだら、その字面を英語に「翻訳」するのではなく、その絵を思い浮かべるようにしてみてください。
日本語を読んで頭に浮かんだイメージを英語に直すのだ、そういうつもりでやってみてください。これが、瞬間英作文の最大のコツです。「瞬間英作文はやっても効果がない」という人は、これができてないからだと私はほぼ確信しています。
このページに詳しく書いてるので、あわせて読んでみてください!
6.ナチュラルさは求めない
瞬間英作文をやろうと思ってネットで情報を調べると、きっと「瞬間英作文の英語は不自然なものが多いので、やらない方がいい」という口コミに行き当たると思います。
でも、瞬間英作文は、そもそも暗記のためにやるのではないので、不自然な英語が多少混じっていようが関係ないんですよね。「え、どうせやるんなら、自然な英語でやった方がいいじゃん・・・」って思う気持ちはよくわかりますが、「自然な英語」=応用のきかない暗記表現であることがほとんどなんです。
瞬間英作文の英語の不自然さについて詳しく書いた記事があるので、あわせてどうぞ。
7.完璧さは求めない
口頭で英作文をやるときは、模範解答と違ってもいいのはもちろん、細かいことは気にしないでください。細かいことにこだわったり、間違いを恐れる姿勢こそがスムーズな英会話の邪魔になっているんです。
たとえば、前に出した例文:
。解答としては、「文法的に間違いではない」なら、それで良しとしてください。
と書きましたが、これは、 でも、もちろんいいです。 でもいいです。自分の知識の範囲でいいですか、「ベストな解答」「一番自然な解答」じゃないですよ!(自分が知る限り)間違っていなければ、それでOKです。自然な英語を身につけるのは、後です。
また、日本語は「とてもうまい」ですが、実は、
なんかなくたっていいんです。日本語は「とても」なのに が抜けていると、学校英語では減点の対象になりますよね。でも、今私たちがやろうとしている口頭での英作文では、違います。「今は『減点されない英作文』じゃなく、『実践的な英会話トレーニング』をやっているのだ」ということを、忘れないでください。
つまり、その情報(彼はテニスがとてもうまい)を相手に伝えようとする時、「とても」うまかろうが「普通に」うまかろうが、たいして重要じゃないんです。そう思いませんか?
もちろん、「ものすっごく上手」と強調したいときは、そりゃveryをつけた方がいいですが、状況によってはたいして重要ではない情報って、たーーっくさんあるのです。(通訳をやってみて、はじめて知ったことです。笑)
学校英語の呪縛から、解き放たれてください。
模範解答でなくてもOK。
重要でない情報は少々取りこぼしてもOK。
英語学習者である限り、完璧なんてないのです。気楽にいきましょう。
瞬間英作文トレーニングにおすすめの教材
さて、瞬間英作文でどんな教材を使えばいいのかということですが、いくつか教材の種類があるのでご紹介します。
瞬間英作文トレーニングシリーズ
これが一番ベーシック。「現在進行形」「SVOO」など、文法の項目ごとの構成。見開きで左ページに日本語、右に英語になっていて使いやすい。CDは日本語→ポーズ→英語の順。ポーズの間に何とか自分で英語を口に出し、次に英語を聞いて確かめることができるようになっています。
コンセプトは上の青い本と同じ。違いは、青バージョンは同じ文型の文章が続くのに対してこれはいろんな文型・文法がごちゃ混ぜになってます。なので、青本より実践的でハード。会話が苦手な人は、まず青い本からスタートして次にこの緑本に取り組むのがお勧めです。
ちなみに瞬間英作文シリーズには、赤い「ポンポン話すための〜」というのと、金色の「バンバン話すための〜」という本もありますが、個人的にはこれらはお勧めしません!この2冊は、文章が長すぎたり、日本語が複雑だったりするので、瞬間英作文に慣れている人でないと「暗記」「翻訳」をしてしまいがちだからです。
瞬間英作文シリーズの書籍は、目次、ページの一部、CDの試聴がベレ出版のホームページにあります。参考にしてみてください。
瞬間英作文のやり方まとめ
瞬間英作文は、まずは中学生レベルの文章をどんどんアウトプットしていく練習法です。
たとえば受動態、過去進行形、現在完了形など、「見たら意味は分かるけど、口からスラッとは出てこない」という文章パターンをたくさん練習していくことによって、どんな場面でも自分の言いたいことを自由自在に組み立てられるようになりますよ。
私が実際に真剣に取り組んで、英会話力が劇的に上がった方法なので、ぜひチャレンジしてみてください。