2018年2月7日
英語脳を鍛えて日本語に翻訳しなくても理解できるようになる方法
エバンス愛
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英語を英語のままで理解するには、どうしたらいいの?どういう勉強をすれば、「英語脳」ができるんだろう?
ついつい日本語に翻訳してしまって英語のスピードについていけなくなるんだけど、どうしたらいい?
こう悩んでいる英語学習者は、とても多いです。
あなたはどうですか?
つい日本語が思い浮かんでしまって、「いかんいかん!」と日本語を一生懸命頭から取り去ろうとしているうちに、英語が頭に入らなくなってしまう・・・
そんな経験、ありませんか?
こんなメールをいただきました。
最近私は英語を英語のままで理解するにはどうすればいいのか悩んでいます。
リスニングをしているとどうしても頭の中で日本語が浮かんできてしまい、次の瞬間には音声を聞き逃しているということがよくあります。
英語を英語のままで理解するために何か良い方法がありましたら、ご教授していただきたく思っております。よろしくお願いします。
今日は、この疑問にお答えします。
コンテンツ
脳内で日本語訳しなくても、英語のままでわかるメカニズム
まず、大前提として「英語を理解する」とはどういうことでしょう? 当たり前ですが、その意味が分かるということですよね。
意味が分かる、理解する、というのは、「頭の中にその概念(イメージ)が浮かんでいること」を指します。
英語でも日本語でもなく、そのイメージが頭に描けているということです。その大前提をふまえて、「英語を英語のままで理解する」「英語脳ができている」とはどういうことか、ご説明しますね。
たとえば、
She is a good tennis player.
という英語が聞こえてきたとき、または文字で読んだとき、私たちはどのようにこの英語を脳内で処理するか、ちょっと考えてみましょう。
英語 → 日本語 → イメージ化して理解(日本語への翻訳が必要)
私たちが英語初心者だった中学1年生の頃は、下の図のように、まず日本語に翻訳してその日本語を頭の中で映像化することで理解していたと思います。
英語 → イメージ化して理解(英語を英語のままで理解)
でも、だんだん英語に慣れてきて、もっと高度な英語が理解できるようになると、下の図のように直接英語から映像化して処理できるようになったと思います。
日本語を介さず英語脳で理解できている状態ですね。
もしも、「いえ、私はそのレベルの英語でもまだ日本語にしてしまいます」という方がいたら、たとえば “I love you.” という英語だったらどうでしょう?
仮に、あなたが字幕なしで映画を見ていたとして、男女の登場人物が出てきて、その一人が”I love you.”という言葉を発したとき
えっと〜、I love youは「私はあなたを愛してる」だから・・・
と、日本語にしないと分からないでしょうか?
それとも、英語のままでその状況を理解できますか?
おそらく、英語のままで理解できているはずです。お分かりでしょうか?「英語を英語のままで理解する」というのは、私たちは全くできないわけじゃないんですね。
“I love you”を聞いて英語のままで意味が理解できたあなたは、“I love you”というフレーズにおいてはすでに英語脳を持っているのです。
つまり、英語を英語のままで理解するのは、「できる時とできない時がある」のです。ここ、非常に重要です。
英語を英語のままで理解できるのは、どんなとき?
では、私たちはどういう時に英語が英語のままで理解できるのでしょうか?どんな場合なら英語脳になれるのでしょうか?
それは、上記で例に挙げたような、「自分のレベルよりはるかに簡単な英語のとき」です。
・使われている単語や文章構造が今の自分のレベルにとって簡単である。
・内容が自分にとって身近である。
こういう時です。
She is a good tennis player.
I love you.
といった英語は、単語や文法、話のテーマも私たちにとってなじみがあるものばかりですよね。だから、英語のままで理解できるのです。
英語を英語のままで理解できないのは、どんなとき?
では逆に、英語が英語のままで理解できないのはどんな時でしょうか?
それは、
・使われている単語や文章構造が今の自分のレベルにとって難しい。
・内容が自分にとって身近ではない。
こういう時です。
たとえば、以下の英文。
When a composite variable is used as a primary variable, the components of this variable may sometimes be analysed separately, where clinically meaningful and validated.
訳:合成変数が主要変数として用いられる場合、合成変数の成分に臨床的意義がありかつ妥当性が示されているならば、その成分を個別に解析することがある。(英辞郎より引用)
私は、この英文を読んで、「英語のままで」理解することはできません。以下、これを読んでいる私の脳内です。
variableって、こういう理系の文章で出てくるときは「変数」って意味だったっけかな〜・・・。てか、この文章、何の話?analysedってあるから、なんかの解析の話か・・・。whereの後ろ、なんか文法的に変・・・ああ、そうか、「○○な場合は」みたいな意味で、S+Vが省略されてるのかな・・・
このように、「変数」「解析」「場合」といった日本語が頭の中でぐるぐるします。日本語脳になっちゃうんですね。
私が英語のままでこの文章を理解できない理由は、私がこの分野の単語や内容になじみがないからです。
この文章が英語のままでスラスラ理解できて状況が頭の中にイメージできるのは、医薬分野に長く英語を使って携わっていて、数学や解析の知識がある人だけです。
多分、私の前職の通訳歴20年以上の先輩でも、この文章を英語のままですんなり理解はできないです。
一般的には英語が堪能と思われている通訳者だって、すべての英語がいつも英語のままで理解できるわけじゃないし、常に英語脳なわけじゃないんです。
日本人なんだから、日本語が頭に浮かぶのは当たり前なんです。
英語を英語のまま理解できる「英語脳」を作る方法
日本の多くの英語学習者は、英語を聞いたり読んだりしながら日本語に頭の中で翻訳してしまうことを、「いけないこと」と思ってしまっています。
でも、英語を聞いていて日本語が浮かぶことは、当たり前です。日本語が母国語の私たちが、完全に日本語を脳内から締め出すのは不可能です。
とは言え、何でもかんでも日本語に訳さないと理解できないようでは時間がかかるし、どんどん流れてくる英語を聴き逃してしまいますよね。では、どうしたらいいのか?
それは、
「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語」をたくさんインプットすることです。
「そもそも、難しいものをやるから、日本語に直さないと理解できない」のです。
自分にとって簡単で、日本語にすべて頭の中で直さなくても理解できる英語をたくさんインプットすることによって、「英語のままで理解する」感覚が身につきます。英語脳も鍛えられます。
逆に、分からない英語をひたすら聞き続けても、残念ながら「英語のままで理解できるようになる」ことは絶対にありません。
だから、「CNNニュースを意味が分からないまま流しっぱなしにしておく」とかいうやり方は、はっきり言って全く効果がありません。あなたがそういうリスニングの勉強をしているなら、今すぐやめてください。
私もやっていた、間違ったリスニングの勉強法については、この記事をどうぞ。
一般の英語学習者は、自分のレベルに対して難しい素材ばかりを使いすぎです。
日本語にしなくても理解できるレベルの英語にたくさん触れて、英語を英語のままで理解できる「英語脳」を強化ましょう。
そして、より難しいレベルの英語も英語のままで理解できるように、ちょっと難しい教材にも挑戦していってください。
英語脳を強化する効率のいい勉強法
英語を日本語に翻訳せず英語のままで理解できるようになるために使う教材は、とにかく、自分のレベルよりはるかに簡単な英語です。
たとえば、NHKラジオの基礎英語などは、中学生レベルなので英語のままですっと理解できる文はたくさんあるはずです。私も、英語のやり直し開始からTOEIC700点レベルの頃までめちゃくちゃお世話になりました。
TOEIC700点といえば、通常なら余裕で大学受験も突破できるレベルです。その頃に、ラジオで中学生レベルの「基礎英語」をたくさん聞いていたわけです。
自分とってやさしい英語をたくさん耳に入れることで、自然と英語のままで理解する癖がつきます。そして、その「自分にとってやさしい英語」のレベルを上げていけば良いのです。
なお、自分のレベルよりはるかに簡単な英語のインプットを机でやるのはもったいないので、(机ではもっとチャレンジングなものに取り組むべきです)時間をうまく使って、学習効果を高めましょう。
以下に、自分にとって簡単なレベルの英語のインプットを効率よく行う勉強法をご紹介します。
簡単な英語の効率良いインプット法その1:ながら聞き
自分にとって簡単な英語を「ながら聞き」しながらお皿洗いなどの家事をすると、その時間が英語時間になる上に注意が多少散漫になっても、簡単なので十分ついていけます。
ながら聞きについては、以下の記事も参考にしてください。
簡単な英語の効率良いインプット法その2:ながらシャドーイング
私がお勧めするのは、簡単な英語でシャドーイングしながら家事や運転などをすることです。
聞くだけなら、日本語を介さず楽勝で理解できる英語でも、何も見ないでシャドーイングしようと思うと最初は思うように口が回らなくて、びっくりするはずです。
シャドーイングをすることで、日本語に直すまでもなく理解できる英語のインプットが可能になり、しかも発音やイントネーションも上達します。英語を英語のまま理解できる英語脳の強化だけでなく発音も良くなるなんて、すごくお得ですよね。
シャドーイングについては、こちらもどうぞ。
英語脳を鍛える方法・まとめ
いかがだったでしょうか?
現在のあなたが「難しいな」と感じる英語の素材を聞いても、現在のあなたの英語力では、英語のままで理解するのは無理です。
そして、今は「頭の中で訳さないと理解できないな」と思っている素材は、その上のレベルにあなたの英語力が達したとき、英語のままで理解できるようになります。
だから、英語を英語のまま理解する力を身につけるには、自分の実力より簡単だと思える英語を日常的に読んだり聞いたりしながら、段階的に「英語脳」をつくっていくというのが解決策です。
簡単ならわざわざ日本語に直さなくても理解できます。だから、簡単な英語を大量にインプットすることで「英語の語順で英語のまま理解する」癖をつけるんです。
「簡単で、自分になじみがあるテーマ」で訓練すること。自分が知識のない分野の英語を使わないこと。たくさんやること。基礎を、飽きるほど、条件反射でできるくらいまでやること。これ、大事ですよ。
「自分にとって簡単な英語にたくさん触れてもいいんだ~」そう思えたら、気が楽になりませんか?
以上、英語を英語のままで理解できるようになる方法をお伝えしました。お役に立ったら幸いです!