2023年4月25日
どのくらいの期間リスニングすれば、英語が聞き取れるようになる?
エバンス愛
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「英語をだいたい何時間くらい聞けば、英語が聞き取れるようになるのですか?」
「どのくらい勉強すれば、映画が字幕なしで見られるようになりますか?」
という質問を、私はよく受けます。
英語を頑張って勉強しているけど、一体いつになったら聞き取れるようになるのか・・・そう暗闇の中をもがくような先の見えないリスニングの勉強に不安を感じている方はとても多いと思います。
このページでは、どのくらいの期間リスニングをすれば英語が聞き取れるようになるのか、実際にいただいたご相談メールなどもご紹介しながら示してみたいと思います。
もちろん個人差があるのであくまでも目安ですが、それでも、だいたい「英語の聞き取りには、このくらいの時間が必要なのか」とイメージをつかんでいただけたら幸いです!
コンテンツ
どのくらいの期間リスニングをすれば、聞き取れるようになる?
これから英語の勉強を本格的にやり直す英語初心者が、具体的にどのくらいの期間リスニングすれば、英語が聞き取れるようになるのか?
あくまでも目安であり、勉強の濃度や英語への苦手意識などの個人差もありますが、ざっくりとしたイメージを持っていただけたら幸いです。
海外旅行や日常会話で最低限の英語が理解できる:500時間
あなたが海外旅行や日常会話で最低限必要な英語が理解できるようになって、相手がゆっくり話してくれる英語が最低限聞き取れるのが目標なら、それに必要な英語のリスニング時間のイメージは、500時間くらいです。
これは、普通に一般的な勉強をした場合です。(海外旅行先でのチェックインや入国審査のやりとりなど、特定のシーンで必要な英語の訓練をすれば、海外旅行の英語を聞き取るだけならもっと早く達成可能です。)
この「500時間」が、どういう時間かというと・・・
仕事や家事の合間に、1日30分、週3回英語を聞いたとしたら、6年半かかります。
※1年は約52週なので、52週 x 3日 x 0.5時間 = 78時間。500 ÷ 78 = 6.4
日常会話で最低限のリスニング力なのに、かなり遠い道のりです。このペースは、遅すぎるのでお勧めしません。
通勤時間に平日5日、毎日1時間英語を聞いたとしたら、2年かかります。
※お盆と年末年始を除く50週に平日5日間に毎日1時間聞いたとしたら、50週 x 5日 x 1時間 = 250時間。
通勤時間以外のながら聞き時間も見つけて、平日2時間、土日3時間英語を聞いたとしたら、7ヶ月かかります。
※平日5日 x 2時間 + 土日2日 x 3時間 = 16時間/週。500時間 ÷ 16時間 = 31.25週
できれば、毎日これくらいのペースで英語が聞けたら理想です。
ビジネスで最低限の英語が理解できる:1500時間
難易度の高くないビジネス英会話が最低限聞き取れるレベルで、TOEICも800点〜900点という高得点を目指せる英語力というのは、多くの人が目標にしていると思います。
それに必要な英語リスニング時間は、1500時間くらいです。なお、ネイティブ同士の弾丸トークや英語会議についていくのは、1500時間程度ではまだ難しいです。
「1500時間」が、どういう時間かというと・・・
仕事や家事の合間に、1日30分、週3回英語を聞いたとしたら、19年かかります。
※52週 x 3日 x 0.5時間 = 78時間。1500 ÷ 78 = 19.2
ビジネス英会話が理解できるようになった頃には、定年が近づいてきそうですね(苦笑)
通勤時間に平日5日、毎日1時間英語を聞いたとしたら、6年かかります。
※お盆と年末年始を除く50週に平日5日間に毎日1時間聞いたとしたら、50週 x 5日 x 1時間 = 250時間。1500 ÷ 250 = 6
通勤時間以外のながら聞き時間も見つけて、平日2時間、土日3時間英語を聞いたとしたら、1年10ヶ月かかります。
※平日5日 x 2時間 + 土日2日 x 3時間 = 16時間/週。1500 ÷ 16時間 = 93.7週
映画が字幕なしで理解できる:10000時間超
そして、多くの人が憧れる「映画や海外ドラマが字幕なしで理解できる」というレベルに必要なリスニング力ですが、これは、ほんとにほんとに長い道のりです。
個人差はありますが、私は10000時間くらいは最低でもかかると感じています。
10000時間がどういう時間かというと・・・
ほぼ毎日3時間英語を聞いたとして、10年かかります。
※月28日 x 3時間 x 12ヶ月 = 1008時間/年
今回は、1日30分とか1時間とかの計算をすると悲しくなるので、あえてしないでおきましょう・・・
いかがでしょうか?
こうやって数字を見てみると、「英語を聞く時間をちゃんと確保しないとダメなんだな」とおわかりいただけたのではないでしょうか?
本当に突然英語が聞こえてくるのか、先が見えないので不安です
ここで、「リスニングの上達が感じられない」という読者さんのご相談を取り上げます。
もう1年半も英語を勉強しているのに、リスニング力が上がったと実感できないそうです。何が原因なのでしょうか?
—– 件名 —–
リスニングが伸びません—– 現在の英語レベル(教材・勉強法のご質問の場合) —–
TOEIC500—– メッセージ —–
52才会社員です。1年半前ぐらいから英語を再開しました。シャドイングやら、結構色々やったのですが、ほとんどリスニング力が上がったという実感がありません。主人はある日突然聞こえてくる・・・と言うのですが、その気配すらありません。
通勤の電車の中でPart1や2のシャドーイングをブツブツ言いながら(回りは何をブツブツ言ってるの、このおばさん。。。と思っているでしょうね)20分×往復。
本当に突然聞こえてくるのでしょうか。全く将来が見えてこないので、モチベーションが上がりません。
1年以上英語を勉強していても、リスニング力が上がった実感がないということですね。きっと、同じ悩みを持っている方も多いのではないかなと思います。
彼女は、通勤時間を使って「1日20分×往復」のリスニング時間を確保しているということですが、往復ということは1日40分、通勤とのことなので、おそらく平日の5日/週ということですね。
1日40分では、TOEIC900点レベルには9年かかる
となると・・・
海外旅行や日常会話で最低限の英語が聞き取れる目安の500時間に達するには、3年かかります。
(※40分 x 5日 = 200分/週。500時間 ÷ 200分 = 150週。)
ただ、この方の場合はTOEIC500点とのことで、もうすでに海外旅行や最低限の日常会話レベルの英語は聞き取れる可能性がありますね。
なので、多くの人が目標とする「仕事で必要な英語が聞き取れる」「TOEIC900点」といったレベルに必要な英語時間の目安を考えてみましょう。
こちらもあくまでも目安ですが、
一般的なビジネス英語が理解でき、TOEIC高得点も狙える1500時間に達するには、9年かかります。
海外旅行の500時間にすでに到達していると仮定すると、あと6年かかるイメージです。
平日2時間確保すると、TOEIC900点レベルに3年で到達できる
こう考えてみると、1日40分ではちょっと物足りないかなと思います。いや、ちょっとじゃなくだいぶ。
残念ながら、1日40分程度では、なかなか目に見える成果は出てこないかもしれません。なので、成長の実感が得られるほどの変化を望むなら、1日2時間くらいはできれば確保したいところです。
仮に、1日なんとか2時間の「ながら聞き」時間を確保して、土日はゼロだった場合、
平日2時間で、ビジネス英語が最低限理解できる1500時間には3年で到達できます。
50週 x 5日 x 2時間 = 500時間/年。1500 ÷ 500 = 3
上記と同じく、すでに海外旅行の500時間は達成済みなら、あと2年で到達できます。これくらいが遠すぎず、現実的なラインかなと思います。
なので、平日だけでもなんとか2時間確保するか、あるいは土日で確保するなどして、英語を聞く時間を増やすことをお勧めします。
「ながら聞き」の英語時間を増やす方法については、以下の記事に詳しく書いています!合わせて参考にしてください。
▶英語の勉強する時間がない人集合!誰でも毎日1時間確保できる方法
リスニング力の上達の実感を感じるまでの期間や感じ方
ところで、このメールをくださった方のご主人によると、「ある日突然聞こえてくる」ということです。これについて、私の経験からもお伝えさせてください。
「ある日突然」くっきり英語が聞こえることはあるのか
よく、「毎日聞き続けていると、ある日突然くっきりはっきり聞こえるようになった!」という経験談を聞きますよね。その昔、ハリウッド進出を目指していた松田聖子さんも、そんな話をしていたような。
だから、そういう「ある時突然、はっきりと聞こえる」という瞬間がくると思って、勉強を続けている人がとても多いと思います。
でも・・・
私自身は、「突然聞こえるようになった!」みたいな経験をしたことは、実はないんです。
「1年前の私」と「今の私」のリスニング力を比べた場合、リスニング力が伸びたという実感は、正直ありません。毎日英語を聞いて訓練しているので、リスニング力は上がってはいると思います。でも、ほとんど実感できないのです。
TOEICでも受けていて点数が変化していれば、「あまり実感はないけど、伸びてるんだなあ」とは思うでしょうけれど。
私には「ある日突然英語が聞こえる日」は来なかった
私の場合、突然聞こえ方が大きく変化したのではなく、体感できない、でも確実な進歩が積み重なって、今があるという感じです。「そう言えば、あの時と比べて随分聞き取れるようになったよなあ」という実感。
でも、「あの時」って3年とか5年前なんですよね。
「突然、今までと全然違う風に英語が聞こえた!」という変化を感じられる人もいれば、私のように、じわじわと数年単位でしか成長が感じられない人もいます。
そして、多くの人は私と同じように、「ある日突然」の劇的な変化ではなく、じわじわとした成長しか感じられないのではないかと思います。
この事実は、ある意味ではがっかりすることかもしれません。
でも、「ある日突然英語が聞き取れるようになる日が、もうすぐ来るのでは?」という期待を抱いて、いつまでたってもその日が来なくて不安になったりがっかりしたりする必要はないということでもありますね。
リスニングはやったらやっただけ伸びていくものです(もちろん、自分に合った教材で正しいやり方でやればですが)。絶対に進歩しているので、すぐに成果が体感できなくても大丈夫です。
英語が聞き取れるようになるには、まずは1000時間
だいぶ前ですが、ビートたけしさんが「ゴルフでもなんでも、上手になるまでは楽しくないもんなんだよ。下手でも楽しいのは、セックスくらい」と言っていました。
これは英語にも本当に当てはまります。英語も、楽しめるようになるには。ある程度の練習が必要なんですよね。
下手で楽しくない「初級者」を早く駆け抜けよう
スポーツでも語学でも、
下手なうちは楽しくないから練習をしたくない
↓
練習しないから下手なままで、だから楽しくないからやりたくない
↓
だからずっと下手なまま・・・
という悪循環に私たちは陥りがちです。だから、初級者の時期をできるだけ早く駆け抜ける方がいいんです。楽しくなったら、続けるのも苦ではなくなりますから。
私が英語学習を再開したときは、最初はご質問者さんと同じように、1日1時間も英語を聞けていませんでした。もっと正確に言うと、英語の勉強時間がゼロの日もありました。
でも、上で見てもらった通り、1日1時間未満のペースでは、上達には膨大な年数がかかるんです。
毎日3時間、1年で1000時間の英語時間を目指そう
ある時、私は英語のレベルが一段階上がる「ブレイクスルー」を感じるのに必要な勉強時間は「1000時間」と知りました。
1000時間?今のペースじゃ全然ダメだ!
そう思って、英語を聞く時間を確保しようと決めました。
毎日の通学時間に加えて、お風呂に入りながら、家事をしながらなど、毎日少なくとも3時間は英語を聞くようにしました。週末は5時間とか、もっと聞いていたことも多いです。
その結果、リスニング初級レベルを早く駆け抜けることができ、英語の楽しみが増えて、リスニングが苦ではなくなりました。
もちろん、小さいお子さんがいる方や、残業の多い仕事をしている方は、1日3時間は難しいと思います。だから、ご自身のペースで大丈夫です。
でも、早く成果が出したい、目に見える進歩が欲しいと思うなら、まずはできるだけ早く1000時間を達成することを目標に、英語を聞くことをお勧めします。
1000時間を越えた先は?リスニングに終わりはあるのか
私は、英語を外国語として学んでいる私たち日本人が満足できるレベルに到達することは、一生ないと思っています。
母国語である日本語だって、会話力や文章力、語彙はいくらでも上がありますよね。
私自身は、TOEICのリスニングセクションは20年以上前に満点を取っていますし、英語ネイティブの夫もおり、通訳者として仕事をしています。
多分、私がこれまで英語を聞いた時間は、通算で20,000〜30,000時間くらいかなと思います。
でも、今日現在のリスニング力をもって「もう私は英語が聞き取れるようになった!満足!」なんて全く思っていません。
映画も字幕なしで見ることはできますが、話についていける程度に理解できるだけで、「一語一句すべてが理解できる」わけではありません。
訛りの強い英語に苦労することもあります。去年イギリスを旅行したときは、スコットランド英語がまっっっっっったく聞き取れませんでした。
ああ、私はまだまだだな・・・
と、どこかで天狗になっていた自分に改めて気づきました(苦笑)
(参考:イギリス旅行3★スコットランド英語が聞き取れなさすぎて落ち込む(アメブロ))
通訳歴20年以上の私の先輩も、「昨日リスニングの勉強したとき・・・」と、当たり前のようにサラッと言ってました。
通訳みたいな、周囲の人からしたら「どんな英語でも簡単に聞き取れるんでしょ?」と思うような職業の人ですら、完全なネイティブレベルというわけではなく、毎日膨大なリスニング時間を積み重ねているんです。
私も、死ぬまで英語のリスニング力は鍛え続けると思います。
勉強時間と進歩の実感については、以下のページも参考にしてください。
▶1日に何時間勉強すれば英語が上達しますか?に対する通訳翻訳者の答え
効率よく初級者の時期を乗り越えるには、何をする?
毎日英語のリスニング時間を作ることに決めたとしても、単にBGMのように英語を聞き流していたのでは意味がありません。ちゃんと理解できるものを聞くのが大事です。
正しい「英語の聞き方」については、以下の記事を参考にしてください。
▶英語のシャワーはなぜ危険?そのリスニング勉強法は効果ナシです
また、初心者の時期を早く駆け抜けたいのは山々だけど、そんなにたくさん英語の勉強時間が取れない!という方は、この記事も参考になると思います。
▶英語の勉強する時間がない人集合!誰でも毎日1時間確保できる方法
そして、ただ黙って英語を聞くよりも効果があるリスニング勉強法は、シャドーイングやディクテーションです。短期間でしっかりリスニング力を伸ばしたいなら、ぜひ取り入れてください。
シャドーイングのやり方はこちら。
▶シャドーイングを5年続けて通訳になった私のやり方と継続のコツ
ディクテーションのやり方はこちら。
▶ディクテーションで英語力に革命が起きる!効果と正しいやり方を徹底解説
シャドーイングは、「ながら聞き」の時間にできます。基礎的な中学生レベルの簡単な英語でやってみてください。私も、中学基礎レベルの英語のシャドーイングを愚直にやり続けました。
ディクテーションは机での勉強時間が必要ですが、1日10分でも、やれば変わります。ぜひ挑戦してみてください。
英語初級中級者を駆け抜けた後には、楽しい世界が広がる
リスニングの勉強は本当に終わりがなくて、ずっと積み重ねないといけないとお話ししましたが、その過程はつらいことではなく、楽しいものなんです。
だって、全く聞き取れないゼロの状態が何年も続いていきなり聞き取れる100の状態になるわけではなく、「だんだん聞き取れるものが増えていく」わけですから。
さっきも言いましたが、英語は、最初が一番つまらないです。
でも、ルールが分かって、自分のスキルも上達してきたらどんどん楽しくなってきますし、できることが多くなります。すると、楽しいからもっとそれに時間を費やします。すると、もっと上手になります。
そうしたら、もっと楽しくなります。
私自身も、英語の初級者、中級者の時期を抜けて、英語の海外ドラマやテレビ番組をそのまま英語で聞き取れるようになり、英語のオーディオブックが楽しめるようになりました。
こうなると、もう「勉強」というよりは、楽しいから毎日海外ドラマを見て、オーディオブックを聞いているわけです。そうやっているうちに、リスニング時間がどんどん積み重なって、さらにリスニング力が伸びていきます。
オーディオブックを英語学習に取り入れるメリットについては、こちらの記事に詳しく書いています。
▶英語オーディオブックを聞く5つのメリットと効果。リスニング爆上げ&収入upも叶う
英語の好循環に入れば、どんどん英語が上達していきます。できるだけ早く好循環に入れるように、英語を毎日聞く習慣をできるだけ早く身につけてください。
楽しいから勉強が続き、「私はあと何年英語を聞き続けたらいいのだろうか?」「このまま私は続けていって進歩はあるのだろうか?」なんて、ぜーんぜん思わなくなる時が来ます。
そうなったら、こっちのもんです。
どのくらいの期間リスニングすれば、英語が聞き取れるようになる?まとめ
というわけで、誰でも一度は悩む「英語をどのくらいリスニングしたら、聞き取れるようになる?」という疑問について、私の個人的な体験も含めてお話ししてみましたが、いかがだったでしょうか?
英語が聞き取れるようになるために必要なリスニング時間の目安は、以下です。
・海外旅行や日常会話で最低限の英語が理解できる:500時間
・ビジネスで最低限の英語が理解できる:1500時間
・映画が字幕なしで理解できる:10000時間超
1日1時間未満のリスニング時間では、目標とするレベルには数年単位の時間がかかってしまいます。なので、可能なら1日2〜3時間の英語を聞く時間を作ることをお勧めします。
1日2〜3時間と言っても、机での勉強時間である必要はありません。家事や通勤中の「ながら聞き」の時間をかき集めれば大丈夫です。
とは言え、意味が分からない英語をいくら聞き流してもダメですし、単語を覚えたり、文法知識を固めたりすることも必要です。
が、毎日ちゃんと時間かけて正しい方法で英語を聞いて、あとは「まー、そのうち聞こえるようになるでしょ」って、長い目で英語を継続してみてください。きっと、英語は聞こえるようになります。
参考になったら幸いです。
英語のリスニング時間を積み重ねていくには、娯楽を英語時間にするのが一番です!
私は、通常なら日本語でしか見られない『鬼滅の刃』を英語音声で楽しみながら、英語リスニング時間を増やしていますよ。詳しくは、以下の記事でどうぞ!