2022年9月7日
日本の元受刑者は多くの差別を受けているか?(英検1級合格体験記)
エバンス愛
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—– ハンドルネーム —–
角田 長松
—– 年代・性別・ご職業 —–
50代男性 会社員
—– 他の英語の資格 —–
TOEIC880点(2018年10月)
—– 2次試験に合格した回 —–
2022年度第1回
—– 何回目での合格? —–
2回目
—– 合計点(内訳) —–
29(7,9,7,6)
—– 選んだトピック —–
日本の元受刑者は多くの差別を受けているか?
—– スピーチの内容 —–
最新の調査によると、日本における再犯率は49.1%である。この数値の高さは、元受刑者が出所後もひどい差別を受けているからだと考える。理由は主に二つ。
第一に、日本では、元受刑者は就職の際、履歴書の賞罰欄に前科を記載せねばならず、このことが、彼らの就労を困難にしている。
第二に、今の時代、ネット上に元受刑者に対する誹謗中傷が溢れており、心無い投稿が彼らのプライバシーを侵害し、更生を阻害する要因となっている。
この二つの問題とは別に、再犯率を下げるために刑務所内で受刑者に対し必要なのは、懲役ではなく、リハビリテーションであると私は考えている。
上記の内容について話している内に時間となりました。
—– 試験官とのやりとり —–
Q1:再犯率について言及していましたが、もう一回数値を教えて下さい。何パーセントでしたっけ?
A1:49.1%です。高い数値だと考えます。しかし、実は初犯率は減少傾向にあります。ですから犯罪を減らすカギは、いかに初犯率を下がるかにかかっています。
Q2:履歴書に前科を記載しなければならないと言ってましたが、そうなのですか?
A2:はい。10年間は前科の効力があるためです。10年経てば記載の必要は無くなります。
Q3:ネット上での誹謗中傷について触れていましたが、検閲は必要だと思いますか?
A3:国家が統制するのは危険です。これはソーシャルメディアの運営会社がすべきことです。ただ、ここで問題になるのは、侮辱(insult)と名誉棄損(slander)の線引きが難しいことです。具体的には、「あの男は殺人の前科があり、いま○○町に住んでいる。皆さん気を付けましょう」……もしこのような投稿があったとしても、内容が100%事実である限り、削除されるべきではないと私は考えます。なぜなら、近隣の住民にとっては有益な情報となり得るからです。しかし、例えば「あの男は精神異常者だ、また同じ過ちを繰り返すに違いない」……といったコメントは、明らかに侮辱(contempt)に当たるので、速やかに削除されるべきです。
Q4:刑務所内では懲役よりリハビリテーションを重視すべきと述べていましたが、具体的にはどんな内容が有効と考えますか?
A4:アンガーマネジメントや創造的なワークショップなどです。特に薬物中毒者は、私見では、犯罪者として扱うのは良くないと思います。なぜなら、彼らが、どうして薬物に手を出してしまったかの原因を自分自身で突き詰めて考えない限り……とここまで言い掛けたところで時間となり終了しました。
—– 良かった点 —–
Q3に対する回答は以前から用意していたもので、これに対する質問を誘発するスピーチが出来たことが合格の要因だったと思います。
—– 反省点 —–
スピーチにおいて、結論を述べる前に時間切れになったことが悔やまれます。簡潔に伝えることが出来ていなかったということで、努力不足です。精進します。
—– 勉強法、対策法、気をつけたこと —–
「良かった点」で述べた通り、いかに自分の答えられる質問を誘発するスピーチを展開出来るかがカギとなります。模範スピーチの暗唱に時間を割く方も多いようですが、私はほとんどやりませんでした。その代わり、各分野で想定される質問の答えを自分で用意し、声に出すトレーニングを続けました。
—– 不合格回との違い(前回不合格だった方へ) —–
前回は、英検1級で問われるすべてのジャンルを浅く広く網羅しようとしたことが最大の敗因でしたが、今回は、得意分野に的を絞りました。特にソーシャルメディアについては深掘りし、何を訊かれても自身の意見を述べることが出来るよう準備をしていました。結果、試験当日、5つのトピックの中にメディアに直接関係のあるお題は無かった(はず)ものの、私は成算を持って前述の内容を選びました。
—– 合格までに利用したもの —–
参考書は、定番の「英検1級 面接大特訓」を使いましたが、前述の通り、スピーチの暗唱はほとんどせず、質問の答えの作成に時間を割きました。説得力を持たせるためには、借り物ではなく、自身の意見をきちんと伝えることが重要と考えたからです。例えば、「少子化の主な原因はどんなものがあるか」という問いの要因の一つとして「夫婦への教育費などの莫大な金銭的負担」が本の中では挙げられていますが、私はそれに対する対応策として、以下のような解答を自分で考え用意しました。
”ポイントは夫婦の考え方にあると思う。今、金銭的な理由で二人目の子供を諦めている夫婦は多い。自分達の子供に大学教育を受けさせたいと思っている親が少なからずいるからだ。当然、莫大な費用が掛かる。しかし、私は夫婦達に今一度良く考えてほしいと思っている、そこまでして子供を大学に行かせる価値があるかどうかを。なぜなら、今や大学卒業の資格は、かつてほど良い雇用の機会を保障しないからである。彼らに熟慮してもらいたい。大卒であるがきょうだいが居ないのと、きょうだいは居るが学位が無いのとどちらが子供にとって幸せなのかを。ある人は子育て手当を増やせと主張し、またある人は教育の完全無償化を訴える。しかし、私はそのどちらにも強く反対する。なぜなら、それらは国の財政を悪化させ、何よりも、そのツケを将来子供達自身が払わなければならなくなるからだ”
多少過激であっても、自分の言葉で話すことが大切だと思っています!
—– これから受験される方へのメッセージなど —–
約30年前、どうしようもない情けない学生を送った、留学経験および仕事で英語を使う機会が皆無の、51歳のオッサンでも独学で合格出来るのだから、誰でも大丈夫!
貴重な体験談をありがとうございます。
体験談を見ると、このテーマについて具体的なデータを集めて準備されていたんだなというのがよく分かります。数字を上げながら説明すると説得力も上がりますし、試験官の興味も引くことができますよね。(※主張の理由を数字で具体的に示すことは、合格に必須ではありません)
模範スピーチの暗唱に時間を割く方も多いようですが、私はほとんどやりませんでした。
まだ暗唱してる方がいるんですね。。。とは言え、私が受験した2008年は、暗唱している人しかいませんでしたが(;・∀・)
暗唱した内容とバッチリ合うテーマが出題されて、暗記では対応できない質疑応答も乗り切れるなら、きっと合格はできます。
でも、結局なんのために英語を勉強しているのかと考えたら、英検1級合格のその先があるはずで、それを考えたら、自分がどうなりたいのかから逆算した英検1級の準備をするのが一番大切だなと思っています!
というわけで、角田さん、ご投稿ありがとうございました!
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