英語学習の目的を見つける方法

これまでの記事で、TOEICの点数や英検合格だけを目標に勉強するのは
もったいないですという話をしました。

どうせ勉強するんだったら、


・ 英語を勉強する目的をはっきりさせましょう。
・ 目的につながる勉強をしましょう。
・ 問題集を解くばっかりじゃなく、実践練習を積みましょう。

その方が効率がいいですよ、と。

でも、
「私が英語を勉強する目的って・・・なんだろう?」
そう考え込んでしまう人も、実はとても多いのではないかと思います。

「そりゃ、しゃべれるようになりたいし、
 映画だって字幕なしで見られたらいいなとは思うし、
 スラスラ英語が読めて書けた方がもちろんいいし、

 でも・・・結局自分はどうしたい・・・の?」

あなたも、そんな感じですか?

よかったら、私の過去の話を聞いてください。


私が塾講師をはじめたばかりの頃、
英語を使ってどうしたいとか、英語を勉強する目的とか、
考えたこともありませんでした。

目的があるとすれば、それは生徒の成績を上げて、合格させて、
職場での自分の評価を上げるということだけ。

で、当時の勉強法ってどんなのだったかなと考えると
高校生用の問題集をひたすら解いて、研究する。
それだけだったんですね。

だから、1年間もそればっかりやっていれば見た瞬間に答えも分かるし、
どうやって生徒に説明したらいいかも分かるし、
出題者の気持ちさえ分かるようになりました。

だから、試験対策を教える講師という役割で考えると
それはそれで良かったですし、
雇い主からもいい評価をもらえていました。

でも、それって私がずっと否定している
「試験のためだけの英語の勉強」だったんですね。

で、その後自分がどうしたいかよく分からなくなって
目標も見失ってしまって、結局たった2年で辞めてしまいました。

で、「英語を使った(講師以外の)仕事がしたい!」って思って
派遣の登録に行ったり、就職斡旋のお話を聞きに行ったり
いろいろ将来進むべき道について模索していました。

でも、当時はいろんな意味で甘かった。

試験対策のテクニックを知っているので、TOEIC980点はすんなり取れたし、
これだけTOEICの点数があれば、雇ってくれるところはあるでしょ、と。

(あぁ自信過剰 汗)

就職斡旋のコーディネーターの男性に、こう言われました。


「これから、英語を使ってどうなっていきたいんですか?
 何が目標ですか?」

はっきり言って、何も答えられませんでした。

かろうじて出た言葉は、

「ほ・・・翻訳、とか?」


ぴしゃっと、こう言われました。


「翻訳の仕事がしたいと言って登録にいらっしゃる方は、
 はっきり言ってたくさんいます。

 TOEICの点数が高いから英語を生かした仕事がしたいって人は
 正直言って使えないです」


つまり、翻訳の仕事がしたいという強い気持ちもなく
ましてやそのために翻訳学校に行くなりトライアルを受けるなり
具体的な行動さえ何もしていない人に、

紹介できる仕事なんてありません、と。

そりゃそうです。

当時の私は、塾講師という肩書きがなければ、
ただの「試験勉強マニア」でしかなかったんです。

そんな人間がビジネスの現場で通用しますか?


100%通用しないです。

_| ̄|○ ガクッ


やっぱり、私の居場所はここだ・・・

と、「試験勉強マニア」の価値が発揮される唯一の場所、
講師の仕事に戻ることになったんです。

(※ 塾講師がみんなそうであるという一般論ではありません。
 あくまでも、私個人の話です)


塾講師の仕事は、大好きでした。

試験勉強のコツを教え、小手先のテクニックも教え
それで結果を出した生徒や雇い主に喜ばれることも嬉しかったです。

でも、仕事としてはそれでも良かったのかもしれないけれど
「私」の英語スキルという面では、どうなんだろう。
ほんとにこれでいいんだろうか。

そう、悩むようになりました。


塾講師として勤めはじめた頃は、
自分自身でも文法の知識があやふやでした。

だから、中高生用の問題集をひたすら解いたのは
文法をがっちり固めるのに役立ったし、
それがTOEIC980点につながったことは間違いないです。

また、ホームページにも何度も書いていますが
通勤の車の中では、ひたすら英語教材の付録CDを流して
リスニングしたり、シャドーイングしたりしました。

だから、リスニングは
TOEIC満点レベルまでならあっけないほど簡単に伸びましたし、
発音も良くなってきました。

でも、そういう勉強をやっていた目的というのが

・ 生徒に文法をきちんと教えるとか
・ リスニングの入試問題がちゃんと解けるとか
・ 生徒の前でテキストを音読しても発音が変じゃないとか

まあ、そういうことでしかなかったんですね。

「先生としての」英語スキルという面では
私がやったことは間違いじゃなかったです。

でも。

生徒がどうとか、仕事がどうとかを抜きにして
「【えいみという人間】の英語スキルって・・・?」
そう考えたとき、「私は何も持ってない」って気づいたんです。

TOEICや英語教材の付録CDみたいな、声優さんがくっきりはっきり吹き込んでいる
「学習者用」の素材なら聞けても、

映画やドラマなんて全然聞き取れないし、ニュースすら全然分からない。

語彙が少ないから新聞記事もペーパーバックも全然読めない。

英会話?

旅行英会話レベルならまだしも自分の言いたいことは100分の1も言えない。

ライティング・・・

塾で教える、日本語に異常なほど忠実な
超不自然な英語しか書けませんが、何か?



。・゜(゜´Д`゜)゜・。


思いました。

これじゃ、いかんと。

塾の仕事は大好きだったけど、
こんな見せかけのタイトル(TOEIC980点)しかない教師に
教えてもらう生徒はかわいそうだと、

本当にそう思いました。

やっぱり、私は教育現場を離れて一から出直さないといけない。

でも、このときは
「塾以外の仕事をしなきゃ」と思っただけで

私が何度も言っている「英語を勉強する目的」は
やっぱり見えていなかったと思います。


「私は何のために英語を勉強しているんだろう・・・」

「私は英語で何ができるんだろう・・・」

そして、突然その霧が晴れるときがやってきました。

それは、「机での勉強」を離れて、「実践に移ったとき」でした。

それまでは、文法を勉強して、教材のCDを聞いて、
ラジオ講座を聞いて、問題集を解いて・・・
そういう勉強でした。

もちろん、それも私にとっては必要な勉強でした。

でも、私にとっては多分この期間が長すぎたんですね。

「実践」に移るのが遅かった。

正確に言えば、
実践に移るのが怖かった。

「私には、英語を使った仕事なんてムリムリ」と
挑戦しようとすらしませんでした。
いつまで待つつもりだったんでしょうか(笑)

でも、ひょんなことから外資系で働くことになり、
突然、実践の場に身を置くことになりました。

もう、準備ができてないとか、怖いとか
そういうことを言っている場合じゃなく、
やるしかないという状況。

実際に自分が書いた英文メールが外国人によって読まれ、返事が来たり。
外国人と電話で打ち合わせをしたり。
仕様書を翻訳したり。

外資だったら超フツーの仕事ですけど、
こういうことを今までちゃんとやっていなかったから、
英語で何ができるかなんて分からなかったんです。

「実際に英語を使って何かをしてみる」
という一歩を踏み出してはじめて、

「これまで考えたことなかったけど、意外とこの仕事は私に向いてるのかも」

「この仕事はあんまり好きになれないな」

「この分野をもっと極めようと思ったらこういう勉強をしていけばいいんだな」

ということがどんどん見えてきました。


そして、
問題集を解いたり文法を勉強したりというのとは全く別の次元で
「自分に必要な勉強」が分かるようになりました。


まあ、今考えたら当たり前としか言いようがないんですけど、


できることをまず実践してみないことには
自分に何ができるかなんて、分かりはしません。

自分が何をしたいかなんて、もっと分かりません。


多分、これを読んで

「まさにそうだよね~」ってすごく納得している方と
「なんだそんなこと?」ってイラッときてる方と

きっと真っ二つに分かれてると思いますが(笑)
ほんとにそうなんだから、仕方ありません。

私の場合、現場で実践を重ねていくうちに
私って結構、翻訳得意かも・・・ と分かってきて

じゃあ、今の仕事では翻訳はオマケみたいなもんだから、
もっとちゃんと翻訳の勉強をしたらいいかも!

でも翻訳学校に行く時間とお金の余裕はないな・・・

おっ、Daily Yomiuriに翻訳コンテストなんてあるんだ~。
いい訓練になるかも。やってみよ。

新しい仕事に応募したら
翻訳スキルを評価されて翻訳者として採用してもらえた!

となったわけです。

または、こんな道もあると思います。


最終的には、フリーの在宅翻訳者になりたいな・・・



ってことは・・・

ここで翻訳の仕事をしながら実績を積んで
ある程度実力がついたら、

ここで仕事はしばらく続けつつ
トライアル受けて仕事をもらって
翻訳会社とのつながりを作ったり、
他の興味がある分野の翻訳も挑戦してみよう。


とかとか、
そういうことがどんどん見えてくるようになるわけです。

いろんなことが見えてきて、そうすると
自分は何がしたいのか、これから何をもっと実践していけばどうなっていくのか、
もっと分かるようになります。

「将来は英語を使って何かしてみたい」
と漠然と思いつつ問題集を解いたりTOEICや英検を受けてばっかりいても、

こういう具体的な考えにはほぼ行き当たらないです。


「実践」してないから。


だから、

実践しないとダメなんです。

実践してみてはじめて

「私はこの目標をかなえるために英語を勉強したい。
 そのためには今、これをやるべきなんだな」

って具体的に見えてくるんです。

「実践」っていうのは
必ずしも仕事を意味するわけじゃないです。

地域の国際ボランティア活動とか、それこそコンテスト応募とか
何でもいいと思います。

街で地図を見ながら困ってる風の外国人を見たら
話しかけてみるとか、
海外の「Yahoo知恵袋」的なサイトに質問を英語で書き込んでみるとか。

もちろん、生の英語を聞くとか、瞬間英作文トレーニングでも。

私も、1000時間ヒアリングマラソンで
初めてきちんと「生の英語」と向き合ってから、
ようやく会社で英語の電話を取る勇気が出ましたし、(笑)

瞬間英作文をやっていると、

「このトレーニングを続けたら
 通訳のスキルがもっと上がっていくな」

と、はっきり行き先が見えるようになりました。

ただ問題集を解いたり試験対策をしたりというのとは
全く別の次元で「やるべきこと」が分かって、
「自分の望む将来像」が見えるようになりました。

私が今、どんな将来像を思い描いて
何を目指して英語を勉強しているかは、

私のアルクサポートを受けてる方はご存知ですよね。


試験の点数とか合否を直接の目的としない「問題演習」とは離れた「実践」って、

「自分は英語で何をしてる時が楽しいのか」

⇒ 「自分は英語を使って何をやりたいのか」

⇒ 「自分は何のために英語を勉強するのか」

につながると思うんです。

だから、結局言いたいのは、


実際に英語を使って何かしてみましょうよ、ということ。


だって、

何かやってみないことには、何が好きなのかも分からないし
何が向いているかも分からないんだから。

スポーツをやりたいと思って

野球やサッカーをテレビで見てばっかりいても
知識は増えるかもしれないけど、

結局野球もサッカーもできるようになりませんよね。

とにかく家の外に出てみて、ボールを触ってみて、蹴ってみて
「お!これ案外楽しいかも♪」
ってものを、見つけてみたらいいじゃないですか。

もちろん、野球とサッカーが何かも分からないうちから
外に出ても効率悪いかもしれないし、
基本的なルールはテレビで学べばいいと思います。

でも、

「自分は野球もサッカーもまだまだ知識が足りないから
 こうやってテレビを見まくっているんです。

 これからは、イチローの全試合を見て勉強したいと思います。
 その後は、ペレの全試合を見てみます。

 それから、どっちが向いてるか考えてみたいと思います」

とかやってても、時間ばっかりかかって仕方ないですよね?
実践に移る前に歳取っちゃいます。

TOEICや英検でまず(必要以上に高い)目標に達して
それから実践に取り組もうと思っている人も

これとやってることは根本的には同じです。


準備は、完璧にできることなんてないです。

どんなに準備しても、
実践していくうちに、必ず「ここが足りない」ってことが出てきます。

だったら、
実践しながら勉強して方向を定めていきませんか?

その方が楽しいし、早いですよ。


英語学習の目的を見つける方法は、

「英語で何がしたいか分からない」とか言う暇があったら
 とりあえずいろいろやってみること。

試験勉強から離れて、実践してみること。

そうすれば、道は開けます。




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