日本人が英語が苦手な本当の理由【10年も勉強したのにしゃべれない問題】
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日本人が英語が苦手な本当の理由【10年も勉強したのにしゃべれない問題】

エバンス愛

※当ブログ記事には、広告が含まれます。

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よく、

「日本人は、中学、高校、大学と10年間も英語を習ってるのに、英語がちっともできるようにならない!!日本の教育はなっとらん!ヽ(`Д´)ノプンプン」

という話を聞きますよね。

 

英語を何年間学んだかは人それぞれですが、いずれにしても、

「あんなに時間を割いてたくさん英語を勉強してきたのに、全然話せるようにならないし、聞き取りもできない!」

という苦手意識は、かなり多くの人が持っているはずです。あなたも、そうかもしれません。

 

では、どうして日本人は、こんなに英語が話せない・聞けない・書けない・読めないのでしょう?

このページでは、日本人が英語が苦手な「本当の」理由をお伝えします。

 

ただし、単に「日本人って、だから英語が苦手なんですね〜(´·ω·`)ショボーン」で終わっては、意味がありません。「私たちは今後具体的に何をすれば、英語の苦手が克服できるのか」もお伝えします。

これからお伝えすることが、あなたの英語学習の改革に役立ったら幸いです。では、参りましょう!

 

日本人が英語が苦手な5つの理由

 

どうして、私たち日本人は英語がこんなに苦手なのでしょうか? 常識的な理由から、「え、そうなの?」という意外な理由まで、挙げてみます。

 

1.日本語と英語は言語学的に遠い言語だから

 

英語が得意な英語圏以外の国と言えば、どこを思い浮かべるでしょうか?

たとえばオランダ、ドイツ、スウェーデンなどは、英語がペラペラ話せる人がとても多い印象ですね。その理由は簡単で、彼らの母国語が「英語と言語学的に近い言語だから」です。

 

ドイツ語、オランダ語、スウェーデン語は「ゲルマン諸語」と言って、ドイツ語(German=ゲルマン)の仲間の言語です。英語もゲルマン諸語のひとつです。

ほかに、ノルウェー語、アイスランド語、デンマーク語などもゲルマン語の仲間です。

 

上に青で示したのが、ゲルマン諸語が話されている国です。英語とゲルマン諸語は、単語や文法が似ています。母国語と似ているのだから、彼らが英語が上手なのも当然ですね。

ピンクの国は、ラテン語から派生したロマンス語の仲間の国々で、青の国ほどは英語は得意ではない印象です。それでも、英語とは文法も単語も共通している部分も多いので、日本語を話す私たちよりはずっと有利でしょう。

 

英会話の習得にかかる時間の目安はどのくらい?【毎日の勉強時間別で必要な年数も掲載】という記事で、アメリカ人にとっての世界の言語の難易度をご紹介しましたが、実は日本語は、英語話者にとっては難易度が最も高い言語のひとつです。

理由は、英語からみると日本語は言語的に最も遠いからです。文法も違うし、英語由来の外来語を除けば、単語も全く違います。文字も違います。

 

アメリカ人にとって日本語が難しいのなら、日本人にとっても英語は難しいはず。だから、日本人はヨーロッパの人より英語習得に時間がかかり、苦労するのは当然ですね。

 

2.英語を話す訓練をしていないから

 

私たち日本人は、語学に特別に力を入れている高校に通ったのでもなければ、リスニング・スピーキングの訓練はほとんどやりませんよね。

というか、学校の先生の多くが、自分自身のリスニングとスピーキングに自信がありません。私たち夫婦が講師をしているSPEEDIER READINGにも、英会話の苦手を克服したいという高校の先生がたくさん参加してくださっています。

 

私たち日本人は、英語のスピーキング、リスニングをやっていないのだから、10年やったってしゃべれない、聞けないのは当たり前。日本人が英語を話せない、聞けない理由は、「訓練してないから!以上!!」(笑)

日本人は語学の才能がないとか、外国語が苦手な民族だとか、そんな理由では全くありません。

 

実際、日本人が海外に語学留学をする場合、入学時の文法テストでは日本人はハイスコアを獲得することが多いです。だから、日本人は英語が「苦手」なわけでは決してないんです。

日本の英語教育では、力を入れている分野がリスニングやスピーキングより文法というだけです。

 

ちなみに、入学テストでハイスコアを獲得した日本人が上のクラスに入れられて、会話で全然クラスメートについて行けず、結局は下のクラスに替えてもらう・・・という状況は、残念ながら日本人留学生あるあるです。

 

3.日本では英語ができなくても生きていけるから

 

ご存知の通り、日本ではほとんどの人は英語ができなくても、全く不自由なく生活できます。英語が苦手でも職探しに困ることはありませんし、日本人に囲まれて日本語だけで生活をしていけます。

大学も、よほど自分で英語に力を入れている大学に入学でもしない限りは、普通に日本人の教授による日本語の教育が受けられます。

 

普段の生活で全く困らない以上、日本では、「英語ができたらかっこいいな〜」程度の弱い動機で英語を始める人がほとんどなのです。

その場合、どうしても日常生活での英語学習の優先度が低くなるので、英語学習のモチベーションを維持してレベルアップできる日本人がとても少ないです。

 

【関連記事】【私が20年英語を続けた方法】究極の英語学習モチベーションの保ち方

【私が20年英語を続けた方法】究極の英語学習モチベーションの保ち方

 

その一方、世界には、外国語である英語でないと教育が受けられない人たちがたくさんいます。

たとえば、アジアやアフリカの高等教育は、現地語で表現できない概念がある分野については、英語やフランス語(旧宗主国の言語)でしか受けられません。だから、母国語ではない英語(or フランス語)に堪能であることが必須なのです。

 

日本では、明治時代に福沢諭吉などの学者が、西洋の学問用語を日本語に翻訳してくれたおかげで、難しい概念も日本語で表現できるようになりました。「民主主義」「経済」などは、明治時代に新しく作られた日本語です。

先人たちの努力のおかげで、私たちは、どんな分野の高等教育も日本語で受けられるようになりました。

 

私は大学時代に、たくさんのアジアやアフリカ出身の留学生と出会いましたが、彼らはみんな、英語やフランス語が堪能でした。

当時の私は、それをただ単に羨ましいとしか思っていませんでしたが、それは、自国ではエリートの彼らが、英語やフランス語でしか高等教育を受けられなかったからでした。

日本語で教育を受けられる日本は何と恵まれた国なのかと、何年も後になってようやく知りました。

 

また、発展途上国だけでなく豊かな北欧諸国でも、国内の市場が狭いので自国向けのサービスやエンタメが発展しにくく、英語に頼りがちだという現状があります。

 

たとえば、アイスランドではアイスランド語が話されていますが、アイスランドの人口はたったの37万人です。私の住む大阪府枚方市の40万人より少ないです(笑)。

アイスランド語でドラマや映画を制作しても、市場にたった37万人しかいないので、採算が取れないのです。だから自国のエンタメが発展しにくく、英語圏の映画やドラマを子供の時から見て育ちます。

しかも、北欧では母国語の字幕や吹き替えさえなく、英語圏のドラマや映画が英語のままで放映されることも多いそうです。そうやって子供の時から英語に触れているのですから、もう、インプットの量が、私たち日本人とは桁違いなわけです。

 

でも、日本は人口が減ってきているとは言え、まだ1億2000万人の市場があります。だから、日本人向けのドラマや映画、アニメがたくさんありますよね。英語圏のドラマや映画を無理に見なくても、日本語のコンテンツだけでいくらでも楽しめるのです。

母国語のドラマがたくさん見られて、大学教育も受けることができるのは、実は本当に貴重で幸運なことなんです。

 

4.英語のインプット量が圧倒的に足りないから

リーディング

 

「日本人は話せないけど、読み書きはできる」という人は多いですが、果たして本当でしょうか?

英字新聞や英語の小説を日常的に読んでいるような人は、日本人のごくごく少数派です。ほとんどの日本人は、英語が不自由なく読んだり書いたりできるレベルにはありません。

 

でも、おかしいですよね。学校では、リスニングやスピーキングと違って、「長文読解」は英語の授業でもかなりやりましたよね。

なのに・・・どうして、日本の英語教育では、ペーパーバックや英字新聞がスラスラと読めるようにならないのでしょうか?

 

その答えは・・・「読む【量】が足りなさすぎるから」です。

 

日本の英語の授業では、生徒にとにかく難しいものしかやらせません。だから、時間をかけた割に、実際に読んだ「量」が異常に少ないのです。

50分もかけて、ほんの1〜2段落の英語をネリネリネリネリ、コネコネコネコネして構文分析して、一語一句きっちり日本語に翻訳する英語の授業、あなたもきっと受けましたよね?

 

もちろん、構文解析は難しい文章が読めるようになるためには必要です。でも、それだと文法や和訳の勉強にはなっても、純粋な「読み」の練習にはなりません。

読む練習なんだから、「たくさん読む」ことが欠かせません。走る練習なんだったら、たくさん走らないといけないのと同じ。たったの1〜2段落を時間かけてコネコネしていても、それは読む練習としては不十分です。

だから、英語を読めるようになるためには、簡単な英語をたくさん読むことが必要なんです。

 

なお、英語を速くたくさん読むのに大敵の「返り読み」を矯正する方法については、以下の記事に詳しく書いています!ぜひあわせてチェックしてみてください。

英語を読むのが遅い人がやってる「返り読み」キッパリ治す5つの勉強法

英語を読むのが遅い人がみんなやってる「返り読み」キッパリ治す5つの勉強法

 

5.英語の実質勉強時間が足りないから

合格

 

このページの最初の、「日本人は中学、高校、大学と10年も英語を勉強したのに」っていうそもそもの前提を覆す話になってしまうんですが、実は、日本人ってそんなに言うほどたくさん英語をやっていないんですよ。

 

「10年も」って言いますけど、学校で毎日英語の授業があったとしても、たかが1日1時間

すごく勘がよくてセンスがあるとか、非凡な語学の才能がある人なら、それだけで英語がマスターできるかもしれません。また、前述したように、英語に似た言語圏の人なら可能性は高まるでしょう。

 

でも、実際は、ゼロから英語を始めた日本人が、たった1日1時間の勉強で、英語をマスターするなんて無理なんです。

それも、1時間みっちりマンツーマンで指導を受けたり、英会話やリスニングの集中的な訓練をしたのなら別ですが、一斉授業だし、あなたも居眠りとかしたでしょう?(笑)

 

なので、「中、高、大と10年間もやったのに・・・」という批判については、毒舌ではっきり言っちゃうと、

「1日たったの1時間、それもただボケーッと授業聞いてるだけで、英語がマスターできるわけない!」

です。

 

実際、日本人が英語ができるようになるまでにどれくらい時間がかかるかについては、この記事に詳しく書きました。一緒にどうぞ。

1日に何時間勉強すれば英語が上達しますか?に対する通訳翻訳者の答え

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日本の英語教育はどこが間違っているのか

日本の「文法重視」の英語教育は間違ってない

 

日本の英語教育っていろいろ批判されていますが、私はそこまで悪者にされるほどではないと思っています。

「日本人は文法重視の教育のせいで会話ができない」という批判はありますが、これは大きな誤解です。文法は英語で何をするにも必須の基礎なので、文法重視の教育は絶対にいいと個人的には思います。

 

「文法重視だから会話ができない」んじゃなく、「英会話の練習をしてないから、英会話ができない」という、ものすごく単純な話なのです。

 

私は、フランス語はゼロから始めて4年ほどで、普通にフランス人と会話する分には全く不自由なくなりました。フランス留学時代には、現地の映画館で(もちろん字幕なしで)普通にフランス映画を見まくっていました。

それほど早くフランス語がある程度マスターできたのは、大学で最初から徹底的に文法を叩き込まれたからだと思っています。文法は、それほど大事です。

 

以下の記事では、私がフランス語をどう勉強した結果、英語とくらべてはるかに短期間でフランス語が使えるレベルに達したのかを詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。

私がTOEICのリスニングで簡単に満点が取れるようになった理由【日本人がやらない勉強法】

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日本の「長文読解」の英語教育は完全に間違っている

 

「日本の文法中心の英語教育は、間違っていないと思う」とお話ししましたが、ものすごく間違っていると思う分野はあります。それは、日本の長文読解の教育です。

 

私が塾で英語を教えていたとき、ある生徒の夏休みの宿題を聞いて私はぶっ倒れそうになりました。

高校2年生の夏休みの宿題が、なんと「ペーパーバックを1冊読んでくること」だったからです。

ペーパーバックと言っても「ペンギンリーダーズ」のような語彙が簡単なものに制限されて読みやすくなっている学習者用の本じゃなく、普通のネイティブ用のペーパーバックです。

 

それも、ただ「読んでこい」ではなく、200ページある本のどこかが夏休み明けのテストに出て「下線部を訳せ」とか「この単語はどういう意味か」など聞かれるのだ、と。

「バッカじゃなかろうか!?」と、正直思いました。(度重なる毒舌、失礼しましたm(_ _)m)

 

その子が通っていた高校は進学校でしたが、どんなに優秀でも所詮は高校2年生。それも、2年生になってまだ間もない子たちです。TOEICを受けさせたら、400点台くらいでしょう。

そんな生徒に、ネイティブの大人用のペーパーバックを読ませて、それが夏休み明けのテスト範囲とは、先生はいったい何を考えてるのか・・・^^;

 

もちろん、文法などのレベル的には読解は不可能ではないでしょう。でも、それは「大量の時間をかければ」という条件付です。

案の定その生徒は、いつもの学校のリーディングの授業でやるように、分からない単語を全部調べ、本の中に書き込み、ノートに最初から日本語訳を書き、「まだ190ページもある!これじゃ間に合わん。どうしよう先生!!(;´༎ຶД༎ຶ`)」と涙目になっていました。

 

知らない単語を全て調べたり、全部を日本語に訳していては、とても間に合わないのは先生だって分かっているでしょう。

「『知らない単語があっても、話の内容がだいたい分かればよい』というスタンスで、どんどん英語が読めるようになってほしい」という意図のもとで出された宿題だったのだと思います。

でも、そんな訓練をしていない上に、高校生には明らかに難しすぎる小説を読ませても、どんどん読み進めることなど絶対に無理です。

 

あなたの高校の時の英語の授業も、「難しすぎる英語を全部日本語に訳させる教育」だったと思います。

リーディングの授業で出てくるのは、返り読みでもしなければ、全くもって意味不明で難解な長文でしたよね。全部日本語にしてみてはじめて、やっとおぼろげに理解できるような。

 

そうやって、私たちは「全部日本語にしないと、理解したとは言えない」「英語の勉強とは、難しい英語にたくさん触れるもの」という、ど根性的なやり方が正しいと思ってきたのです。

これでは、私たちが英語を英語のままでスラスラ読めるようにはなりません。だから、私たち日本人は、英語が苦手なのです。

 

今日、このページに出会ってくださったあなたには、これを覚えておいていただきたいと思います。

「全部日本語にしないと理解したとは言えない」「英語の勉強とは難しい英語にたくさん触れるもの」という考えは、幻想ですので、捨てましょう。

英語を英語のままでスラスラ読めるようになるには、まずここからです。

 

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日本人が英語が苦手な理由・まとめ

まとめると、私が思う「日本人が英語が苦手な理由」は、以下です。

1.日本語と英語は言語学的に遠い言語だから
2.英語を話す訓練をしていないから
3.日本では英語ができなくても生きていけるから
4.英語のインプット量が圧倒的に足りないから
5.英語の実質勉強時間が足りないから

 

で、言語学的に遠いとか、日本では英語がそんなに必要ないとか、学校教育が悪いとかいうのは、私たちにはどうしようもないことですよね。

じゃあ、私たちには何ができるか。

 

それは、もっと肩の力を抜いて、簡単な英語を大量にインプットすること。そして、英語を話せるようになりたいのなら、話す訓練をすること。それに尽きます。

 

日本人が英語を話せない、読めない、聞けない理由は、「訓練していないから」と「難しいことばかりやりすぎているから」です。

英語学習は、「量」なくして「質」はありません。英語が得意な人たちは、例外なくみんな、たくさんの英語をインプットとアウトプットしています。

というわけで、参考になったら幸いです!

 

簡単な英語をたくさんインプットするにあたって、楽しく簡単に読める英語の多読はとてもおすすめです。以下のページもきっとお役に立つと思いますので、ぜひ読んでみてください。

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Ai Evansエバンス愛

独学で英語を学び、国際機関で通訳者を8年経験したのち、独立。本物の英語力を身につけ、大和魂を海外に発信できる国際人を育てることが目標です。
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