苦手があってもいいじゃない!

苦手って、必ず克服しなければならないものだって思っていませんか?

私は、以前は思っていました。

でも今は、「苦手があったっていいじゃん!!」と
心から思っています。

私は、学生時代は
「おまえは理科が最悪だから、理科を頑張ろうな」と
いつも先生に言われていましたし、(笑)

何を隠そう、私自身も塾で教えていたときは
「○○ちゃんは長文が苦手だから、長文を中心にやろうね」
などとよく言っていました。

得意な分野はそこそこキープしつつ、
苦手な分野を上のレベルに押し上げることが、
学校教育では一番重視されているようです。

もちろん、これには一理あると思います。

平均80点くらいは取れる得意教科を100点にするのと、
苦手で60点しか取れない教科を80点にするのでは、

後者の方が達成できる可能性は高いということは、
誰でも経験から分かると思います。

だから、とにかく「合格」が目的である中学・高校教育では、
「苦手は克服するべき」という考え方で、
少なくとも日本では間違っていないと思います。

ただ、ずっとこういう教育に慣れてきたせいで、

大人になってからも、
「苦手は克服しなければ」という意識が抜けない人が多く、
そのために損をしている場合があるようです。

苦手を克服しなければならない場合

苦手は放っておいてもいい、と言っているのではありません。

例えば、英語で商談などをしなければならない人の場合は、
会話が苦手だと仕事になりませんから、
苦手克服はマストでしょう。

映画を字幕なしで見るのが夢、という人は
リスニングが苦手なら絶対に克服しなければいけません。
(もしくは、その夢を諦めるかのどちらかです。)

当然ですよね。

苦手を必ずしも克服しなくていい場合

これは、特に英検など資格試験を目指している方に、
よく考えてほしいことです。

例えば英検を受ける人が、よくこう言います。

「私はリスニングが苦手」
→ 「英検のリスニングで点が取れるようになりたい」

「私は語彙問題が苦手」
→ 「語彙を増やして苦手を克服しなければ」


私は、この姿勢は半分正解であり、半分間違っていると思います。

英検は合格点が低いので、苦手分野が一つくらいあっても
他の分野で点数が稼げれば、合格はできます。

また、資格試験は「合格したもん勝ち」「点を取ったもん勝ち」なので、
少なくとも本人以外にとっては、点数の内訳は重要ではありません。


だから、もちろん一人ひとりの目的によりますが、
苦手が苦手のままでも合格点、目標点に達する可能性があれば、
あえて苦手を必ず克服しようと考える必要はない、

というのが私の考えです。

他でカバーしきれないほど苦手が致命的なのであれば、
対策は必要でしょうけど
「ものすごく苦手」から「まあまあ苦手」ぐらいに進歩させれば十分、
という場合もあります。

「得意な分野で点数を稼ぐのがずっと近道」という場合もあるでしょう。

でも、これは私の主張の中心ではありません。

資格試験を目指すかどうかにかかわらず、
大人になった私たちは、
もっと大切なことを思い出さなくてはいけません。

それは、何のために英語を勉強するのか?ということです。

学校教育では、
受験に必要な全科目をバランス良く伸ばせと言われました。

でも、英語では、読む・書く・話す・聞くの4技能、
それに文法・語彙などの分野で、

苦手を引き上げて全部を同レベルに近づける必要なんて、
どこにもないんです。


自分の英語を学ぶ目的が達成されるのであれば、
バランスなんてどうだっていいはず。

苦手であっても、
それが自分に必要のないスキルであれば、捨てればいい。

または、より優先順位の高いスキルを伸ばした後に取り組めばいい。

ただ、それだけじゃないでしょうか?


英検のリスニングが苦手だからと言って、それを直接
「じゃあ英検のリスニング対策をしましょう」と考えるのではなく、

自分の目的にリスニングが
それほど大きなウェートを占めていないのなら、

より重要なスキルを磨くことで合格を目指したって、
別にいいはずです。

あなたの「苦手克服」は、あなたの目的とつながりますか?

少し前に、翻訳の仕事をするのが夢という方から
ご相談メールをいただきました。

このAさんは、スピーキングの苦手を克服するために
英会話学校に通っているということでした。

お子さんがいらっしゃってお忙しく、
また色々な教材や勉強法に目移りしてしまい、
思うように力が伸びないというご相談でした。

私は、
「スピーキングの勉強は、今は必要ないのではないですか」
とお答えしました。

時間が有り余っている人ならともかく、

Aさんは忙しい上に、スピーキングという翻訳にほとんど関係ない分野に
時間とエネルギー(とお金)を取られてしまっていて、
勿体ないと感じたからです。

「翻訳を仕事にしたいのなら、しゃべれなくても別にいいではないですか」
と言いたいわけではありません。

仕事で必要ないスキルは全て無視していい、
なんてことを言うつもりもありません。

ただ、「今、私は何のために英語の勉強をしているのか?」
ということを常に考え、その軸をきっちり固定した上で、

今やるべきことは何なのか、
今必ずしも克服する必要のない弱点は何なのか

しっかり考えることで、より効率よく、
また楽しく勉強が継続できると思うのです。


Aさんは、翻訳の仕事をするという目標が達成された後、
またはそのメドが立った後、

スピーキング力の向上について
改めて考えればいいだけのことです。

私は苦手を敢えて克服しようとはしません

私の苦手分野は、スピーキング語彙です。

どちらも本当に苦手で、英検1級でも足を引っ張った分野。

でも、この2つの弱点について、
私は全く異なる姿勢を取っています。


まず、スピーキング

私は通訳の仕事をしているので、
スピーキングが苦手なのは本当に致命的です。

というか、通訳失格? _| ̄|○ ガクッ

だから、最も優先順位を高くして取り組んでいます。

会話力は通訳のパフォーマンスに直接的に影響するので
勉強にも自然と力が入りますし、
かなり集中して学習できます


この仕事をしている以上、
「自然でしかも正しい英語をきちんと話す」というのが
私の目的なので

スピーキング力向上は私の目的に適っています。


次に、語彙

これはいろいろな所で書きましたが、
私の中で、現在の語彙力を大幅にアップさせる必要性は、
今は感じていません。

もちろん、必要性を感じた過去にはそれなりに勉強しました。
(⇒楽しく効果的に英検1級レベルの語彙力を身につける


また、今も語彙の勉強は全くしていないわけではなく

単語シート作り(⇒ラクなボキャブラリー強化法)は
継続しています。

でも、すき間時間を活用しているだけで、
語彙強化のための時間は取っていません。

それは、仕事や私生活で、
「単語が分からなくてどうにも困る」という状態にないからです。

もちろん、新聞を読めば知らない単語はたくさん出てきます。
翻訳をしていても、知らない単語だらけです。

でも、調べれば済む問題なので、
現在のところはこれでいいと思っています。

もし、語彙不足によって
翻訳のパフォーマンスが著しく落ちているとか
通訳で語彙不足のために問題が生じているということになれば、
もちろんその時にはきちんと取り組むつもりでいます。

*****

「語彙力アップは後でやればいいや!」

そう思えている現在は、本当に気が楽です。
その分、会話力アップにも力が入るようになりました。

だから、「苦手は必ず克服しなければ!」という意識は、
捨てませんか?

「苦手を敢えて(今のところは)克服しない」という選択によって、

「あれもしなきゃ!」「これもしなきゃ!」
という焦りから開放されます。

そして、より優先順位の高いスキルに
エネルギーを注げるようになりますよ。

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