通訳翻訳の仕事をしたいので、今はとにかく英検1級取得を目指しています

英検1級を取得し、英語の仕事につなげるためには
何の教材に取り組めばいいか?というご質問をTOEIC900点の女性からいただきました。

以下に頂いたメールとその回答を掲載しますが、
最初にお断りしておきますと、
この質問者さんの期待した答えには全くなっていないです。(笑)



—– 件名 —–
どちらの教材が現状では適切か?

—– 現在の英語レベル(教材・勉強法のご質問の場合) —–
2014年12月のTOEICで900を取得。現在までの最高スコアです。

—– メッセージ —–

えいみ様
初めまして。都内在住、37歳、独身、女性です。

今回メールさせていただきましたのは、
現在のわたくしの英語レベルと、目指す目標、現在の自分の状況を踏まえて、
ヒアリングマラソン1000時間と、ボキャブラリーマラソンの
どちらを受講する方がよいか、アドバイスをいただきたいと考えたためです。
無料のご相談の範疇に含まれない場合は、ご放念ください。

わたしは高校生の頃から英語が好きで、独学で取り組んできましたが、
勇気がなかったため海外留学経験をせず、また、机上の勉強ばかりであったので、
話す聞く、の分野が今も苦手で課題としています。

TOEICも、リーディングのほうは簡単と感じ、ほとんどできているのですが、
リスニングの、特に会話問題がいつも5割くらいしか、聞き取れていません。

1年ほど前から、CNN STUDENT NEWSを平日はほぼ毎日聴くようになり、
そのため、それ以前は、700点台どまりだったTOEICが、時間はかかりましたが、
900までスコアを伸ばすことができました。
ただし、マーク式なので、リスニングのほうは、まぐれもあると思います。

正社員になれずに、派遣でこれまで、英語を使えるということで
貿易事務を10年近く経験してきました。
通訳ができるほどの実力もない自分は、
貿易事務しかできないと思い込んでいたからです。

しかし、最近、現在の職場で、少しだけ翻訳をまかせていただく機会があり、
「自分が主業務としたいことはこれだ」と感じ、いろいろと情報を検索していくなかで
えいみさんのHPに辿り着きました。

ゆくゆくはわたしも、えいみさんが現在携わっていらっしゃる、
社内翻訳、通訳として仕事をしていきたいです。
つい先月に生まれた決意のため、手探りな状況ですが、
今はとにかく英検1級を取得することを目標にしています。

えいみさんも書かれていらっしゃいましたが、~を取得したから~になれる、
という単純なことではないと理解しております。

英検1級を取得したい、と考える理由は、やはり、英語で仕事をしていきたいと
考える今の自分に足りないことを(たくさんありますが)、
目指す中で改めて浮き彫りにし、対策していける、そして、
その先の自分の仕事の目標につなげていけると考えるためです。

長くなってしまいましたが、先ほども書きましたが、まず、
わたしはリスニング能力が圧倒的に足りていないので、

そこを強化するヒアリングマラソンか、1級を目指すことが先ならば、
ボキャブラリーマラソンが適しているのか、わたしのような状況の場合、
どちらがお勧めでいらっしゃるか、えいみさんのご意見を伺えたら、
ありがたいなと思っております。

読んでくださって、ありがとうございました。

—– 引用について —–
名前を伏せて引用可



リスニングとスピーキングが苦手でいらっしゃるのですね。
そして、いずれは翻訳や通訳のお仕事がしてみたいということですね。

TOEICは900点ということで、
就職活動には十分ではないでしょうか?

私自身の経験から言って、英検1級は就職活動に必要ありません。
900点を持っているのなら、それで十分です。

(英検1級が特にそれ以上の強みになることはないという意味で)

37歳というご年齢や、おそらくご自身で生計を立てる必要があるということを考えると、
できるだけ早く通訳や翻訳を仕事にすることを優先すべきで、
英検1級に合格してそれから、では遅いと思います。

もしかすると、合格にこれから2年とかかかるかもしれないわけですし・・・

ヒアリングマラソンも、ボキャビルマラソンもどちらもいい教材ですし、
あなたのレベルには適していると思うので、あとは何を優先するか、ですね。


> わたしはリスニング能力が圧倒的に足りていないので、
> そこを強化するヒアリングマラソンか、1級を目指すことが先ならば、
> ボキャブラリーマラソンが適しているのか、わたしのような状況の場合、
> どちらがお勧めでいらっしゃるか、えいみさんのご意見を伺えたら、
> ありがたいなと思っております。


ということですが、「1級を目指すことが先」という状況が
私の中ではあり得ないんですね。

本来の目的のために勉強を続けた結果、英検1級にも合格できた
その方がずっと有意義だと思うし、そうあるべきだと思うんです。


> 英検1級を取得したい、と考える理由は、やはり、英語で仕事をしていきたいと
> 今の自分に足りないことを(たくさんありますが)、
> 目指す中で改めて浮き彫りにし、対策していける、そして、
> その先の自分の仕事の目標につなげていけると考えるためです。


私の意見では、それは逆です。

英語で仕事をするには何が足りないかを探るために
まずはとにかく通訳翻訳の情報収集をし、派遣会社で話を聞いたり
学校や通信講座の資料請求をし、翻訳コンテストやトライアルに挑戦してみて
実際に通訳翻訳という仕事に触れてみるのが先です。



そして、実際に通訳翻訳の仕事を自分がするには
何が足りないのか、何をどのように伸ばすべきかを知り、それを重点的にやること
です。
そのための教材を選ぶべきです。英検1級に合格するためじゃなく。

通訳や翻訳を目指して勉強する過程で、
何も特別なことをしなくても、普通に英検1級に合格できる実力はつきます。


私自身、英検1級は通訳翻訳の仕事を始めた後に合格しましたし、
定期的に翻訳コンテストに応募しながら翻訳の訓練をする過程で、自然に
英検1級の長文読解が「簡単すぎて間違えようがない」という状態になりました。

私が翻訳未経験者に指導をしながら翻訳(下訳)の仕事を任せていた時も
「どんな勉強よりも、実際に翻訳をするということが一番役に立ちました」って
みなさんおっしゃいますし、その経験がきっかけで
本当の翻訳のお仕事をゲットできた方も一人や二人じゃありません。


英検1級の問題集をたくさん解いて、単語を覚えて、
型通りのスピーチやエッセーの練習をする。
これは、残念ながら通訳と翻訳の仕事にはつながらないです。

「エッセーの練習は翻訳の練習になるし、スピーチの練習は通訳の練習になる」
と言う方はたくさんいるでしょうが、結局これって

「私は腹筋を鍛えてお腹を引き締めたいです!」って言いながら
「腹筋を鍛えるにはやっぱ背筋とのバランスが大事ですよね!」とかって
背筋ばっかり鍛えてるのと同じことです。

そりゃ関係ないことはないし、役に立たないことはないけど、お腹を引き締めたいのなら
背筋運動の効果は、腹筋運動の効果には到底かなわないわけです。


通訳や翻訳を仕事にしたいのだったら、
通訳と翻訳の情報収集と勉強をすぐに始めるべきです。


たとえば、TOEICが600点台とか、英語の力がそもそも足りてない場合は
「通訳翻訳の勉強はいったん置いておいて、英語力そのものを伸ばしましょう」と
アドバイスすることはよくありますが、あなたの場合はもう900点なわけですよね。
もう実際に仕事をすることを見据えて訓練していいステージには十分いると思います。


そして、通訳翻訳を目指すなら、
リスニングが苦手でTOEICでもリーディングが得意ということなので、
まずは翻訳をより近い未来の目標として重点的にやっていく方が
おそらくいい結果が得られる可能性が高いと思います。

その上で、ヒアリングマラソンとボキャビルマラソンのどちらを選ぶかということなら、
私は1000時間ヒアリングマラソンがいいと思います。

たくさんの英語(ネイティブの英語)を聞いて情報を瞬時に正確に把握するという
トレーニングは、翻訳にもとても役に立ちますし
今はまだリスニングスキルがしっかり固まっていない状態だと思うので、
いずれは通訳を考えるなら、ヒアリングマラソンはやって絶対に損はないです。

逆に、ボキャビルマラソンは、「英語で情報収集するための教材」と考えてください。
英字新聞や海外のサイト、ニュースなどから情報を仕入れるときに、
いちいち知らない単語でつまづいていると非効率的なので
そういうニーズがある場合に特におすすめです。

翻訳には高い語彙力というのは実はそんなに重要じゃなくて、
知らない単語は意味を調べられるので、単語をいくら知っているかよりも
文章の理解力が大切になります。

が、今すぐやるべきことは
翻訳を仕事にするための具体的な行動だと私は思うので、
ヒアリングマラソンを今すぐやるかどうかはあなたの考え方次第です。


で、今はそれよりも、可能であれば派遣会社さんと相談して

「今は翻訳の勉強をしていて、今後は翻訳の仕事を中心にやっていきたいので
 もっと翻訳の仕事が多く任せてもらえるような職場に派遣してもらえないか」

と交渉してみることをお勧めします。私ならそうします。


というわけで、私の意見としては
「英検1級を目指す中で自分の足りないところを把握して・・・」
とかいうのは意味がないのでやめましょう、ということです。

英検1級の勉強 → 自分の弱点を発見 → 英検1級対策から仕事につなげる(←多分無理)

じゃなく、

通訳翻訳の情報収集と勉強 → 自分の弱点を発見 → 実践的な勉強から仕事につなげる

です。

お役に立ちましたら幸いです。


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