TOEICをゆっくり解けば900点の実力でも、通訳翻訳はまだ早い?

私はよく

「TOEIC700点レベル以下の方が
 通訳講座、翻訳講座などを受けるのはお金の無駄。
 特別な勉強をするより、基本的な英語力のレベルアップをするのが先」

といったことを言っているのですが、
それについて頻繁にご質問をいただきます。

(関連記事⇒ 翻訳の勉強を始めるにはTOEIC900点を取ってから?

今日は、こちらのご質問とそれに対する回答を
共有したいと思います。

***

> —– 件名 —–
> 通訳翻訳の学習

> —– 現在の英語レベル(TOEIC、英検など) —–
> TOEIC745

> —– メッセージをどうぞ —–
> いつもメルマガでお世話になっております。ありがとうございます。

> 「TOEIC700点レベル以下の方が通訳講座、翻訳講座などを受けるのはお金の無駄。
> 特別な勉強をするより、基本的な英語力のレベルアップをするのが先」
> と私は思っていますし、以前そういった話をしたことがあると思います。

> 上記に関する質問です。
> TOEICのレベルですが、これは本受験の点数結果であるかと思います。

> わたしはもちろん本受験でTOEIC受験し、TOEICで745を取りました。

> TOEICテスト公式問題集を使って学習もしております。
> 公式問題集を解く際に、2時間という制限時間を省いて解いたことがあります。
> つまり、

> 1)リスニング、リーディング順で解く。
> 2)書き込みしない。
> 3)辞書、文法書を使わない。
> 4)リスニングで聞き取りにくかった箇所は、何度もリピートして聞き直しても良い。
> 5)リーディングでも、時間をかけて解いてもよいが、辞書で意味を調べたりはしない。

> ・・・制限時間とリスニングで聞き直す以外は本番と同条件で、
> 公式問題集を解いたことがあります。
> その結果は何度か900を超えてます。

> 本試験では、”時間内で解く”という制約で
> 実力が出し切れないこともあるかと思います。
> この場合でも、やはり翻訳や通訳の学習よりも、
> 英語力アップに重視したほうがいいと思いますでしょうか?

> —– 引用について —–
> 名前は伏せた上で引用可

***


ご質問としては、

「リスニングを聞きなおし、リーディングを時間をかけて解けば
 900点取れる場合でも、通訳翻訳の勉強をするのに
 十分な基礎力ありと判断はできないか?」

ということでよろしいでしょうか?

まず、あなたがいつどのように通訳翻訳の
練習を始めるかは、あなたの自由です。

私はあなたの状況を何も知りませんし、
具体的にどういう通訳翻訳の勉強をしているのか
あるいはしようとしているのか分からないので、何とも言えません。

だから、あなたがどうこうではなく一般的な話をすると、
TOEIC700点レベルの方は、
英語のプロとしての訓練を積む十分な素地があるとは思えない

というのが私の考えです。


私が過去に翻訳者を募集した時には、
翻訳未経験者はTOEIC900点以上の方しか
応募すらできないようにしていましたが、

900点レベルの方でも
「翻訳以前にそもそも読解力が足りないですよ」という、
まだまだ翻訳どころの話じゃない方も実際かなりいます。



通訳学校も、TOEIC900点レベル、英検1級レベルが
入学の目安になっているところも多いです。
「通訳になれる」ではなく「入学できる」です。

TOEICはただの点数の目安でしかありませんが、
これらはもちろん本番の試験で獲得した点数について言っています。



ここから、少し厳しい言い方になってしまいますが、
あなたが一つ大きな勘違いをなさっていると私が思う箇所は、

> 本試験では、”時間内で解く”という制約で実力が出し切れないこともある

という点です。

時間をかけて解けばできるものが時間内にはできないというのは、
実力が発揮できていないのではなく、
それも含めてあなたの実力です。

何度も聞きなおしても良く、
ゆっくりじっくり読んでもいいのであれば、
誰だって本番の試験よりずっといい点数が取れます。


あなたが何度も聞き直して、時間をかけて読んでようやく正答できる問題を、
本試験でTOEIC900点台の人は、時間内に解いて正解することができるはずですよね?

ということは、TOEIC900点の人とあなたとの間には、
それだけの歴然たる実力差があるということです。

そう思いませんか?

解くスピードというのは、単なる点取りテクニックとか
試験でだけ役に立つことのように思われがちですが、

早く正解が導きだせる、一発で理解できるということは、
それだけ高い読解力があるということであり
高いリスニング力があるということに他ならないのです。


おそらくあなたは
「TOEIC900点レベルの人と同じ難易度の英語に対応できる」
ということをおっしゃりたいのだと思うのですが、
TOEICの問題をより少ない制限時間で正答できる900点レベルの人は
もっと難易度の高い英語にも対応できます。

また、高いリスニング力や読解力というのは
必ずしも難易度の高い英語が理解できるということだけではありません。
いかに速く正確に理解できるかということでもあります。

特に通訳や翻訳においてはスピードと正確さは
なくてはならないものです。

たとえば、通訳を目指すなら
一度で正確に聞き取れる力は必須です。

TOEICレベルのリスニングで満点レベルが取れるのは
通訳の訓練を受ける以前の話だと個人的には思っています。

そうでなければ、普通の(通訳者輩出の実績のある)
通訳学校の授業にはついて行けないはずです。
そういう状態で訳出のコツとかメモの取り方を習っても
あまり意味がないと思います。


もちろん、
「リスニング力を上げるために通訳の勉強をする」
という考えもなくはないと思いますし、
それがご自身にとって最良の選択であると思うなら
そのようにすればいいと思います。

でも、私個人としては、通訳翻訳の前に
「基盤となる英語力」を高めておいて、
プロになるための訓練はそれからでいいと思っています。

その方が、自分のレベルに合った勉強ができて
効率が良いと思いますし、
今まで通訳翻訳学校・講座の受講経験のある読者さんから
体験談をたくさんうかがって、さらに強く確信しています。

翻訳の通信講座を始めたはいいものの
課題の翻訳をやるのに時間がかかりすぎて
それ以外の勉強がほとんど出来ていないという
中級レベルの読者さんがいたのですが、

自分にとって難しすぎる英語を
こねくりまわしているだけでは実力は上がらないので、
本当にもったいないなと思いましたので・・・

というわけで、ご回答は以上になります。
お役に立ちましたら幸いです。^^


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